2009年8月アーカイブ

とまあこんなタイトルにするといろいろあちこちから言われるわけです。はいはい熱湯浴、熱湯浴。ちなみにおいらの携帯は「ねっとうよく」で変換すると熱湯欲って出てきます。すごい欲求だよね。持ち主の電話の頻度と同じで受け専なんですね。はいはいだれうまだれうま。
というわけで珍しく国内政治ネタでも。機械油を必要とする福島の人は特に生暖かい眼で見守るように。そして在日外国人の参政権だとか国旗がどうしただとかの話を期待していた人は今すぐリターンするように。そしてそして、びっくりするほど長くなったので耐えられなくなったら素直に諦めるように。

さてさて、巷でそこまで大きく話題になっていない「高速道路の無料化」の話です。あれ、やっぱりイマイチ納得できないんですよね。今も「普通車の高速道路の料金が休日上限1,000円」(都市部の例外区間とかの話はいちおう置いておいて)というのがあるけど、まだそっちの方が筋が通るように思えます。普通車で言えば1,000円しか違わないと思われるかもしれませんが、スタンスが大きく違っているんです。

その前に、かなりうざったいんですが「そもそもなんで高速道路を走るのにお金がかかるのか」というところから。
日本史なんかで習った人もいるかもしれませんが、日本は太平洋戦争後まで道路整備をだいぶ放置してきた国でした。しばしば引用されるのが、昭和31年にアメリカから招聘されて調査を行ったワトキンス調査団の報告書。その中で、「ちょwww日本の道路テラヤバスwww。工業国のくせにこんだけ道路網をシカトするなんて馬鹿なの?死ぬの?(*1)」と酷評されます。とは言え、何しろこの頃って通常の予算の中ではとてもじゃないけど高速道路を整備するお金が捻り出せない。
そこで、道路に関する一般法としての道路法とは別に、高速道路の路線なんかを定めた「高速自動車国道法」(他にも「国土開発縦貫自動車道建設法」とか後年の「国土開発幹線自動車道建設法」もあるけど)、有料道路制度という仕組みを定めた「道路整備特別措置法」、有料道路の建設や管理を行う日本道路公団を作る「日本道路公団法」なんかが昭和31,32年に立て続けにできあがります。
その過程で出来上がったのが、「手持ちが無いのでまずは借入金(当時は世界銀行などから融資を受けてました)で道路を造って、利用者の払う通行料金で返済していこう」という償還制度です。借りたお金でなんかして後から返すというのは後の建設国債っぽい考え方だし、サービスの利用者からその費用を集めるという受益者負担の考え方は、目的税っぽいところがあると言えそうです。いや、そこは人によって受け止め方違うと思いますが。ともあれ、一般国道とは一線を画した手法で「高速道路」は作られ管理されることになったのでした(*2)。

そんな償還主義と受益者負担という考え方は、プール制の導入や道路公団の民営化といった変化こそあれ、基本的には引き継がれてきたものです。プール制については「東名の建設管理費はとうに償還されているじゃないか」と言う人も多いけど、別に企業なんかでも採算のいいところが不採算部門を補うことはままあるわけだし、公共サービス的な側面からすればやむを得ないことだと思うんだけどなあ。
この考え方が最初に崩れたのは、平成15年のいわゆる新直轄方式の導入の時だとおいらは思っています。「採算性が厳しく有料道路制度になじみにくい区間は、国と地方がお金を出して建設し税金で管理する」というもので、言ってみれば「高速道路」として作ることが決まっていた区間なのに、それまでの高速道路とは整備手法が全く異なり、国や地方が自前でお金を出して無料で供することになります。「高速道路だけど無料」っていう区間が出てきたのですね。それでも辛うじて「借入金で作った道路は通行料金で返済する」というのは変わりませんでした。

と、ここで出てくるのは「あれれ?休日1,000円って減収分は税金が入っているんじゃないの?」というところ。そうそう、確かにベースは受益者負担なんですが、あれって受益者が負担しない部分が出てきちゃったんです。
そこで思い出すのが、今年2月4日の衆議院予算委員会での一幕。あの「笑ってはいけない」でのやり取りです。あの動画ではその後に続く部分が切れているので関係部分を全部抜き出すとこんな感じ。

○ 菅直人:政府は、たしか二次補正の中で、高速道路料金を五千億円かけて、たしかこれは二年でしたか三年でしたか、引き下げることをやりました。私たちは、大分以前から高速道路の無料化を申し上げています。何が違うか。単に値段が違うんじゃないんですよ。無料化をすれば、ゲートがなくなってインターチェンジがもっと簡単につくれて、ETCは要らなくなるんです。そういう意味では、根本的な行政改革にもなるんです。しかし、それに対して政府が出している五千億というのは、民営化したはずの会社の料金体系に何で政府が勝手に五千億を出す出さないを言うんですか。民営化はうそだったんですか。つまり、そういう矛盾すら考えていないでしょう。
ですから、そういう意味で、政府の方こそ不正確どころか極めて筋の悪い政策だということを申し上げておきます。
○ 金子一義:高速道路無料化ということの問題点についてどういうふうに御認識されているのかということであります。
今、四十兆の借金があります。これを無料化ということは、料金でない、料金で払わないという民主党の案は、国税で、国民の税金で払うと。そうすると、高速道路の職員の人の給料も税金で払うというわけでしょう。どうなっているんです。民営化したのに、また給料は税金で払う。四十兆の借金を高速道路を利用する人もしていない人も負担しなければいけない。
宮崎県は高速道路がない、島根も鳥取も高速道路がない、早くつくってくれ、そういう人たちに高速道路の償還財源と管理費を払えという、これは酷ですよ。やはり利用者に負担をしていただくという、精いっぱいやっているのが、今回のどこまで行っても千円というものであります。
○ 菅直人:国土交通大臣がこの程度の認識で道路行政を担当されたら、ちょっとたまらないですね。
国民の皆さんにちゃんとおわかりになりやすいように申し上げますが、高速道路を使っている利用者は今まで二重取りされてきたということを国土交通大臣はわかって言っているんでしょうね。つまりは、高速道路を走っている車のガソリン税は高速道路建設には使われていないんですよ。高速道路建設には使われていないんですよ。利用料のたしか三割か四割は高速道路ですが、その分は......(発言する者あり)ちょっと黙ってなさい。高速道路を使っている利用者は高速道路料金以外にガソリン税等も払っているわけですが、ガソリン税等は高速道路の建設には一円も使われていません。
ですから私たちは、かつてアメリカだって、多くの国でフリーウエー、つまり無料なんですよ、高速道路は。そういうものに対して、四十兆円に対して、ちゃんと償還財源も含めて、もう前の前の衆議院選挙のころからこの政策は提案をしているわけでありますから、何か国土交通大臣が本当に都合のいいところだけ覚えて言われることについては、よく我が党の政策を勉強してからまた議論しましょう。(後略)

平成21年2月4日 第171回国会衆議院予算委員会


と、実は全く噛み合っていません。宮崎にも島根にも鳥取にも高速道路は通っているんですが、まあそれはいいとして。
菅直人がひたすらに税金による負担での無料開放を論じ、方や金子一義は受益者負担に拘っているのだから、こんな2回3回のやり取りで噛み合うわけが無いんです。
金子一義はまず、無料化の是非と民営化した会社への真水の投入の是非をごっちゃにするというその土俵の違いを指摘するべきだったし、菅直人もツメが甘いのはせめてそこで「1,000円を超える部分を負担しているのは宮崎や島根の人の税金ではないのか」くらい言えばいいのに、受益者負担という考えがハナっから無いので、中途半端にガソリン税の話なんか持ち出してゴチャゴチャにしちゃってる。もっと根っこから話せばいいのにそれをしないんだもん。というか、ガソリン税の本則分は一般財源化するんじゃなかったんすか。

おいらが「高速道路無料化」というか「高速道路国有化」を訝るのは、まさにそのへんの話で、50年以上続いてきた有料道路制度のあり方の根幹に関わることなのに、これを政権政策集の中で「地域主権」で語ったり、やたら生活コストを訴えるとこです。なんか解せないんですね。そういう意味では1,000円を「期間限定の経済対策」と(今のところ)言い切っている方がまだ納得できる。
生活だ地域再生だというのは大切だと思うんですけど、そもそもの高速道路はどうあるべきか、有料道路制度は必要なのか、っていうのを国政を担う人に語ってほしいなあと思うんです。政治家までお手軽な考えになってどうすんのさ。

