2009年4月アーカイブ

あえて連休に触れないで話を始めようと思ったら、10分くらいキーボードの前で固まっちゃいました。どこを切り取っても不毛か無駄としか形容できないのがおいらの人生でっす。
さてそんな連休ですが、東亜+的に注目すべきは後半の「五四運動90周年」かな?「「逢九必乱」の年がやってきた。」で触れたメモリアルイベントの中でも地味な部類に入りますが、テーマそのものは六四に近いものがあるので、不思議な方向に流れないか気になりますね。今のところあまり目立った動きは無いみたいなので、あんまり期待しないほうがいいのかな。

一方、メモリアルと言うにはちょっと中途半端な数字ですが、28日は日華平和条約、ちゃんと書くと「日本国と中華民国との間の平和条約」の調印57周年でした。ちょうどこの日、調印が行われた旧台湾総督官邸にあたる台北賓館の改装記念セレモニーが行われ、調印当時の様子の銅像が除幕されたほか馬英九総統の挨拶もありました。その前日にはRTIで久々に呂秀蓮前副総統の名前を見かけたのでスレを立てたんですが、28日の式典についてはあんまり深く考えていませんでした。
 【台湾】呂秀蓮・前副総統「少なくとも馬英九総統は『二つの中国』を宣言すべき」日華平和条約調印57周年を前に[04/27]
 http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1240848654/
 【台湾】日華条約調印を再現した銅像がお目見え-台北市・台北賓館[04/28]
 http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1240945986/

びっくりしたのはその式典での馬英九の発言を報じた時事通信と共同通信の記事。微妙に二つの記事でニュアンスが違うので、そこらへんにも気をつけて両方を引用してスレ立て。
 【台湾】馬英九総統、「台湾の主権は57年前に日本から中華民国に移った」と台湾地位未定論を否定[04/28]
 http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1240933722/

時事通信の記事にもある

当時の日本と中華民国(国民党)の両政府が1952年に締結した日華平和条約について、「台湾の主権は日本政府から中華民国に移譲された」とする見解を表明し、陳水扁前政権が台湾独立を補強する論拠にした「台湾地位未定論」を否定した。

「地位未定論」を否定=57年前に「移譲」と見解-台湾総統  (時事通信)


というのは素直にびっくりです。日華平和条約には確かに不可解な書き方の条文があったりするんですが、少なくとも日華平和条約から地位未定論を導き出すことはできても(それを独立の論拠にするかは別問題として)、「主権が移った」と解するのはかなり無理のあることだとおいらは思います。

あ、台湾地位未定論についてですか。やふうでぐぐるかWikipediaの項目を見てください。スレでは誰にも指摘されなかったけど、Wikipediaの日本語が随所で不自然なのは、何を隠そうおいらが訳して書いたからです。誰も直してくれないんだよなあ。
っていうわけで、台湾地位未定論というのは簡単に書くと、「第二次世界大戦終結後の台湾の地位や主権については未だ定まっていないという理論」というリード文そのまんまになります。根拠は大きく分けて二つあって、
 ・1951年調印のサンフランシスコ平和条約で「日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する(第2条b)」とされているが、放棄された権利等の着地点が示されていない。
 ・1952年調印の日華平和条約でも、「(サンフランシスコ平和条約)第二条に基き、台湾及び澎湖諸島並びに新南群島及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄したことが承認される(第2条)」とされているが、放棄された権利等の着地点が示されていない。
というものです。もっとも日華平和条約に関して言えば、「直接の言及が無いからといって、もはやそこにしか領土が無い国との平和条約を締結するのに、主権を宙ぶらりんにして他の条文を連ねるわけがないでしょ」という指摘はもちろんあるわけなのですが、これは後ほど。

一方、これを認めない人は中国側にも台湾側にもいて、「決まっていないってちょwwwおまwww、俺のものだろう」というその根拠は、
 ・1943年のカイロ宣言で、米英中の3ヶ国はその同盟の目的について「満洲、台湾及澎湖島の如き日本国が清国人より盗取したる一切の地域を中華民国に返還することに在り」としている。(中共は、さらにそれを引き継いでいるという二段構えの主張)
 ・1945年のポツダム宣言では、「カイロ宣言の条項は履行せらるべく又日本国の主権は本州、北海道、九州及四国竝に吾等の決定する諸小島に局限せらるべし」とされ、日本はカイロ宣言の主旨である中華民国への返還を受諾している。
というもの。

おいらはこの台湾地位未定論っていうのをすごく面白い机上の空論だと思ってます。意味は通るかと言われたら、これはけっこう筋の通った話で、なるほどなって思う。じゃあこれを為政者が口にするとどうなるかと言うと、その時点で「おいおい」ってなっちゃう。そういう意味で実際には使えない机上の空論。だって、仮にも中華民国憲法に則って選ばれた人たちがそんなことを言ってしまったら、自分たちが選ばれた根拠が根っこから崩されちゃうんだから。呂秀蓮は過去に台湾地位未定論を展開してるけど、よくよく考えるとこれはけっこう際どい問題提起だと思うんだよね。
 【台湾】呂秀蓮・副総統、台湾地位未定論を展開[01/30]
 http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1170171741/

その一方で、上にも書いたように日華平和条約から台湾地位未定論を否定するのはかなり苦しいです。かなりの詭弁を要します。さりとて日本と中華民国との間で戦後に結ばれた関係条約というのは(ほぼ)これしかない。肯定すると矛盾を抱え、否定すれば阿呆呼ばわりされかねないという、台湾の政治家にとってはけっこう扱いの難しいシロモノなのかもしれません。
さて、時事や共同で足踏みしても仕方ありません。馬英九がどんな風に否定したのか見てみることにしましょ。原文はビビるほど長いのでいつものようにはしょってます。

(前略:今日が中日和約(日華平和条約)署名57周年であることなど)
この立派な建築物である台北賓館は、1899年に建設が始まり1901年に完成、1913年に改修が終わった。ローマ風の廊柱、ギリシャ風の壁、バロック式の華麗なスタイルが結合しており、当時非常に著名だった建築家の松山森之助によって設計された。小学生の頃はよくこの建物を抜けて通っていたが、大きくなってから50年間台湾を統治した日本の19人の総督のうち16人がここに住まい、即位前の明治天皇(訳註:即位前の昭和天皇(1923年)の誤りか)もここで歓待を受けたことを知った。

(中略:サンフランシスコ平和条約から日華平和条約を結ぶまでの歴史的経緯など)

人々の中には、なぜ日本は韓国、台湾、澎湖諸島、東三省(訳註:中国東北部、満州のこと)および太平洋の島嶼といった占領していた領土の放棄のみを行い、誰がそれを受け取るかを明らかにしなかったのか?これは台湾の地位が未だに確定していないということではないだろうか?と問う者がいる。その主な理由は「サンフランシスコ平和条約」の第2条の規定が領土の放棄のみで誰が受け取るかを書いていないというものだ。
これは当時のイギリスとアメリカによる非常に重要な理念と策略によるものだ。このことが非常に複雑に影響しているため、コンセンサスを得ている部分を先に決めてその他は二ヶ国間の条約に委ねたのだ。このことは我が国に限らず、日本は1956年にソ連とも類似の講和条約を締結し領土問題関係を処理している(訳註:日ソ共同宣言が領土問題を完全に処理したわけじゃないけど原文まま)。この「中日和約」の条文の行間を読めば明確に理解できるが、もし日本が領土を中華民国に渡すというものでなければ双方は署名を行わなかっただろうし、国籍の問題も含めて1945年10月25日の台湾光復時における状況の再確認であった。

中には、日本最後の総督であった安藤利吉と行政長官の陳儀は1945年10月25日に台北公会堂で引継ぎの儀式を行い、台湾の人民は中華民国国籍を回復し、その後も地方政府の成立や選挙の実施など主権行為を行い、なぜ再確認をする必要があったのかと思う人もいるだろう。これについては国際法上、二国の戦争が終結した後、講和条約で総括する必要がある。しかし第二次世界大戦の状況は少しばかり特殊だ。実際のところ、中には中国と日本は1931年の九一八事変(訳註:満州事変のこと)で既に開戦し、1937年の盧溝橋事件で全面戦争になったと考える者もいる。しかし、当時我々は日本に向けて宣戦は行っておらず、真珠湾攻撃のあった2日目にあたる1941年12月9日に、当時の国民政府の林森首席によって日本、ドイツおよびイタリアに宣戦が布告されたのだ。この戦争が終結した後、台湾はすべて光復し、政府は主権を7年にわたって行使した後ようやく講和条約を締結したのだ。
このように情勢は非常に複雑だが、しかし状況がいくら複雑であっても講和条約を結んだ後には落ち着きを取り戻した。したがって「中日和約」の意義としては、まず法理上中日間の戦争状態を終結させることにあった。また事実上の扱いとして、1945年8月15日の時点で台湾人は再び日本人と見なされることは無かったが、我々がが国籍を回復したのは10月25日だ。しかし多くの日本学者はみな、天皇が投降を宣言した後、台湾人は日本人としてみなされなくなったと考えており、実際1946年に行われた選挙では日本にいる台湾人と韓国人は排除されている。中日和約の署名は一つの確認行為であり、戦争状態の終結の確認であるとともに、主権が中華民国に移転したことの確認である。また同時に、中華民国と日本との友好関係が展開されたことになる。

