2009年7月アーカイブ
ついうっかりアニメ板に貼られてしまったために怒涛のアクセスがあった「「けいおん!」の原作マンガが台湾で6月12日に発売になるらしい。」から2ヶ月が経ちました。台湾では原作の第2巻が8月12日に尖端出版から発売されるそうです。となると、第1巻を取り上げておいて第2巻はスルーするわけにいかないよね。
この第2巻、尖端出版のサイトから買えばなんと定価140元が119元になるよ!
って、なんで販売元がハナっから値引きしているのかと、再販制度なんてものが残ってる日本からするとちょっとした不思議。
http://gnn.gamer.com.tw/1/38371.html (巴哈姆特)
http://www.spp.com.tw/spp2006/all/asp/search/bookfile.asp?vch=all&bc=21525065 (尖端出版)
この定価140元(日本円に直すと420円くらい)ってどのくらいなんだろうね。同じ尖端から8月に出る他のコミックスと比べてみようと思ったら、困ったことに同じ140元というのが他にないので、比較的近くて種類も多い120元(同じく360円くらい)で日本の価格と比べてみる。
○ 台湾での定価:120元
→「RHプラス(2)」「長州ファイブ(2)」「隗ヨリヒトカイヨリ式(2)」:651円
→「妄想少女オタク系(5)」:630円
→「九十九眠るしずめ 明治十七年編(2)」:600円
→「薬師寺涼子の怪奇事件簿(10)」:580円
→「NANA(20)」「林檎と蜂蜜(22)」:420円
ありゃ。こうやって書くと意外に安く感じるね。でも、実際の物価の感覚を考えると、日本の値段よりもやっぱり高めかも。翻訳とか権利関係とか諸々あるから仕方ないね。「NANA」みたいなメジャーどころが、日本の価格と比べてかなり上げているのには驚いたなあ。
そう考えると、日本で860円の「けいおん!」が140元で買えるというのは、実はかなりお得なのかもしれないね。うん、あまり深く考えずに超適当に書いています。ごめん。おいらも買ったわけじゃないし。
ちなみに表紙はこんな感じ。左が台湾版で右が日本版。色の濃淡というか明暗はたぶん拾ってきたサイトの都合だからあんまり気にしないで。
おお。「K-ON!」のロゴがなんだか妙にカッコいい。でも、平仮名で(そしてあのフォントで)「けいおん!」って書くからこその味が伝わらないのがちょっと残念かな。ロゴのギター(かな?)もなんとなく「お」の方がおさまりがいいような感じだし。
だからどーしたっていうほどのこともないので(というかこれ以上話が続かないので)、今日はこのへんで。まともな事を書いてないからって、Please don't say "You are lazy."
この記事、おいらもいい加減お終いにしたい齋藤正樹・日本交流協会台北事務所代表の台湾地位未定論についてのお話。多少の戯言なら別にスルーしていたかもしれないんですが、あまりにひどい内容な上に、輪をかけて「外交センスに欠ける」などと言ってのけるのは中途半端なギャグよりも始末が悪いのです。
記事によればオーマイが知ったのは「もはや芸術的とも言える再着火。」で取り上げた朝日のビューティフルな釣り記事。やったね、朝日さん。オーマイが釣れたよ!
またこの外交におけるセンスと言う点では、先日の朝日新聞(7月5日付)で報道されていたニュースにも目が止まりました。残念ながら良い意味ではなく、「日本政府の外交音痴を物語るニュース」として、私は注目しました。
日本の外交センスが招いた混乱~北方領土返還交渉から考える (大前研一「ニュースの視点」)
さて、オーマイは滑り出しから歴史的事実についてどうやら壮絶な勘違いをなさっているもより。
サンフランシスコ平和条約が締結された時代には、中国大陸では、蒋介石の中華民国(国民党)と、毛沢東の中華人民共和国(共産党)の間で激しい内戦が生じ、結果として、共産党が中国大陸を征服し、国民党を台湾に追い込んだ形になって、双方が両岸で対峙する状況になっていました。
ただ、外交のプロセスとしては、当時のサンフランシスコ平和条約の当事者は国民党だったと言えると思います。
これは「戦争の当事者」という意味からも説得力があるでしょう。その国民党が今は台湾にいるわけですから、すでに国際的には「決着」しているというのが常識です。
それをこの期に及んで「帰属が未確定」などと発言するのは、「今の台湾政府は台湾に逃げ込んだ亜流の政党であり、違法政府だ」と指摘しているも同然です。斎藤氏の発言の意図がわかりません。日本の外交センスが招いた混乱~北方領土返還交渉から考える (大前研一「ニュースの視点」)
言うまでもない事実として、1951年に締結されたサンフランシスコ平和条約では中華民国も中華人民共和国も締結国には含まれていません。その理由こそ、条約を締結すべき「戦争の当事者」がどちらなのか、つまり中国を代表する政府がどちらなのかが決められなかったからです。従って、サンフランシスコ平和条約で両国とも締結されていない以上、それに推論を上塗りして持ち出してきても後の文に何もつながらないので、何が決着しているとオーマイが考えているのかさっぱりわからないのです。
まして、そのサンフランシスコ平和条約というものは、第2条(b)で「日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。」と放棄のみが謳われているように、それそのものが台湾地位未定論の論拠になっているのです。決まってない根拠を持ち出して何を言いたかったのだろう。
また、「今の台湾の政府が違法政府だと指摘しているも同然」だとご立腹だけど、1952年に締結された日華平和条約でも、領土の主権そのものはサンフランシスコ平和条約に則り「日本は放棄した」で留めた上で結ばれています。未定論を展開することと中華民国政府が台湾を施政下に置くことを承認しないことは必ずしも一致しません。この2点から言っても、台湾地位未定論の論拠となるサンフランシスコ平和条約と日華平和条約の2つの条約をオーマイがさっぱり読んでいない、さもなくば読んだけどさっぱりわかっていないとしか思えません。
いや、おいらもですね、一万歩と二千歩くらい譲って「『日本は台湾を放棄した』のであって、放棄した後に主権の所在が定まったか定まっていないかまで踏み込むのは勇み足だ」っていう主張ならわからなくもないんですよ。ところがオーマイはそういう条約を中途半端に持ち出した上で中身をシカトなさり、戦後これまで中華民国が治めてきたことをもって中華民国の領土だと主張する。どうせなら「細けぇこたぁいいんだよ」と条約解釈をすっ飛ばして、「行間読めば中華民国のものだろうが」と言えばいいのに。どっかにいたけど、そんな人。
斎藤氏が個人的にどのような歴史認識を持つかは自由ですが、交流協会の代表という立場にある間は心の中に留めておくべきです。
台湾は「世界で最も"親日"的な国」の1つです。なぜそのような国に対して、自らの立場もわきまえずに歴史を引っ掻き回すようなことをするのか、理解に苦しみます。
相手の国の歴史や事情を理解し、デリケートな問題には細心の注意を払う努力が求められます。日本の外交センスが招いた混乱~北方領土返還交渉から考える (大前研一「ニュースの視点」)
ことこれに関しては「歴史認識」なんていうものじゃないです。「条約の解釈」です。オーマイは馬英九の日華平和条約解釈には1ミリも触れていませんが、既に終止(日本の都合でだけどね)した条約とはいえ一方の締結国がハチャメチャな解釈をした時に、もう一方の締結国が「ちょっと待った」とするのは間違っているとは思いません(上の「勇み足」という指摘はあってもいいけど)。オーマイは新聞記事だけ読んでブチ切れるだけじゃなくて、まず相手の国との歴史や発言に至った事情を理解し、細心の注意を払って文章を練る努力が求められていると思うよ。
今回の場合、事の発端となったのは日華平和条約というちょいマイナーな条約の解釈についてなのですが、仮に中国が「日本は、日中共同声明により『台湾は中国の一体不可分の領土である』と認めている」と解釈を垂れてきた場合、これに反論することは「歴史を引っ掻き回すようなこと」や「外交センスに欠ける」なんて言えるのかいね。それに、こればかりは親日であるかどうかというのは何のモノサシにもなりゃしません。っていうか、それによって反応を変えることが求められるものなのかな、外交って。おいらが甘ちゃんなだけなのかな。
オーマイは最後の一文で、
斎藤氏自身も、そして彼を登用した日本政府も、しっかりと問題を受け止めていただきたいと思います。
日本の外交センスが招いた混乱~北方領土返還交渉から考える (大前研一「ニュースの視点」)
と厳しい注文をつけていますが、これ、そっくりそのままお返ししますよ。「大前氏自身も、そして彼を重宝する馬英九政権も、しっかりと問題を受け止めていただきたいと思います」。
確か、ファーザーがいつものように不審人物として警察に捕まった時に、「オーマイゴッド」のシャレで叫んだもののはず。あまりの不意打ちのせいで、今でも記憶に残ってます。読み返したいとは思わないけれど。
そんなオーマイ研一は、海外ではまだそれなりに評価をされているみたいで、ここのところ台湾海峡両岸の経済に関する彼の見解をめぐって台湾で一波乱。おいらはオーマイの中国に対する評価というか見方というかが、どうにも正しいと思えないので敬遠してるんですが、いつものように自由時報vs聯合報という紙面バトルもどきに発展したので一日本人としてメモ。っていうか、この人がまだこんな影響力を持っていたということにびっくりですよ!いや、マジで。
まずは、オーマイの台湾訪問を前に聯合報が東京でインタビュー。これが13日の聯合報にどどんと掲載されます。一問一答記事もあるけどめんどいので要約記事から抜粋して訳。
かつてソ連の崩壊や日本経済が大幅に減退すると予言した日本人の戦略動向の大家、大前研一は、本紙記者の独占取材に答え、以下のように予言した。すなわち、中国の経済規模は2025年、2055年にはそれぞれ現在の5倍と10倍に成長している。台湾の対大陸経済対策はすでに他の国に比べて5年以上遅れをとっており、中国市場進出の対策を充分に考えなければ、窮地に立たされる。というものだ。
これまで170冊の本を上梓し、韓国や台湾にそれぞれ200回以上も訪問している巨匠は、台湾に対する期待も特に切実だ。大前は、「5年前に出版した中国三部作で、台湾は中国市場を重視すべきだと特に指摘していた。しかし台湾当局は『大いなる災い』とみなしていたため、現在の馬英久政権はこの5年間の空白を挽回するために努力しているが、多くの時間と精力が必要だ」と述べた。
大前はまた、かねてより「経済、特に通信業、金融業そしてサービス業では国境はない」と強く指摘している。台湾でも馬政権が誕生して以来中国大陸との三通を加速しているが、これらの重点的な業種においてはなお隔たりが大きいという。大前は「台湾は中国との折衝を強め、これらの部分を補充するべきだ。でなければ、中国が強大な存在になってからでは、台湾が中国と再び話し合いたいと思っても、それは遅すぎることになる」と語る。大前は、「台湾が将来、独立するか統一するかにかかわらず、今時点では自らの実力を補うことに力を入れるべきだ。また、中国が発展するプロセスにおいて、台湾は中国市場で利益を得るためにもっとも優位なポジションにあったにもかかわらずそれを蹴った。以降、中国も変化を遂げ、両岸関係は将来、ひょっとするとイギリス連邦方式かEU方式に向かって発展するかもしれない。英仏独がそれぞれEUの構成国であるように、新たな国家の発展モデルになる可能性がある」と語った。
大前はさらに、「10%国家」という概念を提起した。カナダとアメリカ、ドイツとスイス、イギリスとアイルランドの関係のように、台湾は10倍の規模の中国の市場に従属するというなんとも面白くないものだ。大陸の資本が7月から台湾にやってきている問題についても、大前は以下のように警告している。大陸資本が無制限に台湾市場に流入させてはならない。中国の実力により市場操作を通じて多くの台湾産業を容易に買収するだろう。これは日本も充分警戒しなければならないが、台湾もまた注意すべきだ。
大前はまた、「日本も実際のところ対策は取られていないが、鉄鋼メーカーが政策保護されているように、簡単に買われるようなことにはなっていない。台湾も速やかに防護しなければならない」と語った。
アメリカに端を発した世界金融危機は全世界を震撼させた。しかし中国はアメリカの後退に乗じて国際経済の舞台にのし上がった。大前は、2055年よりも前に中国の経済規模が日本の10倍に成長すると予言する。この情勢に鑑みれば、台湾企業を含め、中国経済と速やかに連携した者が繁栄の波を享受できることなるだろう。
大前は、アメリカの時代はすでに終わったと宣言する。少なくとも今後10年、アメリカは巨大な市場を全世界に提供することができず、人口5,000万人以上のBRICsや新興国家がしだいに台頭するようになり、中国はアメリカやEUと肩を並べる巨大な経済体に成長するだろうと予測する。
大前は、「5年前にも『台湾の優位性はまもなくなくなる』と警告したが当局はこれを重視しなかった。現在、台湾はようやく中国とECFAなどの協定を始めようとしているが、遅きに失している。台湾がもしあと5年早く中国市場に参入していれば、現在の局面は違ったものになっていただろう」と語った。大前:2055年、中国の経済規模は日本の10倍 (聯合報)
別に、中国市場が全体規模として拡大することは今さら言うほどのことでもないし、人口比で考えても50年後にまだそんなもんかとかいろいろ思うのですが、それにしても本当に両岸関係がわかってるのかなこの方は。あの距離にあって、かつ人口規模で言ってしまえば10%どころか1/50くらいしかない台湾で、実は対中国で輸出超過の状態にあります。しかも資源輸出じゃなくて製品輸出の超過。それは台湾当局による厳しい流入制限(7月に一部解禁されたというそれ)と、いわゆる西進政策(その将来に対する懸念がECFAを生むんだけど)の産物。「大規模市場に進出してこそ明るい未来がある」というのは聞こえがいいけれど、そのバーターも当然あるわけで、はてさてそっちはどう対処するつもりなのかなあ。
