2008年6月アーカイブ

例によって、タイトルと中身はほっとんど一致しません。えへん。

「時報うぜえ」と言えばニコニコ動画。ニコニコ動画ネタと言えば、1ヶ月くらい前に「ほんこーん。」を書いたのですが、先週の終わりくらいからやたらと「ほんこーん ブログ」で検索してそのエントリーに来る人が増えてます。

念のため書いておきます。ここは「ほんこーんのブログ」ではありません。
でもって、「ほんこーんについてのブログ」でもないし、「ほんこーんのブログへのリンク」もありません。

そりゃそうだね。
で、なんで急にそんな人たちが増えたのかっていうと、24日にほんこーんがニコニコ動画にうpした新作が原因ということが判明。



いやー、これやばいっす。
すごい凡庸な表現してるのはわかってるんだけど、やばいです。ニコニコ動画のひとことコメントを勝手に引用すると、
> 初めてこの曲を聴いたとき、美しい旋律に惚れました。
> そして、歌詞を読んで、心から感動しました。
> 精一杯感情を入れようと思ったら、音程が不安定になりました。
とのこと。自らの感情をも揺さぶられたメロディーと歌詞は、曲の終わりのほうで極みに達するので、ぜひ一度聴いてみてください。さて、何がびっくりしたかって、歌声もさることながら歌詞を読んで心から感動したっていうところ。動画には歌詞も出ているので目で追いかけてほしいのですが、確かにこれはいい歌詞、うん。でも、それをほんこーんが(日本人かどうかっていうのをことさら過大に捉えるつもりはないです)これだけはっきり言えるっていうのは、本気で尊敬の念を禁じえないです。
例えば、おいらは中華圏の曲を聴いて、同じ感想を持てるかな。ここまではっきりと言葉にすることはできるかな。いやいや、日本人だけどこの曲にしたってそこまで「感動した」って言えるかな。そう考えると逆に少し情けなくなっちゃうね。

前にほんこーんの話をした時に、
> そして、他の歌い手さんと比べて圧倒的な強さで感じるのが、原曲への真摯さ。
って書いたけど、その感想はやっぱり変わらないです。うん。確かにほんこーんはガチ。

「夕日坂」もやばかったけど、これもすごいなあ。「つきうさぎ」はかなり鳥肌モノすぎて逆においそれと聞けないところもあって、そういう意味では「夕日坂」の方が好きだったりもするんだけど。



あ、そうだ。なんで「つきうさぎ」で「ほんこーん ブログ」の人が増えたかというと、コメントで「ほんこーんのブログ」を探している人が出てきて、他の人からお約束のように「ググれ」という答えが出ていたのが原因。しかも、言われた人がご丁寧に「ほんこーん ブログ」でググるものだから、おいらのブログにたどりついてしまったみたい。しかも、このエントリーのせいでさらにやってくる人が多くなっちゃうんじゃないか?むむむ。
「そんな検索でおいらのブログがひっかかるわけないじゃん」と思ったら、めっちゃくちゃ上位に出てきたよ。なんだよそれ。ほんこーんに悪すぎるよ。とほー。というわけで、ググる人はもうちょこっと捻ってググってください。

せっかくなので、初めて聴いたほんこーんの曲「メルト」もひさしぶりに聴いてみた。うわー。半年も経ってないのに、今と全然違うし。あー、でもおいらはこの「メルト」はかなり好きですね。それは絵との合わせ技っていうのもあるはずだけど、やっぱり前述と同じ理由からですね。発音にちょっと難があっても抑揚に癖があっても、歌に対する根っこはその頃から同じっていうことなんでしょう。だから、流星群の時に「タールト♪」ってなったときは「えええええええっ!」ってすごいショックだったし。あはは。



というわけで、蘋果日報(というか、明報とか文匯報とかが取り上げる光景がさっぱり思い浮かばない)はきちんとほんこーんのことを記事にするように!

宣伝かよ。

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前の記事、「そこでちょっとだけ小休止。」で、
> 台湾では今回の解決劇に「馬英九-福田康夫」というトップレベルでのやりとりがあったという報道が
> 一部でなされていて、これにはさすがにびっくりだ。
という台湾の四大主要紙が伝えた(りんご日報)はリンクすらしていなかったけど)ことを書いたけど、あのあと結局スレ立てしちゃいました。悩んだのだけど、比較的控え目で裏読みを誘うような中国時報をあえてソースに採用。
【日台】尖閣沖衝突事件の解決の裏には、馬英九総統と福田康夫首相のトップ同士のやりとり 総統府筋が明かす[06/21]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1214260423/

だいたい24時間もたたないうちに170レスほどがついて急に波は去ったのだけど、その間のレスの75%以上の人は、この記事の信憑性を信じて両首脳をたたくというよくあるパターン。残りの人の大半は、ニュースを懐疑的に捉えて記事の信憑性を疑うパターン。なるほど。あ、補足しておくと、記事そのものは正しく伝えていると思う。問題は情報源たる「総統府筋の人」の信憑性だよね。「両首脳が解決した」ということではなく「両首脳が解決したんだ、と総統府の人が言った」というところで、ピンと来たのは、(ID数えたわけじゃないけど)おそらく100人くらいが書き込んだ中で、お一人だけでした。117=123=125ね。

> 117 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん:2008/06/24(火) 12:45:54
>  馬陣営の宣伝だろう。
>  馬と福田というか、日本と台湾のトップの間にホットラインなんてあるわけがない。
>
>  少々やりすぎたと思って宣伝で誤魔化したいのだろうが
>  日本への誠意は無いな。
>
> 123 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん:2008/06/24(火) 12:52:43
>  裏っていうか。
>  ぜんぶ馬陣営に都合のいい嘘に見えるんだけど。
>
> 124 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん:2008/06/24(火) 12:54:44
>  >>123
>  嘘かもしれんが、台湾国民の火消しに入っているよな。
>  自分に火がつきそうなのがわかったんだろ。
>
> 125 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん:2008/06/24(火) 12:57:43
>  面子を保とうという魂胆だろうね。
>  悪化した対日関係を気にしてるわけじゃないところが誠意が無いね。

もちろん、おいらが前の記事で書いた「馬英九が自分の支持率を回復させる(とまではいかないにせよ、おいしいところをもっていく)ためにわざとリークした作り話」というのは、推測の域を出ません。でも、この中国時報の記事だけをもってここまで勘が働く人がいるというのは、(なんとなく一致したっていうのもあるけどさ)なんか嬉しいよね。別にこれまでに捨てたわけじゃないけど、捨てたもんじゃないな、っていう感じです。

一方、この記事が出た後の日本と中国の反応ですが、日本は大手紙が一切スルー。期待していた中国外交部などの反応も一切無し。つまんないなあ。ということは、不確かなソースによる「馬英九のお手柄」という既成事実だけが、しかも台湾だけで積み残されるという、これはこれで厄介な結末を迎えてしまった予感。

ここでタイトルに舞い戻って宣伝。
今日27日は、「第3回 2ちゃんねる全板人気トーナメントッッ!!」本戦1回戦に、東亜+が登場しています。「なんだって、投票するぞ」という人も、「ていうか何それ?でも投票するよ」という人のためにも、ここで投票のてびき。
---
(1) http://zenita.sakura.ne.jp/にアクセスしてください。 ←コード発行所が変わっています!!<<<<<<<<<
  (携帯用QRコード(即時発行):http://zenita.sakura.ne.jp/code.bmp
(2) 一行目の「第3回2ch全板人気トーナメントコード発行所はこちら」の
   「こちら」の部分をクリックしてください。
(3) 「戻る」か一旦ブラウザを閉じて10分間お待ちください。
(4) 10分以上時間が経過したら再び(1)(2)を行ってください。
(5) [[2ch**-********-**]]のようなコードが発行されています。
   それをコピーしてください。[[から]]までを全てです。
(6) http://etc7.2ch.net/vote/にある
   「『第3回2ch全板人気トーナメント』投票スレッド」というスレを探してください。
(7) (6)のスレに(5)のコードと、G-1組の <<東アジアnews+>> と、<<H-1組で投票する板名(プロ野球orハード・業界orオカルト)>>を、
   半角の<<と>>でくくって、投票スレに書き込めば投票完了です。

※注意:本戦一回戦は、2組同時開催です。各ブロック出場組から投票したい1板を選び、一回の投票(1レス)に
    選んだ各1板(合計2板)を書いて投票して下さい。出場組確認用:ttp://2ch.gepper.net/2ch.html

【投票見本】
[[2ch**-********-**]]
<<東アジアnews+>>
<<H-1組で投票する板名>>
@東亜+  ←※東亜からの投票だと先方にもわかるので入れて下さい
---
というわけで、よろしくううううううう。
宣伝っていうのは、このことでしたっ!