(中略:米華相互防衛条約の話など)

しかし、1972年に日本が中共と国交を結ぶ際、日本の大平正方(訳註:どう見ても大平正芳の誤りだけど、発音は同じなので馬が喋った時はこれでもセーフ。文字にするとアウト)外相は「中日和約」の無効を宣言した。しかし、実際のところ戦争終結の講和条約には二種類に分けられ、その一つは処分性条約、言い換えれば確定後は変わることのないというもので、特に国籍や財産などが該当する。もう一つは執行性条約であり、両国の関係にけりをつけるというものだ。しかし、1952年当時の「中日和約」の果たす役割には何の影響も与えない。

(以下略:斉藤交流協会代表などへの謝辞や、羽田松山便への期待など)

総統、「百年回顧 - 台北賓館の物語」の除幕式に出席 (中華民国総統府)


まあ、明治天皇と昭和天皇を間違えたり、大平正芳の草かんむりが飛んでいたりするのは、「こまけぇことはいいんだよ!!(AA略」なのでいいんですが、というかいちいちそんなことにケチをつける人たちはネット上に山ほどいるのでお任せしますが、いかんせんそれ以外の突っ込みどころが多すぎて困ります。

何よりびびったのは、時事通信などが報じた「日華平和条約により台湾の主権は中華民国に移譲された」というのはどこで読むかというところ。弁護士の肩書きを有する馬英九総統は、いったいどんな口調と表情でこう言ったんだろう。

この「中日和約」の条文の行間を読めば明確に理解できる
(從「中日和約」條文的字裡行間可以清楚瞭解)

総統、「百年回顧 - 台北賓館の物語」の除幕式に出席 (中華民国総統府)


はい?期待させておいて(勝手にこっちが期待したんだけど)、長々とした文章読ませておいて(同じく勝手に(ry)、根拠はそれかよ!
ごめん、語句の解釈云々ならともかくそれって条約を明文化して交わす意味がないじゃんか。一つの言い回しにあれこれ考えてる外務省の中の人とかどうでもよくなっちゃうね。これだったらまだ日華平和条約に関する交換公文、つまり両全権代表同士で交わされた公文(とその議事録)でこの条約が「中華民国政府の支配下に現にあり、又は今後入るすべての領域に適用がある」ことを確認したやり取りを引っ張ってきて、「日本は中華民国が台湾で主権を行使していることを認めている」とでも言ってくれたほうがまだマシってものです。
ちなみにこれはそっち系の人がよく指摘しているんですが、日本政府の見解としてはここから長々しく引用する国会の会議録の引用を見てもらうしかないかと思います。「そんなのかったるいよ」という人のために、昭和39年の衆議院予算委員会で当時の池田勇人首相の答弁を用意しました。

○ 池田勇人:(前略)われわれはサンフランシスコ講和条約によりまして、台湾というものは日本が放棄した。日本が放棄したものを、いや、日本はどこにやろうなんということを言うほどわれわれはやぼな国民ではないのであります。(後略)

昭和39年2月29日 第46回国会衆議院予算委員会


というわけで、日華平和条約における主権の扱いについて、まずは同年の参議院予算委員会における戸叶武参院議員(日本社会党)と大平外相とのやり取りから。

○ 戸叶武:この現に支配する地域というものが、非常に明確化されていないところに中国問題の混乱があると思いますが、(中略)「又は今後入るすべての領域」とは何を意味するか、今の大平外務大臣の説明を聞いてもはっきりしないのですが、この間(註釈:交換公文におけるやり取りのこと)の日本側の立場を説明してもらいたい。
○ 大平正芳:(前略)これらの規定は、国民政府がこれらの地域(註釈:「現にあり、又は今後入るすべての領域」のこと)を施政している事実を前提としたものでありまして、これらの地域に領土権を有することを意味するものではないことは明らかでございます。コントロールという文字を用いたのも、こういう趣旨をあらわすためのものであると私どもは解しております。

昭和39年2月12日 第46回国会参議院予算委員会


そして同じく2月29日の衆議院予算委員会における岡田春夫衆院議員(日本社会党)と池田首相とのやり取りから。

○ 岡田春夫:(前略)明らかに(註釈:日華平和条約第3条や第10条などにおいて)台湾などに対する国民政府の支配権を認めている、これはそのとおりですね。いいですか、そうすると一つの政府の実効的な支配が国際法上適法として認められている地域は、この国の領土、領域外にはありません。(中略)したがって、日本は法的にも台湾などを中国の領域と認めて、いわゆる日華平和条約を結んだと言わざるを得ないではないか。
○ 池田勇人:概念法学的にいろいろのお説でございますが、第二次世界大戦後のいまの状態は、あなたのような考え方では説明できない、現実の問題を。(中略)そういう概念的な問題でなしに、いまひずみのある状態であるのであります。だから戦後におきまして、領土がはっきりしていないが、施政権を行なっておる事実上のもとに、事実を認めた上においての条約を結ぶことはあり得るのであります。

昭和39年2月29日 第46回国会衆議院予算委員会


そこからなおも食い下がる岡田議員は日本語文にある「領域」が中国語訳だと「領土」、英文だと「territories」になっていると指摘し、領土権を認めているじゃないかと追撃。これに対して外務省の中川条約局長は、

○ 中川融:(前略)どういう趣旨で使ったか、その条約全体の精神を勘案して考えるべきでございまして、それから見まして、このサンフランシスコ条約で、すでに日本はあらゆる権利、権原を放棄しておる台湾、澎湖島を、あらためて中華民国のものにするということは、法律的に不可能事でございます。(中略)そういうことからいって、これは主権を中華民国に認めたと解釈することは論理上合わないわけでございまして、日本政府の解釈は、その交渉の当時から、日華間の交渉でもその点は明らかにしているわけでございますが、交渉の当時からはっきり主権問題とは別だ、切り離しているんだということを、一貫してそういう解釈できておるわけでございます。

昭和39年2月29日 第46回国会衆議院予算委員会


と、いずれも日華平和条約が台湾における中華民国の主権を認めた上で結んだものではないというなんともギリギリな回答をやってのけています。冷静に考えてこれはすごいなあ。あ、ついでなのでそっち系の人が必ず引っ張り出す根拠として双璧をなす米華相互防衛条約についても国会議事録から引用しておきましょう。同じく2月29日の衆議院予算委員会から、岡田衆院議員と外務省の中川条約局長とのやり取り。

○ 岡田春夫:(前略)それでは、台湾、澎湖島について、領土は帰属未確定だとおっしゃいますけれども、アメリカは、台湾、澎湖島は中華民国の領土であると確定しております。(中略)それは米華相互防衛条約の第六条、ここにこう書いてあります。第六条に、「第二条及び第五条の規定の適用上、領土及び領域とは、中華民国については、台湾、澎湖諸島をいう。アメリカ合衆国については、その管轄権下にある西太平洋の属領諸島をいう」となっている。いわゆる中華民国の領土は台湾、澎湖島だとある。台湾帰属未確定と違うじゃありませんか、どうですか。
○ 中川融:(前略)米華相互防衛条約、領土及び領域とは何々という規定があるわけでございますが、これは領土及び領域というような字句を使っておることから見ましても、主権のある領土ということ、あるいは主権のある地域ということを予想しているわけじゃないのでありまして、現実のコントロールにある地域という意味であるのでございまして、これは、この条約がアメリカの上院で批准されます際に、上院のほうの意思表明がはっきりしておるのであります。附帯決議さえついておるのでございまして、この条約によって、何ら台湾、澎湖島の領土権について規定したものではないと了解する、こういうはっきりした了解事項がついておるのであります。
○ 岡田春夫:付帯条項については、私も知っております。しかし、ただ条約上の解釈からいって、主権のある領土と主権のない領土と、そんなのはあるのですか。(後略)
○ 中川融:領土という場合には、もちろん通例主権のある場合を当然の予想としておるわけでございますが、この米華条約では、岡田先生御指摘になりましたとおり、領土及び領域という、わざわざ領域という字句も使っておるのでございまして、領域という字句を使う際には、むしろ主権云云の問題を離れて、現実に支配するところ、こういう意味も含めてわざわざ領域という字句を使っておるわけでございまして、この米華条約については、決して主権というものを前提とした規定ではない、かように解釈するのが自然ではなかろうかと思います。

昭和39年2月29日 第46回国会衆議院予算委員会


ということです。

無理があるかと言われるとかなりギリギリの解釈だなって思うんですが、日華平和条約が有効であった時代にはこのように日本側は解釈していたのでした。今回の馬英九発言に触発されてもう一回国会で取り上げるような議員さんはいないかな。いないな。