もうちょっと野暮ったい話をします。残債務の償還・返済の方法ですね。無料化に伴ってこれらは税金で負担することになるから、これは国民にとっては「45年間実費負担」から「60年間強制ローン」への転換って言ってもいいでしょ。今ある35兆円を全額国が承継し、1.26兆円×60年間で埋めていくというもの。
これも突っ込みどころがいくつかあって、一つは上にも書いた受益者負担が崩れて国民総負担になるというもの。単純に計算して1人年間1万円ですか。一家でも一台でもなく1人1万円。で、60年。おいらが老いてハンドルを握らなくなっても負担する計算ですね。というか、今回の選挙で当選する議員さんはその頃何人生き残ってるかなあ。もっとも、この言い方にも若干の詭弁があります。確かに日本に住んでても高速道路を利用しない人はたくさんいるけど、物流の面においては誰しも反射的利益を得ているはず、っていう論理が立つからね。受益者負担も、国民全体での負担も、どちらが間違っているということは無いです。ただ、くどいけどそのどちらにするかっていうのは大きな選択だと思ってます。
そして面白いのは、今の高速道路会社が45年間の返済を年利4%で考えているのに(*3)、60年返済計画は利率2%っていうところ。えらく低金利ですめ。
さらに、この年1.26兆円というのは残債務だけなので、今ある高速道路の維持管理費、そして建設中の高速道路の建設費が含まれていません。先日の東名の斜面崩落で久々に名前を見た第二東名なんかを凍結すれば、それは次期政権の大英断に違いないんですが、さてどうなるでしょう。まあ仮に維持管理費だけを見るとしても、旧道路公団にあたる高速道路会社だけ(首都と阪神は無料化しないみたいだしね)で2,000億円強必要になります(*4)。料金関係の業務が無くなってもこれは絶対にかかるからね。その他の管理費や有料区間を残したり建設を継続するのであれば、結局今の通行料金による収入と同程度、2兆円くらいの国民負担は最低でも避けられないだろね。というより、今は通行料金でそれだけのお金が動いているんです。知らぬ間に。そう考えると、それでいて法人税まできちんと払っている今の会社の方が国に貢献しているようにも見える。ごめん脱線しました。

結局、無料化になるとどんないいことがあるかじゃなくって、そもそもそれだけのサービスをいったいどの範囲の人たちがどのように負担するのか、っていう議論がおいらは必要だと思ってます。「高速道路がタダになれば物流や生活のコストが安くなります。地方が活性化します。だから、今まで使っていた人からもらっていた分の通行料金を無くして、その分だけ毎年1.26兆円+αは60年間みんなの税金で負担するけどいいよね?」っていう後半の部分の議論が見当たらないんですよ。案外年金とかだとこのへんの方法論は活発なのにね。

で、いちばんめんどいから書きたくなかった無料化による効果です。そりゃあタダだもん、効果はあるよね。今の休日1,000円を見ても人の動きは実証されてるしね。ただ、使う場所が動いただけなんじゃないかっていうのもあるけど(もっとも、都会に落ちるお金が地方に移動したっていうのはいいことなのかもだけどさ)。
無料化の効果でしばしば挙げられるのが、単に国民の移動のコストが低下することに加えて、物流コストの低下によって生産者側にも消費者側にもコストが下がるというもの。なるほどね。確かに輸送コストが削減されれば、市場の価格も下げられるから、消費者にしてみたら遠くのものが安く手に入るし、生産者にしてみれば競争力が増す。でも、物流コストのうち有料道路に投じられているお金って売上高の数%程度ですよ。画期的な効果があるとはあまり思えない。しかも、おいらが販売元だったとしたら、下がった物流コストの分だけ納入元を買い叩くしね。となると、生産者側は確かにコストは下がったけど売上げも下がるという罠。
おまけに交通量は増えてるから、イマイチ担保されない定時性が(そもそも高速道路は鉄道と違って定時性の担保がないんだけど)ますます不確かになるからどこまでメリットがあるか不透明なんだよね。特にかわいそうなのは地方部かもしれない。地方の高速道路は、本来片側2車線で整備する予定なのに、まだ未開通区間があったりとかで交通量が増えてなかったので「暫定的に」1車線になっているところが多い。ところが無料化になれば料金抵抗がなくなるので一気にキャパオーバーするところもあるんじゃないかな。
ま、この辺はいろんなとこで書かれているのであえて言うほどのものじゃないんですけど。

じゃあここでお決まりの「とりあえず無料化してみてダメだったら元に戻せばいいじゃん」というのが出てくるかもしれません。でも、ことこれに関して言えば、きっと一度無料化したら元には戻せないんじゃないかなあって思ってます。
一つは、タダよりなんとやらってやつで、国民感情的に戻すのにはすごい抵抗感が生まれそうなんだよね。今の1,000円や深夜なんかの割引も時期が来たら本当に戻すのかなとけっこう心配です。
二つ目は設備の話。無料化になったとして、おいらが高速道路会社のエロい人だったら何をするかって言ったら、まず料金所のど真ん中にある料金を徴収する設備を取っ払うね。ETCとかおじさんがいる小さな箱のアレとか。だって無料になったら車は文字通りフリーに通過していくんだから、危なっかしいっていうか逆に障害物にしかならないので、あれをまず片付けて、インターで事故が起きないようになんらかの改良をするね(どうすりゃいいんだ)。さらに、この無料化政策の青写真のように料金徴収の設備を考慮しない簡易な出入り口があちこちにポコポコできたら(それを作るのはハコモノとかコンクリートの公共事業って言わないのかなあ)、後からそこに料金を取るための設備をくっつけるのはますます至難の業。今回の選択は割と一生モノの選択なんです。

おいらは別にお試し感覚で投票することが悪いとは思っていないし、さりとて政権交代が起きることこそが民主主義の表れだなんて政権交代至上主義でもありません。ただ、ことこれに関しては政策として疑問符がつくし、どちらがいいのかっていうのを真っ当に、根本的なところで考えようとしない考えさせようとしない人たちが大嫌いなだけなんです。

ええと、政策議論っぽく書いてみたんですけど、これって公選法的にどうなんだろ...。

珍しく脚注。

  • (*1) 冗談はともかく、本当は「"The roads of Japan are incredibly bad. No other industrial nation has so completely neglected its highway system."(日本の道路は信じがたい程に悪い。 工業国にして、これ程完全にその道路網を無視してきた国は、日本の他にない。)」という調査報告書の有名な一節から。
  • (*2) めんどいし、今回の話の中では枝葉なので一般有料道路とか並行自専道の話は置いておいて。
  • (*3) 実際にはH18年度2.34%、H19年度3.0%と段階的に上げていってH21年度から4.0%という段階方式。あれ?ということはこの低金利が続くと償還が早まるのか。「債務返済の見通しの根拠(前提条件)」(日本高速道路保有・債務返済機構)
  • (*4) H15年度~H19年度の5年間を見ると、維持改良費として2,098億円~2,924億円。全国高速道路建設協議会『高速道路便覧2007』,2007,P295

先週思い切ってリバートした記事の続きを書こうと思ったら、導入部の小ネタは思い出せたものの本題が何だったのかさっぱり思い出せないので、まずは24日の中央日報(台湾のね)の「透視集」から訳。
八八水災被害への対応が叩かれている馬英九総統について、アメリカCNNがネットで「馬英九は退陣すべきか」というネットアンケート(Quick Vote)を実施、その結果が圧倒的多数で「退陣すべき」になってしまったことに対し中央日報がおかんむりです。

台風モーラコットが引き起こした世紀の大水害は台湾南部に深刻な被害を与え、郷里や家族を失った被災者たちは、速やかな心の癒しを必要としている。実際のところ、被災者たちばかりではなく、台湾全土もこの大きな爪あとの下で平静と平安な気持ちを必要としている。災害発生の最初の時期はすでに過ぎ去り、復興の活動が始まっている。興奮や怒りの感情は、だんだんと置き去るべきであり、冷静で理性的な復興計画がそれに代わるべきだ。

台風モーラコットの水害が発生した後、メディアは多くの記者を被災地に派遣して立ち入らせ、多くの国民は初期の時点で被災地の状況を知ることができた。しかし、一部のメディアは強い嫌悪感を持ちながら、ひいては偏見のある報道姿勢や取材を行い、社会全体を必要性のない対立と怒りの中に落とし込んだ。さらには、被災者たちのもともとすでに非常に弱り苦しんでいる感情に、再三にわたって挑発を与え、大きな緊迫感を作り上げた。これらの「非常時にメディアの担う倫理と報道との境目」という問題は、今回の天災の中で人々に深く考えさせられる課題の一つとなった。つまり、メディアは人々の知る権利を満足させることの他に、社会的な責任も満たす必要があるのだ。