昨日、中の人の隣の人に「全板トーナメントの1回戦まで5日しかないんだけど、看板とか作らないとまずくない?」という話をしたら、10分で看板を作ってくれました。と思ったら、これは予選のときのボツのやつの使い回しですね。わかります。
ということで、あえなく再度ボツになったので、トップページの上のほうに晒しあげ。でも、これを見た東亜+の人は(東亜+の人じゃなくても)、27日投票をお願いします。
それにしても中の人の隣の人の東亜+看板案は、これで4度目のボツですね(過去2回は去年の「北方領土の日」のやつ)。国際+では採用されてたりするんだけど、センスが無いのかツキが無いのかよくわかりません。

さてさて、10日に発生した台湾漁船と日本の海上保安庁の巡視船との衝突事件から10日あまり。なんか珍しく頻繁に更新しちゃっていたので、このへんで小休止。っていうか、事件そのものも「手打ち」になったみたいなので、大休止かもしれないね。
【日台】尖閣沖台湾漁船沈没事故、欧鴻錬外交部長と池田維交流協会台北事務所代表が「政治決着」[06/20]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1214024980/

この間、あちこちの方にご覧になっていただいたみたいで、気がついたらカウンタがけっこう回っていて驚きました。つっても、普段ほっとんど気にしてなかったので、この10日間にどのくらい増えたのかさっぱりわかっていないんですけど。いろんなブログで取り上げてもらったりして恐縮です。左上のほうにも書いているように、素人がずらずらっと書いているだけなので、東亜でも誤訳をしばしばバシバシ指摘されているので、あんましあてにならないんですけどね。あとあと問題にならなきゃいいんですが。
ということで、そんな素人が書いているのをご了承いただければ、リンク貼ろうがメタメタに叩こうが構いませんので、どうぞご自由に。でもって、いろいろいただいたコメントとかTBとかはおいおいお返事させていただきます。あと、中の人の隣の人に教えてもらったんですが、コメントの仕様を少し変えたそうなのでお気軽にどうぞ。
あ、でもニコニコ動画にURLが書いてあったのにはさすがにびっくりしました。うp主はおいらじゃないのでそれだけよろしくです。

おっと、閑話休題。上のスレで引用した産経の記事のほか、読売・日経・毎日あたりも同様の顛末が記事で書かれているのだけど、やはり日本側はこれまでどおり台北の交流協会を通じて台湾側とコンタクトをとっていたようです。0.002%くらい期待していた官邸や外務省本省が主導での解決はなりませんでしたね。ていうか、今回外務省の影が薄すぎて薄すぎて、うっかり外相が誰だったか忘れるくらいでした。
ところが、台湾では今回の解決劇に「馬英九-福田康夫」というトップレベルでのやりとりがあったという報道が一部でなされていて、これにはさすがにびっくりだ。
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/21/today-p2-2.htm (自由時報)
http://www.udn.com/2008/6/21/NEWS/NATIONAL/NATS9/4394006.shtml (聯合報)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,110501+112008062100098,00.html (中国時報)

あ、ごめん。一部じゃなくて全部だ。
聯合報の記事から訳して引用すると、
> 日本が聯合号事件で謝意を表明したが、総統府筋によると「これは台日政府がトップレベルで接触し、
> お互いが共同して努力した結果だ」という。それによると、馬英九総統と福田康夫首相は連携を取って、
> 今回の事件を平和裏に終結させるという共通認識で合致し、両国は漁業交渉も視野に入れている。

本当かよフフン。さらに聯合報では、この総統府筋の話として、
> 2年前、当時台北市長だった馬英九が日本を訪問した際に、当時衆院議員だった福田と会っている。
> 馬英九は当時、福田に強い印象を受けており、福田は先見性のある政治家だと思ったという。
なんだこの提灯記事は。っていうか、馬英九に見込まれたってある意味政治家として死亡フラグじゃないのか。

さすがに、これは聯合報の飛ばし記事じゃないかと思ったら、上に書いたように総統府筋から「馬英九-フフン」いう話が出てきたのは本当みたい。もっとも自由時報はその話を伝えたうえで、やや懐疑的に
> 総統府側に確たる裏づけはないものの、しかしもし馬英九と福田康夫がこの事件を利用して、
> 直接の関係を構築し、ひいては双方の政府のトップレベルのホットラインを作り上げれば、
> 台日関係の今後の発展に重大な意義を持つことになる。
と今後の見通しを含みで伝え、ことこの件に関しては冷静な中国時報に至っては、
> 台日の「超トップレベル」の連携の方法については、総統府筋も具体的な明言は避けたものの、
> お互いの「超トップレベル」の連絡は一対一ではなく、また異なるルートで力をあわせたものでもなく、
> 馬英九、福田康夫が親書を通じて行い、その後決定するような方法と見られている。
> 馬英九、福田康夫の間に「台日ホットライン」ができたかどうかは、結局のところ知る由が無い。
と報じ、仮に今回の政治決着が両国首脳まで及んだ内幕があったとしても、今回の事件を契機として今後の台日関係がより緊密になるかどうかというと、やはり現段階ではなんともいえず、むしろ過度の期待は禁物といったところでしょうか。ていうかハナっから信用してないけど、こんなニュース。

というのも、この21日にいっせいに報じられたこのニュース、どうも馬英九を持ち上げるために総統府が持ち出した自作自演の香りが拭えません。ご存知のように5月20日に総統に就任した馬英九だけど、就任1ヶ月を機に行われた各種の世論調査で、支持率の急落が目立ってます。
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/20/today-fo2.htm (自由時報)
http://www.tvbs.com.tw/news/news_list.asp?no=aj100920080619175505 (TVBS)

民進党の調査では59.6%が馬英九政権に不満足という結果が出たほか、藍系メディアであるはずのTVBSでも、支持率は41%と低迷し、「8年前の陳水扁政権は同時期77%の支持があった」とチクリ。就任直後のご祝儀支持率はおろか、総統選挙での得票率すらも下回り、50%を割っているというのは、これまでの馬英九の政歴の中でも異例の事態と言ってもいいでしょ。
両方の調査で共通しているのは「物価高対策」に対する不満なのだけど、特にTVBSの調査では馬英九政権のいわゆる「危機管理能力」にも触れていて、両岸関係については60%が肯定しているものの、物価対策で58%が、尖閣問題で45%が不満と答えている状況。
特に、過去のエントリーでも書いたように、今回の事件では馬英九の動きがほとんど前面に出てきてません。当然、一部国民がヒートアップしている中で、しかもそのほとんどが藍系の人々が占めている中で、彼らによって選ばれたと言っても過言ではない総統が「シラネ」ではお話になりません。しかも、そんな状態のまま終わったのでは名誉の挽回のチャンスが永遠に失われてしまう。というのを考えると、これはもしかして「最後は馬英九が締めました」「馬英九が日本の謝罪を引き出しました」「これを機に馬英九が日本との新たなパイプを作りました」ということをアピールするための飛ばしかな、という邪推もそうそう間違ってはいないのかな。