さらに馬英九が恐ろしい勘違いをしているのは、日華平和条約が1945年10月25日の台湾光復における状態の再確認であり、その時点で行政権の移譲や国籍の回復がなされていると言ってしまっているところ。前者は百歩譲って認めてもいいけど、馬英九が言うように主権移譲を前提にした引継ぎではないでっす。というのもこの台湾光復は、決して「台湾を中華民国に返還する」という主旨で行われたものじゃありません。っていうかそんなのを台湾総督がサインする権限なんかあるわけないじゃん。
じゃあなんでこのようなセレモニーをやったかというと、連合軍側から出されていた一般命令第1号で、

支那(満洲を除く)台湾及北緯十六度以北の仏領印度支那に在る日本国の先任指揮官並に一切の陸上、海上、航空及補助部隊は蒋介石総帥に降伏すべし

一般命令第1号(陸、海軍) (「映像で見る占領期の日本-占領軍撮影フィルムを見る-」から孫引き)


ってあったからです。あくまで無条件降伏に基づく武装解除の手続きの一環として指令され、実行されたものであって、その後の主権帰属の問題とかとは切り離して考えるべき。

ついでにもう一つ書くと、台湾人が国籍を完全に回復したのはやっぱり日華平和条約の発効日で、このことは日本の最高裁の判例(S37.12.05最大判)でも示されてます。また、1946年の選挙で在日韓国人や在日台湾人の選挙権が停止されていたのにはポツダム宣言や台湾光復は関係なく、1945年12月の衆議院議員選挙法改正によるもの。しかもその論理というのは、「現時点で彼らは確かに参政権は有しているものの、将来平和条約が締結された暁には喪失することが明らかだから」っていうことみたい。やっぱりちょっと認識がずれてるみたいだね。

いったいどういう詭弁で「日華平和条約によって台湾の主権は中華民国に移譲された」というのを展開するのかと期待していたのに、まさかの「行間嫁」にはびっくりしました。
これじゃ東亜+に持っていっても粗悪燃料で片付けられちゃうよなあ。これだったら、彼らが大好きな盧武鉉や韓国の新型インフルエンザの方がダンスも盛り上がるっていうものです。もしかしたらちょっとはスレが盛り上がるかもと思っていたけど、これじゃ次回以降にwktkするしかないね。って次回っていつだ?何の話の時だ?どんな詭弁だ?っていうか踊るのがおいら一人だったら嫌だよ。

★ 追記その1。(05/02 13:00)
地位未定論について、「最近ではマッチーが触れていた」という指摘をいただいたので調べたところ、ありましたありました。平成17年の衆議院外務委員会での増子輝彦衆院議員(当時は衆院議員・民主党)と町村信孝外務大臣のやりとりから。おや、と思ったのはこのやり取りがいわゆる日中共同声明の「理解し、尊重する」の話から始まっていること。この増子議員というのは、この「理解し、尊重する」について

○ 増子輝彦:私の理解では、今の大臣の御発言であれば、やはり台湾は中国の一部と理解してよろしいんでしょうか。

平成17年5月13日 第162回国会衆議院外務委員会


という発言が飛び出すくらい(まあ狙ってやってるのかもしれないけどさ)のそういう理解力の方のようですが、それを受けて以下マッチーとのやりとり。

○ 町村信孝:再三申し上げているとおり、まさにこの共同声明第三項の、私が申し上げている中国の立場を理解し、尊重する、これに尽きる。これ以上でもこれ以下でもないわけでございます。
○ 増子輝彦:大臣、それでは実はこの後の質疑ができなくなるんです。(中略)もう一度お伺いいたしますが、(中略)台湾は中国の一部であると理解してよろしいんでしょうか。大臣はそう認めるんでしょうか。
○ 町村信孝:これは、日本はサンフランシスコ平和条約によって台湾を放棄いたしました。(中略)日華平和条約においては同放棄が承認をされた。ただ、その場合、どこの国に対して放棄したかは明記していないわけでございます。したがって、台湾がどこに帰属するかについて、これは専ら連合国が決定すべき問題であり、日本は発言する立場にない、これが日本側の一貫した法的な立場であります。
 したがいまして、さっき申し上げた、中国が、中華人民共和国がそういう考え方であるということについて、日本政府は理解し、尊重をする、こういう表現に結局ならざるを得なかったというか、ここに落ちついたというのは、その当時のサンフランシスコ平和条約からの、ずっとこの条約の解釈をしながらここに行き着いたんだということでありまして、その点は大変先人が御努力をした部分でございますから、ぜひ増子議員にも御理解をいただきたいと思います。

平成17年5月13日 第162回国会衆議院外務委員会


と、より正確に言えば「未定」とまでは言ってないんだけどね。むしろ、「日本は放棄したし、その後のことについて発言する立場にない」というのは池田首相の「やぼな国民」発言に近いかもしれません。そういう意味では従来の踏襲、なんて言うと身も蓋もないんだけど、ではあるんですが、単に台湾の帰属問題という点だけではなく、(実態としては必ず出てくる視点の)対中国という面でも「法的な」点でこれだけ明確に示したのはなかなかないものだと思います。極めて理論的なお話だけれども。ちなみに、増子先生はこれに対し、

○ 増子輝彦:残念ながら、理解できません。(後略)

平成17年5月13日 第162回国会衆議院外務委員会


と。
よし、がんばれネクスト経済産業大臣。
ひょんなことから、こすもたん

庭園は文系女子の歌だったんで次は理系女子の歌とか
いいかもしれねえー!ブルーバックスを片手に電波を飛ばす~的な・・・

・・・・・・これは面白いのか?

てか理系女子ってなんで壊滅的に人数すくねーの?都市伝説なの!?

CHEMICAL SYSTEM LE (CHEMICAL SYSTEM LE)


と書いていたのを発見。
なんだか読んでて腕をぐるんぐるん回したくなるくらい嬉しい話題。これについてちょっと触れる程度に書こうと思ったら、がつりがつりと駄文が連なり、気がついたら本文並みになっちゃった。しょうがないのでほとんど消した。これでも1/200くらい(当社比)にはなってるんですよ。
ちなみに、おいらは「理系女子的理系科目」ってこんな感じのランキングになると思ってます。あ。かわいいは正義、というのは恒等式なのでそれは放置。
 化学>物理>>(越えられない壁)>>生物>地学>>>(千尋の谷)>>>数学III>>(見えない壁)>>数学C
異論はあるかい?あればことごとく却下だっ!

このところまともにニュースの話をしていなかったので、「伸びなくたって胡六点。」の続きのお話でも。
これについて馬英九がどういう反応を示すかっていうのは、今後の両岸関係のスタンスを見る上でけっこう気になるところだったんですが、その観測記事が今月の初めの方に報じられました。
 【中台】馬英九総統、4月下旬にも胡錦濤総書記による「胡六点」への公式回答を示すか[04/01]
 http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1238599253/

うん、「また」聯合報なんだ。済まない。っていうかそんなのはどうでもよくて。胡錦涛が発言した昨年の12/31のスレって、それこそ31レスしかつかなくてマジで「伸びなくたって」な展開だったのに、このスレはたった9レスでdat落ちしてたことに驚いたよ。この記事で

馬英九総統は、今月下旬にも総統府内で米国のシンクタンクとテレビ会議を行い、その際に「胡六点」への正式な回答を行い、馬政権の両岸政策・外交政策を説明する予定だ。

今月下旬、馬総統が正式に胡六点に回答示す (聯合報)


ってあったのですが、まさにそれが22日に行われたアメリカのシンクタンク、戦略国際研究センター(CSIS)との会議でした。東亜+では共同電で立ってるね。
 【台湾】中国の軍事脅威、F16など新兵器供与を-馬英九総統[04/23]
 http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1240425852/

スレでは主に台米関係、特に軍事的な支援についてが(記事のタイトルもそうなんだけど)前面に出されてて、最後にちょっとだけWHAへの参加問題が出ている程度。あれれれ?両岸交流や外交政策は?まあ日本のメディアだからそこは端折っちゃうのは仕方ないのかな。っていうことで実際の内容を読む前に、ここでちょっとだけ時計の針を巻き戻します。

先週の18日、中国海南省の博鰲(ボアオ)で「ボアオ・アジアフォーラム2009」が開かれました。そうです、ジャッキー・チェンの記者会見での発言が「全部持っていった」あれでっす。ここで中国の温家宝国務院総理と会っていたのが、台湾の両岸共同市場基金会の最高顧問、銭復元監察院長(元外交部長ともいう)でした。実はフフンなんかも会っているんですが、そっちは今回はスルー。
 【中国】「中国人は管理される必要ある」=ジャッキー・チェンさんの発言が物議[04/19]
 http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1240092065/
 【日中】温家宝首相、東アジア共同体建設で協力を呼び掛け-福田前首相との会談で[04/18]
 http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1240064052/

その温・銭会談の中で温家宝は、

現在の厳しい国際経済情勢の下では、両岸の同胞が両岸関係の平和的発展というテーマをしっかりと捉え、未来志向で、過去の恨みを水に流し、密接に協力し、助け合って推し進めるべきだ。

温家宝、台湾両岸共同市場基金会最高顧問の銭復と会談 (新華社)


と述べて、大陸企業による台湾への投資や台湾製品の購入拡大など5項目の新規政策を提言しています。それだけだったらまだなんとなく「いい話」っぽく終わるんですが、温家宝はさらに、