特に今回のモーラコットの超大豪雨は稀に見る記録的なものであったことから、世界のメディアの関心も招き、多くの特派員が被災地に入って報道した。台湾の水害の悲惨さは、世界のメディアの報道によって世界の人々の元に届けられた。これにより世界的な援助活動が起こり、台湾人に多くの温かみを与えた。この点において、確かに世界的メディアの報道には感謝しなければならないが、しかし一方で、一部の世界的メディアの不適当な行いによって、論議もまた引き起こされてしまっている。

中でも、CNNの独りよがりな「台湾の総統は退陣すべきか否か」という世論調査はとりわけ嫌われている。CNNはメディアとして、台湾の被災状況や政府の救援活動について異なった視点で見たり、論評することはかまわない。しかし、どのような権力がこのようなでしゃばった調査を行うことができるのだろうか?ネットの世論調査には客観性が欠けており、その情報は根本的に採用するに足るものではない。しかしどうしても否定できないのは、CNNは世界的な視野が非常に高いメディアであり、それゆえにネットに公開された世論調査はとても容易に引用されやすく、間違ったことがそのまま人に伝わりやすいことだ。「三人虎を成す」というように不正確な情報が絶えず広まってしまうことになり、これが台湾を傷つけないとでも言うのだろうか?(中略)

CNNはその後すぐにこの世論調査を取り下げた。このことからもわかるように、彼らは不適当さを自ら知ったのだ。この情報爆発・高速伝播の世にあって、メディアの報道はどこまでも広まる。したがって、メディアの人々は意識の上でも実際の仕事の上でも、絶えず正しい方向に導き向上させねばならない。さもなければ、最終的に人々のボイコットを招き、自らの公信力とイメージを損なうことになる。
CNNの例は、メディアは己が身の「第四の権力」としての影響力について、常に戒めと慎みの心を持たねばならないことを気づかせたばかりではなく、国内の一部の人たちに対しても、外国の者を見て自分を矮小化することがないことを気づかせ、また国際的なメディアが間違いを起こした時には、「外国のものを崇拝する」する必要がないことを指摘している。

透視集----CNNが何だって? (中央日報)


ちなみに、CNNのサイトのQuick Voteって確か日替わりなんだけどね。似たようなものは既にCNNの投票が行われた直後の19日の聯合報、黒白集にも載っていて、こちらでは「なぜ他の国でもやらないのか?」という切り返しをしています。あんまりいい切り返しでは無いというか、だったらなんで台湾だけそう書かれてるんだよと考えるとかしないのかなあ。総じて怒りのベクトルがなんか違うような気がしてならないんすけど。

(前略)CNNの記者が馬政府の姿勢について評論することは一つのこととしてあるが、公然と「世界中の数十億の網友に向けて」中華民国総統は退陣すべきかどうかを問うことはまた別の問題だ。考えてもみてほしい。もしアメリカがハリケーン・カトリーナに襲われた際に、北京のメディアから送られた記者が公然とCCTVのサイトに「アメリカの大統領は退陣すべきかどうか」という世論調査を作ったら、アメリカ人はどう思うだろうか?なぜCNNはイタリアの大統領がゴシップで辞任するかどうかを、あるいは日本の麻生首相が失政のせいで辞任すべきかどうかを「世界的アンケート」で聞かないのか?CNNは「世論調査専門業者」でも「報道専門業者」でもないこの世論調査について、恥じるべきであり台湾の国民に謝罪すべきだ。(後略)

黒白集 CNNの世論調査 (聯合報)


ここで総統府がCNNに抗議するような展開を見せていたら驚くところだけど、総統府スポークスマンの王郁琦は21日、「視聴者が自ら公平な判断をすることを信じている」とだけコメントしています。そりゃ公式のコメントとしたらそうなるよね。
 http://www.udn.com/2009/8/21/NEWS/NATIONAL/NAT1/5091429.shtml (聯合報)

そんな中、なぜか23日の聯合晩報にこの関係でとある日本人の名前が出てきます。

CNNが今回の八八水災で馬政府のスタンスを酷評し、支持不支持の両方の評価を招き、ひいては陰謀論まで出現している。同様のことは他にもあり、動向分析の大家の大前研一が出版した新書『さらばアメリカ』では、CNNに対し容赦ない批評をしている。大前研一はCNNの報道の9割はジャンクであると述べているほか、CNNのニュースにはアメリカを中心とした「CNN世界観」がはびこっていると批判し、CNNにはアジアのニュースを報じる資格が全く無いと思わせるものになっている。

(中略)大前は家にいる際、テレビのチャンネルをCNNかBBCにしながら仕事をするのを習慣にしているが、20年来の結果、CNNの報道の9割はジャンクであることを発見したという。また、正しい使い道となるのはアメリカ国内の問題か中東問題だけだという。
(中略)大前は、CNNのミスは「ニューズウィーク」や「TIME」などのアメリカのメディアと同じものだと考えている。近年のアメリカメディアの報道の中には「一等国民」と「二等国民」の差別が見られ、これらの媒体が近年世界版のほかにアジア版と欧州版を発行し、「アジア版は世界版の下に位置付けられる」という姿勢を見せている。これは既にアメリカの新聞業界に大きな負の影響を与えている。
大前はさらに、アメリカのメディアの傾向は「片側に寄る主義」の既に作り上げられていると語る。主導権を握るものがニュースを作る際には、往々にしてアメリカの功績を讃える文句が出現し、鋭い口調で世界を批判する姿勢が見られ、たびたび世界各国が見たら怒るような報道が多く見られるという。それは日本、中国、韓国、ASEAN各国に対してそうであるにとどまらず、中東国家についての場合には、アメリカの記者は読む価値の無い偏った報道をしたい放題に書いているという。

大前研一:CNNにはアジアのニュースを語る資格が無い (聯合晩報)


 ま た お お ま え か 。

ごめんなさい。タイトルのとおり、これが言いたくてここまで書いてきました。さーせん。
無理やりフォローしようとすれば、おいらもこの『さらばアメリカ』は流し読み程度ながら立ち読みしました。ええ、買ってないです、ごめんなさい。ってフォローになってないよ。さーせん。
そんな感じで読んだんですが、「なるほどねー」といつもの「大前さんはこういう意見なんですね」くらいしか印象に残らなかったので、上の聯合晩報の内容についてマジで突っ込まれると困ります。確かに「アメリカのメディアがなんで最近いけてないのか」とか「CNNの報道の9割はジャンク」っていうところは覚えいるんだけど、ぶっちゃけ読んだときの感想が「大前さん、器用だな」だったので。
ただ、仮に平時の報道体制がいけてなかったとしても、今回あそこまで力を入れて伝えたメディアとしては評価されるべきだし、その報道で台湾の政権のマイナス面が露になったからといって「あんな報道して顔に泥塗りやがって」と逆切れするのはいかがなもんでしょ。
そう考えると、新刊のPRに若干なったかもしれないとは言え、名前と内容を引っ張り出された大前さんもちょっとした被災者かもしれないですね。
とりあえず記念真紀子。

抜粋して引用すると、

> だから、これを安易に「遅筆」などといってはばからない「やうち」は、ちゃんと足を使って地を這うようにして取材した経験がないお気楽な素人だってことになるわけ。
> あらゆる仕事は、訓練と経験が要求される。新聞記者も血のにじむような努力をやっている。それを素人やうちは知らないだけなのだ。
 足で稼いでいないやつが偉そうに朝日新聞を「遅筆」だと批判しているよ→yauchi
 http://blog.goo.ne.jp/mujinatw/e/d5cc56c2739808f29147dd712d805d17

そんなお気楽な素人が書いているらしいので、yauchi.netを読む人たちは要注意なのだ!
タイトルは中華民国憲法の第48条、総統が就任式で宣誓する誓詞の一部分です。この二つのほか、憲法の遵守、国家の防衛、国民の付託に答えるということを全国民に対して誓うのです。