面白くなりそうなのは、このニュースに中国がどう絡んでくるかということ。
既に「なんか結局変な報道が入り混じる台湾漁船と海保巡視船の衝突事件。」で書いたように、今回の導火線には中国のいらぬちょっかいも含まれているのですが、実は17日の中国外交部の定例記者会見では、10日の発言を繰り返すだけという追撃が不発の展開でした。ところが今回のこの報道が出てくると、これは北京にしてみれば「台湾と日本の政府がトップレベルで交渉した」っていうか「日本政府が自分たちをスルーして中華民国政府とハイレベルで交渉しやがった」ということになり、記者から万が一この話を振られた場合、はたして「そんな事実は無い」程度で済ませられるのかというwktkが出てきますね。24日の記者会見がちょっと楽しみです。
え、日本の場合ですか。これが例えば安倍ちゃんだったら「オリンピック50日前に爆弾ktkr」とかなったかもしれないけどフフンなので、奇想天外な展開は期待できそうにないですね。きっとマッチーあたりが「そのような事実は確認しておりません」程度で瞬殺すると思います。あー、でもフフンだともっとそっけなく「ありませんよ、そんなこと」ってぶら下がりあたりで言っちゃって終わりそうだけどさ。

小休止。とか言っておいて最後が「明日の姜瑜をお楽しみに!」になってしまったのはちょっと予定外。えー、しばらくまたーり更新しようと思っているんだけどさ。
聯合号の事件に端を発した一連の騒動は、日台間の外交問題、あるいは漁業問題といった一次的な問題から、やけにあっちこっちに飛び火して、しかもことのほか過度に煽られて燃え上がっているので困ったもの。

さて、一昨日書いた「馬英九や中国国民党に「武士の情け」は通じるのか。」だけど、結局は馬英九が許世楷駐日代表の辞表を了承するという形で落ち着きました。とはいえ、
> 馬総統は、衝突事故が未解決の上、
> 立法院への説明義務を屈辱を受けたという理由で怠り、辞意を表明したのは「遺憾だ」とした。
ということで、やはりこの人には許世楷の本意がわかっていないようですねえ。
【台湾】馬英九総統、許世楷駐日代表の辞任認める 後任は空席、当面の間は羅坤燦副代表が代行[06/17]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1213714638/

そんな許世楷は、台湾に戻ってから謝長廷など緑系の人物と相次いで面会していて、昨日18日は陳水扁前総統とも会っていました。その会談後、メディアに囲まれて質問の受け答えが終わり帰ろうとしたところで、愛国同心会のメンバーの男が突然、背後から左肘で許世楷をどつくという事件が発生。おいおい、一歩間違えていたら惨事になっていたよ。っていうか、また愛国同心会かよ。本当にどうしょうもない連中だね。
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/19/today-p3.htm (自由時報)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,110502+112008061900490,00.html (中国時報)
http://1-apple.com.tw/index.cfm?Fuseaction=Article&Sec_ID=1&ShowDate=20080619&IssueID=20080619&art_id=30669779&NewsType=1&SubSec=66 (蘋果日報)

さすがにこれには緑系もブチ切れ。民進党の陳啓昱は、この原因が国民党立法委員による言われなき侮辱に原因があるとして謝罪を求めるなど、やはりというかなんというか、与野党の争いの色がだんだんと濃くなってきたような予感。これは長引くとますます馬英九にとって不利になってくる希ガス。というのも、軟着陸するのであれば藍系からの反発は必至だし、かといって長引かせれば長引かせるだけボロが出るのと、緑系が言うように台湾としての利益が無くなるということ。ここでウルトラCとして、フフンが台湾を国として扱いながら妥協点を探るというのも考えられなくはないけど、タイプする時間が無駄なのでカット。むしろ、両国にとって最悪なのは、なんだかわかんないけどうやむやなままに終わって、結果的に今のような「なんだかわかんないけど微妙に険悪なムード」だけが残るというもの。ああ、馬もフフンも得意の展開じゃんか、それ。
ちなみに、中国時報にその場面の写真が載っていたけど、襲っているはずの相手(写真右)の方がへっぴり腰で、許世楷(同左)のほうがどっしりしているのは気のせいかな。ちなみに、また「外省人か」とか「中共の手先か」っていう人が出てくると思うので書いておきます。ベトナム籍の前科者だそうです。おわり。
http://www.udn.com/2008/6/19/NEWS/NATIONAL/NATS9/4391257.shtml (聯合報)
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そんな許世楷が自由時報のインタビューに答えているので、興味のある方はぜひ。っていうかごめん、まだ全部読んでないっす。
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/19/today-p2.htm (自由時報)

今日の本題に向けて以下は1,2行でてきとうにコメント。っていうかいつも適当なんだよね。
・外交部、「今回の事件は台日の漁業交渉にとってチャンス」
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061901061,00.html (中国時報/中央通訊社)
いや、状況としては確かに「漁業交渉が開かれるかも」という可能性はあるにせよ、そこから先に台湾にとって明るい未来があるとはとうてい思えないんですけど。未来が読めなくてもいいけど、せめて空気読め。どんだけ墓穴掘ってんだか。

・羅福全元駐日代表:日本政府は馬英九の事件の対応に不安を抱いている
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061901059,00.html (中国時報)
http://www.udn.com/2008/6/19/NEWS/NATIONAL/NATS9/4391335.shtml (聯合報)
この方もすごい聡明な人で、話の内容を見ても「なるほど」という部分が多いです。むー。


なんかフラッシュとか言っておきながら2つしか見つからなかったし。
で、本題というのは10日に台中市で起きたという日本人の母子が見知らぬ男にぶん殴られたという事件。
http://www.udn.com/2008/6/19/NEWS/SOCIETY/SOC1/4390388.shtml (聯合報)

ごめんねー。おいらほとんど依頼スレ見ないから気がつかなくて、しかも今出先だし。
で、問題の事件なんだけど、聯合報を読んだ限りではこんな感じ。
10日16時頃、台中市内の公園で母親と小学生の子供が、50代とみられる見知らぬ男性に突然襲われて殴られたというもの。台中市の警察では、聯合号の沈没が大々的に報じられたのよりも前に起きたことから、タイミング的に偶発的な事件だと考えているとのこと。とはいえ、事件発覚後、台中県大雅郷の日本人学校では通知を流したほか、放課後にはスクールバスの下車地点に送り迎えの母親たちが来たとのこと。
確かに、10日の事件は発生したタイミングを考えてみても、いわゆる「反日機運」や「注意喚起」と結びつけるのはちょっと早計だと思う。
【日台】尖閣諸島をめぐり反日機運 日本の在台・交流協会が注意喚起[06/17]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1213675019/

だけど、今回の事件が不必要に拡大していったのは、日台両国の極端な発想や紋切り型な発想の人たちによる「100か0か」、「白か黒か」にもあると思うので、注意するのにはこしたことはないね。誰もが「すわ来たか」と思ったように、逆に「よし行ったか」と思う阿呆がいないとも限らない。
今回の一連の件でことごとく思ったのですが、カンタンな発想を好む人たちというのは、自分の考えていたイメージが否定されると猛スピードで逆サイドに移動して、今度は逆にそこからまったく動こうともしなくなる。やれやれ。「台湾が親日から反日に大きく舵を切った」などと感じた人は、自分自身が台湾に対するイメージを勝手に大きく反転させられていることにもあまり気がついていないんです。踊る阿呆は損しないんだけど、踊らされる阿呆は単なる阿呆なんです。