これらの政策の根本にある着眼点は、中華民族の偉大なる復興を目指すというものだ。得がたい現在の歴史的好機をしっかりとものにし、「相互の信頼を確立し、争いを棚上げし、共通点を見出して異なる点は残しておき、互いが利益を得る」という精神に基づくことを続け、「経済を先に、政治は後に」「簡単なものを先に、難しいものは後に」というスタンスで両岸の協商プロセスによって、一つの中国という原則を堅持する前提の下、政治や軍事の問題を検討、解決することの実務に励もうではないか。
これは中華民族の根本的で長期的な利益であり、世界すべての祖国を愛する中華の子供たちの共通する願いである。

温家宝、台湾両岸共同市場基金会最高顧問の銭復と会談 (新華社)


と続けます。早い話が、「経済を先に、政治は後に」と言いつつも、根底に「一つの中国」があるのは変わらないっていうことです。これは胡錦涛が「一つの中国の原則の下」を連呼しながら共同体制を提議した胡六点と同じですね。このぶれなさはさすが中国っす。

これに対し銭復は

両岸の平和的発展という主張には完全に賛成だ。台湾の圧倒的多数の国民がそれを歓迎する受け止め方をすると信じている。

温家宝、台湾両岸共同市場基金会最高顧問の銭復と会談 (新華社)


と言ったとか。まあ新華社なので若干割り引く必要はあるかなっていう気もするんですが、「ちゃんと聞いてたのかな」とも思っちゃう。おいらはこれが「ECFAをはじめとする経済関係促進に対する両岸の認識の違い」が出た結果じゃないかなあって思います。
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2009-04/18/content_11210891_1.htm (新華社)

この「圧倒的多数の国民が」というくだりは実際のところどうなのか。22日に雑誌『遠見』が公表した世論調査では、タイムリーなことに(でも4/15から17に調査したらしいんだけど)胡六点に関する質問がありました。胡六点の1点目にあった
> 大陸と台湾は未統一なのは、中国の領土や主権が分裂しているのではなく、国共内戦から続く政治的対立。
という「一つの中国における継続中の内戦」という考え方に、69.4%の人が同意できないと答え(まったく同意できないが42.6%、一部同意できないが26.8%)、国民党支持層でも70%が否定的だったとか(一方で、15.5%の人が同意してます)。遠見では、「台湾では既に政党が国家を超えることは無いという考えが浸透し、今後の政治協議や平和協議においても一政党が交渉の主体となることはできない」とまとめてますが、向こうはそれが怪しいんです、いや、台湾側も心もとなかったりするんですが。
というのも、ちょっと古いけど3月11日にTVBSが公表したECFAに関する世論調査では、68%の人が「政府はECFAの内容や方向性をきちんと説明していない」と答え、87%の人が説明するべきだと回答しています。特に回答者の71%が「ECFAが何なのかわからない」と言っているような状況で、「経済を先に」というのはどうなんだろうね。これについてはまた後ほど。
 http://www.gvm.com.tw/gvsrc/200904_GVSRC_others.pdf (遠見・PDF形式)
 http://www.tvbs.com.tw/FILE_DB/DL_DB/rickliu/200903/rickliu-20090312220651.pdf (TVBS・PDF形式)

そんな中で迎えたのが22日のCSISとのテレビ会議でした。これまで「『経済を先に』という点では一致している」「『一つの中国』の捉え方は『92共識』によりお互いで解釈」というのが台湾側の基本的なスタンスだったのですが、それを「どこまで広げるか」「立ち位置に変化は無いか」っていうのを示すかどうか。また世論に比べて走りすぎともとれる状況に対してどういう方針を示すのかっていうのに注目が集まりました。
ところが22日午後、聯合報は総統府筋の話として、「政府は胡六点に対して正面から回答することはしないと決めた」と報じました。

馬英九は昨日(21日)、メディアのインタビューに答えた際、「今後4年間、両岸は経済の話に集中し、そんなに速やかに政治的議題について話し合うことはしない」と答えた。
そのため、総統府では「馬○条」や「馬○点」という形を取らないことで調整することを決めた。

政府高官:「胡六点」に対抗して「馬何点」とは出さない (聯合報)


そのインタビューと言うのは21日に行われた中国時報とのインタビュー。温家宝が18日に言った「過去の恨みを水に流し」のように、馬英九も両岸関係が「前向きに進む」ことを希望するとしたうえで、

過去には、一回の徐蚌会戦(中国では「淮海戦役」と呼ぶ)で100万人以上が死傷している。これは過去を振り返るに忍びない歴史であり、「中華民族が再び内戦を行うことは人類の悲劇」だ。両岸は過去の戦闘を再び繰り返してはならない。

馬英九:今後4年間、両岸は経済についてのみ話し合う (中国時報)


と語っています。じゃあ軍事的な相互連絡機関のようなものを作るところまで踏み込むかというとそうでもなくて、上に書いたように「まずは経済関係の正常化を果たすことが先決であり、細かい部分まで含めれば今後3,4年間は終わらないだろう。したがって、そんなに急いで政治的なテーマに触れることはない」とかわしています。

さらに胡六点へのレスポンスについても、「記者会見を開いて一点ごとに回答する必要はないと考えている」と答え、それどころか「我々は既に胡六点談話への回答を何度も行っている。例えば、台湾と総合的な経済協力協定を結びたいと大陸が言い、我々はECFAを提案しているようにだ。また、胡錦涛が『愛郷愛土の台湾意識は台湾独立意識とイコールではない』と言っていたが、私もそれを是認している」と答え、江八点→李六点というような流れは踏まないことを前日に示しちゃったんです。
そりゃあ確かに「答えない」っていうか「応えない」というのも対応の一つだと思うけど、なんかちょっと腑に落ちないなあ。

これだけ長々と引っ張っておきながら、急にしぼんでしまった22日のテレビ会議。せっかくなのでそれっぽい部分だけ抜き出して部分訳しようかと思ったんだけど、惹かれるような話が出てない。「歴史的な経緯にとらわれず、地理的な利点を活かした国際社会とのつながりを」っていう提案も悪くはないんだけど、なんだか浮いたような感じで困ったぜぃ。
 http://www.president.gov.tw/php-bin/prez/shownews.php4?Rid=15231 (中華民国総統府)

このままじゃあまりにも尻すぼみなので、各紙の評価でも。あ、あくまで胡六点に関係するやつだけね。
まずは自由時報から。台湾智庫が23日に開いた座談会で、元大陸委員会主任委員で元駐米代表の呉釗燮は「(馬英九は)この機会を充分に利用して、国際社会に向けて台湾の人々のためにコメントをすべきだったのに、馬英九は何の反応も示さなかった」と批判しています。呉釗燮はさらに、「反応が無いということは、国際社会はおそらく『両岸はお互いに受け入れたのだろう』と考えてしまい、大いなる誤解を生んでしまうだろう」と残念そうに話したそうです。
お、と思ったのは同じ座談会に出席していた台湾東北アジア学会の李明峻副秘書長のコメント。「馬英九はテレビ会議の中で、徹頭徹尾日本について言及しなかった。馬英九は今後、両岸関係の解決にあたってもう日本と関わらないのだろうか?日米安保を取り上げないのか?アメリカにだけ説明が必要なのか?」と提起したとのこと。そもそもビデオ会議の相手がアメリカだったことや、アメリカでの台湾関係法成立30周年の節目というのもあったとはいえ、「日米安保を絡めるべきだった」っていうのはそこまで的外れでもないよね。とにかく大陸とアメリカに目が行く馬英九政権に向けたちょっとしたカウンターってとこかな。そういえば、上の方に書いた東亜+のスレでも、直接日米安保に触れたレスも無かったなあ。
 http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/apr/24/today-p6.htm (自由時報)

一方、「馬英九、胡六点に回答 両岸はまず経済、その後に軍事」という「あれ?」な見出しを掲げたのは、何を隠そう23日の中国時報。最初っから「馬英九総統は昨日、ビデオレター形式によって胡六点に回答した」って書いてますけどあれー。確かに実際の発言を考えても「回答した」とはとても言えないです。ところが中国時報は、まさに21日に自分のところのインタビューで予告された「例えば、台湾と総合的な経済協力協定を結びたいと大陸が言い、我々はECFAを提案しているように」っていうやり方を「回答」として書いてるんですね。
 http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,5020530+112009042300136,00.html (中国時報)

うーん、確かにそれも回答って言えば回答だよね。それに、大きな問題ではあるけれど、国民投票にかけるものかというのも微妙なところ。いちおう台湾の2,300万人は馬英九や立法委員たちを選んだのだから、一定の範囲においては負託がなされているわけで。
一方で、全体の方針を示さず個別の政策で見せていくっていうのもなかなか理解が得づらいところ。国民の置いてけぼりを生むし、チェックっていう点でも不安が残るしね。やっぱり気になるのは、馬英九のインタビューの記事にもあった、王金平の「立法院に両岸関係を扱う部署を」という提案を馬英九が「今ある制度に瑕疵が無ければ動かす必要はない。充分に機能している」として反対したところ。
一方で、政府は小手先の楔を打ち続けるのが好きみたい。19日に行政院大陸委員会が発表した世論調査では、「ECFAによって台湾経済にどのような影響を与えるか」という質問に対して、55.9%の人が「よい影響を与える」と答えている(「不好的影響」まで入れると78.1%)、なんていう結果が出たそうです。上の方に書いたTVBSの調査では、7割以上の人が「よくわかんない」って答えているのにね(陸委会の調査で「わからない/意見無し」は9.3%)。これは不思議だ。「TVBSの調査と陸委会の調査のどっちを信用するのか」って言われると、これもけっこう究極の選択みたいなところがあるけどね。
 http://www.mac.gov.tw/big5/mlpolicy/pos/9804/980419b.pdf (行政院大陸委員会・PDF形式)

