たった1発で夜も眠れず。
桜前線がゆっくりと北上しつつありますが、ニコニコでは「桜ノ雨」が着実にミリオンのカウントダウンを始めています。そういえば、今年は暖冬の影響もあって、各観光地の人たちが開花や満開のタイミングにやきもきしてるみたいですね。さて一方、本物の桜の雨が北へ北へ進んでいく中で、来週には北がミサイルを空に放とうとしていて、永田町や市ヶ谷をやきもきさせています。
まあ、いつどこからというのがある程度わかっているだけでも今回の北朝鮮のミサイルはまだ優しい方なのかもしれません。おいらが生まれた神奈川は沖縄に続いて2番目に基地の多い県(って小学校の時に習った。今は知らない)で、いつ逆に狙われてもおかしくない地域だったし、南関東では大きな地震が69年周期で発生するっていう説をおばあちゃんから聞かされてマジでビビった記憶もある(そのトラウマなのか、おいらは今でも混んでる電車に乗ると「今地震が起きたら死ぬな」って考えちゃう)。突発的な不測の事態っていうことについては、多少なりとも免疫はあったつもりだけれど、ちくさんが言うような覚悟っていう点ではちょっと甘かったかなと微妙に反省。
とは言っても、事前通告されている4日や5日だってきっと世の人は安くなった高速道路で遠出するだろうし、ニュー速あたりに「ミサイルが発射されたらageるスレ」とか絶対立つだろうしね。きっと大多数の人にとっては、「1発だったら自分のところには降ってこないでしょ」とか「自衛隊が撃ち落としてくれる」くらいの感覚なんじゃないかなあ。日本人の泰平の眠りを覚ますのはいつだって海から来る人、っていうのは確か『沈黙の艦隊』だったと思うんですが、今回のミサイルも夜眠れないくらいのほうがよかったのかもしれません。なんて書くと、またいろいろ言われそうだけど。
もっとも、国民の危機感と国防の意義は必ずしもイコールにならないのは当たり前だから(極論を言えば、国防力が優秀であればあるほど国民の危機感が薄れることもあるわけで)、どんな状況であっても全力で任務にあたる人たちにはやっぱり頭の下がる思いです。
ところで、日本人はついうっかり忘れてしまいがちなんですが、1発どころか国土のほぼ全域をカバーする1,000発以上のミサイルが向けられている国がアジアにはあります。25日にアメリカ国防総省が発表した中国の軍事力に関する年次報告書(Military Power of the People's Republic of China 2009)では、2008年9月までに東風-15(CSS-6)や東風-11(CSS-7)といった短距離弾道ミサイル1,050~1,150発が台湾海峡の反対側に配備され、なおも年100発ペースで増えていると報告しています。
特に重要なのは、2008年の馬英九政権誕生後、両岸関係がある程度融和したムードになっているにも関わらず、威嚇の能力を増強させているところ。あれ?両岸関係の緊張が緩めば軍事的圧力はいらなくなるんじゃなかったっけ?って思う人もいるかと思うんですが、ペンタゴンは報告の中で、
とし、結局のところ、統一が達成されるその日までは、台湾はさることながらその他諸国をも牽制するために手は緩められないっていうのが中国の本音なんだな、って踏んでいます。
http://www.defenselink.mil/pubs/pdfs/China_Military_Power_Report_2009.pdf (米国国防総省・PDFファイル。該当部分はP5)
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/mar/26/today-fo4.htm (自由時報)
http://www.udn.com/2009/3/26/NEWS/NATIONAL/NAT1/4810952.shtml (中央通訊社→聯合報)
この「台湾海峡に1,000発のミサイル」っていうのは前々から言われていたことだし、それこそ台湾の独立勢力に対する抑止力っていうか威嚇を念頭にやっているものだと思われてきました。撃てば国際世論が黙っていない、しかもその前に短期決戦で全土を制圧できるほどの兵力差があるとも言い切れない。ゆえに、撃たないけれど配備することで、または威嚇発射をすることで圧力をかけるっていうことだった、と思っていたんだよね。
ところがこの報告書を見ると、人民解放軍実働125万人のうち台湾海峡周辺にその1/3にあたる44万人を置いていることが明記されています(上のPDFのP72)。ありゃ。こりゃマジだ。
この報告では台湾側の戦力は実働13万人と人民解放軍の1/3以下。既報のとおり台湾は徴兵制の段階的廃止と人員削減を予定しているので、数年後にはさらに差が開くのは明白です。また、数年前までは辛うじて台湾側が優勢だった制空権についても逆転したと述べており、素人目に見て(実際素人だし)やべえ。