ここで面白いのが対岸、中国の環球時報に乗った記事。台中市の事件や「注意喚起」のことにも触れているのだけど、面白いのはその解説。
専門家の見解として「島内の爆発的な反日感情は、長期的な民族感情と民衆の感情が集まったものだ。台湾島内では、いくつかの「台湾独立」勢力がトップとなりずっと日本に対して「寛容」だった。2001年にも台湾漁船が日本の巡視船に衝突して転覆した事件があったが、当時は船長が刑事事件で罰を受けたほどであった。しかし今では、「日本の台湾に対するこのような横暴な政治的いじめと経済的なダンピング」は、台湾の民衆に既に意識されており、「媚日」勢力は既に「反日」感情に敵対するだけになっている」と書いてます。へへえ。
さらにどこまで本気なのかわからないのだけど、「台湾の政府はこれまで南京大虐殺などの歴史にまったく重点を置いてこなかったが、「歴史の記憶と傷跡は消し去ることができない」のであり、このような反日感情は、台湾の民衆の歴史的な感情と相まってこのように爆発的に飛び出したのだ」という。いや待て。日本統治時代の話ならいざ知らず、なんでわざわざ南近代虐殺を持ってくるのかと。さすが中共は違うなあ。というかこの論理だと、矛先は228事件を引き起こした国民党にもいずれは爆発的に向くことになるんだけど。
なお、最後には、台湾の若者たちにある「哈日」感情についても苦言を呈しています。「台湾にこのように巨大な反日の流れができあがっているが、青少年の日本に対する態度は劇的には変わりにくい。台湾の青年たちは「色とりどりで美しい」日本文化を捨て、「荘重で重厚な」歴史の責任感を背負うべきだ」とのこと。あはは。変わりにくいのはこの専門家らしき人たちの考え方のほうじゃないのかな。
http://first.huanqiu.com/2008-06/144139.html (環球時報)
どうも中国国民党の内部では「我らがプリンス馬英九が、日本で『反日』というレッテルを貼られているのは許世楷のせいだ」とでも思っているようで、現状把握にミスっている以上、今回の件が軟着陸できたとしても馬英九政権の4年間(5年目以降は無いでしょ)はどうも今回のノリで行ってしまいそうな予感。もっとも、4年間の間に総統府そのものがなくなってしまう可能性も捨てきれないのだけどね。

その許世楷駐日代表は、昨日書いた「今回の漁船衝突での最大の被害者は、船長じゃなくって許世楷駐日代表。」のとおり、国民党サイドから「台奸」などと言われるありさまで、ついに16日には立法院に登院して委員会報告を行う予定を拒否し、台北國賓飯店で記者会見を行いました。
この記者会見のタイトル(台湾の人って何にでもタイトルつけるよね)がまたふるっていて、「士可殺不可辱,請即刻准辭」。つまり「もののふは殺されども辱めは受けない、即刻辞任を認めよ」というもの。もともと、許世楷駐日代表は陳水扁前総統の任期最終日である5月19日をもって辞任すると述べていたけれど、何せ馬英九が後任を着任させないものだから1ヶ月にわたってロスタイムが続いていたというもの。タイトルの後半にある辞任を認めるべき云々というのは、今回の責任の一端を許代表に負わせようとしている国民党政権を非難する意図がありありだけど、実際んとこそうなのだからしょうがない。
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/17/today-p1.htm (自由時報)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061600761,00.html (中国時報)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,110501+112008061700104,00.html
(中国時報)
http://www.idn.com.tw/news/news_content.php?catid=1&catsid=2&catdid=0&artid=20080616ah001 (自立晩報)
http://www.udn.com/2008/6/17/NEWS/NATIONAL/NATS1/4387731.shtml (聯合報)

この騒動、一義的には任命している者、というか後任を決めずだらだらとしてきた馬英九(総統が任命する職なので)のせいなのだけど、自由時報はこれにからめて「政府は無能 前政権の生き残りを引っ張りまわさなくてもいいじゃないか」という題の特稿で、政府の一覧の不手際を厳しく追及。「おお」と思ったのは、事件が起きた10日から11日にかけての初動体制のお話。記事では、
> 漁船事件の対応で明らかになったのは、政府が「無主」状態になっているということだ。
> 事件当日、劉行政院長と馬英九総統には、次々と7時8時台に情報が入ってきてたが、
> 逆に中国外交部の秦剛報道官が次の日に先んじられ「中国台湾」から日本に抗議がなされた。
> 台湾が激しくいたぶられ、このことが国民の怒りの発端となった。
と、初期段階での抗議が中国に先んじられたことを「炎上」の原因としていて、これは確かにそのとおりだと思う。もっとも、これは非常に難しいさじ加減で、例えば陳水扁政権だったらどこまで初動の段階で日本にアクションを起こしていたかというと、けっこう微妙なところ。秦剛発言は確かに着火点ではあったと思うけど、おばかな国民党が「民意」なるものに油を注いだことも大きな要因なきがす。
そのうえで、記事では馬英九が完全に政府をコントロールできていないと指摘し、今後どのように解決していくのか、いち指導者としてのビジョンがさっぱり見えないとばっさり切ってます。

そんな馬英九総統は17日になってようやく「平和的解決」を指示。これまで国安会の面々と集まっていたらしいけど、そんな中途半端な指示を出すには4日遅すぎでしょ。ちょっと一国の宰相としての器かどうか怪しい空気。しかも、許駐日代表の辞表については、既に馬英九総統には口頭で報告がなされているものの、行政院への報告やそこから馬英九総統への正式な報告はこれからとのこと。ありゃりゃ。今後は駐日副代表が行うとのこと。
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,110501+112008061700102,00.html (中国時報)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061701065,00.html
(中国時報)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061701067,00.html (中国時報)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061701068,00.html (中国時報)
http://www.udn.com/2008/6/17/NEWS/NATIONAL/NATS9/4387898.shtml (聯合報)

誰か国民党を止めてください。
17日午前の立法院での質疑で、中国国民党の廖國棟立法委員からとんでもなくアホな質問が飛び出した。中国時報の記事から抜粋して翻訳。
> 国民党の廖國棟立法委員は今日(17日)午前、行政院に対して、
> 国家的な利益を考えて、中国と共同して日本に対抗し釣魚台の主権を堅持することを考えては、と建議した。
> これに対して劉兆玄行政院長は「そのような意見は、慎重になるべきだ!」と答えた。
おいおい、原住民選挙区選出の立法委員(廖國棟は平地原住民区選出。ちなみに高金素梅は高地原住民区ね。)がなんでそんなこと言うんだよ。「そんなんばっかりが選ばれるのに原住民選挙区とはこれいかに」とかそのうち言われかねない。
とか、ギャグで終わらせると怒られそうだね。16日にスレが立った中国の国際先駆導報を読んでから思いついたような感じのこの意見。ある意味、100%中共の戦略に釣られてますね。はあやれやれ。劉行政院長も、ちょっと隙を見せれば食いつかれることを覚えたのか手厳しく一蹴しているけど、まだまだだね。「バカヤロー」くらいはやっていいと思うんだよ。こういう釣り師に対しては。
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061701066,00.html (中国時報)
【尖閣問題】 中国紙、“中台共闘”の連携に期待感「両岸(中台)は手をつないで釣魚島を守ろう」 [06/16]
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1213627663/

そんな国民党サイドからは、呉育昇から「外交部長からの登院要求を拒否するというのは、公然と上司の命令に違背したことを意味し、立法院を軽視するものだ。国家政府の体制に違背する者に、退職院を払ってはならない」という発言まで出る始末。どうやらこの顛末、禍根を残さずに許世楷がリタイアできるような、「武士の情け」は期待できそうにない。ていうか、してなかったけど。
http://www.udn.com/2008/6/17/NEWS/NATIONAL/NATS1/4388055.shtml (聯合報)


> 台湾船沈没、台湾メディアの報道過熱
> http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080616AT2M1600B16062008.html
という日経の記事が出たので、引き続き15~16日の台湾メディアをおっかけてみましょうか。さすがに事件から1週間近くが経過して、各メディアでも温度差というか傾向が出始めてますね。

