めぐる、ひととせ。また、すぎる、ひととせ。
相変わらず季節感の無いタイトルでごめんなさい。「え?季節感?」ってピンと来なかった人は、最後のところまでスクロールして(最後まで読んで、でもいいけど)から嘆いてください。
この2月というのは、台湾で昨年1月に行われた立法委員選挙で選ばれた立法委員(国会議員)の人たちが、正式に議員となってから丸一年たった月でもありました。「予想外......とは言い切れない民進党のハデな負けっぷり。」で偉そうに書いたとおり、泛藍系で3/4オーバーという大多数の議席を占めました。馬英九が勝ったその後の総統選挙がとかくクローズアップされるけど、総統と立法院第一党が一致するというのは8年ぶりのことで、国民党によるいわゆる「全面執政」の礎を築いたという点では、結構響いている出来事です。
さて、先週末には各紙各誌で馬英九政権の支持率調査が発表されました。東亜+だとけっこう「ところで、台湾での馬英九の評価はどうなんだ?情報が入ってこないからわからない」というレスを見かけるけど、なかなかどうして、毎月20日前後になると「就任○ヶ月目」っていうことでいろいろな媒体で発表されています。それでいちいち立てようとも思わないので立ててないだけなんだけど、あれって立てたほうがいいのかな。おいらにしてみれば、それって入ってこないんじゃなくって見に行かないだけでっす。ネット上で鎖国してどうすんのさ。
政府系が調べたところでは、20日に行政院研究発展考核委員会(研考会)が発表した「最近9ヶ月の政府政策に対する国民の満足度の見解」では、馬英九総統への満足度は43.7%だったという。劉兆玄行政院長が同じく41.4%などなど。不思議だったのは、回答者の53%が、今後1年間の政府の政策に自信(期待)があると答えているところ。潜在的に「それでも馬英九ならきっとなんとかしてくれる」的な期待があるっていうことなのかな。
ちなみに、研考会のニュースリリースには満足度の数字しか出ていないんですが、聯合報系の経済日報の記事にはしっかり不満足と答えた人の数字も載っています。記事では、馬英九の不満足度が43.2%に達し、満足とほぼ差が無いことを取り上げています。ただ、同じ記事にもあるんだけど、65%の人は今後の馬英九の政策が良くなると信じているそうで、いわゆる日本で言う支持率に等しいかというとそうでもないんだよね。
http://www.rdec.gov.tw/ct.asp?xItem=4151729&ctNode=10000&mp=100 (行政院研考会)
http://www.udn.com/2009/2/21/NEWS/NATIONAL/NAT1/4748438.shtml (経済日報/聯合報)
ほぼ同時期、19日に雑誌「遠見」も世論調査の結果を発表しています。まずは数字から。馬英九の満足度は34.5%(前月比+5.8%)、不満足度は54.8%(同-2.5%)。また信任度は48.7%(同+4.2%)、不信任度は36.5%(同-3.4%)という結果に。どういう風に数字を見るかでかなり変わってきちゃいそうな微妙な数字ですね。そのためか、自由時報は「54%以上が馬英九に不満足」と報じ、対して聯合報は「馬英九・劉兆玄の満足度が上昇」と伝えてるしね。
ざっくりとした数字で言ってしまえば、「馬英九には期待しているけど、やってることはイマイチなんだよね」っていう感じですかね。行政院の数字との乖離はあるにせよ、不満足が相変わらず過半数っていうのが出てくると、当人たちは面白くないだろうね。
さて、ところがこの「遠見」の今回の調査の数字って過去半年(去年9月以降)で見てみるといちばんいい数字なんです。満足度は就任以来最低になった昨年10月の23.6%に比べて+10ポイント以上、同じ10月には信任<不信任にもなったんですが、信任が12ポイントも上回るまでになりました。