台湾側では陸委会がお約束のように「両岸の関係改善には双方に責任があるのだから、大陸側がミサイルを撤去することを望む」なんてコメントを出してるけど、それもイマイチ甘いんじゃないだろか。
これらの状況に対しては、いわゆる台湾関係法に基づいた米国の支援もあるほか、報告では戦力的な面について「中国側の上陸能力が弱いことから軍事活動には限りがある」としているものの、総じてかなり水際防衛な印象は拭えないです。
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/mar/27/today-t1.htm (自由時報)
http://www.udn.com/2009/3/27/NEWS/MAINLAND/MAI1/4813181.shtml (聯合報)
http://www.udn.com/2009/3/27/NEWS/MAINLAND/MAI1/4813185.shtml (聯合報)
【台湾/軍事】3司令部を廃止、兵士9万人を削減か[01/26]
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1232984302/
【台湾】台湾の徴兵制度に幕 緊張緩和、財政負担も 14年全廃 [03/11]
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1236767901/
28日の自由時報は「中国の軍事力報告は、馬政権の独りよがりな発想を打ち砕いた」というタイトルで社論を展開しました。両岸の融和は決して統一とイコールではないし、両岸の軍事的緊張を解消するものだ、という馬英九政権の見込みが全部裏切られていると指摘しています。また、国民党が陳水扁政権時に軍購案をことごとく屠ったりしたことを持ち出して、かなり強く非難していますね。
個人的に注目なのは最終段落のところ。中国にとって武力行使というのは手段の一つにすぎない、ということで武力によらない平和的な併呑に対しても警鐘を鳴らしていることですね。それは実に自由時報っぽいところでもあるんですが。
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/mar/28/today-s1.htm (自由時報)
一方、それを知ってか知らずか、26日の聯合報によれば、馬英九総統は今年から軍事シミュレーション演習を大きく変えるみたい。これまで陳水扁政権が行ってきた「玉山兵推」は、両岸の武力衝突や中国の侵攻っていうのがメインになっていたのだけれど、これを「国内外の重大事件が発生した時の対処」を念頭に置くものに変えるというもの。で、その仮想設定っていうのは、「南部でハンタウイルスが発生した」「大停電」「大地震」「金融危機」などなどだってさ。
そういう危機対応のシミュレーションがいらないとは思わないんだけど、タイミングがタイミングだけになんだかなあって思っちゃうんだよね。
http://www.udn.com/2009/3/26/NEWS/NATIONAL/NAT1/4811121.shtml (聯合報)
また、28日の聯合晩報の社論は「北風と太陽」と題して朝鮮半島情勢と両岸情勢を比較しています。朝鮮半島では前政権の政策から一転して現政権が強硬な態度を取ったことにより、六ヶ国協議も空中分解しミサイル騒動に発展した。一方、台湾海峡では政権交代後、両岸直航など経済面で新たな可能性が生まれたとつらつら書いています。
この記事、二つの事象は歴史的経緯や北朝鮮の約束の反故といった点で違うとしつつも、敵対と衝突は何もいい結果を生まないと論じています。いや、それは台湾海峡の反対側にまず言えよ。まあその辺はいちおう記事でも「北京も台湾の『軟姿勢』に応えるべきだ」って書いているんですが、この状況でそう言えるのは過去の「抑止力としてのロックオン」の期間が長かったとはいえすごいなあと、まったくそう思っていないんですがとりあえずそう書いておきたいと思います。
http://www.udn.com/2009/3/28/NEWS/OPINION/OPI1/4815609.shtml (聯合報)
まあ、いつどこからというのがある程度わかっているだけでも今回の北朝鮮のミサイルはまだ優しい方なのかもしれません。おいらが生まれた神奈川は沖縄に続いて2番目に基地の多い県(って小学校の時に習った。今は知らない)で、いつ逆に狙われてもおかしくない地域だったし、南関東では大きな地震が69年周期で発生するっていう説をおばあちゃんから聞かされてマジでビビった記憶もある(そのトラウマなのか、おいらは今でも混んでる電車に乗ると「今地震が起きたら死ぬな」って考えちゃう)。突発的な不測の事態っていうことについては、多少なりとも免疫はあったつもりだけれど、ちくさんが言うような覚悟っていう点ではちょっと甘かったかなと微妙に反省。