まずは国内世論に関する報道を自由時報から。劉行政院長が揚げ足を取られた「開戦も排除しない」発言の発端となったのが国民党の立法委員であったように、全体的な傾向として国民党はイケイケイドンドン(いちおう「反日」っていう言葉は使わないでおきます)、民進党は当初こそ総統府・行政院の対応を「緩慢だ」と批判していたけれど、馬英九政権の対応が単に主権を主張するだけから、強硬姿勢に傾いたあたりから日台関係を憂慮してからか、今度は行き過ぎの批判を展開し始めています。
民進党の蔡英文主席は一連の政府の対応について、「国民党政府は、事件発生時にほとんど反応しなかった。国民が激しい抗議の声を上げると、今度は駐日代表の召還など事態の処理に度を超えた対応をしている。民意は激化するものだが、政府が対応を行うときは、つとめて平静を保たねばならない」と語ってます。なるほど、確かに当初は意外なほどに静かで、世論の突き上げにどう反応するか、みたいなことを「過去の自分の発言が、今さらながら自分を縛っているという馬英九。」で書いたけど、そのときはまさかここまでアクセルを踏むとは思ってもみませんでした。
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/16/today-p1-4.htm (自由時報)

一方、馬英九はというと、民進党サイドが行き過ぎを批判しているけど、かたや国民党サイドがそもそもエンジンブレーキを搭載していないので、ガソリン切れまでしばらく走りそう。この行き過ぎの見方というのは大きく分けて3つあって、一つは隣国である日本とのこれだけの大問題(にしちゃったわけだけど)について、国民の支持が得られていないまま突っ走っていること。また非常事態で民意の支持は後追いになるとはいえ、どうやら着地点も国民の支持が得られそうにないということ。2点目は、そもそも対日関係を悪化させても意味が無いということ。14日の自由時報では、現役の軍サイドからも「日本を敵にすることで台湾に何のメリットがあるというのか?」と半ば呆れ気味のコメントが飛び出してます。まあ、そりゃそうだよね。3点目として、台湾を語る上で外せない中国の存在。15日の自由時報では、おなじみ東京特派員の張茂森が「日台関係が悪化して得をするのは中国だ」と書いたのを皮切りに、対中国と対日本で主張の度合いが異なる馬英九を「ダブルスタンダードだ」「媚中仇日」と批判する記事が並んで、ようやく以前のような自由時報が帰ってきた感じ。少し意外だったのは、中国時報が林中斌元国防部副部長などのコメントを伝える形で、「馬英九が中台接近を進めれば、民進党政権時代とは逆に日台関係が弱まっていくだろう」と控え目ながらも伝えていること。

http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/14/today-p1.htm (自由時報)
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/15/today-fo1-3.htm (自由時報)
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/15/today-fo4.htm (自由時報)
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/16/today-p1-6.htm (自由時報)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,110502+112008061600284,00.html (中国時報)

ところが、その一方で聯合報が止まらない。
16日には「日本は何を恐れているのか?我が国と中共の関係が上手くいくことを恐れているのだ」というとんでもない煽りタイトルの記事を配信。中を読むと
> 今回の海上での揉め事は、多面的である。敏感な「漁業権」「主権」に関するものだけではなく、
> 本質的には「人権」の問題も含まれており、事態を複雑で難解なものにしている。
> 漁業権や主権の問題をすぐに解決することはできないのだから、政府はまず人権の角度で取り組むべきだ。
ということで、いきなり問題解決のためには「なぜ起きたのか」という漁業権・主権を棚上げし、(これまで主権棚上げで漁業権の議論をっていうのはあったけど、それすらも棚上げ)乗組員の人権問題で解決しようというのはびっくりだ。だってこれ、どう考えたって日本側に被害は無いんだし、そちら系な視点で見れば、船は沈められるわ拘束されるわっていう船長カワイソスってなるのは自明の理。なぜ海保が出張ったのかというそもそもの原因を考えればこんな主張は文字にできないはずなんだけど。「あたご」とはわけが違うんだよ。
あ、でもそういえば帰国した船長は、やたらと自分が負った怪我についてアピールしていたな。
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/16/today-p1-4.htm (自由時報)
http://www.udn.com/2008/6/16/NEWS/NATIONAL/NATS9/4386041.shtml (聯合報)

さらにこの記事、日中台の三国関係において、日中関係の改善より中台関係の改善が上回っているとしたうえで、こんなトンデモ展開。
> 釣魚台は日本にとって両岸を同時に怒らせるテーマにもなりうる。
> ちょっとしたことで日本が戦略上三角形の中で孤立すれば、知恵と外交テクニックを活用して、
> 台湾は小さな力で大きな地位を得ることができるだろう。
というわけで、こりゃどうしたらよいのかな。中台関係が接近して日本が「あ、やばいじゃん」って思うのは、「日中関係が出し抜かれた。やばい。中国ともっと仲良くならなきゃ」なんていう理由じゃないんだけど。
http://www.udn.com/2008/6/16/NEWS/NATIONAL/NATS9/4386050.shtml (聯合報)

さらに聯合報は、15日に第11管区海上保安本部の謝罪コメント「結果として遊漁船を沈没させ、船長にけがをさせたことは遺憾だ」にも噛み付く。すなわち「日本が使う遺憾という言葉は、ミスを認めたものではあるものの故意ではないことを意味する」として、日本の態度に不満を連ねている始末。
http://www.udn.com/2008/6/16/NEWS/NATIONAL/NATS9/4386052.shtml (聯合報)

特に聯合報は、外交部が召還した許世楷駐日代表もお気に召さない様子。これだけ反日キャンペーンを張っておいてから、許世楷を「台湾独立派の急先鋒、保釣に緩慢」と正面から非難。上に書いた「遺憾」の扱いにしても、「これは日本では謝罪を意味する」と「擁護」に取られかねない発言(実際謝罪だと思うけどあれは)をしているだけに、とりわけ藍系陣営からは目の上のたんこぶのようで、これを機にさっさと後任を選べと政府にかなり強めに主張しています。これだけ風当たりが厳しいと大丈夫かなと帰国後のことを心配してしまいそう。
特にクリティカルヒットなのは、許代表が立法院の委員会に提出した27ページにわたる報告書の内容。日本側が既に謝罪と賠償という「譲歩」を示していることから「我が方もこれを重視し、双方の協力関係を拡大して過度の感情的なぶつかり合いは避けるべきだ」と述べている。また一見して今回の事件に関係なさそうな馬英九総統の日本観にも触れていて「日本は馬英九総統の『反日』を心配し、新政府の動向を注視している。馬英九総統が八田與一の追想会に出席してから、日本側でもだんだんと疑念が払拭されつつある。これはわが政府の対日関係が良好になり始めたことを意味し、これを契機として双方の関係に新たな1ページとするべきであり、漁船問題が双方の信頼の基礎を損なうようなことになってはいけない」と、今現在の政府の行動をいさめるかのような内容になっている。ていうか、これさりげなく馬英九批判じゃん。
許代表は、既に辞表を提出しているものの、今回の事件によっていわば「預かり」状態。欧外交部長は、この辞表の処理を行わず引続き対応にあたらせると言っているけど、既に民進党が許代表を支持し、国民党が批判するという形が出来上がってしまっているだけに、この処遇についても与野党の攻防に巻き込まれてしまうような予感。ていうか国民党サイドからの批判のうち、「台奸」はわかるけど、「日本人」っていうのはあたかも大中華な発想で、さすが中国国民党だなあと思った。
http://www.udn.com/2008/6/16/NEWS/NATIONAL/NATS1/4386078.shtml (聯合報)
http://www.udn.com/2008/6/16/NEWS/NATIONAL/NATS1/4386077.shtml (聯合報)
http://www.udn.com/2008/6/16/NEWS/NATIONAL/NATS1/4385933.shtml (聯合報)
http://www.udn.com/2008/6/16/NEWS/NATIONAL/NATS1/4386477.shtml (聯合報)
http://www.udn.com/2008/6/16/NEWS/NATIONAL/NATS1/4386489.shtml (聯合報)
http://www.udn.com/2008/6/16/NEWS/NATIONAL/NATS1/4386501.shtml (聯合報)
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/16/today-p1.htm (自由時報)
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/16/today-p1-2.htm (自由時報)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061600763,00.html (中国時報)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061600764,00.html (中国時報/中廣)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061600766,00.html (中国時報/中廣)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061600762,00.html (中国時報)