こうやって、投げられたボールを完全にスルーしないでちょろちょろと反応するあたりに一抹の不安が残ってしまうのです。胡六点とECFAの関係だって、むしろ「ああ、胡六点?失礼なやつだ、こいつは。お前の大中華思想なんか知るか。ECFAは対等な立場で結ぶんだよ、気をつけろ、このドアホ!」くらいの勢いは欲しいよね(いまいちネタにしにくいなあ)。どうも「えーと、真っ向から否定も肯定もし辛いんでこんなん考えてみました」的なノリにしか見えないっす。
完全にタイミングを逸しているとは言え、きりたんPことdorikoさんの新曲「ロミオとシンデレラ」に触れないままでいるわけにはいかないでしょ。



サムネで鼻血を噴くことは無かったんですが、Aメロ×4で自然に韻を踏むのには鼻水を吹きました。以前、kzさんとの対談で、

ぼくは逆で、歌詞に3日以上かけたことはないんですよ。歌詞と言っても文章に近いんですよね。「夕日坂」なんか典型的だと思いますけど。

初音ミクと職人の距離は――doriko×kz特別対談 (ascii.jp)


って、話しているんですが、この歌もそうだとしたらおいらはもうどうしたらよいのやら。どうもしないっすけど。ひたすら引き出しの多さと深さに惚れ惚れします。

この曲の作者コメントのところにもあるのが、TBSの木曜深夜アニメ枠でやってる「けいおん!」。ごめん、見てません。しかも「まんがタイムきらら」なんて読んだこともないっすわー。
と、いろんな人から「観てる?」と聞かれるのでそのたびに答えているんですが、なぜか訝しげな表情で返されるから困っちゃう。「絶対にこういうのは観てると思ってた」とまで断言されたこともあるし。おかしいなあ。どういうイメージ持たれているんだろ。ああああああアニヲタちゃうわ!

だってさ、ガールズバンドのお話でしょ。スイーツ(笑)とかDQNが好きそうだとは思うけどね。
(90分経過)
プリードンセイーユーアーレージー♪ だってほんとうはクレイジー♪

えーと、これくらいで許してもらえるんでしょうか。マジで観てないのでリアクション取りようが無いっす。あ。元ネタは、
 けいおん!紅茶62杯目
 http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1239806552/602
 けいおん放送前→放送後のやる夫
 http://www.syu-ta.com/blog/2009/04/17/082407.shtml

なお、通常の50倍速、第3話までを108秒で分かりたい人はこのシリーズで。



ごめん。やっぱり観ないと思う。

ごめんついでにもういっちょ!

143 名前:<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん 投稿日:2009/03/30(月) 14:47:04
だれかサーチナとレコチャイでしかスレッドたてられないクリック乞食記者のリストつくってほしい

耶麻さくら(最近みない)
シャイニング記者(台湾特化だがコピペしやすいからって国民党系「聯合報」ばかり引用)
印象としてまともな知中派はこの二人だけ

【サーチナ】中国人が語る日本「日本が我々に与えてくれたもの」 [03/30] (東アジアnews+板)


ええええええええ。ちちちちちちちち知中派ちゃうわ!むしろ矢口h(ry
冗談はともかくも、おいらは決して聯合報メインで立ててたりはしないですよ。「チャイ語ソースからスレを立てるやり方。」で巡回の順番を書いてるように、台湾のメディアであれば自由時報の方がよく目を通してるくらいなのにね。実際に立ててる本数からしたって「聯合報ばかり」って言うほどじゃないと思うんだけどなあ。
唯一聯合報にアドバンテージがあるとすれば(というか自由時報の残念なところは)、更新のタイミングだね。例えば今日21日の日中に何かニュースになりそうな出来事があったとしたら、自由時報のWeb版に載るのは22日になって、おいらが立てるのはきっと22日から23日にかけての深夜になっちゃいます。その点、聯合報だったりRTIでは21日の午後あるいは夜にでも記事が出るから、21日から22日にかけての深夜にスレを立てやすいんですね。それだけのことなんです。
え。自由時報にも即時新聞があるじゃないかって?あれね、URLが綺麗じゃないからおいらはあんまり好きじゃないんです。中国時報やりんごをあんまり好まないのも、メディアの立ち位置もさることながら実はそういう理由が大きかったりします。超適当な人間なので。
もちろん、メディアにはメディアなりのカラーがあるから、おいらだってそこを何の勘案も無しに選んだりはしていないつもりでっす。でも、ソースを提供するメディアとそれを引っ張ってくるφ★との間で繰り広げられる微妙な綱引き(を勝手にφ★側がやってるだけ)は、一歩間違えれば恣意的なソース選択にもなりかねないよね。東亜+を見ていると、毎日しかり朝日しかり国内メディアに対するイメージが一本調子になりがちです。一方で、中国や台湾についてはそのへんが超アバウト。個人的には>>143みたく国外の報道についてもソースやφ★の匙加減を見ようとするの(かっこよくすればメディアリテラシーって言うのかな)は大切だと思うなあ。度を越した色眼鏡にならないようにするのが難しいけどね。
でもごめん。少なくともおいらは知中派では無いっす。聯合報ばっかり使ってるわけでもないっす。っていうか、コピペしやすいって何をですか?っていうか台湾に特化してたらまともな知中派じゃないじゃんか!

しかも名前間違えられてるしねー。lazyとcrazyくらい違うしねー。と思いながらなおもスレをスクロール。

153 名前:<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん 投稿日:2009/03/30(月) 15:04:18
やうちさん、こんなとこでなにやってんすかwww

【サーチナ】中国人が語る日本「日本が我々に与えてくれたもの」 [03/30] (東アジアnews+板)


えええええええ。なななななななな名無し潜伏ちゃうわ!

風よ遠くへ運べ。

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蒋経国生誕100周年行事の関係で書きたいことがあったのですが、特に理由も無く行き詰まりました。というわけで、4月10日付の『自由時報』、「自由副刊」に掲載された作家・張維中の文章をば。
と、これまた特に意味も無くタソガレさんの「中南海ノ黄昏」の真似をしてみるテスト。

(略/要旨:四季がはっきりしている日本では、季節のイベントでは人々がこぞってそれに向かう。3月から4月の桜の季節には、時期限定商品や花見などですごく盛り上がる。)

○ 桜の木の下での人間観察
日本人について言えることとして、年越しを重要視する一方で、気持ちの上では新しい一年の始まりを4月と考えている。
4月は日本の学校制度で新学期の始まりにあたり、新卒の人たちが就職して新たな生活を始める時期でもある。仮にこうした分類に当てはまらない人たちでも、周りの空気に影響され、この時期に自分の生活をきちんと整えようと思うものだ。
このように、桜の盛りと散り行く季節には多くの事柄が新旧交代の様相を呈することになる。

(略/要旨:奈良時代以降の花見の歴史について)

花見という言葉は、花宴としてこれまで脈々と受け継がれてきた。古くから広まり、現在の日本人にも花宴の習慣がある。家族や友人、会社といった大勢の集団で、ピクニックシートを持って公園などの桜の木を目指し、木の下に陣取るのだ。これを国民全体で行うので、その場は当然の如く大変な人だかりとなって、極めて壮観だ。

私は、こうした宴と宴を行き交うのが好きだ。花を観賞するのも一つだが、人を観察するのもまた面白い。桜の木の下にはありとあらゆる種類の人がいる。静かに本を読む者もいれば、すやすやと熟睡する者(奇怪な多種多様の姿勢であるが)、持ってきた楽器を奏でる者、優雅に「花見弁当」を食べる者、公園をあたかも自分の家のようにし、おやつを散らかす者、我を忘れて友人と喧嘩をする者、同僚と一緒に酒を飲んで顔を真っ赤にする者もいた。

私は昨年東京に来たばかりの時、初めて日本の桜の季節を通しで経験した。瞬く間に桜の季節は再び訪れ、これはここでの生活が既に1年たったことを意味している。

○ 去る者を送り来る者を迎える人生の花見
元の町に住んで1年が経ち、最近になって別の町に引っ越す準備をした。苦労の末、ようやく新たな居場所も決まった。そこには、今住んでいるところよりも大きな公園がある。ある日、新しい家を見に行った時のことだが、日当たりのよい公園を横切ったところ、うっそうとした緑の木々が目に留まった。その時私は、桜の季節がやってくればその木々は全て、風に揺られて舞い落ちる桜の木々に変わるかもしれないと思った。
果たしてそれが本当に桜の木かどうかはわからない。さりとて急いで知る必要もない。どのみちこれから一日一日ごとにその時はやってきて、自ずとどのような木なのかがわかるだろうから。