さて、これを受けて17日の聯合報の社論は「お前らの大好きな日本の専門家がこう言ってるぞ」と民進党サイドを批判します。オーマイの真意はわかりかねますが、まあ確かに国民党にしてみたら「うってつけ」の内容だもんね。これも抜粋して訳。っていうかごめん。抜粋したらオーマイの名前が出てこなくなっちゃった。
もちろん、中国大陸との密接な相互関係にはリスクがないわけではない。この点は民進党の友人たちが警告を投げかけているものだが、おそらく一部の国民党の政治家が抱く憧憬よりもより現実に近いかもしれない。我々は両岸の付き合いにいくらかのリスクが付きまとうことを少しでも忘れてはならない。しかし、対岸が心中に後ろ暗いことを持っているかもしれないからといって拒絶することもしてはならない。
民進党の政治家たちが犯している最大の過ちは、「対岸は非友好的だ」という視点で見ていることだ。考えもせずすぐさま「対岸と往来してはならない」という鎖国の結論に一足飛びしてしまう。台湾の人々は、中共経済の計略に踏み出すというリスクを承知しなければならないが、同時に台湾の鎖国経済がASEANプラス3という枠組みの中で危機に瀕していることも理解しなければならない。
もし我々が中共との経済貿易の往来を行わなければ、ASEANプラス3などの経済貿易国家が台湾に対して「どいてくれ」と言われた時に、台湾は果たしてどのような活路を見出すことができるだろうか?ひとたび我々の経済貿易の進路を失い、経済の停滞を招けば、その時にいったい我々は中共に対するいくらかの反抗の要素や能力があるだろうか?民進党の者はしばしば対岸の「以商促統(経済交流をもって両岸統一を促進する)」を警戒するが、もし本当に経済面でも実力を失ってしまったら、台湾は政治的な立場でどうして想定できることができようか?日本の坊主が民進党に経を唱える (聯合報)
そんなオーマイは21日に台湾を訪問し、主催:工商協進会、協力:経済日報による「世界経済と両岸協力の展望に関する講座」に招かれました。本当はその間にホームラン級の馬鹿な発言をしているんですが、それについては次回っていうことで。
その講演なんですが、タイトルからして余計な邪推を防ぐことができないっす。でもってこの日は馬英九総統や劉兆玄行政院長とも会談しています。まずは講演の内容を抜粋して訳。
大前研一は21日、台湾企業に大陸市場での商機開拓というチャレンジを奨励した。もしそれができれば、台湾と上海という二つの市場に上場し、機会が増えてさらによくなるだろうと述べた。
台湾に対して大前は「両岸が平和で安定した安定した中で、台湾は大陸経済の発展という乗り物にシェアして乗ることができ、経済成長を持続できるだろう」と述べた。講演を聞いていた元大金控の顔慶章董事長は台湾が過度に中国に依存することを心配した。「現在、台湾が一年間に香港と大陸に輸出する金額は輸出総額の42%を占め、昨年輸出した製品のうち72%が中国に向いている。これは、卵を同じカゴに入れているようなものではないか(訳註:「一つのカゴに卵を入れてはならない」=「落とした時に全部割れてしまうから」というリスク分散に関する格言から)」と。
これに対して大前は、「大陸は台湾の20倍の大きさがあり、大陸への投資はEUへの投資のようなものだ。したがって「一つのカゴに卵をいれる」ような問題にはならない。企業は大連、天津、青島、上海、福建、広東などに投資すれば、同時にピンチに直面することはない。違う省や市では指導者も異なり管理スタイルも異なる。まるで20数ヶ国が存在するEUのようだ」と説明した。では台湾は大陸にどのようにされるのだろうか?遠東集団の徐旭東董事長は「台湾には、中国があまりに大きく、企業体も大きく、資金も非常に大きいため、ひとたび大陸資本による台湾への投資を開放し、そのうえ両岸の経済貿易関係がより緊密になれば、台湾は中国の一部分になってしまうのではないかと心配する者がいる。このような懸念は政府が策定する政策に非常に慎重にさせている。さらには手足を縛られるという形容もある」と指摘した。
大前は笑いながら「台湾には何度も来ているが、かつて『台湾のよい状態はあと3年か5年だろう』と言っている人がいたが、結果として無事に生き延びてきている。これは台湾の産業と人々が素晴らしいことを表している」と話す。
いやあ。北がダメなら南がある。大連と広東は別だから分散投資だ。という発想は無かった。でも、そんな別々だというのなら、オーマイが言う「大中国市場」って存在しないんじゃないの?って思ったり思わなかったり。続けて馬英九総統なんかとの会談の記事から抜粋して翻訳でも。
馬英九総統は大前研一と会談した際、「台湾は積極的に両岸経済協力枠組協議(ECFA)を推進している。これはASEANと中国の「10プラス1」を解決するためだけではなく、台湾が将来辺縁化される危機を引き起こすことに対処するとともに、大陸市場を開拓して失われた黄金の5年間を取り戻すものだ」と指摘した。また馬総統は同時に、大前の指摘に感謝を述べた。
大前は劉兆玄行政院長と面会した際、「2008年以前の中国は第一段階であったが、2009年以降の中国経済の発展は既に新たな段階に突入した。内需によって誘導する第二段階と呼べるものだ。しかし台商はこの新段階に対応する準備がまだできていない」と話した。
大前は「これからの台商は経営戦略を改めなければならない。大陸の内需市場にうまく運営するため、台商は販売網、サービス網を構築し、大陸市場を開拓しなければならない」と話す。
また、「台湾には大陸市場の独特な力、たとえば文化や言語能力、欧米や日本の企業文化に対する特別な理解などがある。台商は非常によいチャンス、中国大陸の市場で運営するよいポジションを持っている。これまで4年半が過ぎてしまったが、今後半年が瀬戸際だ。台湾はこの半年足らずの期間のうちに『早い者勝ち』をしなければならない」と語った。大前は馬総統に対し、「台湾はこれまで大陸での『黄金の5年間』を失ってしまった。台湾のアジア太平洋戦略の中心は開放だけの5年間だった。その後は閉じてしまった。台湾は現在、速やかに追いつかねばならず、再び遅れてはならない」と話した。
馬総統は「大前は5年前に『中国の発展を重視しなければならない』と呼びかけた。この考えは図らずも一致する。そのため就任後は両岸関係の改善に尽力し、過去8年間にしなかった活動を速やかに完遂したいと考えている。そうでないと台湾はさらに落ち込んでしまうかもしれない」と話した。大前研一:台湾は大陸進出の特別待遇を勝ち取るべき (経済日報)
うん、そうなんだ。偶然にもこの二人の経済政策は一致するんだ。というか、それを本人に言われてしまうとおいらはどうしたらいいんだろう。
こんな感じで総統府が持ち上げられているんですが、これに対して23日の自由時報は社論で真っ向からストップをかけます。「馬の走狗とはこれいかに」くらいの小ネタが挟まっていればよかったんですが、案外マジな批判なのでかなり抜粋した上に案外ソフトに訳。
馬政権が誕生後、親中路線が全面的に推進され、開放緩和の名の下に実質的に中国に傾斜する政策上行われているほか、理論弁証の上でも世界的な大家を何度か招いては、その親中政策のお墨付きのために合理的な論拠を探している。
台湾を訪問し講演した大前研一も馬英九政権の眼中には、かような功能を持っていると映っている。大前も馬政府の期待に反することなく、台湾と中国の関係について聞いた者を驚かせるような言論や主張を展開し、馬英九政府のスタッフの歓心をすこぶる得たようだ。統一派メディアはここぞとばかりに大前の著作をPRし、台湾で盲目的中国ブームを起こし、台湾を生き地獄に投げ入れるようなことを企図した。
しかしながら、大前研一その人を推し量ると、両岸関係についてよく議論を発し、驚かせるような言葉をしばしば口にするが、それはかえって自らの矛盾を招き、前言との不一致から聞く者をどうしたらよいかわからなくさせている。今回の台湾での発言もそのようなものであり、突き詰めれば馬政府の親中経済貿易政策のお墨付きでしかなく、あるいは対親中路線への批判に対し、狐につままれたような状況にするためのものなのだろう。大前の台湾に対する主張としては、多くは統一派のもの、あるいは両岸は速やかに経済貿易で整理統合すべきだというたぐいのもので、親中派という印象を容易に与えてしまうものだ。しかし事実はそうではなく、大前の両岸経済情勢に対する分析や提案は、しばしば歴史の展開と事実の真相によりひっくりかえされており、誤った主張の証明になっている。
中でも最も論争の的になった主張は、2003年の『中華連邦』という本の中で大胆にも予言された『両岸は2005年に統一されるだろう』というものだった。しかし今は既に2009年になっており、台湾と中国は2つの独立国家だ。大前の予言が既に破綻している証明だ。さらにおかしいのは、大前が先ほどの『中華連邦』を出す前の2001年には『中国崩壊論』という主張をしており、李登輝元総統の同意も得ている。それなのに2年も経たずに自らの主張を転換し中華連邦論を提起しているのだ。
これほど短期間のうちに大前の中国に対する見解は不一致を見せ、衰退から一転して全面的に讃えているのだ。この極端な転換から見るに、その「今日の自分のためには昨日の自分を否定することを厭わない」という柔軟な身のこなしは、舌を鳴らして感心せずにはいられない。大前は先日の講演で、上に書いたような役回りで台湾の人々に向けて恐怖の予言を発した。台湾が中国市場に進出する経験と優位性は、残り1年間もないだろう、今は「チャンスの窓はもうほとんど閉まってしまっている」というもので、同時に前政権が機会を把握していなかったと非難した。この大前の言論は案の定馬英九の熱烈な反響を受けた。
一方で、大前は台湾メディアの訪問時に台湾は中国に傾斜すべきではないとも言っている。中国経済をおだてる一方で、無制限に中国資本が台湾に進入し、中国資本が好き勝手に台湾企業を買いあさるようなことがあってはならないとも警告している。
大前の主張には確かにときどき矛盾があるものの、中国経済に対する分析を一括してみてみると、中国の応援団と呼ぶに相応しい。
大前はかつて冗談でこのように言ったという。『俺が麻生をやるから、馬英九をくれ』と。彼は日本の麻生太郎首相を台湾によこしてでも馬英九と交換したいようで、彼の馬英九に対するお気に入りのレベルが明らかになる。
しかし皮肉なことに、このジョークはひょっとしたら台湾の目下の危機を解決するプランを提供しているのかもしれない。なぜなら、馬英九が解任あるいは辞任することが、台湾にとって危険を取り払って安全な状態にするチャンスなのだから。大前研一の言うことは話半分に聞け (自由時報)
これでもソフトに訳したんだって。マジで。
それにしても困ったね。最後の馬英九の話は自由時報のお約束だから置いておくとして、おいらが書くべきことがまったく無くなってしまったよ。
おいらも直接の面識があるわけではないんですけど、自分の夢というか将来に向けて必死に壁を乗り越えようとしている子が海の向こうにいます。でも、既に頑張っている人にどうしても「頑張れ」と言えない偏屈なおいらは(おいらが頑張っていないから、というのもある)、さりとて代わりに送るべき日本語も中国語も思い浮かびません。
むー。こういう時はおいらにとって中国語の先達であり、まともな日本語も使うし、それとなくイケメンな(これは関係ない)へっくんを頼るに限るね。前半を端折って一般論として相談してみた。あ、くどいようだけど東亜+の■い人じゃないです。
へ:何語かはあんまり関係ないよね。
や:ですよねー。
へ:んー。自分が似たような境遇だった時にどうしてもらったかを考えてみたらどうかな。
や:いや、そもそもそういう前向きに壁にぶつかったことなんか...
へ:後ろ向きでもいいんじゃないかな。
や:後ろ向きで壁ねえ...。
あ。あった。
去年の10月頃は、ネットでもリアルでもちょっと凹むことが続いてて、壁に当たるっていうか気分的に前にも後ろにも進めなくなっちゃってました。でもおいらは馬鹿だから「でもそういうのは表に出しちゃダメだ」って思っているくせにやっぱりブログに書いちゃって、余計に自己嫌悪のスパイラルにはまっちゃってたんですね。
そんな記事にたった一言、「寝ろ」とだけコメントをくれた人がいて、よく考えたら優しさも甘さも見当たらない言葉なんだけど、おいらの性格よくわかってて書いてくれたそのコメントに当時のおいらはいたく胸を打たれました。おいらはそれ読んでだあだあ泣きながら、エンドレスでお抹茶Pの曲を聴いてました。上でちょっと触れた「書いちゃった」ブログのNo.87「いろいろと調整中。」から9ヶ月ぶりにまともに紹介できました。
びっくりしたのはこの曲、お抹茶P曰く
このときはしばらくボカロ曲を聴いてなかったので、動画のエンコードの待ち時間に、久々に新しいの聴いてみようとランキングに上がってた曲をチェックしてみたのですが、そのとき聴いたのが、もはや説明不要の「shiningray」とジミーサムPさんの「Scene」。
正直、めちゃくちゃ凹みました・・・。
仕事のレベルのあまりの違いに愕然として、自分がなんだかすごく情けなくなって、エンコ中止してもう1度全部最初から作り直そうかって、本気で悩んだのを覚えてます。「いつか僕がいた場所へ」PLUS ONE MORE (京極抹茶)
ということで、お抹茶P自身が「戻れるとこまで戻りたいんだ」という衝動に駆られたというのはなんだか不思議な感じすらします。誰もがそういう悩みを抱えるんだし、誰もがそれでも動いていかないといけないんだろうね。
この曲にあるような回帰できる過去や思い出すべき原点がおいらにあるのかどうか、っていうと結構疑問なところなんだけど、でも、おいらがなんとなく動けるようになったのは、結果としてそういうのがあったっていうことなのかなあ。そして、そういう場所に立ち返ったのかどうかは別として、動かしてくれた人や音楽があったというのはおいらにとってもすごく幸運なことでした。マイリストにも書いてたけどね。
おいらが好きなマンガの一つである『ダービージョッキー』にこんな一節があります。
上杉も.........