ああもう。最近は映画もほとんど見に行けてなくって、どうにかなんないかな。
実写映画「西の魔女が死んだ」は来週21日から公開予定。これも見に行きたいなあ。

さて、東亜+の眉ツバな伝説として、「ソース第一主義」というのがあるそうです。何らかの根拠を持って議論をぶつける、あるいは根拠を持ってぶつかってこい!というのは、確かに聞こえがいいのだけれど、とかく自分で何もしないで「ソース」を連呼するのはどうかなあって思います。あ、一般論として。残念なことに、半島情勢のスレってほとんど見たことないので、そういう場面ってあんまりお目にかかったことがないんだよね。ホント、新参記者でごめんなさい。

今回の台湾・聯合号と日本の海保・こしきの衝突沈没事件の報道→スレの中で思ったのは、日頃こういった「ソース第一主義」を標榜している人たちって、案外ソースを確認しないっていうこと。ていうか、もっと言えば、自分たちが強気に出られるようにしか解釈を認めないし、そういう解釈ができればいいと思ってるみたいっていうことですね。日頃、自分たちの主張が危ういとマスコミの報道姿勢なんかを叩いたり疑ったりするのに、今回のようなケースでは疑いもしなかったし。「月曜日?ボコボコにしてやんよ」って言ってるのとあんまし変わらない空しさかもしんない。あ、いちおう言っておくと、台湾の一連の姿勢を肯定するとかしないとかそういうお話じゃないです。それはまたいずれ。「ソース第一主義」などと言って議論の相手方にふっかけるくらいなら、少なくとも一国の首長や政府機関の語った内容の報道は、自分でソース元くらい確認しようよっていうことなだけなので。

10日の事故後、11日に外交部が事故後2度目の発表で、主権主張をちょいと強めに出したところ、船員の帰国などといった部分は一切カットした挙句、
> しかし、今後も平和的で理性のある外交交渉の方式によって釣魚台の主権争いの問題にあたることを堅持する。
というくだりをも削ってあたかも主権主張だけをしていたかのように書いた毎日新聞。この記事と外交部の発表については、前のエントリー「なんか結局変な報道が入り混じる台湾漁船と海保巡視船の衝突事件。」でも書いたとおり。

そして、東亜のムードが一変したのが、劉兆玄行政院長が立法院での答弁を元に書いたとされる毎日新聞の記事。スレは大いに盛り上がって★9まで継続しました。まあ、どういうレスで盛り上がったのかは想像に難くないよね。
> 【台湾】「最後の手段として開戦も排除しない」 尖閣諸島問題で台湾首相★9[06/13]
> http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1213435057/

この「最後の手段として開戦も排除しない」発言、記事ではどのように取り上げられていたかというと、
> 台湾の遊漁船が日本の巡視船と接触し沈没した事故をめぐり、台湾の劉兆玄・行政院長(首相)は13日、
> 日台間の領有権争いに関する議会答弁で「最後の手段として開戦も排除しない」と発言した。

ということで、読み方によっては今回の衝突沈没事件を発端にした争いで、戦争も視野に入れるとも読める。いやいや、百歩譲って一般論と見ても、「尖閣諸島問題が戦争に発展することもありうる」っていうところかな。この毎日の記事がある意味上手いのは、「事故をめぐり」と書いておきながら「領有権争いに関する議会答弁で」と、さりげなく前提をシフトしているところ。いやまあそりゃ「事故」→「領土問題に火がつく」→「こじれる」→「戦争の可能性も」っていうのはありうるかもしれないよっていう読ませ方もあるかもしれないけど、そこはもう百歩譲っても、この毎日の元記事のタイトル「<尖閣諸島事故>「開戦も排除しない」 議会答弁で台湾首相」っていうのはありえないでしょ。あたかも事故に対して「開戦も排除しない」ように読めるし。やってくれるぜ毎日新聞。

さて、この発言、13日の午後には劉行政院長自ら発言を軌道修正。
> 【台湾】行政院長、「『最後の手段として開戦も排除せず』は、平和的道筋が断たれた場合の話」と発言修正[06/14]
> http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1213455841/

ちょうど自由時報の記事にやりとりが載っていたので訳を引用。
> 国民党の陳根徳立法委員は質問で、馬英九総統が青年時代に「一戦も辞さず」と言ったことに触れ、
> もし総統が開戦の命令を出した場合、「我々は開戦することになるのか?」と質問し、劉兆玄行政院長は、
> 「私が思うに、両国の間の争いが開戦に発展するというのは、最後の最後の段階での手段だ」と答え、
> 陳根徳は「それは、排除しないということか!?」とたたみかけ、劉兆玄行政院長は「そうだ!そうだ!」と述べた。

ということで、あくまで尖閣問題が戦争に発展する可能性を問われた時に、「可能性としては捨てきれない」と述べたにすぎないのです。そりゃそうだね。主権を主張している以上、そりゃ手段として残されるべきものだし、そうは言いながらもあくまでそれは最後の最後の手段。これは正しいと思う。戦争は外交の延長線上だとおいらは思っています。
ところが、毎日新聞はこれをみごとに部分抽出し、上のように書いたと。しかも19時台に配信された段階では、この発言は

> いわゆる開戦も排除せず、という発言に対して詳細に説明を行い、
> 「先ほどの発言を少し修正したい。私は一貫し、一戦も辞さずという言葉を使っていない」と述べ、
> 馬英九総統が青年当時に言った「一戦も辞さず」という発言の
> バックグラウンドとなる条件について解釈を述べたものだと語った。
>
> 劉兆玄行政院長は、「馬英九総統の当時のこうした発言は、平和的な道筋が全て
> 断たれた後、最後の最後になって主権を守るためには『一戦も辞さず』と述べたものだと考えている」と述べた。
と軌道修正しているんです。(しまったと思ったのは、このスレを立てたときに行政院長が発言を原文にならって「修正」って書いちゃったことですね。「説明」にしていれば、スレの中身も変わったかもしれない)いわば、火が消えた状態なのに、炎上中の記事を書いたも同然。やれやれ。ちなみに翌日8時台に配信された産経の記事では、
> 中央通信によると、日台の主権が絡む尖閣をめぐる問題で、開戦は最終手段になると発言した劉院長に対し、
> 中国国民党選出の立法委員(国会議員)が開戦の可 能性があるかと確認したところ、院長はこれを肯定した。
> その後、「対話による平和解決を前提としたものだ」と訂正したが、
> 台湾では事故をきっかけに反日的 な報道が過熱している。
と比較的正確に書いてます。ま、毎日と半日のタイムラグがあるとはいえね。

ここでおいらが残念だと思うのは、少なくとも14日の早朝の段階では産経ソースで上のような記事が出ているのに、毎日ソースでスレが継続されたということ。そんでもって、スレの中には自由時報の記事のURLまで貼って劉行政院長が修正したことを書いている人だっていたのに、スレの流れとしては大々的にスルーされたこと。少なくとも数千レスにわたって、ちょっと古い発言を元に「台湾おまえもか」とか「やれるもんならやってみな」的なレスが繰り返されたっていうことですね。普段からソース云々言っている人が、「どんな風に言ったんだろう」と思ってちょこっと調べてみればいいだけなような気がするんだけどね。日本語ソースもあるし、別に現地ソースにしてもエキサイト翻訳でだって大意はつかめる(っていうか繁体字なら使わなくてもつかめる希ガス)んだし。
しかもおいらもしくじったと思うのは、上にも書いたように行政院長が「修正」と書いたものだから今度は「チキった」とか「何を今さら」とか出てきたこと。いや、そもそも毎日の記事がおかしくて、発言の撤回とかをしたわけじゃないのにね。どうやったら>>1をちゃんと読んでくれるんだろ。

別に台湾の言うことを十把一絡げで信じろとか言うつもりはないんだけど、自分たちが国士サマ的な発言をできるようなものはさくっと信じちゃうようなのはいかがなもんだろうか。そんなワンフレーズだけの報道を目の当たりにして「ん?」って思わないのかな。ソース第一主義っていうのは、そういう意味でもあったと思っていたんだけど、どうやらおいらの勘違いか既に死語となっているようです。

