あ、それとね?面白いおうまさん 決まってるの?陳雲林を迎えに行くって。

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物わかりよくかしずいて 手を取り合って「中華民族万歳!」って(ry
やりすぎはイクナイ!のでこのへんで。っていうか、台湾の人ごめんなさい。もう遅いかもしれないけど書いておきます。本当にごめんなさい。でもここはそういうブログなんです。

さて、日付が変わりました。
今日、10月10日は中華民国にとっての国慶節、いわゆる「双十節」っていうやつなんですが、台湾にとってみれば中華民国が出来上がった頃っていわゆる日本統治時代のこと。本来ならば「知ったこっちゃねーや」って感じなんだけどね。大陸の奥のほうでやったドンパチを今でも祝っているのがほぼ台湾だけというのは、それだけで既に大きな矛盾にしか見えません。

そんな双十節に合わせて何か大きな花火を上げるんじゃないか、具体的には陳水扁や呉淑珍の一連の疑惑をさらに一歩進めるんじゃないかっていう心配があったのですが、中国時報が最後になんか火をつけようとしていたけどどうもそちらはなさそうですね。うーんと、じゃあこのネタは今回無しで。となると双十節の見所はやはり馬英九が何にバンザイするかっていうところかな。

ところがこのお馬さん、実はバンザイやって喜んでいる場合じゃありません。先月行われた世論調査での満足度(満意度)を見ると、15~18日に行われた雑誌「遠見」で24.9%、19日に行われたTVBSで28%とそれぞれ過去最低だったんですが、例の毒ミルク事件を経た今月2日のTVBSの調査では満足が23%にまで低下、不満足も59%とそれぞれ過去最低と過去最高を更新しちゃいました。
面白いのは「遠見」の調査には信任度という項目もあるところですね。こちらは9月の調査で46.0%が信任し不信任は41.2%。「それなりに信頼はされているけど成果がサッパリ」っていう感じなんですね。日本ではとかくこの満意度を「支持率」として引っ張ってくるけど、実は「支持するかどうか」というのは信任度につながるもので、満意度にあたるのは「支持した結果がこれだよ」っていう評価なんじゃないかと思っています。

http://www.gvm.com.tw/gvsrc/200809_GVSRC_otherissue_C.pdf (遠見)
http://www.tvbs.com.tw/FILE_DB/DL_DB/rickliu/200810/rickliu-20081003215521.pdf (TVBS)

馬英九もきっとどうにかしたいと思っているはずなんですが、ここにきて中国側の対台湾窓口機関である海峡両岸関係協会の陳雲林が訪台するという、なにやら爆弾になりそうな話が上がってきています。そんなものは国民党内部のお爺さんたちに(首輪はつける必要があるけど)任せておけばいいのに、9日のロイターによれば馬英九自ら会談をするとのこと。
誰だよそんなこと言ったの、中国側がリークして既成事実を作ろうとしたんでしょ?と思ったら、台湾側の窓口機関である海峡交流基金会の高孔廉副董事長兼秘書長と董事長の江丙坤が出元みたい。あぁあ。会えばどっちに転んでも地獄なのに。もしかしたらチャーター便を直々に出迎えるくらいのことは本当にやっちゃうかもね。「轢かれr(ry」じゃなくてもいいけれど、誰か止めないかなあ。

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-34208820081009 (ロイター通信)
http://www.rti.org.tw/News/NewsContentHome.aspx?t=1&NewsID=129033 (RTI/一次ソースは中央通訊社)
http://www.rti.org.tw/News/NewsContentHome.aspx?t=1&NewsID=129036 (RTI/一次ソースは中央通訊社)

一方で、馬英九の日本に対する話題として、8日に岩波書店から発売された月刊誌「世界」11月号に、「馬英九・台湾総統単独インタビュー 対中関係―争議を棚上げし、現実を直視する」というインタビュー記事が載りました。ここでようやくタイトルになんとなくたどり着くという強引さ。
 【台湾】馬英九総統、日本の月刊誌のインタビューに答える 「大陸も中華民国の領土」「両岸関係は現実の関
 http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1223480597/

おいらの記憶の限りでは、日本語のメディアにこれだけ多くの分量(A5版で12P)の馬英九のインタビューが掲載されたのは、総統に就任してから初めてなんじゃないかと思います。ところが「世界」なんてたいそうな名前がついているのに、雑誌の地位としてはわずかなもの。日本語の新聞メディアが総スルーしたので台湾メディアをソースにスレ立てして、原文で補う形になっちゃいました。正直、置いてる本屋探すのもたいへんだったし。
このインタビュー記事、なんか読んでておいらが「あれ?」って思う部分がいくつかあったので、今回はそこを中心に書くことにします。あくまでおいらの思ったことだから、気になった人は買って読んでね。って、やっぱり前置き長杉。