新生活に向けた準備をした私は、桜の開花を前にここに来た。環境の変化により、新たな人間関係が再び出来上がっていくだろう。
花咲き花散り、人も去っては来る。一たび花宴の幕を下りた後、あなたが望もうと望むまいと、桜の木の下では別の宴が花開くことになるだろう。

四月の花見 (自由時報)


っていうことでなんとなく抜粋して翻訳。もしかしたら切り過ぎたかもしれないので興味のある人は全文読んでください。
この張維中というのは1976年に台北で生まれた若手の作家さん。っていうかブログの写真見てると20代って言われても信じちゃうんですけど(時折年相応のもある)。

この文章、微妙にまとまりがないように見えるのは、きっとおいらの文章力の無さのせいです。ドンマイ自分。冒頭、季節ごとにそれこそ挙国一致で動く日本をどこか冷静に見つめながらも、桜に対する愛着が見てとれるのがなんだか嬉しいね。それが人間観察に及ぶのはちょっとこっぱずかしいけどさ。
特に、桜がわっと咲いてどわっと散るのを出会いと別れの季節の大騒ぎにかぶせるのは、思わずはっとさせられます。花が咲いて散るという自然の理に合わせるように、去る者と来る者がいることもまた、ある種自然なことなのかもしれないね。

今年の春、同じくはっとさせられたのが、つるつるPの「桜にさよなら」でした。古来から桜を詠んだり歌ったりするのは定石でもあるのですが、こと今シーズンの桜の歌としてはこれがピカイチですね。桜の花びらの舞う様を離別にダブらせるのはよくあるけれど、
> 枝から離れたならもう二度と戻れない
> たとえどんな世界が僕を待ってても
という、拳をぎゅっとした感じが衝撃でした。おいらなんて桜吹雪を見ても単に「きれいだね、でも はいてないね はかないね、切ないね」くらいで終わっちゃうのに、この捉え方を聴いてすごく驚いた。張維中もそうだけど、100%センチメンタルな気分だけで観ない人にこそ、桜の木は忘れられないものになるんだろうなあと思った。

落ちてた。

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mixiの若干Pコミュで知ったんですが、おまいらこのascii.jpの記事を若干何度でも読むべきだと思います。
 初音ミクという「ロック」を生んだ若干Pに聞く
 http://ascii.jp/elem/000/000/408/408228/ (ascii.jp)

前々から知ってはいたんですが、

ルーツは見る人が見ればすごく分かりやすいと思います。
音楽に関して言えば、完全に下地なのはスピッツなんです。
歌詞がステキで、メロディが良くて音に骨があるのが好きで。

初音ミクという「ロック」を生んだ若干Pに聞く (ASCII.jp)


っていうのは、同年代(ってくくるのもどうかと思う)として思わず「にへら」ってなっちゃいますね。

若干Pの音楽にしても絵にしても惚れるところは、

初音ミクというキャラクターに対しても何に対しても、距離感はフラットな方がいいなあと思っていました。

初音ミクという「ロック」を生んだ若干Pに聞く (ASCII.jp)


とか

今はウェブと他のメディアがミックスされ、色んなことがこれから変わっている状況です。
その中で、あくまで「フラットな視線」を心がけたら、何かこれからも面白いことができるんじゃないかなあと思っています。

初音ミクという「ロック」を生んだ若干Pに聞く (ASCII.jp)


っていう言葉に表れているように、何かに依存しすぎたり傾倒しすぎない強さみたいなとこですね。それは行き過ぎると淡白すぎちゃうように見えるし、放り投げられたような鬱エンドにも取られちゃうんだけど、その試されてる感が好き。絶妙な距離感は緩さを生むと同時に、その距離をキープする力強さも見せてくれていると思う。

え?おいらにその真似事は無理っす。インタビューの中で、

若干Pとしてニコニコ動画に掲載していたのは、あくまで初音さんの発表場所としてふさわしかったからなんですよね。

初音ミクという「ロック」を生んだ若干Pに聞く (ASCII.jp)


というのを読んで若干テンパったくらいだから。あはは。上に書いたような若干Pのマインドを考えたらその考え方は理解できるし、自分自身もできればそうありたいと思うんだけど、やっぱり若干残念だなあと思ってしまうあたりおいらもまだまだですね。

さてさて、精神的な成長もそうなんですが、語学の面でも「まだまだがんばりましょう」でした。はぅぅ。先月受けた中国語検定の結果が届きました。「「彼女は試験を受けないことにしました」。」でも書いたように自己採点では箸にも棒にもかからないような結果だったんですが、レッツオープン!

yaguyagu065.jpg






ですよねー。
謎だったのは各問題ごとの実際の点数。自己採点の数字と比べてみたら、
 ○ リスニング:60/100 → 70/100
 ○筆記:59/100 → 62/100
 (1) ピンイン・声調:12/20 → 12/20
 (2) 文法(空欄補充):8/20 → 12/20
 (3) 文法(語順整序):16/20 → 14/20
 (4) 長文読解:18/20 → 17/20
 (5) 和文中訳:5/20 → 7/20
何これ、ずれまくってるじゃん。自己採点の意味があんまりないじゃんか。面白いのは、リスニングも前半の会話形式の問いはボロボロで、後半の長文問題のほうが良いこと。筆記も長文読解が点を稼いでいるのを見ると、なんか「あーやっぱりかー」と納得がいってしまったのでした。

それにしても和文中訳がひどすぎる。リスニングと筆記がそれぞれ65点以上なら合格だったので、和文中訳の正答率を50%にするだけ(つまり+3点で10/20にすれば)で合格していたんだもんね。って、後悔先に立たずか。
と、ここでおもむろに去年の同じ時期に受けた時の「落ちた。」を読んでみる。

でも今回、よくよく見てみたらリスニングは合格ラインをクリアしてるじゃん!
しかもいちばん出来が悪いのが和文中訳ってどんだけー。

落ちた。 (やうちさん、ニュースだよ!)


ぅゎ。何も変わってないじゃんかよ(級はその時と違うけど)!

えーと、6月再チャレンジしようと思います。はぅぅ。
ちょっとした過ちを犯してしまい、先週から日経ビジネスオンラインの「ネットは「中国式民主主義」を生むか?」を読んでました。うん、春休みの宿題みたいなものなんだ。
そもそもおいらは決して中国ヲチャーでもネットヲチャーでもないんですが、振られちゃったらしょうがないよね。「約束は守らなくてもお約束は守ること」「人を裏切らなくても人の期待は裏切ること」というのが人生の二大命題だから、餌には全力で食らいつくし、無理難題は「無理無理無理無理」って言っておいてからやっぱり手を出します。そんな話を中の人の隣の人にしたらが「なんだかエロゲみたいだね」って言われました。思考回路がさっぱりわからないんですが、とりあえず東シナ海の魚のエサにでもなればいいのに、と思ったわけ。
いずれにしても、この話はまた次回以降で。っていうか、昨日ミスドでうんうん言いながら何回もコーヒーお替りして読み終えたんだけど、(おいらほどじゃないにせよ)あっちこっちに話が飛ぶので、何か書こうとするためにはもう一回ペンを片手に読まなきゃいけないっぽいです。今さらながら1日遅れのエイプリルフールだったらよかったのにと思いつつ、本当に取り消されたそれはそれで怒る。基本的にわがままっ子です。えへん。

そういや今年のエイプリルフールでは、いろんな嘘ニュースやダム板、リアルでの騙しあいにはひっかからなかったのに、mixiで2人から計3回ひっかかりました。くっ。しかもちょっとした抵抗のつもりで苦し紛れに編集したタグが、いつの間にかロックされていてびっくりした。先生、タグロックそこじゃないです。っていうか先生じゃなくて(ry

こういう嘘やひっかけは、重音テトもそうだけどまだまだ清々しさがあるんですが、嘘なのかひっかけなのかわからないもやっとした歯切れの悪いニュースもあるわけでして。

台湾では7日、ちょっとショッキングなニュースが流れました。香港にあるリスクコンサルタント会社、亜洲政経風険顧問公司が発表したいわゆる「汚職度調査」みたいなやつで「台湾は中国よりも汚職がひどいと見られている」というような趣旨の結果が出たと報じられました。なんでもアジア+米国+豪州の17ヶ国のうち、台湾が悪いほうから8番目、中国が9番目だったそうです。一瞬、「確かになんだかんだ言ってもクリーンとは言えないよなあ」みたいなことを思ったんですが、それにしたって中国より悪いっていうのは「え?」ってなります。
今回の調査、なんかちょっと変わった調査だなあっていうのが率直な印象。というのも、こういうのって汚職の件数とかそういう資料を基にして考えると思うんですが、この調査は外国人ビジネスマン(or外国企業)によるイメージ調査に近いもののようです。りんごは調査結果を総括して「外国人ビジネスマンの台湾に対する全体的なイメージは中国より良いものの、政治家の汚職問題については中国よりひどいものと映っている」とし、「現在審理が行われている陳水扁の事件が、台湾の汚職問題のレベルを示す指標になるだろう」としています。この書き方もなんだか誘導っぽくて嫌だけどね。とか思ってたら、行政院新聞局の蘇俊賓は「前政権の汚職事件が与えた影響は大きい」とコメントしたもより。こらこら。
RTIの報道には法務部のコメントも載っているんですが、「これは調査の有効標本も非常に少なく、基礎がしっかりしたものとはいえない。しかし、台湾に対する非常に重たいアラートである」と述べています。
また同じく7日の蘋果日報では論評記事で、「以前の我々は韓国と比較をしていたが、今では韓国は我々の上に行ってしまい、フィリピンや中国と比べるような状況になってしまった」と嘆いています。大陸はいいとして、直球で「ダメな国の代名詞」として名前を出されたフィリピン涙目。
 http://www.rti.org.tw/News/NewsContentHome.aspx?NewsID=150473&t=1 (RTI)
 http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130502+132009040701917,00.html (中央通訊社→中国時報)
 http://1-apple.com.tw/index.cfm?Fuseaction=Article&Art_ID=31527906&IssueID=20090407 (蘋果日報)
 http://1-apple.com.tw/index.cfm?Fuseaction=Article&Art_ID=31527909&IssueID=20090407 (蘋果日報)