先ごろ、馬英九総統が八八水災の被災地を巡視した際に、CNNに対して「彼ら(被災者たち)の準備がうまくできていなかった」と答えたことに対し、台湾では批判の声が上がっています。っていうか、批判の対象はそれに限った話じゃないんだけどね。
この発言、文法的には決して間違っていないし、100%被災者が無責かっていうと必ずしもそうじゃない例もありそうだけど、あったとしても所詮その程度。あたかも責任転嫁とも取れる発言に(っていうかたぶんそのまんまその通りなんですけど)、その配慮と責任感のなさに中国時報が15日の社論でブチ切れです。
14日くらいからちょっと方針転換をして、なるべく八八水災のスレを立てるようにはしているのだけれど、あまりに長いのとあまり上手に訳せていないのと、何よりyutori7鯖が落ちているのでこっちに貼ることに。っていうかさ、確かに馬の不手際は大きく目立つんですけど、十把一絡げで馬を叩くあの傾向だけはどうにかならないかなあ。

八八水災も既に一週間を迎え、ここ一両日になってようやく被災地救援の調整が軌道に乗ってきた。しかし、既に救助ための「黄金の72時間」を逸してしまったことは、誰の目にも明らかだ。
過去一週間の大部分の国内世論は、ほぼ実況報道に集中し、救援活動の効率について非難や批評をする者は少なかった。大切なことは全体の情勢に重きを置くことであり、励ましや慰めにより救援活動の効果が増すことを期待する。また、政府と被災者との間に少しでも仲違いないようにし、救援と復興が遅れないようにしたい。こうした気持ちが、大多数の台湾の国民に共通していなければならない。

しかしながら、人々を残念な気持ちにさせるのは、民間と世論が一体となって困難な局面に努力している時に、政治家の不適当な行為や発言によってしばしば邪魔されたりぶち壊しにされてしまうことだ。
先日、馬総統は被災地を巡視した際にCNNの取材に対し、「今回の被災地ではこれまでにこのようなことを経験したことがなく、そのため『彼ら』も準備がうまくできていなかった」と答えた。この発言は、被災状況が深刻な理由は、「彼ら」(被災者)が事前の早いうちに避難していなかったためだ、として網友たちから厳しい批判を浴びた。我々は、その取材時の原文を仔細に調べ、批判を呈する価値があると判断した。

馬総統が、被災状況の深刻さを住民が事前に避難しなかったことに起因するとしたが、これはその前に行政院のコメントと一致する。どうやらこれは総統府と行政院の共通認識のようであり、中央政府が責任を免れるためのものであるらしい。ことの前後の順番を言ってしまえば、先に避難をしなかった被災者が、その後の災害でうける損害が深刻なのは、論理上当然のことであり間違ってはいない。しかし、もしその責任は行政か国民かという感想の角度から見ると、おそらくそれらは極めて不適当な発言だろう。

被災者たちの避難を例にすると、その実行は間違いなく地方政府の業務ではあるけれども、避難するか否かは当然被災者の自己決定によるものだ。しかしこの時に被災者の「準備がうまくできていなかった」と論評するのは、見聞きした国民に明確な境界線を引かせてしまうものになり、極めて不適当だ。被災地は山奥にあり、情報も危険意識もとうてい中央災害指揮センターには及ばない。それだからこそ、センターを作る必要があるのだ。(すごく中略)

馬総統の取材時の発言でもっとも網友たちの不満を招いたのは、おそらく「彼ら」の二文字だろう。総統が外国メディアの記者にする発言としては、「『我々』は準備がうまくできていなかった、『我々』はできるだけ早く被災者たちを避難させるべきだった」というものがふさわしい。総統が被災者に用いた「彼ら」という表現は、避難の主語を「彼ら」にすることで、相対的に被災者と通達責任を持つ政府機関とで「我々」という初期設定にするものだ。
総統は平時の際には国家行政のリーダーであるが、災禍に襲われた時には国民の精神的なカリスマでもなければならない。総統と中央政府のすべての行動と発言は、すべからく肯定的なプラスの効果を発揮すべきであり、すべからく慎重で厳粛、熟慮されるべきなのだ。これらの効果を達成するためには、当然できるだけ多くの国民を内側に入れ、一部の国民が外に出されるのを避けねばならない。
しかし馬総統や先だっての行政院の発言は、明らかにこうした思考に達していない。メディアによる世論調査で見られる国民の政府の救援活動に対する大きな不満は、一部はその行為に由来し、おそらく別の一部分はその発言によるものだろう。

八八水災はここ数年の台湾でまれに見る大災害である。現在の死傷者や損害規模と救援防災の効率という点で見ると、中央政府と地方政府は回避しがたい行政責任が絶対にある。今現在、世論は責任の追及や推論をしたいと考えていないが、しかし不遠慮に言ってしまえば、中央政府と地方政府の多くの職員が、おそらく罪状を待つ身であろう。現在のあいまいな立場に加え、死傷者の規模と国民の不満からすれば、「我々」の政府の上層部の発言ははたして不謹慎なのだろうか?

社論 ― 被災者が「彼ら」ならば「我々」とはいったい誰か? (中国時報)


そういえば中華民国憲法に載っている就任の際の誓詞、最後はこのように言わなければならないことになっています。
「もし、この誓言に背くことがあれば、国家による厳しい制裁を甘んじて受ける。以上のことを謹んで誓う」
コメントをたくさんいただいているんですがほったらかしでごめんなさい。なお、「そのまま放置プレイ」がお好みの方がいるようでしたらその旨連絡願います。うそです。

前回の「その三秒、スローモーション。」でもちょっと触れたのですが、日本政府は既に台湾の八八水災に対して、交流協会→亜東関係協会という日台間ならではの建前上の迂回ルートを使い、1,000万円の義捐金を送っています。
 【日台】財団法人交流協会、台風8号の被害を受けた台湾へ1,000万円を贈る[08/11]
 http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1250053083/
 台風8号被害に関する台湾への緊急支援
 http://www.koryu.or.jp/ez3_contents.nsf/Top/0D3B4D44BDBE1EB14925760F002E287D?OpenDocument (財団法人交流協会)
 台湾の台風災害に日本交流協会が緊急支援
 http://www.taiwanembassy.org/JP/ct.asp?xItem=102656&ctNode=3522&mp=202 (台北駐日経済文化代表処)

各地で道路通信網が寸断されている影響で、山間部での救助などは未だに軍のヘリなどに頼らざるを得ない状況ですが、避難した人たちへの支援の最前線では、行政のほか一般市民も加わって行われています。PTTの有志の記事があったので、イマイチ自信が無いながらも訳。
 【台湾】台風8号による八八水災の支援現場に集まる若者のボランティアたち 掲示板での呼びかけに3万人が賛同[08/13]
 http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1250156351/
 PTT Emergency 網頁版
 http://sites.google.com/site/emergencyptt/

さてさて、書き込みとか見ていると、義捐金を送るにはどうしたらいいか、というようなのをちらほら見かけたのでちょっと自分用も兼ねてリンク集のまとめ。
念のため書いておくけど、手続きの方法とか手数料とかは各自の自己責任でお願いします。あと、税金の関係とかもおいらよくわかんないので聞かれても困ります。
あと、リンク先や送金先が信頼に足るかどうかとか、どこに送るのが有効かなんていうのかも困りますんで。いちおう、リンク踏んだらワンクリック詐欺とか、振り込んだらおいらの口座に入ってくるとかそういうのは無い。はず。あ、後者はやってみてもいいかな。うそです。

PTT Emergency 網頁版 - 捐款、募款資訊(義捐金・募金情報) (全て中国語・繁体字)
上1/3くらいからが各種の義捐金・募金先のリスト。
A:総合、B:オンラインカード決済、C:郵便振替、D:銀行振込あるいはATM自動支払機、E:海外からの募金、F:携帯電話での小額募金、の順番に並んでます。
一見してカード決済が便利っぽく見えるんですが、意外に記入項目が多かったり、「これ、日本人は何て入れればいいんだろう」っていうのが多くて断念。また、日本から送金することを考えると、実は日本の郵便局からは台湾の銀行口座には送金できるけど、台湾の郵便振替には送金できないので(参考:ゆうちょ銀行)、実はDかEがいちばんいいんじゃないかなあと個人的には思う。

自由時報 - 莫拉克風災新聞專區 捐款專戶(台風モーラコット災害ニュース 義捐金専用口座) (全て中国語・繁体字)
募金先と口座がずららっと書いてあるだけで、ちょっと見辛いかなあという感じ。というか、かなり見辛い。

聯合報 - 愛心捐款 管道一覽(愛の募金 連絡先一覧) (全て中国語・繁体字)
こちらも一覧形式だけど、自由時報よりはかなり見やすい。

以上、とりあえず台湾のサイトで募金先がリスト化されている主なものをピックアップしてみました。他にも外交部とかいろいろあったけど、これだけあれば逆に迷うくらいじゃないかと。
大きな機関に委ねるか、それとも地元の自治体(県や市)に送るか、あるいは宗教団体や慈善団体を支援するか、いろいろ考えがあると思うので、どのようにされるかはお任せします。というか、義捐金を送るかどうかからして読んでいる方にお任せするしかないんですが。