最初の気持ち思い出して、大切にして......
この先.........どんなことがあっても、それが上杉を守ってくれるよ。『ダービージョッキー』18巻p.37-38 (一色登希彦)
失業率が6%近くまで上昇し、統計開始以来最悪の数字となっている。なんて現地紙が報じたニュースを見ると、日記の文面以上に心配になっちゃう。そんな時代でも諦めないのは、その子の原点となった「最初の気持ち」がしっかりしているからなんだろうなあ。
でも、やっぱり言葉で伝えられないおいらは、願うことしかできそうにないです。そんな気持ちが、どうかその身を守ってほしいと願わずにはいられないっす。そして、願わくはそんな彼女の両の手にどうかありったけの幸運が舞い降りますように。
そうえいば、小さい頃からなぜか選挙やTVの開票速報が好きな変な子でした。スタジオから選対の事務所に中継が移って万歳三唱するアレ。別に投票行って外食するような家じゃなかったけど、たぶん幼心に「オトナ的な盛り上がり」にドキドキしたんだろうね。
ニュー速+もそうだけど東亜+も選挙前モードに入っていくのかな。それは致し方ないことなんだろうけど、ちょっと残念だなあとも思ったり。いや、ネット上で侃々諤々は悪いことじゃないんだけどね。
前回の参院選でも東亜+では看板を選挙用に差し替えるっていうことをやりました。とは言え、あくまでそれは投票の呼びかけというもの。
462 :<ry>(´・ω・`)(ry)さん ◆cq8cKISSUI :2007/07/06(金) 20:43:08
参院選看板でも作ろうかね。
467 :~^◇^)<♪ ◆YAUCHInowA :2007/07/06(金) 23:38:07
>>462 「そうだ選挙行こう」ネタくらいしか、
ていうかそれ以上ってこの板じゃ難しくないすか?
481 :<ry>(´・ω・`)(ry)さん ◆cq8cKISSUI :2007/07/08(日) 01:20:27
>>467
それ以上でもそれ以下でも駄目だと思われ。
特定の政党を支持するようなものも勿論。
ただこの板に書き込むだけじゃなく、
自分の考えを現実に反映させる手段を
有効活用して欲しいなと思うわけで。◆自治議論★84◆ (東アジアnews+板/外道倉庫)
という生粋さんの考えはおいらはすごく好きでした。そんなこともあって、この時は中の人の隣の人に作ってもらって、しかもそれを採用してもらったのもあって、ちょっと満足でした。
73 :~^◇^)<♪ ◆YAUCHInowA :2007/07/24(火) 00:41:23
中の人の隣の人が、途中まで「29日(土)」で作ってたのはひみつ。
http://www.kissui.org/up/img-box/img20070724003444.png
何も入ってないやつ。
http://www.kissui.org/up/img-box/img20070724004046.png
137 :<ry>(´・ω・`)(ry)さん ◆cq8cKISSUI :2007/07/28(土) 04:42:39
http://www.kissui.org/up/img-box/img20070724003444.png
うpろだにいただいていたもの
http://www.kissui.org/up/img-box/img20070728043857.jpg
ドリ歩
盆前は忙しいですね。
問題なければ日曜限定で。
147 :<ry>(´・ω・`)(ry)さん ◆cq8cKISSUI :2007/07/29(日) 08:39:32
作業完了。
投票行って来る
152 :<ry>(´・ω・`)(ry)さん ◆cq8cKISSUI :2007/07/29(日) 22:09:51
はい戻したよ◆自治議論★85◆ (東アジアnews+板/外道倉庫)
さて月日は流れて2009年、解散もすぐそこなので、とりあえず中の人の隣の人に電話して相談。
隣:いや、今ちょうど夏コミに向けて忙しいんだけど。
や:嘘つくなよ。あんたの生活に1ミリも関係ない行事でしょ。
隣:正直めんどくさい。
や:正直すぎるでしょ。前回の使いまわしでもいいからさ。
隣:前回.........?データ持ってる?
や:持ってるわけないじゃん。
隣:えっ。
や:えっ。
隣:なにそれこわい。
や:怖くもなんともないし。保存してないだけじゃん。
隣:じゃあ何か考えてよ。案ができたらFAXで送って。
や:は?なんでFAX。
隣:昨日、新しいの買ったから♪
や:(切電)
(だいたいあってる)
とは言え、こっちも自分で素敵なのを作る自信がないからお願いする手前(いや、中の人の隣の人もそんなすごいとは思えないんだけどさ)、録り溜めしていた『化物語』を観ながら手書きでちょこちょこ描いてみる。
っていうかちょっと待って。意外に侮れないアニメなんですけど、これ。目が離せないというか、気を許すと目と頭が置いてけぼりになっちゃう。活字がそのままアニメになったような感じが新鮮だよ。完全に手が止まったので作業は後回し。うっわぁ、これ原作買って読もっと(買ってなかったのかよ)。エンドロールの背景に使われているVOFANさんの絵の透明感というかクリスタルな感じがこれまたっっっぱない。蕩れ。
しかも、テーマソングがどこをどう切り取ってもsupercellというかryoさん。ガゼルさんかっけー!蕩れええええ!あはは、これはたまらないっすね。内容も中二病なら主題歌も中二病、とまでは言わないけど、その傾向はあるかも。だからこそ「たまらないっすね」なんだけど。
結局第2話のCMの時に「こんな感じで」というのをがっと書いて(ていうことは数分で考えたわけだ)FAXで流す。肩の荷が下りた感じで満足して観ていたら、第3話のCMの時に電話が来る。「とりあえず作ったのをメールで送ったから見ておいて」と。速いよ。もうちょっと時間かけようよ。と思ったけど、人のことは言えないね。
ちなみに、その「とりあえず作ったの」がこれ。
おお。おいらが手書きで書いた文字の大きさや伸縮具合まで真似してきやがった。こっちはそんな芸術的技巧の意味で書いたわけじゃなかったのに。まあ結果オーライかなあ。背景色とかちょっち画像が粗いのとかが気になるので電話。
や:というわけさ。
隣:あー、じゃあ時間がある時にちゃんと直すよ。
や:それとさ、
隣:は?
や:フォントって、「HGP明朝B」にできる?
隣:はあ?
ピンと来た人はいるかな。いたらご想像通りの理由です。器の小さな人間なので。ああ。「蟹」→「触」とかかなり好き。
記事のタイトルにもした、この看板案の標語というか文面というかは、まさにおいらが思っているとおりのことで、生粋さんの言葉にも通じるはずのもの。当たり前のことって言ったら当たり前のことなんだけどね。一日限定の看板だから板名とかURLも削っちゃったけど、どうかなあと今さらちょっと不安になってみたり。
さて問題は、これをどのタイミングでどうやって自治スレで切り出すかなんだけど...。
この昨今の日本の政界の状況は、中国や台湾といった中国語圏でもこまめに報道されています。もっとも、話のネタのなりやすさからしてポッポの故人献金なんかよりも麻生総理の動向や例の自民党の両院議員総会騒動なんかの方が話題になっているのですが。
とはいえ、各国のメディアとも先日の東京都議会議員選挙についても報道しているくらいですから、このまま突っ込めば高確率で民主党が躍進するというくらいは容易に見当がついています。となると、一部の気の早いメディアでは「じゃあ政権交代が起きたら日本はどうなるか」というところまで記事にしているところがあるわけですね。なるほど、確かに政権交代は過程であり手段であって、結果や目標にはならないからね。そういう意味ではポスターに「政権交代。」と書く本家の政党よりもよくわかっているのかもしれません。
あ、いちおう書いておきますが、おいらが引っ張ってきている以上おいらが記事を選択する際のバイアスは免れえません。「あー、まあこういう見方もある罠。はいはいわろすわろす」くらいで読んでください。特にそっち方面の支持者の方は。
まずは変化球な記事だけど、日米安保に焦点をあてた記事から。15日に台湾・聯合報の東京特派員、陳世昌が伝えたのがこれ。
同じ東京特派員でもシンガポールの華字紙、聯合早報の符祝慧は16日の国際面で「民主党が政権を握っても、『形だけが変わって中身は何も変わらない』のでは?」という記事を書き、自民・民主の顔ぶれを比べながら「政権交代」の功能についてかなり懐疑的に分析しています。もっとも、この記事の内容としては、「民主党の執行部は全員が(って、輿石東はスルーかよ)自民党出身だし(って、菅直人は社民連→さきがけ→民主党だから違うでしょ)、旧田中派に属していたような(って、鳩山や岡田はちょっと違うような希ガス)金権政治家だ。むしろ政界再々編を見越せば、自民党津島派や民主党小沢グループといった旧田中派から目が離せない」という、ちょっと前半の事実誤認が痛くて訳して起こすには忍びない記事。日本の政局が、麻生首相の自民党政権が守りきれない火急の状況に陥ったことにより、最大の同盟国であるアメリカにも焦りが広がっている。次の総選挙で日本の最大野党である民主党が政権を奪取する可能性があるが、かつて米軍の日本駐在問題でしばしば批判をしていたこともあり、アメリカは日本でもし政権交代があれば、日米安保同盟に衝撃をもたらすのではないかと心配している。
日本の麻生首相が8月30日に衆議院選挙を行うことを決めた後、アメリカ政府はとりわけ政権党と野党との間の安全保障政策の議論について関心を示している。
民主党の政策決定者の一人であり前の代表の小沢一郎は、かつて「日本にはこんなに多くの在日米軍は必要ない。第七艦隊だけあれば足りる」と発言し、民主党の対米外交政策についてワシントンに懸念を生じさせた。民主党はこの第七艦隊の議論のほかにも、日米同盟における在日米軍の改編計画への支持を修正するよう主張し、在日米軍の駐留費用の負担を下げるよう大きく主張している。これらのことからアメリカ政府は、もし民主党がひとたび政権に就けば、日米関係に衝撃をもたらすのではないかと考えている。民主党の主張と日米同盟の現状との間には多くの齟齬があることから、アメリカ政府のあるスタッフは疑いを持ち始めている。北朝鮮の脅威が日増しに増大しつつあるこの状況下で、民主党ははたして本当にアメリカと共に地域の警察としての役割を果たすのだろうか、と。
自民党が下野へ?アメリカは安保同盟を憂慮 (聯合報)
確かに民主党内に「自民党の分店」みたいな人たちがいることは否めませんが、だからって「政権交代してもあんまし変わらなくね?」とまで言うのはちょっと早計かと。
だからと言うわけじゃないだろけど、同じ聯合早報は17日、日本の龍谷大でも教鞭を執っている卓南生の署名入り論評記事を掲載。めちゃくちゃ長いのではしょり気味に訳。
「おお」と思うのは、いわゆる「政官財」のトライアングルができている以上、そのフレームに乗っかっている民主党になっても構造は変わらないのではないかという指摘。それじゃあなんでこんなに期待が膨らんでいるのかと言ったら、「マスコミが喧伝しているから」という分析はちょっとどうかと思ったけど、細川政権を持ってくると「なるほどね」って思うところがちょっとあったりして。
これと似たような記事が、同じ17日に台湾・中国時報の国際面にもありました。これについてもはしょり気味に訳。政権党の自民党と最大野党の民主党は、選挙の一票と希望を党首の顔とイメージに託している。はっきり言ってしまえば、両党は基本的に政策の上では明確な違いがないのだ。政策を問えば、両者はともに憲法改正と自衛隊派遣の急先鋒であるし(訳註:原文まま)、能力を問えば、両者はともに人材の欠乏著しく世襲議員が多い。両党首を見ても、日本の一部のものが両者の戦いを「孫と孫の戦い」と称するのも無理は無い。
両党のその他のマイナスイメージを見ると、共通点も多く、もっとも明らかなのは両者とも複雑に絡まりあった関係の財界に彼らの財源があるということだ。両党は清廉な政治を標榜しながらも、「政官商」が結託した体制が日本の政治の舞台から離れることはないことを誰もが知っている。したがって、カネに絡む事件が表沙汰になった時はいつも、自民党から名前が出ても民主党が逃げられることはできない。反対に民主党の者が捜査の対象になり、自民党の者もその渦に巻き込まれる。小沢一郎の事件がその典型的な一例だ。
自民党と民主党も、政策や財政的な後ろ盾に大きな違いはない。加えて、両党の執行部も根っこは同じで、自民党の出身者だ。8月30日の選挙の結果が、仮に大方の予想通りになり、鳩山がリードし舞台裏で小沢が操縦する民主党に政権が転がり込んでも、一部の日本メディアが同様に誇張している「日本政治の地殻に大変動が起きる」だとか「戦後の日本政治の分水嶺」だとかになることはない。1993年の細川政権誕生時ほど、いわゆる「政治地殻の大変動」あるいは「戦後政治の分水嶺」といった誇張が最も酷かった時期はない。小沢が背後から操った「非自民連立政権」成立の前後だ。当時の主要なマスコミは「新党」や「新風」などと吹聴したが、実際には自民党の包みを変えただけだった。その「政権交代」による政界再編の過程で本当に敗れ去ったのはただ一つ、自民党にとって目の上のたんこぶだった社会党だった。当時のいわゆる「政治改革」では最終的に大政党に有利な小選挙区比例代表並立制が導入され、結果として日本は二大保守政党の方向に進んだ。日本の政界は「総保守化」あるいは「総自民化」が形成され、「政権交代」は決して政治改革とイコールではなくなってしまった。
この問題をもっとも説明できるのは、日本のメディアに「清廉な首相」と改革の旗手と吹聴された細川護熙かもしれない。就任後数ヶ月で彼は「佐川急便から1億円を受け取った(訳註:原文まま)」として引責辞任した。日本人はこれにより政治に嫌気が差すようになり、同時に政治家に対して「どこのカラスも黒さは変わらぬ」という見方を持った。これは当時の日本のメディアが過度に「地殻大変動」「分水嶺」と喧伝し、一般市民に対して偽りの「政権(の本質的な)交代」に多くの幻想と期待を与えてしまった結果なのだ。その後、自民党は再び人々の注目を集める。小泉純一郎政権の前後だ。「聖域なき構造改革」や「自民党をぶっ壊す」といったスローガンを展開し、党内の人物を「抵抗勢力」と呼んだ。この結果、小泉の改革を誤って信じた有権者は自民党に票を投じ、自民党の「改革派」も「抵抗勢力」も勝利を収めた。しかし、実際のところ自民党の一部に壊れていない部分があることは、小泉が退陣した後に露呈した元の部分を見れば明らかだ。
その後も自民党は総裁の顔を変えることで支持率を維持してきた。安倍が逃げれば福田を配し、福田が逃げれば麻生を出演させた。同時に、日本の主なメディアは呼応して「安倍ブーム」や「麻生ブーム」を展開した。
現在、麻生体制も限界に近づきつつある。自民党にも見たところ起死回生の術はなさそうだ。政権はひょっとすると「ソフトクリーム」と称された民主党の鳩山由紀夫代表の手の中に転がり込むかもしれない。しかし、指摘すべき点として、民主党と鳩山代表の提起するものに、自民党や麻生総裁が出すものと明らかにカラーの異なる内外政策を期待することは、非現実的であるということだ。「政権交代すればよくなる」と言う者や、政党が代われば「政治の地殻大変動」と言う者はやめていただこうか!