★ その一 いつもと違う論調に気が付いたこと
その前にちょっとだけ小見出しを抜き出してみます。「内容知りたきゃ買おうよ」という部分もあるんですが、大雑把にインタビューの内容を見るのはこれがいちばん適当かなって。
 (a) 尖閣問題 ― 主権問題は一時”棚上げ”を(1+1/3P)
 (b) 日台は特殊なパートナー関係(1P)
 (c) 歴史については「就事論事」の態度で(2+1/3P)
 (d) 台湾海峡両岸間の敵対状態を終結させたい(1P)
 (e) 大陸との関係はあくまで現実の関係(1P)
 (f) 大陸への開放と緩和政策はグローバル化の一環(2+1/3P)
 (g) 戦後台湾五人の総統への評価(1+2/3P)
と、大まかな流れとして、「対日関係(a)(b)(c)」~「主に日本で受けている誤解について(c)」~「両岸政策(d)(e)(f)」~「超蛇足(g)」というもの。読んでいて最初に「あれ?」と思ったのは、内容というか論調がいつもに比べてかなりソフトだということ。馬英九が政策を語るときって、ほぼ間違いなく「何言ってんだお前」という「やっちまった感」が一緒についてくるもんなんだけど、今回はそういうものがほとんどない。紙面の容量や台湾の各メディアが持つスタンスといったバイアスがほとんど無いからかな。けっこう新鮮な驚きがあるよ、これは。
主張としてはこれまで馬英九が言ってきたことの繰り返しで、あえて言うなら後述するけど「大陸も中華民国の領土」っていう部分だけかかな。もともと日本向けのインタビューだしね。馬英九の主張の粗い部分をそぎ落としてきれいにまとめた感じがして、ある意味「すごくいいインタビュー記事」になっている。「馬英九=反日」という先入観だけを持っている人が読めば、その中の3%くらいの人は「なんだ、けっこういいこと考えてるじゃん」って180度立場が変わっちゃうかもしれない。

というよりも、ことごとく滑らかに書かれているのでいちいち一つ一つに突っ込むのも面倒になるくらい。例えば蒋渭水について「私たちは彼の台湾社会文化の改造における貢献が抗日活動のそれに劣らず傑出していると評価しています」には失笑せざるを得ない。こらこら、いつ評価したってのさ。いや違うか。「いつから評価するようにしたってのさ」だね。都合のいいことを並べたその後に「ですから、物事は一概に論じるべきではないと思います」とあたかも自分が多面的に見ているかのごとく話すのはなんの自虐ネタだろう。また、アメリカからの武器購入について、総統選で掲げた「不統、不独、不武」との兼ね合いを話してほしかったのに巧みにスルーし、陳水扁の「一辺一国」が「かえって台湾と米国、および大陸の関係が同時に困難に見舞われるという局面を生み出しました」と批判。お前どんだけ足を引っ張っておいてそれを言うか。
小見出しにも「就事論事(事実についてだけを論じる)」なんて言葉がついているけど、かなりこれはクセモノな文章です。いちごの乗ったショートケーキやこだわりたまごのとろけるプリンに勝るとも劣らない、きれいなきれいな見栄えの記事ですが、無用心にお腹に入れたらこれはちょっと大変だなあ。

★ その二 ちゃんと台湾での反応まで見ること いいね?
スレ立てに使った8日の自由時報の記事が「馬英九:大陸は中華民国の領土」であったように、台湾でのとりわけ緑系の人たちにとっていちばん驚いたのは馬英九の両岸関係の見方でした。中華民国憲法を根拠として「中国大陸も私たち中華民国の領土です(P43)」と言い切り、中共とはお互いに「もう一つの国家が存在することを承認することはできません(P43)」としています。
9月頭にメキシコ紙によるインタビュー記事が載った際、「去る者は日々に疎し、そして疎し者は日々いろんなことを忘れ去り。」で、
> 積極的に解釈すれば、旧来の国民党のように「いずれは大陸もわが中華民国のものに」という
> 「終局的に一つの中国にするんだから、あいつらを国だなんて認めない」というイメージにもとれるんですが、
と皮肉を込めて書いていたんですが、マジでその通りの考えを持っていたのかよ!

これについて9日の自由時報を見ると「自由廣場」では真っ向から反駁する意見がわらわらと。「内戦という幻影から離れて、新たな独立国家として国際的な地位を得るべきだ」「もともと中華民国の領土に台湾と澎湖諸島は入っていない」などなど。後ろのやつは面白かったなあ。
馬英九が何気なく使った「中華民国の憲法には「自由地区と大陸地区」という概念が規定されています」について、確かに中華民国憲法の増修条文の第11条には「自由地区と大陸地区のと間の人民の権利義務関係およびその他の事務処理については、法律で別に定める」とあって、概念としては存在する。ところが、憲法第4条の「中華民国の領土は、その固有の領域による」の部分は制定当時からそのままなので、ここで言う「自由地区」、つまり「中華民国固有の領域マイナス大陸地区」の部分って金門・馬祖なんかの島々に限られ、固有の領土ではなかった台湾と澎湖諸島は含まれないのではないか、っていう指摘。かなり強引だけど、ちょっと面白いなと思った。

http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/oct/9/today-o2.htm (自由時報) 
http://www.libertytimes.com.tw/2008/new/oct/9/today-o3.htm (自由時報)