あ。「日本語でおk」という人のためにはこちら。上にもちょっと書いた台北駐日経済文化代表処でも義捐金を受け付けています。今のところ日本赤十字社は動いていないみたいですね。
あと何か他にもそういう団体があったのを見かけましたけど、まいっか。
台北駐日経済文化代表処 - 台湾台風8号水害義援金口座が開設 (日本語)
こちらはみずほ銀行の口座なので、日本の各銀行からも振り込めますね。

涙の時でも一人で歩まなきゃいけないことは多々あるけれど、
涙を拭ってくれる人や涙を拭う相手がいることは、お互いにとって幸せなことじゃないでしょうか。
「しない善よりする偽善」が2ちゃんねらの生き方。
後に笑顔が待っているなら、涙が涸れるまで振り返らずに泣けばいい。小さな力だけど、背中を支えたいと思っているから。



★ 追記(08/15 18:30)
金曜日にさっそく振り込んできました。微力ながら、のつもりがけっこう全力になってしまったり。こういうのを貼るのはフェアじゃないんだけど、「呼びかけるだけかよ」と言われるのも癪なので(それもお子様な反応だ)、貼り。
yaguyagu078.jpg

それと、今回初めて郵便局の国際送金を使ったんですが、書き込む用紙が英語で記入する仕組みになっていたり、全部埋めていくのがけっこうめんどくさかったり(おいらがめんどくさがりやなだけかなあ)、ちょっと大変でした。いちばん大変だったのは、何回も郵便局の人に説明したのに途中まで「タイ」だと思われていたこと。
yaguyagu079.jpg

いや、「大変でした」なんて書くとネガティブな印象を与えて尻込みさせちゃうかもしれないね。そんなつもりは無いでっす。今回は台南県が英語用の住所なんかもサイトに載せてくれていたので(前述のPTTのサイトなんかにも転載されています)、こっちにも寄附。手数料が2,500円もするのは国内の振込みなんかと比べると割高に感じちゃうけど仕方ないね。消費税みたいなものだと思って(ぜんぜん意味合いが違う)そこは飲み込みました。

まー、なんて言うか、漫画博覧会に行ったつもりになったと思えば案外安いものですよ。
と、思っていたら、

第10回漫画博覧会は8月12日から正式に始まった!!青文出版社のブースへの人の流れが激しく、漫画ファンたちがこぞって漫画家のサイン会の資格を得るためにやってきた!ネット上でも予約はなされているが、わずか2時間で売切れてしまった。わずか100枚というVOFANの複製原画のために、熱心な読者たちは徹夜で並ぶものもいた。青文出版社はさらに『TRIO』という名前で精巧なアクリル板の作品もつけ、これらはすべて今回の漫画博覧会でのみ見ることができるのだ!

青文出版社の大型イベントタイムスケジュール(抜粋)
・8/16(日) 12:30-14:00 VOFANサイン会 ステージB

漫画博覧会の初日、150冊限定のVOFAN『TRIO』複製原画は売り切れに (遊戯基地)


まじっすかあああ亜qwせdrftgyふじこおおおおおおお。行ったつもりになれないばかりか、かえって行かなかったことをちょっぴり後悔する始末に。
ニコニコ動画で「恥ずかしい歌詞三大P」に数えられているryoさんですが、今日発売になった『君の知らない物語』も、その定評を裏打ちする素敵な作品です。この肩書き、歌詞が恥ずかしいというよりも、聴いているこっちが思わず赤面してしまうという恥ずかしさ。ある意味すごい力を持っています。この甘酸っぱさを貫けるのならば、「うp主は中二病」と呼ばれるのももはや光栄かもしれません。というか、おいらだったらむしろ本望です。
さて、この『君の知らない物語』なんですが、って、いや、嘘、ごめん。密林が珍しく前日に届けてくれたんですが、未だに封を切っていません。もっと言えば、実はアニメ『化物語』EDバージョンしか聴いたことがなくて、フルバージョンも未聴なんです。うっひゃあ、むしろそっちの方がはずかしす。

さてさて、恥ずかしげもなく懲りもせず台湾地位未定論と齋藤正樹・交流協会台北事務所代表のお話です。台湾地位未定論って何?って人や、これまでの経過を三行でplzという人は、とりあえずggrksということで。ひねくれ者ですねえ。

11日、アジア・太平洋国会議員連合の年次総会に参加するために台湾を訪れていた日本の国会議員団が総統府を訪問しました。こういう日本からの要人来訪の席に齋藤代表が随行するというのは、以前からの慣例だったのですが、5月からこれまで「齋藤外し」を食らっていたのは既報のとおり。今回、久しぶりに総統府で二人が対面するとあって注目が集まっていました。もったいぶっても仕方がないので東亜+の記事でも。
 【日台】齋藤正樹・交流協会台北事務所代表、日本の国会議員による馬英九総統との会見に同席 ようやく関係正常化へ[08/11]
 http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1250047190/

ま、日本のメディアの報じ方と日本のネットの反応はこんな感じでした。ということで。
とはいえ、ホームの台湾ではどういう風に捉えられていたんでしょうか。まずは総統府のニュースリリースから。長いので抜粋します。

馬英九総統は11日午後、、アジア・太平洋国会議員連合(APPU)の第40回年次総会に参加するため台湾を訪れた、山本順三参議院議員を代表とする日本の国会議員らと会見し、訪問と台湾の災害への気遣いに対して心から感謝の意を表した。
総統は、午前のAPPU年次総会で山本参院議員が台湾の災害を案じた発言をしたことについて、また日本政府が被災後の再建のための義捐金提供を行おうとしていることを知って、921大震災時にも日本が多くの資源を提供したことを思い出し、重ねて感謝の意を述べた。また、総統は今回の台風8号が通過した日本の地域で発生した被害についても心配していると述べた。
今回の訪問団は、神取忍参院議員を除けば全員が何度も台湾を訪れており、台湾の問題にきわめて心配をしており、総統も心から感謝した。

(すごく中略)山本参院議員は、「台湾訪問前に日本のAPPU団長である麻生首相と会う機会があり、麻生首相から自分の代わりに馬総統によろしく伝えるよう言われている。また、今回の台湾の災害について、日本政府もお見舞いの気持ちを表明するとともに、日本代表団が馬総統に会う日程と併せて、今回の台風で台湾各地に発生した大きな被害について、心からお見舞いと哀悼の意を発表した」と話す。
山本参院議員はさらに「日本政府は人道的観点から、日本交流協会を経由して亜東関係協会を通じ、台湾に1,000万円を贈ることを決定した。これが台湾の被災後の復旧に役立つことを願っている。また、日本は台湾の被災後の再建の状況について強い関心を持っており、もし求めがあれば必要な協力を提供するつもりだ」と述べた。
山本参院議員はまた、「今回の訪問団は全員が台湾を非常に好きな者たちであり、台湾と日本の関係の発展に多くの努力を払っている。今後、お互いの民間交流がさらなる発展を遂げることを期待している」と述べた。

今回、アジア・太平洋国会議員連合(APPU)の第40回年次総会に参加するため台湾を訪れたのは、代表の山本参院議員のほか、玉沢徳一郎・前衆院議員、秋元司・参院議員、大江康弘・参院議員、神取忍・参院議員。11日午後、夏立言・外交部次長、齋藤正樹・駐台代表も随行し総統府で総統と会見した。国安会諮問委員の楊永明も同席した。

総統、アジア・太平洋国会議員連合年次総会に参加するため台湾を訪れていた日本代表と会見 (中華民国総統府)


もちろん、総統府のニュースリリースの本旨は、馬英九が日本の国会議員の代表と会ったということです。メインが「センセイたち」なら、随行でしかない駐台代表は言ってしまえば「付け合わせ」のようなもの。それなのに日本でも台湾でもニュースになってしまうというのは、それだけ今まで異常事態が続いていたとも言えるんじゃないかな。
ちなみに今回のAPPU日本代表団、衆議院が解散して選挙モードになっちゃっているため、メンバーは引退を表明した玉沢元農水相を除けば全員が参院議員。しかも改革クラブの大江参院議員を除けば全員が自民党という罠。団長を務めた山本参院議員もブログで、