やはり日本の「政官財」の構造がある以上、民主党の「政権交代」は「政治体制の変革」には繋がらないという厳しい指摘。民主党は政権を取ったらこの三角形の一つである官僚に手を伸ばそうとしているようですが、はたしてどうなることやら。
後半の二つの記事、両方とも「民主党政権になったとしても言うほど変わらんぞ」っていう点ではなんだか似たようなところがあるんですが、「言うほど変わらんのだからいっぺんやらせてみたら」という話にならなかったのがちょっと意外な感じかも。日本の戦後経済の復興と、以降のゆるやかな失速の原因は政治体制にある。日本国民が願う変革はこの体制の変革であって、何かしらの政策上の改革にすぎないのではない。
いわゆる政治体制は国会の内閣代議制度のことではない。日本は明治維新後欧米のやり方を取り入れ、戦後は民主的体制がさらに整った。日本はアジアの民主先進国家を自称し、欧米もまたそれをしきりにおだてた。
その一方で、日本には特殊な政治体制がある。「政治家+官僚+経済界」という三位一体の体制だ。これは自民党が発明した体制だがその他の政党もこの図式から脱却することができていない。自民党内はともかく民主党はどうだろうか?民主党と経済界の関係も同様で複雑に絡まりあっている。選挙にはお金がかかるが、金が天から降ってくることはない。そのため諸経済界に頼るしかない。小沢一郎がそのために代表職を辞さざるを得なかったように、また新代表の鳩山由紀夫も問題を抱えているように、自民党とは同じ穴の狢なのだ。
「改革」などというのは選挙で票を得るためのスローガンにすぎない。小泉純一郎はこの掛け声で首相になったが、今はどうか?引退後は地盤を息子に譲ろうとしている。これは他の父親と同じやり方ではないか。日本の有権者は騙され続け充分に悩んできた。今回もまた、半信半疑の中で民主党に試しにやらせてみようとしているのかもしれない。
日本の「政治改革」は実際のところ人を騙すもの (中国時報)
おいらは、はてなブックマークにも書いた「民主党の短絡的アホさ加減がどうにかなんない限りよりひどい結果になるでしょ」という考えから今のところ変わってません。これについてはまたいずれ。もっとも、あんまりうかつに国内政治の話をすると、ふぐすまの方からすごい厳しいツッコミが入りそうなのが唯一かつ最大の懸念材料なんだけど。っていうか、そうこう言っているうちにタイミングを逃しちゃうような希ガス。
【台湾】 「海岸緑化に成功」 日本統治時代、水利事業に尽力した邦人2技師の発想応用[06/14]
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1245077717/
【日台】 「エコ先駆け"奇跡"のダム」 静岡・袋井市の偉人、鳥居信平~再評価され台湾から胸像[06/28]
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1246206770/
【日台】 「水を使うたびに感謝」 台湾から寄贈された水利技師・鳥居信平の胸像、除幕式...静岡・袋井市[07/14]
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1247671753/
もちろん彼らの他にも腕を振るった人たちがいたわけなのですが、15日はそんな中の一人、建築家、というか設計士の森山松之助の生誕140周年にあたりました(新暦で)。はい、この時点で誰だかわかったらけっこうすごいと思います。
台湾での彼の功績を挙げれば、その携わった建築物は総統府(旧台湾総督府/元設計は長野宇平治、後述)、台北賓館(旧台湾総督公邸/部分)、台中市政府庁舎(旧台中州庁舎)などなど。台湾の官公庁を中心に設計を行い、ヨーロッパ風の建築スタイルを持ち込んだ人でした。20世紀初頭に作られた彼の作品は、世紀を超えてなお今日も残っているというわけです。
ということで15日の自由時報から訳。
いつもだったらこれでもギリギリ(微妙にニュースっぽくないんだよね)東亜+にスレ立てしていたかもしれないんですが、珍しく聯合報も興味深い記事を2本載せていたのでさらに困ったことに。3本合わせ技にしても誰も読まないしなあ。でも、自由時報のだけだとニュースとしてインパクト弱いし、かといって聯合報のはどっちもいきなり核心だから「誰それ?」になりそうなんだよなあ。今日15日は、総統府の建物を設計した森山松之助の生誕140周年にあたる。彼は1906年に台湾に来て、その後16年間の台湾滞在期に多くの公共建築物の建設をリードした。主な作品としては台湾総督府(現在の総統府)、台湾総督官邸(現在の台北賓館)の改築、台湾総督府専売局(現在の台北公売局)、台中州庁(現在の台中市政府)、台北州庁(現在の監察院)などだ。森山は当時の公共建築の設計スタイルをリードした建築士であり、その作品は今もなお台湾に影響を与えている。
国史館と公共電視は14日、デジタルアーカイブ・デジタル学習国家型科学技術計画の成果を発表し、専門書と記録フィルムで台湾に優れた貢献のあった外国人、森山松之助、ジェームズ・マックスウェル、磯永吉をシリーズで紹介するという。
国歴館協修の欧素瑛は、「森山松之助は驚くほど効率的だった」と形容する。台湾にいた16年間に指標となる建築物を作り、代表作である総督府には60メートルの塔楼を築き、その地位は当時の台北101ビルに相当するもので、植民地帝国としての日本を示す意義を宣揚していた。国史館は、「森山松之助の設計スタイルは、装飾を重視し、様式化を強調し、ヨーロッパのルネサンス建築の色合いが濃かった。彼は台湾に来て総督府営繕課の課長を任ぜられ、ヨーロッパ式の建築設計と文化を台湾に持ち込んだ。さらに植民地の政府筋のニーズも建築の中に反映させており、これら日本人が作った建築は今も台湾総統府として存在している」と話す。
欧素瑛は、「総統府中央の60メートルの塔楼は、総督府を当時の台北で最も高い建築物とし、日本の台湾殖民統治の権威を象徴していた」と話す。
国史館は、「総統府の建築構造は、台湾が地震帯に位置していることを考慮して作られており、『耐震』が設計の重点に置かれていた。そのため建物本体は南北方向に見ると『日』の字の形になっている。この構造が高い耐震性能を持っていた」と指摘している。台湾総統府の設計士、生誕140周年を迎える (自由時報)
って、考え込んでしまったので、結局3つともこっちへ。
世間を賑わせた日本の台湾総督府の設計コンペは、もともと長野宇平治(訳註:明治期の建築家、森山と同じ辰野金吾門下の先輩にあたり、旧日銀広島支店や北海道銀行本店など銀行の建物の設計が多い)がトップを獲得していた。しかし、実際に建設するにあたっては、当初の設計では台湾の気候や材料の供給、建設のスピードが考慮されていなかったため、大幅な変更を余儀なくされた。このため、森山松之助はコンペに負けたものの実際の設計者となった。
長野の設計では、総督府の中央の塔楼は6階建てしかなかった。しかし、森山は帝国の力を形に表すため高さを増して11階建てにし、当時の台北で最も高い建築物とした。文化・歴史の専門家の李乾朗は、「森山は屋根の細部の設計に長けていた。建築スタイルは華麗にして複雑な繰り返し、日本政府から大きな信頼を得ていた」と話す。森山は続けざまに台中州庁(現在の台中市政府)、鉄道部、台北州庁(現在の監察院)、逓信部(交通部)、水道水源地(水道博物館)など10数個の公共建築に携わり、日本統治時代に最も影響力があった建築士であった。台湾の建築スタイルは、彼によって素朴なものから華麗なものへ一変した。
国史館協修の欧素瑛は、「明治維新で『脱亜入欧』を追求し、重要な公共建築物でも西洋の歴史的な外観で作られるようになり、モダンな現代社会に突入した社会的象徴となった。森山の設計した公共建築物には、ヨーロッパの華麗なスタイルが非常に濃く刻み込まれている」と話す。しかし一方で、森山は単に日本とヨーロッパの建築スタイルを台湾に持ち込んだだけではなく、台湾の建築スタイルを日本に持ち帰っている。李乾朗は「東京の新宿御苑にある赤い瓦の反ったひさし、ミン南の特色溢れる『台湾閣』は森山が日本に帰国した後、裕仁皇太子のご成婚を祝して建てられたものだ」と述べた。
確かにこれだけの建築物を残した設計士であるはずなのに、履歴書と写真しかないというのは意外すぎてびっくり。何か書き物を残すくらいなら図面を引いた、という可能性もありますが(そっちもカッコいいな)、ぜひ日台共同研究で再びスポットライトが当たればいいなあと思います。総統府、台北賓館、監察院、台湾文学館......これら日本統治時代を最もよく代表する建築物は、全て日本の建築士、森山松之助の手によるものだ。しかし、台湾人にとって、森山松之助という人物は依然として謎のままだ。
今日15日は森山松之助の140回目の誕生日にあたる。国史館と公共電視台は「異人的足跡」シリーズを合作で制作し、昨日台湾では初となる森山をテーマにした専門書、記録フィルムを出し、森山の神秘に包まれたベールを脱がそうとした。同時に登場する「異人」は、台湾蓬莱米の父・磯永吉と台南新楼医院を作ったジェームズ・マックスウェルだ。
森山松之助は貴族院議員の森山茂の長男として1869年に大阪の名家に生まれ、東京帝国大学工科大学建築学科を卒業した。38歳の年に台湾に来た森山は台湾総督府のコンペに参加するとともに、総督府営繕課に技師として勤務した。
国史館協修の欧素瑛は、「当時はまさに、日本が明治維新に成功した後、国力がピークに達しようというときだった。台湾は日本最初の海外植民地となり、多くの若者たちが台湾にやってきて、日本の帝国としての威風を発揮していた」と話す。森山が台湾にいた16年間、建築士として黄金期と言える時期を台湾の公共建築のために献じた。彼は10数棟の勇壮な迫力ある建築を残したが、個人としての史料はほとんど残されていない。欧素瑛によると、「現在、国史館のファイルにある森山に関する資料は、彼が総督府に残した履歴書と一枚の写真だけです」という。
森山は1921年に日本に帰国して、東京で森山松之助建築事務所を設立、その後1949年に世を去るまで再び台湾の地を踏むことは無かった。欧素瑛は「戦後、両国は隔たれてしまい、国民政府も日本の植民地時代の歴史を軽視したため、森山も一度は台湾の建築史の中で消されてしまったのではないか」と考えている。文化・歴史の専門家の李乾朗によると、十数年前に森山の孫にあたる森山治が祖父の足跡を尋ねて台湾を訪問し、案内を頼まれたという。日本でもかつてある大学院生が森山をテーマに論文を執筆したが、これはまだ中国語に訳されていない。李乾朗は「台湾の学界は日本と協力して森山松之助の全貌をもう一度明らかにしてはどうか」と建議している。
森山松之助/謎多き人物が台湾の名建築を作った (聯合報)
と同時に、すごくみみっちい心の持ち主のおいらは、こうやって自分がいなくなっても名前や手がけたものが後世まで残る人に対して、限りなく嫉妬に近い尊敬の念を抱かざるをえないのでした。とっほっほ。小さい、人間として小さいよ。あ、サイズじゃなくて器がだよ。
このCD、歌詞カードの途中にインタビューのページがあって、コンセプトについて「日本の少子化に少しでも貢献できればいいなと思って作りました!」と(デPたんが)答えています。最初読んだ時は、「うはwwwアホスwww」くらいの勢いで読み飛ばしていたものの、土日ずっと聴いて関東に帰って一夜明けて思ったのは、やっぱりデPは侮れないなあ、と。そっち方面でも引っ張られたというか、意外に自分も本能に従順忠実でした。アホでした。
そんなアホな内容を吐露する日本のネットユーザの一人がおいらなわけですが、中国大陸ではネットが時に大事な情報発信手段になります。向こうからすればおいらの駄文なんてリソースと時間の無駄遣いですね。5月に「草泥馬は馬勒戈壁の夢を見るか?」を書いた時、予定された政治ごっこじゃなくて農村部の不満の突破口になることが、中国における「ネットが社会を動かす時」なんだ、みたいなことを書きました。
翌6月、北京当局は六四天安門事件20周年を前にあらゆるネット手段を封じ込めにかかりました。そして、先日のウルムチでの事件の際も情報統制を行うべく「和諧」を行ったのですが、やはりこの時代、どうしても漏れる水はあったようです。シンガポールの華字紙「聯合早報」の北京駐在員・韓咏紅による署名記事からはしょり気味に訳。
【中国】天安門事件20周年を前に、大陸全土でTwitterやFlickr、Hotmailへのアクセスが遮断[06/03]
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1243998409/
【中国】ウイグル暴動を受けてネット規制強化-ウルムチではネット接続を遮断、掲示板の書き込みも軒並み削除[07/07]
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1247013106/
ごめん。後半はしっちゃかめっちゃかです。中国当局のメディアが簡単な言葉で新疆の流血暴動を報じていた頃、網友たちがマイクロブログを通じて流したニュースは、ほぼ絶え間なくリアルタイムで事件の成り行きを伝えていた。マイクロブログが伝える素早く新鮮な内容のニュースの質は、中国当局メディアに対し明らかに大きな新しい衝撃を与えていた。
Googleのサービスが中国で2時間にわたって使えなくなっていたあの晩、北京のとある境外新聞機関で働く小鄭(仮名)は、身をもってマイクロブログのTwitterのパワーを思い知らされていた。