これについては「遠見」も「消費券効果によるものだろう」と冷静に分析していますが、まあそうだろうね。一方、自由時報はこの「遠見」の調査が15,16日に行われていたものであることを指摘。前回の「どうにも眉唾な主計処の「09年の経済成長率は-2.97%」という予測。」で書いたように、その直後の18日には行政院主計処が四半期ベースで過去最悪の経済成長率を公表しているので、「調査が数日遅れて行われていたのならば、結果は大きく異なっていたことだろう」というのは想像に難くないっすね。ということは今現在の馬英九政権に対する満足度は、ってなると、まあそういうことだろうね。また一月すぎた来月はどうなっちゃうかな。
http://www.gvm.com.tw/gvsrc/200902_GVSRC_others.PDF(注:PDF) (遠見)
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/feb/20/today-fo6-3.htm (自由時報)
http://www.udn.com/2009/2/20/NEWS/NATIONAL/NAT1/4746559.shtml (聯合報)
おっと、ここで「遠見」がせっかく面白い調査を載せているんでそっちも見ておきましょ。いっちばん上に書いたとおり、現職の立法委員の人たちが一周年を迎えました。任期はあと3年ですね。
前回の立法委員選挙では、従来の選挙制度等を一新して定数半減と小選挙区と比例の二本立てにしています。ところが、今回の世論調査では、37.6%の人が「悪くなった」と答え、「良くなった」とする33.3%を上回ってしまった結果に。
また興味深いのがこっちの方で、「立法委員が国会で職権を行使する際、主に誰の利益のために動いているか?」という問いに対して、「立法委員の家族や派閥の者」と答えた人が34.5%で最も多かったとか。しかも、以下は「政党」が26.9%、「財団や特定利益団体」が11.5%と続き、「全国民を代表する」と答えたのは僅かに8.4%、ちょっと日本的な「選挙区の人々」ですら5.6%に留まりました。
「全国民を代表する」っていうのは日本の憲法の書き方だけど、台湾にしたって中華民国憲法上は「人民を代表して立法権を行使する」とされてます。そりゃ日本の国会議員は憲法を遵守しているかっていうと若干疑問な人たちもいたりするけれど、台湾では「ぶっちゃけあいつらそんなこと考えてないよね」と思う人が3/4近くいるっていうことなんですね。しかも、「政党」とか「特定団体」じゃなくて、「家族」っていうのが台湾っぽいなあ。
また、「遠見」がもう一つ切り込んだのは国民党が圧倒的多数を占める立法院の状況について。上にも書いたように、国民党はこれまでもずっと第一党を占め、陳水扁政権下では軍購案を幾度も屠るなど、日本の国会における捻れ現象に近いものがありました。じゃあ、全面執政状態となった今の状況に対する評価は?っていうのがこの調査の目的。
意外なことに、立法院の現在の状況が馬英九政権を助けていると答えたのは46.1%止まり。いや、それでも「意外に多い」って思った人もいるかもしれないけど、おいらにしてみれば、「そうは思わない」っていう人が39.4%もいたことも含めて冷静な反応だなあって思いました。
簡単に言ってしまうと国民党立法委員たちの評判はすこぶる悪くて、「遠見」の調査でも馬英九の就任後は、その満足度が20%台を低迷。今回の28.0%ですら昨年6月以降で最高の数字だったりします。その理由について問われると、27.6%が「立法委員本人が原因」と責められている一方で、「馬英九総統がもっとリーダーシップを発揮すべきだ」というのも18.9%、「いやいや、そもそもそんな奴を選んだ国民みんなが悪いんだ」というのも16.5%もいたりしてビビる。
「遠見」は、「国民党が全面執政となっている今こそ、政党や所属立法委員が持たれている悪いイメージを変える機会でもある。また、国民党が全面執政を担うだけの能力があるかどうかの試金石の一つでもある」と〆てます。おお、そのプレッシャーは果たして通じるのか。それとも、あと3年は安泰な総統と立法委員各位、家族のために頑張っちゃうんでしょうか。さあどうする。揺らげ揺らげ、沢桔梗の青。