とは言っても、事前通告されている4日や5日だってきっと世の人は安くなった高速道路で遠出するだろうし、ニュー速あたりに「ミサイルが発射されたらageるスレ」とか絶対立つだろうしね。きっと大多数の人にとっては、「1発だったら自分のところには降ってこないでしょ」とか「自衛隊が撃ち落としてくれる」くらいの感覚なんじゃないかなあ。日本人の泰平の眠りを覚ますのはいつだって海から来る人、っていうのは確か『沈黙の艦隊』だったと思うんですが、今回のミサイルも夜眠れないくらいのほうがよかったのかもしれません。なんて書くと、またいろいろ言われそうだけど。
もっとも、国民の危機感と国防の意義は必ずしもイコールにならないのは当たり前だから(極論を言えば、国防力が優秀であればあるほど国民の危機感が薄れることもあるわけで)、どんな状況であっても全力で任務にあたる人たちにはやっぱり頭の下がる思いです。
ところで、日本人はついうっかり忘れてしまいがちなんですが、1発どころか国土のほぼ全域をカバーする1,000発以上のミサイルが向けられている国がアジアにはあります。25日にアメリカ国防総省が発表した中国の軍事力に関する年次報告書(Military Power of the People's Republic of China 2009)では、2008年9月までに東風-15(CSS-6)や東風-11(CSS-7)といった短距離弾道ミサイル1,050~1,150発が台湾海峡の反対側に配備され、なおも年100発ペースで増えていると報告しています。
特に重要なのは、2008年の馬英九政権誕生後、両岸関係がある程度融和したムードになっているにも関わらず、威嚇の能力を増強させているところ。あれ?両岸関係の緊張が緩めば軍事的圧力はいらなくなるんじゃなかったっけ?って思う人もいるかと思うんですが、ペンタゴンは報告の中で、
中国軍はこの短期の間、台湾の適法に独立を果たそうとする求めを阻止するために、威圧的な力を急速に高めてきた。この力は今後、台湾と両岸関係の協議を行うにあたって北京側の条件をもって圧力をかけることや、有事の際に米国が台湾を支援することを阻止させ、または遅らせ、もしくは拒否させることにも試みられるだろう。中国軍の近代化と台湾への威嚇は、台湾が新しい総統を選び両岸関係の緊張がかなり緩和して以降も続けられている。
Military Power of the People's Republic of China 2009 (米国国防総省)
とし、結局のところ、統一が達成されるその日までは、台湾はさることながらその他諸国をも牽制するために手は緩められないっていうのが中国の本音なんだな、って踏んでいます。
http://www.defenselink.mil/pubs/pdfs/China_Military_Power_Report_2009.pdf (米国国防総省・PDFファイル。該当部分はP5)
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/mar/26/today-fo4.htm (自由時報)
http://www.udn.com/2009/3/26/NEWS/NATIONAL/NAT1/4810952.shtml (中央通訊社→聯合報)
この「台湾海峡に1,000発のミサイル」っていうのは前々から言われていたことだし、それこそ台湾の独立勢力に対する抑止力っていうか威嚇を念頭にやっているものだと思われてきました。撃てば国際世論が黙っていない、しかもその前に短期決戦で全土を制圧できるほどの兵力差があるとも言い切れない。ゆえに、撃たないけれど配備することで、または威嚇発射をすることで圧力をかけるっていうことだった、と思っていたんだよね。
ところがこの報告書を見ると、人民解放軍実働125万人のうち台湾海峡周辺にその1/3にあたる44万人を置いていることが明記されています(上のPDFのP72)。ありゃ。こりゃマジだ。
この報告では台湾側の戦力は実働13万人と人民解放軍の1/3以下。既報のとおり台湾は徴兵制の段階的廃止と人員削減を予定しているので、数年後にはさらに差が開くのは明白です。また、数年前までは辛うじて台湾側が優勢だった制空権についても逆転したと述べており、素人目に見て(実際素人だし)やべえ。
台湾側では陸委会がお約束のように「両岸の関係改善には双方に責任があるのだから、大陸側がミサイルを撤去することを望む」なんてコメントを出してるけど、それもイマイチ甘いんじゃないだろか。
これらの状況に対しては、いわゆる台湾関係法に基づいた米国の支援もあるほか、報告では戦力的な面について「中国側の上陸能力が弱いことから軍事活動には限りがある」としているものの、総じてかなり水際防衛な印象は拭えないです。
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/mar/27/today-t1.htm (自由時報)