先月24日、小鄭は何人かと外食してから帰ると、いつものようにネットでTwitterにログオンした。Googleに関する話題が沸騰し、罵声が飛び交っていた。2時間後に封鎖が解除されたというニュースもTwitterで得たものだった。ネットの者はとりわけネットの事情に関心が強い。
ネット上での動向ばかりではなく、地方の騒乱のニュースでも、往々にして誰かが「求む、現場の目撃者」とネット上に書けば、誰かが携帯で撮った現場写真をアップし、それが再びTwitterユーザによってTweet上に上げられ、ニュースが瞬く間にネット上の世界を駆け巡るのだ。7月5日、中国新疆で発生した過去数年で最もひどい流血暴動でも、再びTwitterの優位性が詳細に発揮されている。当局メディアがたかだか数行のニュースを報じていた頃、網友たちが自ら集めた写真、携帯で撮った動画、事件経過などが既にネット上でものすごい勢いで広まっていた。
言うまでもなく、小鄭もTwitterの追跡者になっていた。後に小鄭は、Twitterのリアルタイム性に関する特徴として、アメリカの業界専門家が例えた「超級新鮮(super fresh)」という言葉を見つけた。中国には果たしてマイクロブログのユーザはどのくらいいるのか、未だに権威ある統計的な数字はないが、ある業界の者によれば、ユーザの総数は10数万人を超えていてもおかしくはなく、うち活発に使っている者が数万人いるのではないかと推測する。
これは、中国の13億人という人口や3億人という網友の数と比べても、ごく僅かなものでしかない。しかし、マイクロブログは、その発展のスピードのユーザの影響力という点で注目を集めている。アメリカではユーザが個人のちょっとした生活や考えていることを僅かな言葉をこぼすにすぎないが、中国のユーザはIT業者やメディア関係の者などの傑物に集中している。なぜなら、これは多くの人が当局の報道管制を突破するための基本的なツールとなっているからだ。著名なブロガーであり評論家、そしてIT業者でもある「和菜頭」は、おそらくマイクロブログのユーザであり最も「激しい」網民の一人であろう。彼は「飯否(訳註:中国版Twitterみたいなもの)」で14,000人以上に関心を持ち、彼に関心を持っている者は20,000人を超える。外のものは「はたして彼は2つの目でいったいどのくらいのメッセージを見ることができるのか」と疑ってしまうが、彼によると「最終的に重要なニュースは、断続的に繰り返されるから取りこぼしようがない」という。
彼は取材時に、マイクロブログは最新のニュースを最も早く収集、伝達するツールだと形容した。早いということは、それだけ監視や当局の削除を受けづらいということだ。これは中国の言語環境の中ではとりわけ重要なことだ。インターネットは中国の言論空間を開拓し、公民意識の発展を推進した。マイクロブログはインターネットの発展の一部分であるが、この流れで最も新しい部分の代表格だ。
13億という膨大な中国の人口の中で、ある一部分の一般的な市民は、社会に物申したい強い衝動を胸に抱えている。ネットはそんな彼らにかつて持ったことのないルートを提供したのだ。昨年のチベット騒乱や四川地震など一連の事件は、網民たちの社会参加への意欲を呼び起こした。その一部が社会に関心を抱く市民のパワーに転化されたのだ。インターネットが中国に入ってから、ネットは近代化を代表する象徴の一つとして熱烈に求められた。「中国のネット人口は世界一」というフレーズの裏には、中国は西側諸国よりもさらに早く近代通信技術を得たのだという満足感が含まれている。しかし一方では、このツールの御し難さという特質と日に日に当局にとってコントロールが難しいということがわかってきた。
中共中央宣伝部の劉云山部長は、「ネットの相互性、即時伝播性、共有性という特徴は、ネットのメディア機能によって日に日に明らかになってきている......。どのようにして積極的に利用し、ネットを科学的管理するかということは、重大かつ緊迫の課題となっている」と警告した。
この「重大かつ緊迫した」課題に対し、中国では監督による遮断および積極的な世論誘導という硬軟の方法を用いてきた。Great Fire Wallは前者の最たる例だ。その次がブログやサイトの封鎖だ。例えば新疆暴動が発生した後、政府は月曜夕方、火曜夕方、火曜深夜と相次いでTwitterやFacebook、飯否をブロックした。しかしネットに通じた者は「翻墻」を使ってネットにアクセスする。
当局は最近、官製メディアの言論の基準を緩和している。市民の持つ当局メディアのチャンネルの権威的地位や信用度が、なるべく高まるようにし、ネットでの会話でも影響力を得られるようにするためだ。例えば新疆暴動でも、政府は1日開けた日の昼には死者数を報じ、CCTVニュースも暴動現場の様子を伝えた。これは非常に珍しいことだった。
しかし、新疆事件における当局メディアとネットの会話との「実戦」の結果を見てみると、ネットのニュースは当局よりも早かった。しかし、当局が最終的に発表した権威あるデータというものは、やはり多くの人にとって根拠あるニュースだった。一部の者は「ネットの発展は必ずや民主化を導くだろう」というあまりに楽観的すぎる考えを持っている。しかし、せめて言える事といえば、官、民、民間意見のリーダーがネット上でシーソーを行えば、両方の境界や関係も変化し続けるだろう。ネットは政治改革への原動力となり、中国の政治的発展を推進する重要な作用もここから得られるのは明らかだ。
新疆暴乱 マイクロブログが大ブレイク (聯合早報)
ネットのパワーというのは、その使いやすさから来る「スピード」とネットワーク性からくる「他人とのつながりやすさ」で膨らむ速さが違ってくるよね。おいらはその簡便性も好きなんだけど、同時に継続性というか「どれだけ残せるか」というのも大切にしたいと思っています。新聞やテレビといったメディアのサイトに載るニュースはけっこう短期間で消されちゃうけど、2chの+板の>>1はdat落ちした後でも読める。そういうのがいいよね。
なので、なんかTwitterって「大量生産で垂れ流し」みたいなイメージがあって好きになれなかった(性に合わないというか)んですが、ひたすらに速攻性が求められるこういうケースでは、なるほど最適化っていうのはこういうことなのかって思っちゃいました。
じゃあ何しにどこに出かけているのかと言ったら、そこらへんは消去法で推して知るべしですよ。押してダメなら引いて後志ですよ。後志?胆振?釧路?石狩?十勝?いや、北海道じゃないです、念のため。
しかも困ったことに泊まった先ですることがなんにもありません。うおー、DQ9発売日だっていうのに。困った挙句、ホテルの近くのTSUTAYAに行ったらなぜかデッドボールPのCDがあったので、勢いでお買い上げ。今日はdorikoさんの誕生日なのに、東京じゃほんこーんがCD手売りしたっていうのに、あえてデP。あはは。おいららしいや。
部屋に戻って一人ノートPC広げて「うはwww全部デPwww(だいたいあってる)」みたいな当たり前のことを言いながら、時に笑い、時に泣きそうになりながら聴いてます。すごいなあ、デPは。
あと、どうでもいいんですが、歌詞カードにくっついてるおまけの性格診断、スタート→胸には自信がある。(NO)→私はVOCALOIDです。(NO)→牛乳が好きだ。(NO)→で、開始3秒で無限ループに突入。というか、今気がついたけど、何はなくとも「牛乳が好きだ。」をYESにしないと始まらないという恐ろしい表なんですね。すげえええええ。
で、やっぱりすることがないので、積み残しの話題でも。
今週、秋に訪日予定というニュースが流れるなど、今なお日本で、というか東亜+で人気の高い李登輝元総統ですが、9日は「二国論」10周年という節目の日でもありました。
【日台】李登輝元総統、9月4日から訪日-青少年向けの講演をメーンに文化交流[07/10]
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1247222799/
10年前の7月というと、ノストラダムス的な7月。日本では
李登輝総統の下では、国統会や陸委会、海基会などの両岸政策の仕組みがいちおう作られていたものの、'96年の台湾海峡ミサイル危機などを出すまでもなく必ずしもスムーズにいっていたとは言えません。また、'97年には香港が中国に返還され、一国二制度という「香港スタイル」を台湾にも持ち込もうとする動きが強まっていたところでした。
そんな中、ドイツの「ドイチェ・ヴェレ」の取材を受けた李登輝総統は、両岸関係の現況をこのように形容しました。「(1991年の中華民国憲法修正以降は、)国と国との関係、さもなくば少なくとも特殊な国と国の関係だ(Taiwan Security Researchによる英訳:as being state to state relations or at least special state-to-state relations)」と。現役の総統がそのように表現してしまったので国民党も立場上同意したのですが、北京サイドはブチ切れです。
でも、確かに1999年当時のおいらはまだ10代のヒヨっ子だったけど、台湾ってどう考えても中国大陸とは別の国だと思ってました。しかも中国-香港みたいな「ちょっと変わった関係」じゃなくて、まさに「国と国との関係」だと。いわば既成事実として国と国になってしまっていたような感じで、むしろお互いが主張してきた「一国二政府」っていうほうが不自然だなあっていう印象でした。
でも、何事もそうだけど、既成事実って作った後に整理していかないとめんどくさいことになっちゃうんですよね。いわばその第一歩がこの「二国論」だったわけでっす。たぶん。
じゃあそれから10年たって何か整理がついたかって言うとそうでもない。陳水扁総統は「一辺一国」まで踏み込んだものの、やっぱり形に落とすところまでは辿りつけませんでした。ちなみに、馬英九については「去る者は日々に疎し、そして疎し者は日々いろんなことを忘れ去り。」で書いたように、「大陸地区と台湾地区」という概念を持ってきて、「我々は一種の特別な関係であり、国と国との関係ではない」と、二国論を否定しつつその代わりがまたよくわかんないという罠。
っていうわけで10周年関係の記事をまずは自由時報から抜粋。
当時総統府秘書長を務め、現在は台湾団結聯盟主席の黄昆輝は、「李登輝は今もなお台湾と中国を『少なくとも特殊な国と国との関係』だと考えている。李登輝は最近、台湾と中国の関係に触れた際にも『両岸関係』と言わずに『中台関係』だと言っている。6月27日の群策会の会合で挨拶した際も、『現在の中台関係は「あなたはあなた、私は私、しかしあなたと私は友人同士」だ』と指摘しようとし、これを強調していた」と述べた。
黄昆輝は次のように李登輝の考えを説明する。「台湾と中国の関係をまずはっきりさせなければならない。あなたはあなた、私は私。つまりあなたは一つの国であり、私も一つの国である。台湾はしっかりとした立場に立たなければならない。その後で、アジア太平洋地域、世界、あるいは両岸の人々を考えるべきだ。中国は、台湾に敵から友人へと変わるよう呼応しているが、しばしば台湾に照準を合わせたロケット弾をちらつかせたり、台湾への武力使用を放棄しないことを揚言したりするべきではない。」
黄は、台湾は台湾であり、中国は中国だと話す。台湾はすでに主権独立の国家であって統一の問題など存在しないという。しかし馬総統がこれまで通ってきた道は、終局的には統一へと向かうものであり、唾弃すべきものだという。それには、今週末に国共論壇が浮上しそうなことも含まれており、今回のテーマが文化教育に関するものであって、国民党政府が中国の策略に協力し、「文化的統一」を「政治的統一」への足がかりにするものだ指摘している。
自由時報ではもう一つ、鄒景雯の特稿も杜牧の漢詩「遣懐」を引きながら10年前との違い、というか李登輝・陳水扁と馬英九との違いを批判して書いているのですが、そこまで目新しいものは無くまあいつも通りな内容かなあ。聯合報や中国時報がスルーしている中、国民党の機関紙である中央日報が論評記事を書いているので、たまにはそちら側からの記事でも訳。
この「両岸は統一されるべき」なんですが、当該インタビューでそれっぽい文言って見つからないんだよね。あえて引っ張れば、そこまで直接には言っていないものの、確かに「我々は大陸の政府が、民主的な統一に向けた好機を作るために民主化な改革を続けることを願っている(Taiwan Security Researchによる英訳:Therefore, we hope that the authorities there can proceed with democratic reform to create favorable conditions for democratic unification.)」とは言っています。これはまあ多少好意的に受け取れば、「大陸側が民主的な統一を図るのであればそれはやぶさかではない」になっちゃうかもしれないんですが、普通に考えて「大陸は武力による統一という考えを捨てるべきだ」という風に捉えるべきじゃないでしょうか。李登輝が提唱した「両岸は特殊な国と国との関係」から10年が経過したのを機に、当時の総統府秘書長で、今は台聯の主席を務める黄昆輝が公然と馬英九と国民党政府を批判した。曰く、両国の関係は両岸関係に後退しているという。独立派の自由時報も大幅に紙面を割いて馬英九と国民党を攻撃している。