この2月というのは、台湾で昨年1月に行われた立法委員選挙で選ばれた立法委員(国会議員)の人たちが、正式に議員となってから丸一年たった月でもありました。「予想外......とは言い切れない民進党のハデな負けっぷり。」で偉そうに書いたとおり、泛藍系で3/4オーバーという大多数の議席を占めました。馬英九が勝ったその後の総統選挙がとかくクローズアップされるけど、総統と立法院第一党が一致するというのは8年ぶりのことで、国民党によるいわゆる「全面執政」の礎を築いたという点では、結構響いている出来事です。
さて、先週末には各紙各誌で馬英九政権の支持率調査が発表されました。東亜+だとけっこう「ところで、台湾での馬英九の評価はどうなんだ?情報が入ってこないからわからない」というレスを見かけるけど、なかなかどうして、毎月20日前後になると「就任○ヶ月目」っていうことでいろいろな媒体で発表されています。それでいちいち立てようとも思わないので立ててないだけなんだけど、あれって立てたほうがいいのかな。おいらにしてみれば、それって入ってこないんじゃなくって見に行かないだけでっす。ネット上で鎖国してどうすんのさ。
政府系が調べたところでは、20日に行政院研究発展考核委員会(研考会)が発表した「最近9ヶ月の政府政策に対する国民の満足度の見解」では、馬英九総統への満足度は43.7%だったという。劉兆玄行政院長が同じく41.4%などなど。不思議だったのは、回答者の53%が、今後1年間の政府の政策に自信(期待)があると答えているところ。潜在的に「それでも馬英九ならきっとなんとかしてくれる」的な期待があるっていうことなのかな。
ちなみに、研考会のニュースリリースには満足度の数字しか出ていないんですが、聯合報系の経済日報の記事にはしっかり不満足と答えた人の数字も載っています。記事では、馬英九の不満足度が43.2%に達し、満足とほぼ差が無いことを取り上げています。ただ、同じ記事にもあるんだけど、65%の人は今後の馬英九の政策が良くなると信じているそうで、いわゆる日本で言う支持率に等しいかというとそうでもないんだよね。
http://www.rdec.gov.tw/ct.asp?xItem=4151729&ctNode=10000&mp=100 (行政院研考会)
http://www.udn.com/2009/2/21/NEWS/NATIONAL/NAT1/4748438.shtml (経済日報/聯合報)
ほぼ同時期、19日に雑誌「遠見」も世論調査の結果を発表しています。まずは数字から。馬英九の満足度は34.5%(前月比+5.8%)、不満足度は54.8%(同-2.5%)。また信任度は48.7%(同+4.2%)、不信任度は36.5%(同-3.4%)という結果に。どういう風に数字を見るかでかなり変わってきちゃいそうな微妙な数字ですね。そのためか、自由時報は「54%以上が馬英九に不満足」と報じ、対して聯合報は「馬英九・劉兆玄の満足度が上昇」と伝えてるしね。
ざっくりとした数字で言ってしまえば、「馬英九には期待しているけど、やってることはイマイチなんだよね」っていう感じですかね。行政院の数字との乖離はあるにせよ、不満足が相変わらず過半数っていうのが出てくると、当人たちは面白くないだろうね。
さて、ところがこの「遠見」の今回の調査の数字って過去半年(去年9月以降)で見てみるといちばんいい数字なんです。満足度は就任以来最低になった昨年10月の23.6%に比べて+10ポイント以上、同じ10月には信任<不信任にもなったんですが、信任が12ポイントも上回るまでになりました。
これについては「遠見」も「消費券効果によるものだろう」と冷静に分析していますが、まあそうだろうね。一方、自由時報はこの「遠見」の調査が15,16日に行われていたものであることを指摘。前回の「どうにも眉唾な主計処の「09年の経済成長率は-2.97%」という予測。」で書いたように、その直後の18日には行政院主計処が四半期ベースで過去最悪の経済成長率を公表しているので、「調査が数日遅れて行われていたのならば、結果は大きく異なっていたことだろう」というのは想像に難くないっすね。ということは今現在の馬英九政権に対する満足度は、ってなると、まあそういうことだろうね。また一月すぎた来月はどうなっちゃうかな。