http://www.udn.com/2009/3/27/NEWS/MAINLAND/MAI1/4813181.shtml (聯合報)
http://www.udn.com/2009/3/27/NEWS/MAINLAND/MAI1/4813185.shtml (聯合報)
【台湾/軍事】3司令部を廃止、兵士9万人を削減か[01/26]
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1232984302/
【台湾】台湾の徴兵制度に幕 緊張緩和、財政負担も 14年全廃 [03/11]
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1236767901/
28日の自由時報は「中国の軍事力報告は、馬政権の独りよがりな発想を打ち砕いた」というタイトルで社論を展開しました。両岸の融和は決して統一とイコールではないし、両岸の軍事的緊張を解消するものだ、という馬英九政権の見込みが全部裏切られていると指摘しています。また、国民党が陳水扁政権時に軍購案をことごとく屠ったりしたことを持ち出して、かなり強く非難していますね。
個人的に注目なのは最終段落のところ。中国にとって武力行使というのは手段の一つにすぎない、ということで武力によらない平和的な併呑に対しても警鐘を鳴らしていることですね。それは実に自由時報っぽいところでもあるんですが。
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/mar/28/today-s1.htm (自由時報)
一方、それを知ってか知らずか、26日の聯合報によれば、馬英九総統は今年から軍事シミュレーション演習を大きく変えるみたい。これまで陳水扁政権が行ってきた「玉山兵推」は、両岸の武力衝突や中国の侵攻っていうのがメインになっていたのだけれど、これを「国内外の重大事件が発生した時の対処」を念頭に置くものに変えるというもの。で、その仮想設定っていうのは、「南部でハンタウイルスが発生した」「大停電」「大地震」「金融危機」などなどだってさ。
そういう危機対応のシミュレーションがいらないとは思わないんだけど、タイミングがタイミングだけになんだかなあって思っちゃうんだよね。
http://www.udn.com/2009/3/26/NEWS/NATIONAL/NAT1/4811121.shtml (聯合報)
また、28日の聯合晩報の社論は「北風と太陽」と題して朝鮮半島情勢と両岸情勢を比較しています。朝鮮半島では前政権の政策から一転して現政権が強硬な態度を取ったことにより、六ヶ国協議も空中分解しミサイル騒動に発展した。一方、台湾海峡では政権交代後、両岸直航など経済面で新たな可能性が生まれたとつらつら書いています。
この記事、二つの事象は歴史的経緯や北朝鮮の約束の反故といった点で違うとしつつも、敵対と衝突は何もいい結果を生まないと論じています。いや、それは台湾海峡の反対側にまず言えよ。まあその辺はいちおう記事でも「北京も台湾の『軟姿勢』に応えるべきだ」って書いているんですが、この状況でそう言えるのは過去の「抑止力としてのロックオン」の期間が長かったとはいえすごいなあと、まったくそう思っていないんですがとりあえずそう書いておきたいと思います。
http://www.udn.com/2009/3/28/NEWS/OPINION/OPI1/4815609.shtml (聯合報)
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こんばんは!
「桜の雨」素敵な曲だよね>∀<
支那の軍事力には警戒を要するよね、兵器の近代化は予想以上に早いし、このまま行くと制海権を支那に握られるよ。
ただ支那は16億とも言われる人口がアキレス腱だと思うよ、私が考えるに人口の圧力に耐えられなくなって、支那は近い将来に自己崩壊していく様な気がするね。
前回の東南アジア諸国と連携して海上交通路を守ると言う考えは良い考えだと思うよ、これからは一国だけでは自国の安全を保障する事は難しいからね。
やうちさんは色んな事を一生懸命に考えているんだね、いつも有益な情報を有難う(^_^)
そろそろ桜の季節だね、やうちさんはお花見するのかな?
この季節は案外風邪を引き易いから暖かくしてね。
では、また^ω^ノシ
> 雨彦さん。
おいらはネット上で言われているような中国自壊論とか中国分裂論はそこまで信じていないんですが(ごめんなさい)、あれだけ理不尽な格差があれだけの人口の規模ででき上がってしまっているので、いずれは内向きの大変革が避けられないんじゃないかと思います。
おいらも別に真面目にいろんなことを考えているわけじゃなくて(中国のこともあんまり詳しくありません)、よく知らないかったりあんまり考えていないからこそ、適当なことが書けているような気がします。
こんなおいらですが、これからもよろしくお願いします。