実際のところ、黄昆輝やいかなる独立派メディアも李登輝のコメントを極めて不完全な形で引用している。1999年7月9日、李登輝はいわゆる「特殊な国と国との関係」を提起した際、同時に「両岸は統一されるべきだ」とも強調しているのだ。したがって、黄昆輝や独立派の者たちは皆、李登輝が両岸統一を承諾していたことから逃げているのだ。
10年前、「特殊な国と国との関係」という見解を示した後、両岸の協商は中断され、台米関係も傷ついた。そこで李登輝はすぐに埋め合わせを図ろうとした。彼の行った3つの行動は、1つ目として自ら提起した二国論を否定し、単に特殊な国と国との関係を言ったにすぎず二国論とはイコールではないというものだ。2つ目は、両岸は2つの政治実体であると言ったことだ。今の独立派の人間はこのようなことを言うことはできまい。3つ目は、李登輝がその後国会統一や国家統一綱領を強調し続けたことだ。
(中略)独立派の人々にしても独立派メディアにしても、大風呂敷を広げたり、むやみに馬英九や国民党政府を批判する必要はない。李登輝や陳水扁政権においても、両岸関係が両国関係になるなどということは不完全なうちに終わった。しかも、「特殊な国と国との関係」にしても「一辺一国」にしても、それを良しとしたところで台湾に何のメリットも無かったことは事実として証明済みだ。馬英九と国民党は現在両岸関係を推進しているが、その立ち位置は「統一も独立もせず」という台湾海峡の現状の上にあるものだ。すでに両岸の制度的な協商は取り戻され、台米関係も立て直された。国際社会における政治的な信用も新たに打ち立てられ、これらのことから台湾の主流な民意の支持を得ているのだ。いかなる批評者に対しても、李登輝の主張を引用する際には断片的な引用をしたり、一部分を切り取って全体を見せるようなことはしてはならないと願っている。
「李登輝の半分」だけを語ってはならない (中央日報)
確かに「『台湾はすでに独立している、大陸との関係は国と国との関係だ』という主張が何かメリットをもたらしたか?」と問われると辛いのは事実。というかおいらが辛いだなんだって言うのはお門違いもいいところなんですが。よく言われるように、あいまいなままに馬英九が大陸との関係を深めるのは、位置付けが微妙すぎるままに活動を続ける日本の自衛隊に近いものがあるのかもしれません。
それとごっちゃにするのもどうかと思うんですが、既成事実として存在する台湾という国の位置付けをどう整理するのかというのはそれよりもはるかに難しく、翼無しで月夜を飛ぶよりも難しいかもしれません。
ちなみにどうでもいいのですが、アンテナの「おとなりページ」機能を使っておいらのブログの「おとなりページ」を見てみると、なぜかかたほとりPのブログが出てきます。きたこれー。
やったね。伝説のロリン廃・かたほとりPがおとなりということは、つまりそういうことなんだと思います。
そういえば「はてな」の話をした時に、これを機にブログを「はてなダイアリー」に移そうとしなかったのは、
理由はいたって簡単で、きりたんPことdorikoさんのサイトがunformed.ccというドメインに移ったこと。あ、新しいもの好きなんじゃないね。流されやすいだけなのかもしれない。
や「っていうわけで、なんかカッコいいドメインを取ってみたらどうかな」
隣「また取るのかよ(後述)」
隣「これ、笑うとこ?」
や「えらくマジです。.ycとか無かったっけ。yauchi.ycみたいな」
隣「なんか読売新聞の販売店か横ち(ry」
や「はい消えた!」
というわけで、新ドメイン名構想は3分で終了したよ。
確かにいつの間にか22個もドメインを持っているので、正直やりすぎなような気がしなくもありません。年間いくら投じているんだか。でも、「覚えにくいから」とか「携帯でURL打つのがめんどくさいから」って理由で転送用のドメイン取るのってけっこう普通のことじゃない?って、あれ?
ちなみに、おいらの知る限りではyauchi.comとyauchi.cn、yauchi.nameは既に他の人が取っているようです。まあ、yauchi.co.jpは神戸の氷屋さんが持っていて当然だと思うんだけど、yauchi.cnなんて取得していた人がいたっていうのは正直びっくりしました。yauchi.twは空いているんだけど、value-domainで取れないからなあ。残念です。あはは。
さて、週末は
http://www.fmprc.gov.cn/chn/pds/wjdt/fyrbt/t571656.htm (中国外交部)
この事件で思わぬ余波を受けたのが台湾の馬英九総統でした。「控え目すぎて何が何やら。」でも触れたとおり、先月の六四天安門事件20周年談話で「大陸当局は以前に比べて人権問題にさらなる注意を払い」などと中国当局に配慮していただけに、何を見ていたのかと突っ込まれてしまっています。とりあえず自由時報から民進党のコメントでも。
民進党は7日、「馬政府は中国との経済貿易を推進するため、中国の人権問題への対応に目を瞑ったばかりか、中国政府は人権問題に対して進歩があったなどと認めた。これは、中国の人権弾圧の残虐な手段を台湾が認めたと国際社会に誤解を与えるだけではなく、台湾の民主、人権の価値に対して大きな傷を負わせたことを意味する」と非難した。
同じ8日、なぜかこのタイミングで「21世紀の中国は平和と経済の国だよ!」という主張をしてくれたのが聯合報の社論でした。タイトルが「日本が与那国島に駐軍しようとしていることについて思うこと」なので、正確には陸上自衛隊が与那国島に部隊を配備しようとしていることに対する社論。
なのですが、要するに「おいおい、今の両岸関係を考えたら、日米は対中国・対台湾海峡戦略を考え直すべきじゃないの?JK」を言おうとする中で「中国が台湾を武力で併呑するリスクは低い」と言われても、明らかにタイミングが悪すぎる。背を向けて壮絶なまでにお食事中のライオンを見て、「ほらおとなしいでしょう」と言われてもリアクションに困るというものです。
日本の防衛省が、宜蘭県の外海にある与那国島への軍派遣、進駐の可能性を裏付けたことにより、2回目となる2008年の政権交代後の台湾海峡新情勢に対応するために日本が何をするか、ということに気を配るよう世の中の人たちに注意を与えた。また、それゆえにアメリカも同じ立場に位置することも連想される。確かに2008年以降の状況の変化っていうのはあるよね。武力による併呑よりも、経済的に依存せずに立っていられるかというリスクのほうが高まっているのも事実。でもそれは危険度の順番が変わっただけであって、背後のそれは爪を研ぐことを忘れてはいないのです。なんだかいろんなものに目を瞑った感じの社論だなあ。2008年以降の台湾海峡両岸の関係には、2つの大きな特徴がある。1つが武力対立のトーンダウンだ。北京は1950年代の「台湾解放」や1980年代以降の「武力の使用を排除せず」から21世紀の「両岸関係の平和的発展の枠組み」という風に変化した。2つ目には経済交流の高まりがある。軍事的対立やイデオロギーの抗争が弱まったのとは対照的に、経済の相互作用は両岸関係の主軸となった。
この両岸関係の新たな情勢は、両岸の台湾と大陸という2ヶ所に影響を与えたばかりではなく、日米と台湾海峡両岸の関係にも強烈な影響を与えた。第一に、両岸の武力的緊張が低下したことにより、日米の両岸関係事務への介入も政治的なてこを失った。かつて日米は日本の「周辺有事」に「台湾有事」も含まれるという戦略的思考を持っていたが、これも「的が無いのに矢を放つ(確かの目標が無いのに行動する)」ことになってしまうかもしれない。第二に、両岸の経済交流が高まったことにより、台湾の主要なリスクは北京に武力で併呑されることではなく、大陸からの凄まじい経済攻勢によって台湾が経済の自主性を失うことになるかもしれない。今後の日米の台湾海峡政策は、これらの新情勢に対応するべく調整する必要がある。
まず、日米は中国がこれから担う役割に正確な評価を行う必要がある。中国には、人類の歴史上第一にして唯一の真の「平和的飛躍」の大国かつ強国になる可能性がある。国内に向けては、仮に「世界の工場」と「世界の市場」という2つの有利性を上手く使えば、やがては自給自足の内需経済体制を構築することができる。国外に向けては、仮に正確に「平和的な」主軸を維持することができれば、弱みを握られることもないだろう。それならば、いわゆる「中国崩壊論」も現実になる可能性は低いだろう。またいわゆる「中国脅威論」も報復や制裁の口実として受け取らせることはないだろう。言い換えれば、中国がもし安定的な基調を確保すれば、外国は争いの口実を持つことができなくなる。また、もし経済貿易の「柔軟な国力」を積み重ね続けることができれば、中国はグローバル化の中で鍵となる役割となっていくことになるだろう。情勢がこのように向かえば、日米の中国に対する政策は、「軍備/冷戦」から「平和を基調とする経済戦争」に転じなければならない。
これまで長年にわたり、中国に「平和/経済」という本筋から唯一逸脱させてきたかもしれないのが台湾問題だ。これは日米にとっても過去からずっと取り扱ってきた政治的てこであった。しかし、2008年以降、両岸関係には大きな変化があり、これらの可能性が大幅に低下した。なぜなら、両岸関係は既に「平和/経済」という軸に乗っかってしまったからだ。これにより、中国の「世界戦略」と「台湾海峡戦略」は既に一致に向かいつつあり、全て「平和/経済」を主軸とするようになる。これは、外国がもし中国を軍事的に制圧しようと考えても、あるいは台湾海峡を口実に介入しようとしても、その可能性が既に大きく失われてしまっていることを意味している。加えて、台湾内部では20年来にわたって転げまわるような衝突があり、台湾独立を求める正当性と実現可能性は急速に弱まっている。日米がもし台湾に「反中国の手下」という役割を演じることを期待するのであれば、それは既に極めて可能性が低いと言わざるをえない。つまり、世界の大勢を論じるまでもなく、あるいは台湾内部の情勢を見るまでもなく、日米の対台湾政策は全て既に新たな思考、新たな枠組みを持たねばならない時となってしまっているのだ。
過去20年、李登輝・陳水扁の時期を経て、日米は台湾海峡両岸の競合関係が激しく変化するプロセスに深く関わり、その歴史の証人となった。日米は仮に台湾に対して道義的約束があったとしても、台湾の独立建国に向け助力することはできなかった。また、台湾の民主政治も中国と決裂する国家路線を取ることに同意できなかった。台湾の経済活動はさらに中国との交流から離脱することができなかった。ゆえに、両岸関係が今日向かっている「平和/経済」という路線はむしろ、まさに向かうべくして向かうものだ。この状況に至り、日米の過去の「台湾は独立してはならない/しかし台湾は反中国の手下であれ」という戦略構想は、既に立脚することができない。前議論するとすれば、日米に対してはこう述べたい。新たな台湾海峡の課題は、武力をもって台湾を併呑しようとする中国を止めるということではなく、中国大陸の凄まじい経済の勢いの中、いかにして台湾が必要とされる経済の自主性を維持するか、台湾の民主的体制を維持するかということを考えねばならないということだ。
実際のところ、日米中台が最も集合する点は、まさに「平和」と「経済」という2つの概念だろう。台湾がかなりの経済的自主性を持った民主的体制を維持できることが、各方面の基本的利益に符合し、当然北京の利益にも符合する。日米は台湾とFTAなどの手法を締結し、台湾の経済貿易における役割を高めることを考慮すべきだ。北京もまた、台湾の民主的体制がさらに建設的かつさらに尊厳ある両岸関係を引き受けたいという行いを歓迎するだろう。
これらのことから考えれば、日本の齋藤正樹・駐日代表が重ねて提起した「台湾地位未定論」や日本の防衛省が与那国島に駐軍しようと言っていることは、全て逆行するやり方だ。あたかも時計の針を「終戦」やはたまた「牡丹社事件」の時代にまで巻き戻そうとしているかのようで、とうてい賢いことだとは言えない。
とりあえず身も蓋も無いオチをつけちゃうとすれば、「明日か明後日あたり、日本のどこかのメディアがこれを引用して『台湾でも自衛隊与那国島配備を懸念する声が高まっている』と報道する」に1万ペリカ。
★ 追記。(07/10 01:00)
まったく気がつかなかったのですが、聯合報と同じ8日に沖縄の沖縄タイムスが社説でこの話題を取り上げていたようです。しかも、両岸情勢の変化や北朝鮮問題での中国の存在に触れ、中国と日米の協調が重要だと説き、「中台危機を想定した従来発想の「南方シフト」を推し進めると、むしろ「KY(空気を読めない)」と言われかねない」という、なんだか似たような論調になっています。
気になるのはこの沖縄タイムスの社説の結び、与那国町の要請に対して「同町は台湾との国境交流を進めてきたはずだが、台湾側の反発を買うようなことがあっては信頼を損ねてしまう」と牽制しているところ。おっと、これは1万ペリカかな。
【沖縄タイムス】与那国島への陸自配備、今どき「対中けん制」とはKY(空気を読めない)発想だ [07/08]
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1247078490/
よし、じゃあ今日こそ録画した「化物語」をゆっくり観ていってね!と思ったら、築地が消えかけた話題に再点火してくれました。
【日台】台湾、日本代表と面会せぬ、5月の「台湾の地位は未確定」発言で「報復措置」[07/06]
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1246882792/
もうね、アボガド。(ry
スレの中で、