あ、ちなみに、例の許世楷駐日代表の「召還」の件だけど、14日の外交部の発表では抗議としての「召還」なのか交渉経緯を確認するために呼んだのか判断しがたい、みたいなことをスレで書いたけど、15日19時(台湾時間)の外交部の記者会見で、はっきりと前者であることを言ってしまいました。あぁあ。
http://www.mofa.gov.tw/webapp/content.asp?cuItem=32078&mp=1

そういえば、台湾の中での報道はどんな風に拡散しているんだろと思って、各紙を見てみる。10日から11日にかけては、沈没する→連れて行かれる→13人帰るという事実を報じるだけだったんだけど、11日から12日にかけていろんな方向に話が飛び始めてます。

比較的おとなしいのは自由時報。12日の記事では、16人のうち13人が帰国したというニュースのほか、秦剛報道官の「中国台湾の漁船」発言に対する反発がピックアップ。このあと紹介する馬英九の過去の発言も交えて、ややダイジェスト的に報じてます。
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/jun/12/today-p6.htm (自由時報)

一方、大々的に馬英九をけしかけているのは、実は国民党サイドだったり藍系メディアだったりします。国民党の李慶華立法委員は、「政府は軟弱だ」と主張して、「釣魚台の主権が台湾にあることを宣言し、今回の件の責任は全て日本に負わせるべきだ」とたたみ掛ける。きたこれ。あー、ちなみに、こう書くと「また外省人か」って脊髄反射で書く人がいるのでいちおう書いておくと、この人は李煥・元行政院長の息子で、いわゆる外省人二世ってやつですね。「外省人の息子ということは(ry」とか言い始める人にはもはや何を言っても無駄なので、どうぞもうご自由に。
李慶華のブチ切れポイントはいくつかあって、「(台湾の海巡署の船が、日本の領海に出入りを繰り返したけれど、この時、外交部が争いの不拡大を狙って引き返すよう指示していたことを指して)海巡署が自発的に引き返しては、当該海域が日本の領海と認めたことになる」「外交部の『遺憾』コメントは不十分だ。なぜ『抗議』や『非難』ではないのか」「馬英九総統は博士論文でこのテーマを扱っている。外交部は日本と交渉する前に馬英九総統に教えを請うべきだ」といったところ。ドサクサに紛れて台北県長も激しく主張していて笑える。尖閣諸島は宜蘭県っていう設定だろうに。ま、そんだけ国民レベルの話なんですよっていうことなんだろうけどさ。いかんせんこの県長さんは烏来の高砂義勇隊記念碑の一件以来、まともな思考回路の人とは思えないのでほっておくことにします。
外交担当が腑抜けと突き上げられるのはどこも一緒ですね。実際腑抜けかどうかは別にして。特に最初の主張については、中国時報でも「日本の主権を認めるものだ」と激しく主張してますね。というか、馬英九の論文のテーマと言うのは、もはや釣りなんじゃないかと思っちゃうんだけど。
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130501+132008061201273,00.html (中国時報)
http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,110501+112008061200125,00.html (中国時報)
http://www.udn.com/2008/6/12/NEWS/NATIONAL/NATS9/4380981.shtml (聯合報)
http://www.udn.com/2008/6/12/NEWS/NATIONAL/NATS9/4381386.shtml (聯合報)

というのも、実際にこうして馬英九が国政の舞台に立つと思っていなかったのかもしれないけれど、誰がどう考えても、馬英九の過去の発言は致命的すぎる。過去の「一戦も辞さず」発言などは案の定報道にもピックアップされ、緑系からもほぼ同様の主張がやってくる。緑系からは、外交部長の辞任を求める声や、「馬英九ハッタリかよ」という誰もが予想できるストーリー展開になりつつあります。確かに馬英九の過去の発言やスタンスからすれば、今回の事件はいのいちばんに日本を非難してもおかしくなかったはず。けれども実際には状況の拡大を抑え、従前の主張にそった形でプレスリリースするなど、ある種拍子抜け。それはそれで、皮肉にも馬英九の好きな「現状維持」に相応しい行動のはずなんだけど、当然これまで馬英九を見てきた人にしてみれば物足りなさを感じるわけで。となると、その突き上げの矛先は他ならぬ馬英九自身に行くわけです。さらに、これまで尖閣問題では日本に対して穏便に済ませてきた緑系にしても、チキンレースに追い込めるとあってここぞとばかりに過去の発言と対比させて馬英九を叩くわけだから、馬英九は過去の自身が敷いたレールから外れられなくなっているぞこりゃ。
http://www.udn.com/2008/6/12/NEWS/NATIONAL/NATS9/4380977.shtml (聯合報)
http://www.udn.com/2008/6/12/NEWS/NATIONAL/NATS9/4381384.shtml (聯合報)

中にはどうも暴走している人がいるようで、なおさら馬英九も着地地点を決めあぐねているもより。
国民党の林郁方立法委員は、「陳肇敏国防部長は艦隊とミサイルの準備をすべきだ」などと言ってて、これはちょっといくらなんでも頭に血が上りすぎだろこれ。さらに聯合晩報では、同じく領有権争いのある南沙諸島の太平島を引き合いに出して政府を批判している。つまり、「軍が駐在し飛行場まで作っている太平島は死守するけど、釣魚島は海巡署に引き返しを命じるのか?」というもの。かなりネジの飛んだ文章で、この聯合晩報の記事は読んでて面白い。飛びすぎてて正確に訳せる自信がないよ、これ。
http://www.udn.com/2008/6/12/NEWS/NATIONAL/NATS9/4381512.shtml (聯合報)
http://www.udn.com/2008/6/12/NEWS/NATIONAL/NATS9/4381505.shtml (聯合報)

そのためかどうかわからないけど、総統府が午前中に予定していた記者会見は、16時(日本時間の17時)に延期。今ちょうどやってる頃かな。これもどうなることやら。まさか考え無しの馬英九でも、いきなり宣戦布告なんてしないと思うけど。
http://www.udn.com/2008/6/12/NEWS/NATIONAL/NATS9/4381506.shtml (聯合報)
10日未明、尖閣諸島近海の領海で、台湾漁船と警戒活動中の海保巡視船が衝突、台湾漁船が沈没しました。
 【日台】魚釣島沖の日本領海内で海保巡視船と台湾漁船が衝突 漁船は沈没[06/10]
 http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1213055148/

尖閣海域で台湾漁船が拿捕されたり追い出されたりするのは、これまでもけっこうあったことだけれど、これまでと一味違うのは、相手の漁船と巡視船が接触し沈没したというところ。
報道を読む限り、日本の巡視船が接近したところジグザグ航行を繰り返すなどといった行為が原因に読めるので、こと今回に関しては海保GJというか決して責められる話ではないよね。もっとも、漁船側の主張が若干異なっているそうなので、今現在のところ乗組員などのうち3人が石垣島で引き続き事情聴取を受けていて、残りは台湾に帰国したんだって。
通常のパターンであれば、台湾側はいちおう尖閣諸島の主権を主張しつつ、「当該海域には漁業権の整理がついていないのだから拿捕などは行うべきではない」と言っておいて、漁民を安全かつ速やかに帰国させて一件落着させるというもの。
現に、10日の時点での台湾の外交部のコメントはシンプルなもので、乗組員らの安否と帰国に関するものがメインでした。
 http://www.mofa.gov.tw/webapp/content.asp?cuItem=32025&mp=1 (中華民国外交部)

ところが今回、余計なところから火がついちゃいました。今回、話がおかしな方向に向かいつつあるのは、半分以上これが原因だと思う。
 【日台中】台湾遊漁船衝突沈没事故に中国外務省が強い不満を表明 [08/06/10]
 http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1213105836/
運悪く、火曜日の中国外交部の定例記者会見の重なり、秦剛報道官への1発目の質問でこれが飛び出した。上のスレの共同の記事では、
> 『重大な関心と強い不満』を表明、日本政府に尖閣諸島付近での『違法活動』を中止するよう求めた。
> (略)秦報道官は尖閣諸島について「古来中国固有の領土であり、中国は論争の余地のない主権を有している」と主張、
> 日本側に事故の再発防止も求めた
とだけしか出ていないので、外交部のサイトから引っ張ってみます。