http://www.gvm.com.tw/gvsrc/200902_GVSRC_others.PDF(注:PDF) (遠見)
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/feb/20/today-fo6-3.htm (自由時報)
http://www.udn.com/2009/2/20/NEWS/NATIONAL/NAT1/4746559.shtml (聯合報)
おっと、ここで「遠見」がせっかく面白い調査を載せているんでそっちも見ておきましょ。いっちばん上に書いたとおり、現職の立法委員の人たちが一周年を迎えました。任期はあと3年ですね。
前回の立法委員選挙では、従来の選挙制度等を一新して定数半減と小選挙区と比例の二本立てにしています。ところが、今回の世論調査では、37.6%の人が「悪くなった」と答え、「良くなった」とする33.3%を上回ってしまった結果に。
また興味深いのがこっちの方で、「立法委員が国会で職権を行使する際、主に誰の利益のために動いているか?」という問いに対して、「立法委員の家族や派閥の者」と答えた人が34.5%で最も多かったとか。しかも、以下は「政党」が26.9%、「財団や特定利益団体」が11.5%と続き、「全国民を代表する」と答えたのは僅かに8.4%、ちょっと日本的な「選挙区の人々」ですら5.6%に留まりました。
「全国民を代表する」っていうのは日本の憲法の書き方だけど、台湾にしたって中華民国憲法上は「人民を代表して立法権を行使する」とされてます。そりゃ日本の国会議員は憲法を遵守しているかっていうと若干疑問な人たちもいたりするけれど、台湾では「ぶっちゃけあいつらそんなこと考えてないよね」と思う人が3/4近くいるっていうことなんですね。しかも、「政党」とか「特定団体」じゃなくて、「家族」っていうのが台湾っぽいなあ。
また、「遠見」がもう一つ切り込んだのは国民党が圧倒的多数を占める立法院の状況について。上にも書いたように、国民党はこれまでもずっと第一党を占め、陳水扁政権下では軍購案を幾度も屠るなど、日本の国会における捻れ現象に近いものがありました。じゃあ、全面執政状態となった今の状況に対する評価は?っていうのがこの調査の目的。
意外なことに、立法院の現在の状況が馬英九政権を助けていると答えたのは46.1%止まり。いや、それでも「意外に多い」って思った人もいるかもしれないけど、おいらにしてみれば、「そうは思わない」っていう人が39.4%もいたことも含めて冷静な反応だなあって思いました。
簡単に言ってしまうと国民党立法委員たちの評判はすこぶる悪くて、「遠見」の調査でも馬英九の就任後は、その満足度が20%台を低迷。今回の28.0%ですら昨年6月以降で最高の数字だったりします。その理由について問われると、27.6%が「立法委員本人が原因」と責められている一方で、「馬英九総統がもっとリーダーシップを発揮すべきだ」というのも18.9%、「いやいや、そもそもそんな奴を選んだ国民みんなが悪いんだ」というのも16.5%もいたりしてビビる。
「遠見」は、「国民党が全面執政となっている今こそ、政党や所属立法委員が持たれている悪いイメージを変える機会でもある。また、国民党が全面執政を担うだけの能力があるかどうかの試金石の一つでもある」と〆てます。おお、そのプレッシャーは果たして通じるのか。それとも、あと3年は安泰な総統と立法委員各位、家族のために頑張っちゃうんでしょうか。さあどうする。揺らげ揺らげ、沢桔梗の青。
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