昨日午前、台湾で開催予定の第40回アジア・太平洋国会議員連盟(APPU)総会の出席メンバー・スケジュール・決議案等の説明をするため、事務局長である私が総理官邸を訪れ、APPU日本議員団団長である麻生総理にその詳細を報告してきました。
昨年は奈良県において盛大に総会を開催することができ、本年の台湾総会にも大勢の日本議員団の出席を予定していましたが、衆議院が解散され、残念ながら参議院議員中心の小人数での参加となる予定です。
選挙戦たけなわの頃であり、大変心苦しい次第ですが、正式な国際会議であるが故に、どうしても事務局長をおおせつかっている私も参加しなければなりません。
メインテーマは『人間の安全保障(①経済安全保障、②食糧安全保障、③保健安全保障、④環境安全保障)』となっていますが、各国議員団と率直な意見交換を行ってこようと思っています。

「APPU総会へ向けて」山本順三 活動報告 (山本順三)


と書いているように、仕方のないことなんだけどちょっと切ないね。

さてさて、そんな齋藤代表も同席していた面会の場なのですが、やはりと言うかなんと言うか、台湾の報道でも主役は齋藤代表になってしまいました。台風の被害に関する記事に混じってこれが報じられているというのはなんだか不思議な感じです。
まずは産経同様に好意的な捉え方をしている自由時報から。なお、総統府のニュースリリースとかぶっている部分はすっ飛ばして、齋藤代表に関する箇所だけ抜粋して訳。

台湾地位未定論を発表して波紋を巻き起こした日本の駐台代表、齋藤正樹が11日、日本の国会議員訪問団に随行して馬英九総統と面会した。これは5月1日の発言による騒動の後としては、初めて齋藤が総統府で馬総統と会ったことになる。随行による面会にすぎないものの、馬総統と齋藤が挨拶としての握手を3秒間にわたって行った絵は、これまでの騒ぎがすでに決着を見たことを体現している。
総統府の者は、「齋藤発言による度重なる騒動を経験した後、齋藤が初めて総統府に行き馬総統と会ったことは、台日関係が良好な方向に向かって展開することを象徴している」と考えている。

馬総統が齋藤代表と面会 3秒間にわたって握手 (自由時報)


総統と一介の大使(肩書きは民間人だけど)との握手にそこまで大きな意味を与えるのは危険なんじゃないですか? 両者の見解は結局のところ平行線のままだし、特に馬総統側としてはこれを「和解(or休戦or恩赦)の握手」としてしまうと、振り上げた拳を下ろしきれないまま、有耶無耶のうちに終わらせてしまったような感じになっちゃうしね。
仮にそういう前向きな気持ちがあったにせよ、馬としては額面通りの「社交辞令としての握手」ということにしたいんじゃないでしょうか。そんな思惑が見え隠れするのが聯合報。これも抜粋して訳しますが、捉え方の違いが露骨に現れていて面白いです。

馬英九総統は11日午後、参議院議員の山本順三と面会した際、駐台代表の齋藤正樹は全行程を通じて随行しただけだったが、総統と齋藤は儀礼的に挨拶を3秒間交わしたものの会話は無かった。
政府高官は、「今回の件で誤解が解けたと形容するのであれば、それは『あまりに一方的すぎる』だろう」と述べた。

齋藤は先日、自ら国安会の蘇起秘書長に面会を求め、両者は台日関係について長談義した。馬総統は11日、齋藤と3秒間の握手を行い、政府が齋藤を排斥していた態度の軟化させたとみる向きもあるが、政府高官は「この一連の動きは政府の善意を表すもので、決して態度を軟化させたものではない」と強調する。
高官は、「仮に齋藤が日本の来賓に随行して総統に会うことができたとしても、今後、馬総統が単独で齋藤に面会することを示したものではない」と強調し、「事はそんなに楽観的ではない」と述べた。しかしこの高官はさらに「台日間の交流には少しの障壁も無く、政府は両国関係を重視するとともに、日本政府を尊重している。日本の政局がちょうど選挙に当たっているが、こちらとしては細やかに状況を見ているところだ」と述べた。
馬総統との面会の間、齋藤の表情は厳粛で、唇をきりっと閉じていた。

馬総統が齋藤代表と面会 「善意であり、軟化ではない」 (聯合報)


なんなんですか、このツンデレっぷりは。
一方、中国時報は両者の中間くらいのスタンスで面会前の11日に記事を載せています。齋藤発言を「失言」と表現し、なおかつ「日台が『齋藤発言が失言だった』ということで落ち着かせた」としているのがちょっとひっかかるところ。
でも、確かにそれは齋藤代表が発言直後に幕引きを図った際に使ったことだし(失言ではなく個人の発言っていう位置づけだけど)、今回の握手が両国了解済みの上での「セレモニー」というのはありうるだろうね。齋藤代表が単身で総統府に乗り込むよりも、国会議員の随行役という駐台代表の職務として面会したほうが大仰でないのは確かだもん。うーん、ちょっとタイミングとして遅すぎないかなとは思うけどね。いい機会が無かったのかな。

馬英九総統は11日、台湾の前衆院議員、玉沢徳一郎と面会する。この場には、以前「台湾地位未定論」を発表した日本の齋藤正樹駐台代表も同席する。総統府の者は、「誤解を解くために、齋藤は自ら国安会秘書長の蘇起に面会を求め、蘇起もその後に齋藤と会っている。しかし最も重要なのは依然として総統の態度だ。今日の面会の場において、双方の誤解が一段落したことが形になる」と述べた。
総統府の者は10日、「総統府は齋藤が総統府に来ることに同意した」と打ち明け、「これまで外界で噂されていた苦労や誤解といったものはすべて終わりを迎え」、台日関係が良好に発展することを象徴すると述べた。

失言による騒動を何度も乗り越え、齋藤は今日ようやく初めて総統府に入り、玉沢徳一郎に随行して馬英九と面会する。国安会の者は、「齋藤の発言は、台湾の最も敏感な主権問題に言及していた。総統府としては認めることができなかったが、台日両政府は今回の論議を齋藤個人の失言だとして双方でコンセンサスを得、台日双方の関係に影響しないとした。馬総統が齋藤と面会することは、彼の代表としての職務を尊重するというものだ」と語る。

馬総統が齋藤代表と面会へ 総統府筋:失言騒ぎは解けた (中国時報)


今回の握手がどこまでの意味を持つのか、どこまで期待をかけてよいのか、三者三様っていうのが個人的には面白いなあと思います。聯合報の無茶な煽り方もどうかと思うんですけど、「日華平和条約と台湾地位未定論」に端を発した今回の一件、必ずしも大団円で終わったとは到底言えません。あまりに長引いていて、発端が馬英九の超絶条約解釈だったってのを忘れそうになっちゃいそうだし。あれはまったくもって嘘つきのパレードでした。
おっと、脱線した。ともかくも、今回の握手が「手打ち」の握手だったのかと問われると、産経の記事はちょっとプラスに捉えすぎかも。比較的慎重な時事通信のこっちの記事で立てればよかったかなと、今さらになってちょっと後悔してみたり。

【台北時事】
日本の対台湾窓口機関である交流協会台北事務所の斎藤正樹代表(大使に相当)は11日、台湾の馬英九総統と約3カ月半ぶりに会見した。同代表が5月、「台湾の国際的地位は未定」などと馬政権の主張と真っ向から対立する発言をし、台湾側の怒りを買って以降で初めての公式の面会となった。

台湾側はこれを契機に、同代表の「失言」をめぐりギクシャクした日台関係を修復したい考えとみられる。ただ、問題の長期化によって双方に根強い不信感が残ったのも事実で、今後の日台関係がスムーズに行くかどうかは、なお予断を許さない状況だ。

同協会によると、斎藤代表は11日夕、台湾側の要請により、訪台中の玉沢徳一郎前衆院議員らに同席する形で馬総統と面会。台湾に大きな被害をもたらした台風8号などに関し、約45分間やり取りした。

斎藤代表の発言をめぐっては、同代表が直後に台湾外交部(外務省)に謝罪したほか、イベントで同席した総統にも直接謝った。しかし、台湾側は納得せず、斎藤代表に総統や副総統との面会を禁じる事実上の報復措置を続けたとされる。

「失言」後、馬総統と初会見=日台関係修復か-斎藤代表 (時事通信)