珍しくこれに速攻で反応したのが馬英九総統でした。翌8日には総統府で会見し、汚職や腐敗の根絶に向けて不正行為の調査を行うことを発表しました。
これについてはさらに珍しく東京新聞だけが報じていた(っていうか他で確認できなかった)ので、本文のみ転載。こんな感じっす。

台湾の馬英九総統は8日、緊急記者会見を開き、行政と司法機関に対して不正行為の有無を徹底的に調査し、改善策を3カ月以内に報告するよう求めたことを明らかにした。

最近、国防部(国防省)などで汚職容疑事件が相次いで発覚。また香港のリスクコンサルタント会社が発表したアジア地区の汚職度調査で「中国よりも台湾の方が状況が深刻」と指摘されたことから総統による異例の号令が下った。馬総統は「中華圏にあって台湾は民主を成し遂げており、腐敗の恥をさらすことは受け入れられない」と強調した。民進党政権時代に起きた汚職事件であっても綱紀の粛正は現政府の責任として、調査の徹底と不正の一掃を指示した。馬総統は、与野党や職位の程度を問わず不正を放置せず、調査の遅れを容認しないという厳しい姿勢を示している。

- 台湾総統 腐敗防止の号令 『中国より深刻』指摘受け - (東京新聞)


 http://www.president.gov.tw/php-bin/prez/shownews.php4?Rid=15156 (中華民国総統府)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009040902000068.html (東京新聞)
 【台湾】馬英九総統が腐敗防止の号令-アジアの汚職度調査で「中国より深刻」と指摘を受け [04/09]
 http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1239304963/

馬英九にとって「クリーンなイメージ」を狙うというのは、原点回帰とも言うべき作戦です。その一方で、りんごの記事が匂わせたように、やり方によっては前政権の有力者を弾いちゃって、「前政権より今の政権のほうがしっかりしてました」って結論付けることもできるというわな。
なのですが、なんと言っても「あれ?」と思う最大のポイントは、一国の宰相がいち機関の調査、しかも外国人ビジネスマンの目から見た印象で、さらに法務部が「まあ落ちつけ」とコメントした結果に対しダイレクトで触れている点ですね。たとえば景況感みたく、一般市民の感覚が政策の指標になるっていうのは必ずしも間違いじゃないと思うんですが、それにしたって今回の発表は唐突感が拭えません。
さらに上手いなと思うのは、陳水扁前政権時代のことであっても「現政権が責任を回避することはできない」なんてもっともらしく言っているとこ。おいおい、別に今の政権のスタッフが罰せられるわけじゃなくて、訴追なりなんなりの対象は前政権のスタッフにするんでしょ。
どうもこのへんは「国策捜査じゃないよ」「緑陣営のみをしょっぴくわけじゃないよ」っていう事前のエクスキューズにも見えちゃうんですね。考えすぎかな。会見の中でも「藍緑を問わず、役職を問わず、歪みなく放置せず」って指示しているけれど、それをあえて言ってしまうっていうところに、何か妙な勘ぐりにスイッチが入ってしまうのです。
 http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/apr/9/today-p1.htm (自由時報)
 http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/apr/9/today-p1-2.htm (自由時報)
 http://www.udn.com/2009/4/8/NEWS/NATIONAL/NAT1/4836169.shtml (聯合報)
 http://www.udn.com/2009/4/8/NEWS/NATIONAL/NAT1/4836092.shtml (聯合報)
 http://www.udn.com/2009/4/9/NEWS/NATIONAL/NATS5/4837517.shtml (聯合報)

というのも、馬英九が「これはひどい」ということで立ち上がった根拠の一つである例の「汚職度調査」なんですが、果たしてどこまで実情を表しているのかちょっと怪しいのです。おっと、仮に台湾の汚職度が中国よりもマシだったとして「汚職根絶」っていうスローガンを否定するって言う意味じゃないからね。言い換えれば、やっていること自体は決して否定されるようなものじゃないっていうこと。そこがまた、些かの狡猾さをチラ見せされているようで後味の悪さを招いてるんだけどね。
じゃあまずはその調査結果を見てみようってなるんですが、Webで実物を読もうとするとなぜか全文はパスが必要になって読めない。困った。ところが、同じ組織が実施した「Asian Risk Prospects for 2009」(こっちはサマリーをPDFで読める)では、今回伝えられているものと結果が一致しません。まとめのグラフはこんな感じ。

yaguyagu064.jpg





どうやら、数字が小さいほど清く正しく美しくて、数字が10に近いほど悪いっていう意味みたいです。このグラフだけ見ると台湾の汚職度は数字が小さいほうから6番目。アメリカ(7番目)や韓国(8番目)よりも良く、中国(10番目)より悪いのはむしろ2007年時点での数字のように見えます。
 http://www.asiarisk.com/exsum.pdf (亜洲政経風険顧問公司・PDF形式)

なんでこの違いが出たか、ということについて自由時報は上にも書いたように「調査対象がちょっと違う」という点に触れています。確かにそれを考えちゃうと、なんかそこまでカチッとした根拠で数値化されたものじゃないんだよなあ。
逆に、自由時報では世界的な汚職監視のNPO、トランスペアレンシーが去年8月に発表した腐敗認識指数についても書いてますね。こっちの結果では、台湾は世界180ヶ国の中で39位と比較的優秀な位置(それでも過去最悪の順位らしい。ちなみに、トップはデンマークとニュージーランドとスウェーデンが同率で並んでます。このほか日本とアメリカが同率で18位)。目をずらせば韓国が40位、りんごが書いていたようにここでは隣り合わせになっていますね。中国はさらに下のほうの72位、涙目フィリピンはイランなんかといっしょの141位でした。うーん、そうだよね。イメージとしてはこちらのランキングのほうがしっくり来るかなあって思っちゃうおいらがいます。
 http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/apr/9/today-p1-3.htm (自由時報)
 http://www.ti-j.org/TI/CPI/CPI2008_table.pdf (トランスペアレンシー・PDF形式)

台湾のブロガーの中には、調査を行った亜洲政経風険顧問公司のトップが、かつて北京市の知識産権局を訪問したという記事を持ち出して「そら見たことか」みたいなことを言っていますが、(おいらは元々陰謀論が大っ嫌いだしね)それも行き過ぎた推論かなって思うんだよね。今回の調査結果がWebで見られないことにしたって、企業の中にはWebで公開するのとプレスに流すのとで情報量が違うなんていうのはザラだしね。
 http://www.bjipo.gov.cn/include/wenzhang.jsp?id=11455188930001 (北京市知識産権局)

さて、急転直下で馬英九の大号令に至った今回の一件、3ヶ月以内っていうその期間のうちに出てくるのは鬼かな?蛇かな?既に台湾では「あの国民党が汚職の一掃に向けて大鉈を振るおうだなんて」っていう意見(っていうか皮肉だね、こりゃ)がけっこうちらほら散見されてます。
ちょっとずれるけどりんご日報は7日にWebでこんな投票をやっていました。
> Q:亜洲政経風険顧問公司が外国人ビジネスマンを対象に行った調査では、
> 彼らが「台湾には高いモラルを持った政党が無い」とも考えていることがわかりましたが、あなたはどう思いますか?
>
> A:
>  総ては陳水扁たちの汚職が世界的なイメージを悪化させたのだ・・・34.0%
>  完全執政に良いことはない、国民党は自省せよ・・・16.6%
>  藍緑両方とももうだめぽ。台湾の国民は本当に不幸な運命だ・・・34.1%
>  やった!ついに汚職で中国に勝った!・・・15.1%
上位2項目はなんとなく予想の範囲内なんだけどね。むしろ7人に1人くらいが斜め上っていうのに驚いた。いちばん多かった34.1%の人の回答を「藍緑両方を批判した」って考えると、もちろん「緑や陳水扁を批判する人」が2/3を超えてしまうんですが、一方で国民党に批判的な意見も半数以上あるとも考えられるんですね。
 http://1-apple.com.tw/index.cfm?Fuseaction=Inquire&Inquire=TopicResult&GrpID=0&TitleID=977 (蘋果日報)