> 「答:釣魚島は昔から中国の固有の領土であり、中国が争いようの無い主権を有している。
> 我々は日本の海上保安庁の船に対して、釣魚島附近の海域での活動や中国台湾の漁船を沈没させたことに関し、
> 重大な関心と強烈な不満を表明する。
> 我々は日本政府に対して、釣魚島附近の海域における不法活動を停止し、類似事件が再発することを要求する
 http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t445819.htm (中華人民共和国外交部)

こらこら共同通信、「日本側に事故の再発防止も求めた」って記事では書いてるけど、これだと「事故の起きるような手段を用いずに」としか読めないじゃん。秦剛はこともあろうに、「尖閣海域での上保安庁の活動は不法な活動なので停止せよ」って言ってて、活動を停止することで事故再発を防げって「要求」してるんだよ。こんなアホな要求をご丁寧に「『違法活動』を中止するよう求めた」を前半に切り離してオブラートに包んでどうすんのさ。

やれやれついでが、12日の毎日新聞。こっちもスレが立っています。
 【日台/遊漁船事故】外交部声明『尖閣は台湾領土』背後に世論圧力も [08/06/12]
 http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1213238836/
という、11日の外交部コメントをベースにしたトホホな記事。記事によれば、台湾の外交部がスレタイのとおり主権問題について改めてコメントを出したことになり、
> 尖閣諸島について『台湾の領土であり、主権を宣旨し、守ることに疑いの余地はない』とする声明を発表した。
> (略)11日付の台湾各紙が事故を大きく取り上げたことから、世論の圧力が加わり、
> 強い姿勢を示す必要に迫られたとみられる。
と分析しています。その外交部コメントも引用してみましょ。あんまり長くないので全文翻訳。

> 我が国の漁船「連合号」の13人は石垣島で健康診断を受けたあと、本日(11日)午前6時半に、
> 無事に台湾に帰国した。外交部では、衝突事件発生後13人が平穏無事に台湾に帰ってこられたことに
> たいへんほっとしている。このほか、政府は漁民の権益を非常に重視しており、既に駐日代表処に対して、
> 船長および乗組員の残り3名を速やかに帰国させるよう日本政府に申し伝えるよう指示した。
>
> さて、釣魚台の主権争いについては、わが政府は一貫して我が国の領土であるという立場を堅持している。
> 主権の宣言と維持について政府の決心は揺るぎないものであり、変わることのないものである。
> しかし、今後も平和的で理性のある外交交渉の方式によって釣魚台の主権争いの問題にあたることを堅持する。
> また、今後は海巡署とも協力し、漁業保護を強化していく。
>
> 外交部では、今回の事故の発生について、既に日本側に抗議を表明しており、現在のところお互いに
> 事故調査を行い、仮に日本の巡視船に事故の原因がある場合には、外交部は国民の権益保護の立場に則り、
> 関係機関を通じて日本側に対して漁民の求償を手助けするだろう。
> 台日間では、既に15回にわたる漁業交渉が行われてきたがコンセンサスを得るにはいたっておらず、
> 日本政府が速やかに我々と交渉を行って漁業権問題を解決し、紛争を取り除き、損害を避け、
> 両国の友好な関係を期待する。
 http://www.mofa.gov.tw/webapp/content.asp?cuItem=32036&mp=1 (中華民国外交部)

ということで、毎日の記事だけ読むと、あたかも竹島における韓国の主張のように、「とにもかくにも領土問題」という立場に見えるけれど、今回の外交部コメントでも主権の話はあくまで一部にすぎません。むしろある意味10日のコメントにもあった従来どおりの主張を分量だけ増やしたっていう感じ。しかもよくよく読めば、解決のための交渉もやぶさかではないという姿勢を見せているにも関わらず、台湾側が強硬な言い方をしているかのような記事の書き方はどうにかならないかなあ。
10日に秦剛が行った「中国台湾の漁船」という発言に対して、行政院の史亞平新聞局長が「そのような言い方は歓迎できない」ってコメントしていたけど、この毎日新聞の書き方っていうのもまさにそんな感じ。いやいや、むしろ時系列を考えれば、「中国台湾の」という秦剛発言がきっかけとなって11日の主権発言が飛び出したと解してもおかしくはないよね。

これはあくまで台湾びいきなおいらの考えなので割り引いて読んでほしいのですが、台湾の尖閣諸島に対する主権の主張は大きく分けて3つの意味があると思うんです。
1つはナショナリズム的な主権の主張。これがいちばんカンタンな発想で、いちばん火がつきやすい。後述するけど馬英九なんかはこれですね。そして、とかくこのグループとして一緒くたにされやすい。しかもそれを見て受け取る側もこのタイプが多かったりする。「台湾が日本に対して主権を主張=台湾も反日」って変換ですね。こまったもんです。
もう1つは、あくまでこの海域が優良な漁場であることからの実利的な主張。つまり、尖閣諸島での漁業権益は手放しがたい、さりとて日本側に分がある以上、主権の存在を否定して「漁業権だけキープ」というのは至難の業。となればあくまで主権を主張して、ひとまず主権問題は棚上げしてキープしつつ、漁業権益の問題を先行してまとめ、一定の権益を確保してソフトランディングを図ろうっていう考え。おいらの甘い見込みかもしれないけど、先行して漁業問題でお互い納得できる結果が得られれば、主権の問題では台湾は譲歩するような希ガス。
さて、これにも絡むのだけど、最後の1つというのは台湾という「国」としてのアイデンティティを賭けた主張。1つ目と大きく異なるのは、「俺たちのものだ」という考えか「わが『国』のものだ」という考えかという点。日本や韓国だとこれがニアリーイコールなので、気がつかないかもしれないけど、台湾にとってこれは大きな違い。2つ目の漁業問題の絡みとも関係するのだけど、これまで行われてきた日台の漁業交渉というのは、決して「国と国」という立場ではないのです。日本が台湾を国として認めていない以上、おおっぴらには言っていないけれど主権争いの相手となる「国」ではないのだから、建前上主権争いのテーブルそのものが存在しないはずなんです。いやいや、霞が関の人たちには「ないことになっている」んです。台湾がことさらに主権の主張とセットで「外交交渉による解決」を訴えるのは、頼るべき隣人であるはずの日本が、交渉のテーブルの存在自体を「ないことになっている」とすることに対する悲痛な訴えとしか見えないんです。

上の毎日の記事でスレが立って中を見てみると、案の定「台湾よお前もか」みたいな話になっていて、ことのほかげんなりでっす。どうも竹島と同じ考えの人が多いみたいだし。「ハーグで決着」だなんて簡単に言うけど、そもそも国際司法裁判所のテーブルに乗るためには一定のハードルがあるんです。
「国のみが、裁判所に係属する事件の当事者となることができる」と国際司法裁判所規程に定められており、台湾のように国連に加盟していない国(国って言っちゃうよ)の場合は、国連憲章の第93条第2項で「国際連合加盟国でない国は、安全保障理事会の勧告に基いて総会が各場合に決定する条件で国際司法裁判所規程の当事国となることができる」っていうのをクリアする必要があります。中学生がプールの裏や河原に呼び出して「白黒つけようぜ」っていうのとは、根本的に違うんです。
しかもピンと来た人もいるだろうけど、当事国になるために「安全保障理事会の勧告に基いて」とある以上、常任理事国である中国が「台湾の主権に関する争い」についてその存在自体を認めるわけがない。この状態でなお、コメントの一部を切り抜いてきて印象操作して何の意味があるんだろ、毎日新聞さん。はたしてわがままな主張をしているのは台湾だけなのか。美麗島からのかくも哀しい声は、今日もメディアに叩き落されているようです。

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