★ 追記。(08/13 00:20)
さっそく『君の知らない物語』を聴いてみました。アニメのEDバージョンは「くるっ」とさせていたんですね。
EDバージョンを聴いた時、「千のレスよりこの一票。」で「どこをどう切り取ってもsupercellというかryoさん。」って形容しちゃっていましたが、やっぱりryoさんでした。後半、ちょっと蛇足かな、というかチャレンジしすぎかなって思う場所もあるけど、こういうストーリー立てた曲を作れるのはさすがだなあって素直に羨望でっす。うんまあ、でもやっぱりEDバージョンの凝縮のさせ方も好きなんだけどね。
おあつらえ向きなことに、今夜はペルセウス座流星群が夜空を駆け抜けます。降り注ぐ光の粒が、この曲のように宝物として多くの人の心に残りますように。

★ 追記その2。(08/13 01:20)
ちょ。あわよくばと思っていたけど、これ絶対歌えないっての。あはは。
そして前言撤回。驚くほどに蛇足なMVがCDの後ろに控えていたとは気がつかなかった。
昨日一昨日の記事に対してやけにたくさんのアクセスがあり、喜ぶべきなのかどうか微妙すぎるところですが、昨日の「昨日はちょっとはしゃぎすぎました。」で取り上げた台湾南部の小村、高雄県甲仙郷小林村の話の続報でも。経緯は書き始めると長いので割愛。っていうか、前の記事がそのまんま経緯を書いてるだけなんだけどね。
例によって中央通訊社の記事から時系列を追って抜粋&翻訳。まずは10日の夕刻のニュースから。

土石流によって生き埋めになった高雄県甲仙郷小林村の住民の家族らは、10日午後、県の捜索救助隊が100人余りの住民を発見し、現在高台の上に避難しているということを内政部から知らされた。県の災害応変センターでは11日にもヘリを飛ばして調査と救援を行うという。

小林村の住民は10日、内政部のある友人から電話による通知を受け、国軍の特殊部隊がヘリによって小林村に入り、附近を捜した結果、大人や子供を含む100人あまりの住民が高台のタケノコ作業所にいるのを発見したという。
小林村の住民は、最近はタケノコの収穫期であるとともに夏休みであり、また父の日にもあたったことから、多くの人が帰郷して休暇を過ごしており、全村で少なく見積もっても500~600人、きっとさらに多くの人が救援を待っているだろうと話している。

小林村で100人以上の生存者を発見 (中央通訊社)


そして一夜明けて11日になると被災地にも救援が入ります。軍のヘリコプターが村に入り、散発的に生存者を発見するのですが、生き埋めについてはなかなか情報が入ってきませんでした。

莫拉克台風による被害は極めて大きい。国防部は11日、午前から陸軍航特隊が次々と救援のために飛び立ち、既に小林村においても被災した住民10人を救出したほか、那瑪夏郷からも8人、甲仙郷から4人を救出し、なおも継続中だと述べた。

国防部によると、陸軍航空特戦指揮部は、6時12分から続々と飛び立ち、46人が高雄県甲仙郷小林村や那瑪夏郷、桃源郷などの被災地に入り、救援活動を行っているという。

国軍、小林村などの被災地に入る 立て続けに22人を救出 (中央通訊社)

中央災害応変センターは11日、国軍特殊部隊が空から被災地に入ったことにより、既に高雄県甲仙郷小林村や那瑪夏郷民族村など5つの村の災害状況を把握するとともに、24人を搬送しているが、救助された被災者が言う大量の村民が生き埋めにされたという現場の状況についてはわかっていないという。

センターによれば、小林村の1隣から4隣までは被災者は見当たらず、国軍が続けてヘリを派遣して空から捜索したところ5隣から8隣で150人の被災者を見つけた。彼らはしばらくの間安全な場所で待っていた。国軍は既に1,300kgの物資を空中投下した。9隣から10隣には2人が救助を待っていた。トンネルで救助を待っていた6人が運ばれた。

国軍、空から小林村に入るも大規模生き埋めの情報は得られず (中央通訊社)

陸軍の13名の特戦部隊が被災者の捜索と救助のために高雄県甲仙郷小林村に入った。11日午前には南峰橋まで前進し、現場から衛星電話を使って報告を行った。それによると、小林国小(小学校)から南峰橋までの広い範囲が既に土石流に埋まっており、人の形跡や建物は見当たらないという。

陸軍航空特戦指揮部の政戦主任、李智雄は「10日14時30分、湯登凱少佐は12人の部下とともにヘリに乗って小林村の被災地に入り、捜索と救助の任務を行った。被災者を捜索し、被災区域を標示し、衛星電話を通じて現場の状況を報告した」と述べた。
李主任によると「部隊は10日にまず36人の被災者を発見し、軽航隊のヘリに連絡して、吊り上げて救助を行った後、旗山国中(中学校)に運ばれた。その後、8号橋、9号橋と前進し被災者の痕跡を探し、今日になって小林国小附近まで進んだ」という。
湯少佐は衛星電話で現場の状況をこのように報告した。「土石流によって埋まってしまった一部の区域は、土石流の土砂が膝まで溜まり全く身動きが取れない。地図上は小林国小となっている場所から、まっすぐ南峰橋まで歩いた一面の範囲には、人の跡も建築物も見当たらない。ほとんど全てが土石流で覆われてしまい、地形と地物の見分けがつきにくくなっている

李主任は「13人の部隊は、現在南峰橋にいる。一昼夜絶え間なく捜索という任務を行ったのはたいへん辛いことであるが、彼らは黄金の72時間というリミットのため、救えるかもしれないいかなる命をも放棄することはできない。なおも被災地区に進んでいる。第二陣の特戦部隊30人と陸戦隊28人は既にヘリに乗って小林村に入り、交代で被災者の救援を行う任務を行う」と述べた。
最初に小林村の被災地に入った湯少佐は、もともと谷関特訓センターの教官で、ジャングルでの戦闘やサバイバルの経験に長けており、今回は特別に任務に選ばれていた。

特戦部隊から報告 小林国小は見当たらず (中央通訊社)


さて、ここで救出された人の中にいた大陸から嫁いで来ていた人の記事でも。

「本当に死ぬかと思ったわ!」
高雄県甲仙郷小林村に嫁いで8年になる大陸福建省籍の林さんは、9日早朝の土石流について、今でも思い出すと怖くなるという。「これまであんなに怖い思いをしたことはなかった」という。

49歳の林さんは、小林村に2人いる大陸配偶者のうちの1人だ。夫と一緒に小林村でモモやグアバ、イモを育て、子供たちは台南市にいる。
林さんは「福建にも台風は来るが台湾のようなものではない。今回、家も車もみんななくなった。今はただ、山の果物たちがどうなっているかが、生計を維持し続けるための頼りだ」と話す。

林さんの家は省道台21線のそばにある。9日6時頃のことを思い出して林さんは、「何日も雨が降り、9日も軒下で天気をうかがっていると、突然向かいの山が『煙を上げて』崩れ落ちた。大量の土や石が旗山渓に落ちた。家に入ると夫を引っ張って後方に走った。振り向くと川の水がさえぎられ、2分も経たずに轟音が聞こえ、大量の土砂と一緒に川の水が家を襲った。裏山に向かって懸命に走った」と話す。

林さんは「運よく高台に登ると、他に42人が呆然と到着した。この時、小林村はもう『廃墟になっていた』。家屋は見えず、かろうじて屋根が見える家がある程度だった。作業小屋の合成樹脂の布で雨を凌いだが、寒さと飢えが襲ってきた。みんなで1羽の鶏を分けて食べ、最後の体力を残そうとした」と語る。
林さんは、山の果物がよりよい未来をもたらすと期待しているが、今回の台風が猛烈な雨を降らせたことにより、無情にも彼女たちの夢は潰えてしまった。

小林村土石流 大陸籍の配偶者「死ぬかと思った」 (中央通訊社)


さて小林村の捜索に話を戻します。現地に入った軍の部隊から、夜になってグッドニュースが舞い込んできます。

軍による高雄県甲仙郷と那瑪夏郷で連絡が途絶えた住民の捜索で、かなりの朗報が入ってきた。陸軍は11日夜、特戦部隊が20時に報告してきたところによると、小林村、民族村、民生村などで救援を待つ約700人の住民を発見したと発表した。

陸軍司令部政戦主任の周彦中は、「特戦部隊の兵士が衛星電話で報告してきたところによれば、甲仙郷小林村の入口から約1km入ったところで、避難していた住民約200人を発見し、水と食料を配布したという。このほか、那瑪夏郷の民族村でも避難していた村民200人あまりを見つけ、民生村でも約300人発見した」と述べた。

朗報 小林村などで救援を待つ700人の住民を発見 (中央通訊社)