実際、8日の馬英九総統の会見を受けて政界では様々な反応がありました。民進党の高志鵬は、「馬英九総統が『藍緑の区別無く』と言ったのは、司法が緑に対して動き藍には手を出さなかったり著しく偏らないか、という点に注意することを強調したものだろう。しばらくの間は彼のこの呼びかけを信じて静観し、3ヶ月のうちに緑系狙い撃ちの状況が変わるかどうかを見ることにしたい」と、馬英九の言った「与野党を問わず」がどこまで本気なのか、出来レースになるのではないかと牽制してます。これに対しては国民党の羅淑蕾が「検察官たちは、馬英九が総統になってから就いたわけではない」と、政権による恣意的な捜査は無いと返してます。なんだかこれってどこかで見たような光景だなあ。「SAPIO」の最新号に、「誰が「総理」を殺すのか!?」っていう特集記事の中に検察と政界の関係について書いてあるけっこう興味深い記事があったんだけど、これが8日に出たのは偶然にしては面白いね。
 http://www.rti.org.tw/News/NewsContentHome.aspx?t=6&NewsID=150562 (RTI)
 http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,5010588+132009040800903,00.html (中国時報)

今回の一件、おいらの中ではやっぱりなんだかすごくもやもやしてて、馬英九の大号令も額面通り受け取れずにいます。でも、それはともかくも動き出してしまったことに変わりはないです。果たして台湾版「小沢西松騒動」みたいになるのかどうかはちょっとわかりませんが、上に書いたように国民党にとっても分のいい話ではないので、落とし所を間違えるとやっかいなことになりそうですね。って、今から「落とし所」とか言ってどうすんのさ。
そういえば、何だかブログのネタのリクエストをもらっていたような記憶があるけど、ま、いっか。この頃はなんだか物忘れが激しくて、自分に都合の悪い話ばっかりばすんばすんと忘れていきますね。おお、なんて露骨な予防線!これはひどい。
その一方でどうでもいい小ネタは覚えていたりするので人間の脳っていうのは不思議ですね。タイトルの「バスト占いの歌」なんて2002年頃のFLASH作品なのに、7年弱の時をいとも簡単に越えて蘇ってきたし。



改めて見たけど、やっぱりアホすぎる。こういうのを考える人のセンスにはマジで脱帽です。
そんな過去のネットコンテンツを持ち出してきたのは、台湾が今、巨乳のCMについて揺れているからです。あ、珍しくだれうま。
台湾の通信や放送、ネットの管理を行う国家通訊伝播委員会(NCC)っていう行政院の機関があるんですが、ここがどうやらいわゆる「セクシー系」のCMに厳しくしようとしているようです。中でも槍玉に上がっているのが「預言Online」と「發達麻將」というオンラインゲームのテレビCM。あ、後者はそのまんまなんですが、名前だけだとちょっとわかりにくい前者はMMOだと思ってください。
記事によれば、「預言Online」のCMは、巨乳タレントの舒舒が胸を強調した工事現場の服装で出ているのがけしからん、と。「發達麻將」はコスプレをした女の子たちが猫なで声でCMしているのがけしからん、と。NCCにも十数件の苦情が来ているそうで、言ってしまえば前に書いたような映像と台詞が「煽っている」「性の暗示が多すぎる」etcっていうことで、「公序良俗に反する」っていうわけ。
 http://www.udn.com/2009/4/2/NEWS/NATIONAL/NAT5/4824430.shtml (聯合報)
 http://www.nownews.com/2009/04/02/340-2431181.htm (NOWnews)

そうは言っても、見てみないとなんとも言えないよね。っていうわけで、ようつべから動画を引っ張ってみるテスト。さすがにニコニコには無かったね。NCCのスタンスを借りれば、ニコニコやっている台湾の人たちは健全っていうことなのかな。

まずは、「預言Online」のCM・5秒版



こっちがちょっと長めの20秒版



あれ?これはそこまで問題にならないんじゃないっすか。あれ?おいらが甘いのかな?これがアウトなんだとしたら、おいらの記者名なんかスリーアウトチェンジだよ。さすがにゲーム会社の人が言う「彼女が扮している女性労働者は、生活していくために辛い仕事に打ち込んでいる人たちを表したもの」っていうのは無理矢理感が漂うけどね。

へー、それじゃ「發達麻將」はっていうと、同じくようつべから持ってきたので、こんな感じ。ようつべのタイトルによれば放送禁止になったという「摸摸歌」編(童謡の「桃太郎」の替え歌)から。



ちょ。おま。それなんてイメクrdftgyふじこlp;@:(ここは全年齢対象のブログです。たしか。)
こっちも聯合報に言い訳が載っていて、「發達麻將Onlineでは誰も脱がないし、社会の公序良俗に反しない」って言ってるけど、どう見てもアウトです。本当にありがとうございました。あと、NCCからはCMのセリフもアウトだって言われてますね(上に載せた動画とは別のパターンのCM。上のに登場した4人がそれぞれピンで登場するもの)。直訳すると「触らなくていいの、私が触れてあげる」なんですが、それぞれ麻雀用語の「ポン」と「ツモ」に引っ掛けているので、会社側としてはしてやったりなのかもしれないけど、あまりに狙いすぎでデッドボールでしょう、これは。

今回のNCCによる審査、早ければ今月末には結論が出るみたい。面白いのは、聯合報の記事によれば「放送した放送局」が10万元から100万元の罰金の対象になるんだって。
 http://www.udn.com/2009/4/2/NEWS/NATIONAL/NAT5/4825337.shtml (聯合報)

さらにここから一歩進んだ記事もありました。例えば「預言Online」なんて、なんでああいうCMになったのか、もっと言っちゃえば、「なんでわざわざあの格好でああいう動きをするCMなのか」っていう謎があるよね。そんなこと言ったら夏になったら水着のお姉さんがビールジョッキ持つ広告が出回る日本はどうなるんだって話だけど。
記事によれば、業界のメーカーがどんどん市場に新しい作品を出していて、その量は少なく見ても昨年の倍だとか。ってなると当然競争も激しくなるわけです。ってなると、そういうゲーマーを「釣る」ためには巨乳の女の子だったりエロ要素だったりが出てくるんだってさ。何言ってんだか、そんなエサに釣られくまー(AA略。と。
 http://www.udn.com/2009/4/2/NEWS/NATIONAL/NAT5/4824474.shtml (聯合報)

この一連の騒動、実は聯合報の意見評論(投書みたいなやつだね)でもアツい議論が交わされていました。まず、先月30日に台北県に住む大学生の書いた「胸を揺らすCM、もう嫌なんですけど」という文章が載りました。そのCMっていうのは具体名こそ出ていないものの「女性が肌をあらわにした労働者の格好でドリルを動かす」とか「4人の女の子が際どい麻雀用語を言ったり肌をさらけ出した服装で出てくる」っていうことなので150%「預言Online」と「發達麻將」のことですね。この投書、「ゲーム会社はゲームの内容や面白さを宣伝すべきであって、女性の身体を使って無関係な広告を展開するべきじゃない。女性の反感を買うし、誤った意味を広めることになるだろう。こうしたCMはすぐに無くなってほしい」という正論を展開します。
これに対して4月1日に載った桃園市の方の文は、「オタクはみんな巨乳が好きなのか?」という若干斜め上なもの。30日の意見について「確かにそうだ」と言いながら、後半になって驚きの展開を見せます。「もしこうしたオンラインゲームの宣伝がずっと続けば、多くの人がオタクに対して「巨乳が好き」という紋切り型なイメージを持ってしまい、恐らく議論を招いてしまうだろう」というのは、さて、どっちの心配をしているんだろう。
まあでも確かにさ、安直にこうやって「萌え要素」みたいなの優先で投入してこられると、ライトユーザは間違いなく減っちゃって最終的に市場に壁を作っちゃうよね。しかも、仮に中身が良くてヒットしたとしても、それがコンテンツによるものなのか巨乳によるものなのか判断できなくなっちゃったらなおさらお終いだしね。言いたいことはなんとなくわかるんだけど、まさかこれを全国紙で(しかも直球で)問題提起するとは思わなかった。
 http://www.udn.com/2009/3/30/NEWS/OPINION/X1/4817736.shtml (聯合報)
 http://www.udn.com/2009/4/1/NEWS/OPINION/X1/4822208.shtml (聯合報)

今回のこの一件、実は以前にも似たようなCMがあって、そっちに出ていた巨乳タレントにも話が飛び火していたりします。
あーあーもー。まったく何をやっているんだろうね。仕方がないので最後においらがビシッと締めましょう。要するに結論としては、女の人を胸で判断するのは良くないことですよー♪

★ 追記。(04/03 13:00)
「預言Online」も「發達麻將」も、テレビ局側の圧力により「修正版」を作ることになったみたい。「預言Online」はさっそく明日から露出した場面を減らして20秒→15秒にした再編集Ver.が放送されるっていうことで、乞うご期待。期待?

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