ちょっとちょっと、緑系はともかく藍系はどう伝えているのか、っていう話なんですが、ほっとんど見かけません。せっかく総統府が全文掲載しているのにね。この全文掲載、ほとんど日本語の内容と同じです。どうやら日本語の文章を訳したわけではなく、馬英九が答えたものを載せているみたい。となればこちらのほうがより実態に近いものだけど、幸か不幸か「世界」誌の日本語訳と差異はないですね。
あ、そうだ藍系メディアの話。上の方にも書いたんですが、日本人向けの内容がほとんどで、台湾の人にとってはあまり面白みのない記事というのもあると思う。両岸関係について語っているくらいで、内政面についてはほとんど触れていないしね。むしろ藍系メディアにとってた寝た子を起こすようなことはしたくないのかも、なんて思ったり。

★ その三 一言で言えば「中身が無い」、馬英九の「関係改善」「現実の関係」「関係正常化」という三つの言葉
上にも書いたんですが、今回のインタビュー記事で馬英九はその大半を内政以外の部分に費やしています。そしてことごとく前向きな言葉を躍らせているんですが、美辞麗句を散りばめたダンスの行く手がさっぱり見えてきません。

顕著なのがやはり両岸関係ですね。「私たちが法理的に大陸を一つの国家として認めることはありえません(P43)」と、きっぱり中共が中華民国が本来有する土地の上に居座る者たちだと言っておきながら、「ですから、現段階において台湾海峡両岸のあいだで発展している大部分の関係は実際の関係です」と不可解に濁す。互いに相容れない存在でありながら、経済的な面などを考えれば全て切ることはできない、っていうのはおいらもわかります。そういう意味では今の状態が比較的都合がいいのもわかる。それで?ドンパチになりそうなテーマを棚上げして、その中華民国とやらはどこに向かうの?

馬英九は両岸関係の正常化について「まず経済貿易の面で正常化を図り、続いて台湾の国際空間(国際社会・国際組織への参与)の問題、それから平和協定調印を話し合うべきだと考えています(P46)」と主張している。何この猛烈な矛盾の嵐は。賭けてもいいけど、2ステップ目で頓挫するのは目に見えているよ。これまでの歴史を振り返れば容易に想像できることじゃん。台湾が(この際、中華民国がでもいいや)が国際空間の地位を確保しようとした時、馬英九も自ら言っているけど中共は国家としての台湾を認めないのだから、それがどれだけたいへんなことかはわかるでしょう。あるいは、チャイニーズタイペイよりもさらに矮小化した扱いを甘受するしかないよね。馬英九はむしろそっちに持っていきたいのかな?
そして、極めつけが和平協議の話。さもかっこいいことを言っているけど、それはいったいどういう立場同士で結ぶのかなあ。日本人はイメージとして国対国というものを考えちゃけど、今回の場合はお互いが「あいつらは本来俺らの土地であるはずの場所で勝手に国の真似事をやっているだけ」という考えだから、果たしてそういう形で決着するかどうか怪しいところ。というよりも、馬英九自身がその「相容れない存在」とどういう形で和平協議を行うのか着地点を見せずに「平和協定」とか言うのだから不思議な話。何しろ相手は「承認できない」存在なんだから、そんな相手との「正常化」した関係っていったいどんなものなんだろうね。普通に考えれば、両岸お互いが「お前のもの(領土)は俺のもの」の部分で折れて、それこそ国対国で締結することが「正常化」だと思うんだけど、馬英九はそうとは決して言わない。そのくせ上に書いたような響きのいい言葉を使うから困ったものです。
おいらがいちばん怖いと思うのは、2ステップ目の国際空間での地位確保にコケてしまい、結局いわば「政府と反政府勢力」みたいな構図で和平協議を行う形になってしまうこと。字面の上では馬英九の方針に近いものがあるけれど、それこそ併呑に他ならないです。そんな危うい展望が描けちゃう以上、そしてそっちに転ぶ可能性の方が高い以上、やっぱり馬英九の描く未来予想図は単なるぼやけた青写真にしか見えないし、踊る言葉もとても空虚に響くのです。

さて、あと7時間あまり(台湾時間の10日9時、JSTでは10日10時)で國慶典禮が始まります。
台湾は果たして誰のものなのか。そして、馬英九は果たして自らの持つ力の扱いを心得ているのかな。



★ 追記。
オチに春原つめあわせを使いそうになって、全力を使って回避したけど、やっぱり貼らずにはいられなくなったので貼り。
ジャイアンかっけー。ニコ君かっけー。



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このページは、◆YAUCHInowAが2008年10月10日 02:54に書いたブログ記事です。

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