23 名前:<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん 投稿日:2009/07/06(月) 21:31:50という喜んでいいのかよくわからないレスがあったけど、これ自演じゃありませんから。じゃなくって、正しくはスレの>>57にもあるとおり、そのデジャブは1週間以上前に報じられて59レスでdat落ちしたこのニュースのせいだと思うんです。おいらがブログで書いたのはその記事のついで。
どこかで見たと思ったらやうちのブログか【日台】台湾、日本代表と面会せぬ、5月の「台湾の地位は未確定」発言で「報復措置」[07/06] (東アジアnews+板)
【日台】馬政権による「齋藤・交流協会代表外し」で馮寄台・駐日代表が報復に遭う? 日台関係に行き詰まりの様相[06/27]
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1246078738/
ところがこの記事、よく読むと巧妙に計算されたよくできた釣り記事。すごい!東亜+のスレに連なるレスを見てもさすがだなあって感じです。別においらが自由時報で立てたスレより伸びてるからじゃないですよ。せっかくなので全文を引用。例によって太字はおいらです。
【台北=野嶋剛】日本政府の台湾窓口、交流協会台北事務所の斎藤正樹代表(大使に相当)が孤立の憂き目にあっている。きっかけは、斎藤代表が今年5月に「日本がサンフランシスコ平和条約で台湾の領有権を放棄した後、台湾の地位は未確定」と発言した問題。反発した台湾側がその後2カ月にわたり、馬英九(マー・インチウ)総統ら政権幹部は斎藤代表と面会せず、同席も避けるなどの「報復措置」を講じている。記事の芸術性の話をするためには台湾地位未定論の話をしなきゃいけないんですが、既に何度も書いてる話なので、未見の人は手っ取り早くWikipediaでも読んでください。というかそれがわからないでスレに書き込んでいる人がいたとすれば、それは果たして面白いのだろうかと不安になります。台湾紙の報道によると、斎藤発言に馬総統は激怒し、斎藤氏更迭を要求するよう指示した。部下の説得で撤回したが、斎藤氏と政権幹部の接触を控えて抗議の意を表し、「早期の代表交代」を日本側に促す考えとみられる。
日台双方の外交筋によると、馬総統以外にも、蕭万長副総統、欧鴻錬外交部長(外相)ら政権幹部が面会を控えている。他国からの主要な代表や大使が招待され、馬総統らが出席する式典にもほとんど声がかからず、代表業務に支障をきたしている。
交流協会は、公式には「台湾側の措置には一切コメントしない」としている。日本外交筋は「代表交代はあり得ない。正常化を働きかけている」と語る。
微妙な戦後処理の問題である台湾の地位に関し、日本政府は従来、言及を避けてきた。斎藤氏はこれを「未確定」と述べたことで謝罪したが、馬総統が4月末に「台湾の主権は、52年締結の日華条約で中華民国(台湾)に返還された」との主張を発表した直後だっただけに、台湾側が深刻に受け止めた。
馬総統は就任後、対日重視を掲げ、今年を日台特別パートナーシップ促進年に指定。だが、斎藤発言をめぐり、関係が逆に冷却化している。
台湾、日本代表と面会せぬ「報復」 「地位未確定」発言 (朝日新聞)
この記事の計算高さは、まずタイミング。いちおう記事にもあるように、スタートは4月末の馬英九総統の発言でした。以下めんどいので時系列順に列挙。
・04/28:馬英九総統が日華平和条約調印57周年記念式典で、「日華平和条約により台湾の主権は中華民国に移転した」と台湾地位未定論を否定。(参考:「詭弁踊りはまたの機会に。」)
↓
・05/01:齋藤正樹・交流協会代表が中正大学で講演し、台湾地位未定論を展開。馬英九の発言を否定した形に。(参考:どいつもこいつも御都合主義者だ。)
↓
・05/02:外交部が抗議、齋藤代表も「発言は個人的なもので日本政府を代表したものではない」と一歩後退。(参考:同上。)
↓
・05/04:立法院、齋藤代表の召還を求める決議を採択。(参考:一方、台湾は齋藤代表を取っ掛かりにした。)
ここまでが第一段階。その後、
・05/19:聯合晩報が「齋藤代表が失言により馬政府から排斥されている」と報道。(参考:同上。)
↓
・06/27:自由時報などが「馬政権が齋藤代表を冷遇したことにより、馮寄台・駐日代表も日本政府から冷淡な対応を受けている」と報道。(参考:同上。)
↓
・06/29:馮寄台・駐日代表が台湾メディアに対し、「報道のような仕打ちは受けていない。問題の拡大は望まない」と答える。(参考:試される島国。)
と、先月27日に自由時報などが「このままだと台日の友好的な関係が冷却してしまう」ともう一度掘り起こしたのですがそこまで盛り上がらず、馮寄台発言もあり終息したかに見えました。おいらが「試される島国。」で
例によって日本のメディアはドスルーなんですが(仕方ないね)、台湾でも終息に向かいつつあります。ていうか終息しました。と書いてしまったのはそういうことだからです。まさかいつもワンテンポ遅れてブログを書くおいらよりもさらに遅く、しかも6/27の報道をベースに記事を書く在台北記者がいるとは思わなかったよ!
この記事のテクニシャンっぷりは、上にも書いたように今さら27日の時点での話を基にしているところ、しかもバスンと半分切り取ったかのように「台湾お怒りモード」を演出しているところです。どんだけ脚本家が遅筆だったんだよ。
記事冒頭の「政権幹部は面会せず、同席も避けるなどの「報復措置」を講じている」や「ブチ切れたけど側近に止められた」だとか「代表業務に支障をきたしている」だとか、とかく「台湾怒ってます。マジやばいっす」というのを伝えているんですが、これ全部27日の記事の一部をうまく抜き出したもの。
例えば報復措置を受けているというくだりについては、
これに対し総統府筋の者は、「齋藤の発言は適当ではなく、台湾の人々の感情を傷つけた。多くの批判を引き起こしたことは間違いないが、いわゆる『馬総統が齋藤を排斥している』という見解は事実と隔たりがある。馬総統が先日出席した国光生技公司での催しでも齋藤代表は招待を受けて出席しており、二人は短いながらも会話をしている」と話す。という報道があるし、馬英九を側近が止めたという話にしたって、ここぞとばかりに馬を突いた自由時報ですら総統府筋の話を入れています。いや、逃げ道を用意したのかもしれないけどさ。総統府:総統と齋藤代表には依然としてやりとりがある (中央通訊社)
総統府のスタッフは外部に対し、「この話はまさに『デマ』であり、当方は日本に齋藤代表を交代すべきだなどと取り上げたことはない」と話している。
一部メディアが、「馬総統が激怒し、日本に対して公に齋藤代表の交代を要求しようとした」と報じていることに対し総統府筋は、「齋藤の発言は、確かに総統府サイドを非常に不愉快にした。しかし報道されているような程度のものではない。総統府側は国家全体の利益を念頭に置いて考えている」と語った。もちろん、「向こうさんの言うことを額面どおり受け取るのとはアホか」というお叱りも受けるかもしれません。でも、今日の記事だけ読むと「齋藤代表の発言が台湾サイドを相当怒らせてしまっている」とだけしか受け取れないよね。よもや総統府側が(いちおう)「Take it easy」ばりの態度を示しているとは思わないでしょ。総統府:総統と齋藤代表には依然としてやりとりがある (中央通訊社)
そして、実は27日の報道の主旨にしても、自由時報のメインは「齋藤代表がハブられてます」というところではなく、「それの影響を受けて馮寄台も同じようなことされてます」というところ。これは全文引用しなくても「馬英九の『齋藤外し』によって、馮寄台が報復に遭う」という記事のタイトルを見てもわかるんじゃないかと。たぶん自由時報も「報復」の文字がこっちに使われるとは思わなかったんじゃないかな。むしろ、今日の記事には馮寄台の名前が全く出てこないため、「馬英九政権の報復が陰湿すぎてっっっぱねぇっす」だけが印象に残るという不思議。
既にお分かりのように、自由時報がやりたかったことってたぶん「馬英九のやってることって自分の首を絞めてるだけだから」というブーメランの指摘と、「っていうか自分で促進年とか言っておいて台日関係これ以上泥沼化しちゃダメでしょ」という馬英九政権の外交へのマクロな指摘だと思う。
じゃ何で今回の記事では馮寄台ルートを全力で見なかったことにしたのかなって考えると、上にもあるように29日の時点で馮寄台が「いや、大丈夫だから。これ以上騒ぎを大きくするなよ」と言ってるのと、「齋藤発言に乗っかった馬英九非難」じゃ面白い記事にならなと思ったからなんでしょ。きっと。
あくまで齋藤代表を起点にした「ギクシャクした関係」を演出したいようですね。それこそ最後に火消しの役割を果たしたはずの馮寄台の思惑とは裏腹に。
それが顕著なのが事の発端のお話、28日の聯合晩報が社論で、
事の発端は、齋藤正樹駐日代表の『台湾地位未定論』だ。この説は歴史的な問題の争いがあり、外交官が口にするのは極めて不適当だって、さも齋藤発言が悪かったかのように書いてますが、今回の記事もなんだかそんな感じに読めちゃうのは気のせいかな。今回の記事ではさすがに4月の馬発言にも触れているけれども、それでも齋藤代表が空気を読まずに発言したかのような書きぶりに読めて仕方ありません。台日関係には慎重な対応を (聯合晩報)
以前にも「どいつもこいつも御都合主義者だ。」で書いたように、確かに日本政府のスタンスとしては台湾の帰属について「独自の認定を行う立場にはない」というものです。けど、少なくとも日華平和条約の一方の締結国として誤った解釈を見過ごすことはできません。この二つを上手にごっちゃにするところも大した技術だなあと思います。
ことの発端である馬英九解釈にほとんど触れず、ましてや台湾でもそれに異論が出ていることなんて完全に流した上で、「台湾側が深刻に受け止めた」などとあたかも齋藤代表が台湾を逆なでしたかのように表現するのは、流石プロといった感じですね。
焚き火とかタバコの不始末は、「消えただろう」と思った瞬間が危ないとか。そのタイミングを逃さず燃えそうな部分だけを的確に取り出し、台湾がおかんむりであることとその手段の大人気なさも強調し、その原因は齋藤代表の「台湾地位未定論」発言だと綺麗にまとめるあたり、もはや芸術的な上手さだなあと感心せずにはいられません。
それはそれとして、ちょっと触れておかなきゃいけないのが、2日に東京新聞が報じた「陸自が与那国島に部隊配備を検討か」というあれ。
【国防】防衛省、陸上自衛隊の部隊を与那国島に配備することを検討、中国など反発の恐れ(東京新聞)[07/02]
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1246531940/
今日の産経によれば、島内に演習のための充分な土地がないことや周辺国への配慮から数十人規模の沿岸監視隊になるみたい。また、沖縄タイムスによれば、町が提出した自衛隊配置の要望署名に了承無く書かれたものがあったり、町長たちの東京出張が隠密行動のような形だったりなど(よく考えたら瑣末な話なんだけど、よく調べたなあ)、地元の姿勢によっては変わってくるかもしれません。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090705/plc0907050128000-n1.htm (産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090705/plc0907050128000-n2.htm (産経新聞)
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-07-05-M_1-002-1_002.html (沖縄タイムス)
もともと与那国島は台湾に近い国境の島ということもあって、国防の話もさることながら台湾との積極的な交流を行ってきた町でもあります。国防は大事だけど、単に東京の論理だけで言い切るのは難しいよなあとおいらも正直複雑な気持ち。
【日台】沖縄・与那国町が「国境特区」を申請 台湾とのビザ免除・直行船便の開設など[07/08]
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1120825707/
【日台】沖縄・与那国島が「独立」? 揺れる国境の島の心を台湾紙が報じる[01/08]
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1136697487/
【沖縄】「与那国が『台湾の力』をもって自立する姿を、国に示したい」 花蓮市に事務所開設、田里代表に聞く[09/03]
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1188836213/
さて、東京新聞の記事では、
年末に決定する新「防衛計画の大綱」に反映させたい考えだが、周辺には中国が領有権を主張する尖閣諸島があり、中国の反発も予想される。と、なぜかご丁寧に中国だけ名前を出してくれていますが、そもそも上に書いたように交流があり目と鼻の先にある台湾の反応も見ないとダメだよね。向こうの新聞社のサイトの掲示板はすごいことになっていたので、とりあえずこの記事を報じた各紙の反応を抜粋。与那国に陸自配備検討 防衛省 中国など反発の恐れ (東京新聞)
日本が、花蓮県のすぐ傍にある与那国島に軍を駐在しようと計画していることについて、外交部スポークスマンの陳銘政は3日、『外交部は地域の平和に関心を持っているが、今回の件は日本の内部の事柄であって、外交部としては論評する必要がないし論評しない。しかし注視はしているところだ』とコメントした。というのが中央通訊社。自由時報も東京特派員の張茂森が同じように書いた後、なぜか
(中略)外交部スタッフは、『日本の動きは主に中国大陸との東シナ海の争いに向けたものだ。台湾と日本の関係はこれまで友好的であり、花蓮市と与那国島も姉妹都市になっている。外交部としては動向を密接に見ていきたい』と語った。日本が与那国島に軍隊を駐在か 外交部:論評せず (中央通訊社)
与那国島に影響力をもつ人物の話によれば、これより以前にも沖縄・普天間基地に駐留している米軍のアパッチ型ヘリコプター部隊を一部与那国島に移転し、与那国島を「フィリピンへの中継基地」にする計画があったという。というのも付け加えています。同じ3日の中央通訊社は花蓮市と与那国町との関係についても伝えてますね。台湾まで111km 日米が与那国島への軍駐留を計画か (自由時報)
花蓮市の蔡啓塔市長は3日、『花蓮とわずか110kmしか離れていない与那国町は単なる漁業の島ではなく、台湾東部の県市とも交流関係が密接な町だ。近年では与那国町も積極的に観光開発を推進し、花蓮市との交流や協力を続けており、お互いの協力関係を信じている。今回のことで変化が現れることはないだろう』と話した。また、今日の産経の報道についても触れていますが、(そこが中央社っぽいんだけど)産経の報道の域を出ず、尖閣諸島問題にしろ東シナ海ガス田問題にしろ、対中国という報道内容をそのまんま伝えています。花蓮市と与那国町、直航便などの観光を推進 (中央通訊社)
産経によれば、与那国島は台湾との距離が110kmにも満たない国境の島であり、台湾海峡でもし緊急事態が発生すれば影響を受けるかもしれないという。また、釣魚台群島との距離も約120kmあり、釣魚台の領土主権問題や東シナ海ガス田開発における中国の行動によって与那国島民に不安が生じている。ちょっと変わったところでは4日の自由時報「自由廣場」に載った台湾智庫の執行委員である賴怡忠の寄稿。与那国島そのものは、台湾によって遮られ直接中国に面しているわけではなく、またフィリピンとも距離がある。じゃああえて与那国に配置する理由は何かということで以下抜粋。日本メディア:中国に対抗するため与那国島への軍駐在を内定 (中央通訊社)
第一に、日米は台湾海峡で衝突の起きる可能性が非常に高いと考えている。開戦後、中国が台湾東海岸に進む可能性は非常に高い。そのため、花蓮の東側に位置する与那国への配備を強化する必要があるのだ。これは、両岸の緊張レベルが低下し台湾海峡情勢は既に安定したという馬政権の主張にも関係する。日米は決してこれを認めていない。そのため、花蓮の外海に積極的に兵を配置して万一に備えているのだ。と、後段ではモロに馬政権の動向監視だと指摘しています。ずいぶんと踏み込んだものです。
第二に、日米は馬政府下の台湾に根本的な戦略転換があったとみなしている。日米は、将来中国と衝突した際に台湾が中国と同じ側に立つかもしれないと考え、予め準備しなくてはならないと考えている。実際、昨年に馬政府が釣魚台問題で日本との戦争を開始することも考慮に入れると発言したり、国民党の「連中制日」という声を容認しようとしたり、国安会が制空権や制海権の放棄などの消極的防衛を主張したり、また、最近では日本の代表への念入りな拒否活動など、馬政府の戦略転換を日本に疑わせるだけではなく、アメリカの戦略部門でも台湾のフィンランド化を疑い始めている。これらの考えの下では、「日米同盟」は台湾を盟友だとはみなさなくなるだろう。台湾がライバルと協力をするかもしれない以上、花蓮がこれまで担った壁の役割が消え去り与那国が衝突の最前線となるばかりではなく、台湾を監視せねばなくなるのだ。日米共同で台湾「から」守る? (自由時報)
まあ、当然普通に考えれば国境の島に部隊を置くというのは理由があってのことだから、あえてこの時期に踏み込んだ理由は、総統府の中の人がいちばんおわかりなんじゃないでしょうか。って、今はなんか中米にいますけど。ただ、外交部のリアクションを見る限りやはり事前のネゴ自体はあったって見るべきなんだろね。
これと対照的なのが聯合報に乗った各種記事。あ、普通に東京新聞の内容を伝えたものや、台湾海峡緊張時に「中国のミサイルは平気で50kmとかずれるというから不安だ」と語ったという与那国島民の声を伝えたものもありましたよ。
気になったのは淡江大学の国際事務・戦略研究所の王高成所長によるこの寄稿。
外電の報道によれば、日本の防衛省は東シナ海の釣魚台に近い与那国島に部隊の配置を考えているという。もしこれが実際に具体化すれば、日本の軍隊は現在の位置よりも一歩南に進むことになる。日本が行おうとしているこの計画は主権を安全を守るためのものだが、同時に周辺国家の重大な関心も招くものになる。と、こちらは釣魚台こと尖閣諸島に対する影響力という点で与那国配備を捉えているのが特徴的。もっと言っちゃえば、自由時報の賴怡忠は目線を与那国から台湾、そして台湾海峡へと西へ西へ進めるという東西のライン、あるいは第一島鏈の一部として見ているのに対して、聯合報の王高成は与那国から尖閣そして中国へという東シナ海を挟んで南西諸島と中国大陸を対峙させる南東から北西に向かっての視点ですね。前者は台湾を当事者とし、後者はあくまで直接的には日中間の対決と割り切っているような感じさえします。
釣魚台は現在日本の管轄下にあるが、中国と台湾も自らの領土だと主張している。日本が部隊を釣魚台により近い与那国島に一歩進めれば、実質的に軍事的に大きな影響は無いけれども、陸上自衛隊の部隊が配置されることにより、重要な象徴的意味を持ち、具体的な行動として領土保全の整えたことを明示することになる。
日本政府の積極的な行動は、中国の台頭および両岸関係の急速な関係改善と関係している。中国の国力が絶えず増強されている中、日本は既にプレッシャーを受けている。両国はもともと東アジアの争う大国であったが、現在も東シナ海ガス田問題や釣魚台群島の領土紛争、中国の潜水艦が釣魚台周辺の海域を往来していることや、与那国島も中共のロケット弾や空軍の攻撃圏内にあることなどから、日本は必然的に当該海域の軍事力を高めて中国の軍事的圧力に対抗せざるを得ず、また協議時のアドバンテージを持とうとしているのだ。
(中略)両岸関係の改善は、日本政府にあらゆる可能性を利用する機会を失わせている。反対に、両岸政府が『中国の領土としての釣魚台』を堅持すれば、日本政府に大きな圧力を与えることになり、将来的に島の主権を共同で守る可能性も排除しない。
日本政府は自衛隊を南進させることで南端の領土主権と国家の安全を守ろうと考えている。今回の動きは戦略を示すための行動だ。
相対的に見て、中国も地域における軍事的成長や軍事的活動を止めることはないだろう。日中両国は今後、やはり対話によって紛争を解決するだろうが、台湾は両者のやり取りの中で、自らの安全と自らの経済に最も有利な結果を得なければならない。両岸関係の改善で日本が圧力を感じている (聯合報)
賴怡忠の考えを当事者意識と取るか考えすぎと捉えるかは人それぞれだと思うけど、「日中がぶつかったときに、より台湾にとって利益となる方につけ」的な王高成もまた、面白いというか計算高いというかなんというか。
というわけで、北海道にちなんでとりあえずなっち台湾訪問のニュースでも書こうと思ったら、いきなり途中で筆が止まったよ。とほほ。
今回の台湾訪問、結局いつものようにファンクラブのツアーだったんですが、不景気だとか新型インフルエンザだとかっていう時期を考えれば、これはこれで両国にとって割と有益なパッケージツアーかもしれないですね。あんまり地元にお金が落ちないけどさ。よくわかんない展開になっちゃったけど、なっちありがとう( ● ´ ー ` ● )。
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/jun/27/today-show8.htm (自由時報)
http://www.udn.com/2009/6/27/NEWS/ENTERTAINMENT/ENT5/4986122.shtml (聯合報)
尻切れトンボで終わらせるのも勿体ないので、相も変わらず台湾地位未定論と齋藤代表のお話です。前々回の「一方、台湾は齋藤代表を取っ掛かりにした。」で取りこぼしたお話をちょろっと。
6月27日、自由時報などが「馬英九政権による『齋藤外し』に対し、日本が意趣返しで馮寄台が冷遇されており、両国関係は袋小路に陥ろうとしている」と報じました。例によって日本のメディアはドスルーなんですが(仕方ないね)、台湾でも終息に向かいつつあります。ていうか終息しました。
29日、馮寄台・駐日代表は台湾紙の在京記者を集めてインタビューを行いました。ある意味当事者である馮寄台の声が載ってますね。この内容は中央通訊社のほか中国時報が伝えてます。
その中で、「齋藤代表がさきの台湾地位未定論のせいで馬英九政権から締め出されている」ということも「それによって馮寄台代表もまた冷淡に扱われている」ということも否定。要するに、台日関係はこれまでと何ら変わっていないとコメントしています。
波風を立てないようにやんわり終わりにしようとしているインタビューなんですが、唯一ひっかかるのは、馮寄台代表が齋藤発言の扱いについて
日本政府は『齋藤の発言は個人的なものであって政府を代表する発言ではない』と言っている。まさに外交部スポークスマンが言ったように『ここまでにしておこう』ということだ。駐日代表の身として、台日関係にとってプラスにならない今回の事件が拡大することを望んでいない。と言っていること。馮寄台と日本の関係に齋藤発言事件の影響は見受けられない (中央通訊社)
齋藤代表や日本政府が「あれは個人的なものであって、政府を代表するものではない」と言っていたとしても、日本政府のスタンスは以前と変わらず『既に主権を放棄したのだから、独自の認定を行う立場にはない』というもの。地位未定論そのものずばりではないものの、少なくとも馬英九のアホ解釈を肯定するものではないということは認識しておいてもらいたいものでっす。
より過激に馬英九政権をフォローしようとしたのは28日の聯合晩報の社論。今回の一連の「冷遇」報道について、「多くの憶測を招いており、軽々しくこのテーマを扱ってはならない」と釘を刺しました。
その上で記事は、
馬英九は、李登輝や陳水扁に比べて日本政府から格別の注意を払われている。馬英九総統の両岸政策とかつて保釣活動に関わった経歴から、日本政府との関係構築の難しさが増している。(中略)台日間の摩擦点は多く、漁船衝突事件から外交員の失言問題まで、国家の尊厳と国民の利益を保つかという間で、いかにバランスをもって処理するかというのは易しいことではない。と、この問題がいかにセンシティブであるかを語っています。悪い言い方をすれば、「お前ら微妙な問題なんだから余計なことして足を引っ張るな」と、こういうとこでしょか。台日関係には慎重な対応を (聯合晩報)
びっくりするのは、発端となった台湾地位未定論の論争について、一方的に「外交官の失言(外交人員的失言)」と断じているところ。他紙ではだいたい「発言」なんだけどね。この前の段落ではより突っ込んで、「事の発端は、齋藤正樹駐日代表の『台湾地位未定論』だ。この説は歴史的な問題の争いがあり、外交官が口にするのは極めて不適当だ」と、その前にあるべき「馬英九の『台湾の主権は日華平和条約によって中華民国に移った』発言」が全力でスルーされてます。齋藤代表と蒸し返したメディアを悪者にしてさっさと幕引きにしたいのかな。
逆にこの件で馬英九を追い込みたいのが緑系。ただちょっと苦しいんだよね。
27日には民進党の立法委員や学者が合同で記者会見を開き、「馬英九総統が誕生してから台日の信頼関係が壊され続けている」と批判しています。さすがにこのへんが限度かな。
この会見で例えば民進党の蔡煌琅・立法委員は、
台湾と日本との間には正式な外交関係こそないものの、日本は台湾にとって最も重要な盟友である。もし馬政権が中国に誠意を示す手段として台日関係を使い続け、日本を絶えず挑発し、苦悩させるのであれば、台湾はさらに孤立するだろう。と語ってます。緑系委員、台湾をさらに孤立させていると馬総統を非難 (自由時報)
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/jun/28/today-f2.htm (自由時報)
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/jun/29/today-s1.htm (自由時報)
今回の一件にしたって、「台日関係は重要だ。これ以上日本との関係を悪化させるな」というのがそれこそ政権批判につながるのは、日本に対する高い評価の裏付けであることは間違いないでっす。だけど、仮に「いやー、別にもう日本との関係ってそこまで大事にしなくてもよくね?」「大陸との関係を加速させればマイナスを補えるプラスが出てこね?」ってなった時、日本人ははたして台湾の人たちを「裏切りだ」なんて非難できるかな。
台湾が両岸関係促進を選んだことを批判するんじゃなくて、日本人がそれだけのステータスを保てるかどうかっていうことのほうが大事だと思う。過去の「アジアの『一等国』」というのも大切だけど、今の日本にそれだけの魅力があるのか。台湾の行う選択だけじゃなくて、日本の価値もまた試されているのれす。当の日本人がそれを忘れちゃいけません。