12日早朝には、いわゆる「黄金の72時間がタイムリミット」を迎えます。まだまだ何か後手後手に回っている感は否めませんが、できるだけ多くの人が助かってほしいものです。
昨日から小林村の話ばかりしちゃってますが、台湾全体を見渡してみても被害はまだまだ広がりそうです。12日20時時点での集計によれば、台湾全土での犠牲者は、死者62人行方不明者57人負傷者35人(ただしこの中には、救援のために飛び立って消息を絶ったヘリの3人を除く)まで拡大。しかも流れ的にこの数字はここからさらに増えそうだし。
このほか、農業損失額は73億元、観光面でも8億元の損失という推計も出ているし、台南県と台南市では水がめの南化ダムが濁ってしまったために給水体制が取れず、計37万戸に給水制限が取られているなど、今後の生活っていう点でも大きな爪跡を残しています。
本当に月並みなことしか書けないけど、一日も早く元の生活に戻れますように。
と書くと「また酔い潰れたんですか」って言われちゃいそうだけど、昨日の記事の「とんだ八八節になっちゃって。」のことです。多くの命が失われたにも関わらず前後に浮かれ気分な話題を挟んでしまったことに後悔。「じゃあ2分割すればいいのに」という話ですが、今からでもそれに踏み切れないあたりを含めてどうしようもないおいら。

というわけで早速ですが、前回に続いて台湾を襲った台風8号・モーラコット(繁体字標記:莫拉克)の被害の続報。被害全体をばっと並べるのではなく、今回は高雄県北東部に位置する甲仙郷にある小林村という小村のお話です。
いろんなソースを探す時間がないので、前回に引続き中央通訊社ばかりで申し訳ないんですが、タイムラインを追いながらダイジェストで。

莫拉克は台湾に深刻な被害を与え、高雄県では2名の死者を出し、農業損失額は5億元を超えた。高雄県長の楊秋興は9日夜、軍に救援と空中投下を要請し、甲仙郷小林村でまだ救い出されていない44人の住民の助けを求めた。

高雄県勤指センターは9日8時、甲仙郷小林村で44人の住民が土石流に襲われてただちに救援が必要な状態にあると通報を受けた。しかし同センターは何度もヘリコプターに連絡を行ったが、天候が回復していないことから救援に向かえず、結果として困っている住民と連絡も取れなくなっている。
楊県長は、10日から一部が寸断された交通を急いで復旧させるとともに、速やかに小林村に救援物資の空中投下を行うよう指示した。

莫拉克による蹂躙 高雄県では農業損失が5億を超える (中央通訊社)


これがまず第一報。この時点で人口1,000人あまりの小林村の状況は、まだ全貌がつかめていませんでした。

報道によると、高雄県甲仙郷小林村で百人以上の住民が生き埋めになっている可能性があるという。内政部消防署長の黄季敏は10日、「ヘリコプターで今朝方既に2人を吊り上げて救助し、空中から調査した後、特別捜索隊が他の住民の救助に向けて出動しようとしており、あわせて誰か生き埋めになっているかどうか確認する」という。
黄署長は10日午前、中央災害応変センターで「9日は天候の関係でヘリや地上の救援部隊が小林村に入れなかったが、今朝は天候も回復してきたことから7時56分にヘリを飛ばし、2人の住民を救出後、甲仙国中に運んだ。このほか、空中からの目視では、現地の林務測候所附近で50~60人の住民が救援を待っているのを発見した」と述べた。

高雄県甲仙郷で2人救出 生き埋めかどうかは確認待ち (中央通訊社)

莫拉克台風による災害は悲惨を極めている。国防部はS-70Cヘリコプターを救援に派遣し、これまでに台東県太麻里で25人の住民を救出したほか、高雄県甲仙郷で19人を救出、高雄県六亀郷でも2人を救出し、それぞれ収容センターに運ばれた。
高雄県甲仙郷小林村が生き埋めになっているというメディアの報道に対し、陸軍8軍団政戦主任の胡瑞舟は10日午前、取材に答え「この2日間、軍は頑張って甲仙郷に向かったが、現地の橋梁や道路が寸断されている上に通信も途絶えており、甲仙郷小林村と連絡がとれない状況になっている。しかし、今朝早くにS-70Cヘリを飛ばし、私の知る限りでは、既に幾人かが救出されている」と述べた。

国防部がヘリを出動、被災住民の救出を続ける (中央通訊社)


これが午前の状態でした。軍もまた状況を正確に掴みかねている中、次第に現地の状況がわかってきます。惨状を伝えたのは、ネットでも衛星写真でもなく、救出された住民の声でした。

「本当に命拾いをしたわ!」
陸軍のヘリで高雄県甲仙郷小林村から救助された徐さん夫婦は、9日の土石流の惨劇を思い出すと、今も怖いという。

徐さん夫婦と父の日(訳註:台湾では父の日は8月8日)のために帰郷していた息子と小林村の外れに住んでいた。62歳になる除さんは、「村落の前の小川がまず土石流で完全に塞がれた。9日の午前6時頃、突然2回の大きな地響きがあり、それとともに地震のような揺れがあった。3人ですぐに外に出ると、村が既に土石流で埋まってしまっているのが見えた」と話す。
徐さんの妻によると、土石流が発生した時間は9日の午前6時10分だという。当時、外は雨が降り続いており、朝食もまだ食べていなかったという。3人は戸外に駆け出ると、村外れの隣近所の者が後方の山の上に向かって走っていくのが見え、村の端は土石流に埋もれてしまっていたという。

小林村で生まれ育ったという徐さんによると、小林村には100あまりの家があるが、折りしも父の日だったこともあり多くの子供たちが祝うために帰郷していたという。このため今回の大惨事をかわしきれなかったのではないかと語る。徐さんは、「この歳まで生きてきて、これほどの惨劇は見たことも出会ったこともない」と話す。

徐さん夫婦と子供のほか41人の住民は、1時間あまり歩いたところにある台地の「五里埔」の民家に避難しようとしたが、橋が寸断されていたため山上の竹林の作業小屋で雨をしのぐしかなく、青香蕉で乗り切ったという。徐さんは「青香蕉を煮たものがこんなに美味しいとは思いもよらなかった」と話す。

小林村、土石流の蹂躙に遭う 被災した住民は今も恐怖 (中央通訊社)

内政部消防署長の黄季敏は10日、既に高雄県甲仙郷小林村の住民32人がヘリで救助されたと述べるとともに、救助された住民によれば、村内の第9隣から第18隣にかけての山壁が全て崩壊し、村落のほぼ全体が生き埋めになっているという。

黄季敏は助け出された林さんという住民の話として、「小林村の第9隣から第18隣にかけての傍の山壁が全て崩れ、村落全体のほぼ全てが生き埋めになった。小林国小の教室や電気通信の発電機室なども埋まった」という。この林さんの見立てによれば、少なくとも100人以上が巻き込まれたという。

黄署長はまた、「戸籍によれば小林村には1,000人あまりが住んでいるが、実際には何人の住民が部屋の中で生き埋めになっているかわからず、地上部隊が被災地区に着いた後でないと正確な人数はわからない」と述べた。

小林村の住人32人を救助 山壁の崩壊が発端か (中央通訊社)


とは言うものの、過去50年で最悪の災害、地形と天候も手伝って救助は思うようにはいきません。はたして記事中にある「黄金時間(黄金の72時間)」までに間に合うのか。

陸軍軽航隊は10日、小林村で土石流から逃れた住民44人全員を運んで下山しようと計画していたが、4回目の飛行の後に天候が急変し、作業は一時中断された。

10日昼頃、高雄県の楊秋興県長は被災した小林村の住民を社会福利処旗山社会福利館に訪ね、集まった小林村の住民と面会した。楊県長は家族たちを励ました。ある住民はひざまずき、楊県長に一刻も早く救助するよう求めた。
一方、別の住民は県政府の災害応変センターが措置を先延ばしにしたと罵った。彼らによれば、9日午前の時点で小林村の住民が救助を求めていたものの、センターの回答は「調べて確かめる」だったという。
楊県長はこの非難をひたすら黙って受けた。楊県長は橋梁や道路が損壊していて、河川の水位が下降してからでないと救助に入れないと述べた。その場の被災家族らはこれにも不満を述べた。

家族は「小林村から逃げ出せたのは44人しかおらず、残りの500~600人は生死がわからない。政府は黄金時間のうちに措置を講じるか、人命救助にあたるべきだ」と述べた。

高雄県の被災地は深刻 廖内政部長は軍による救助を期待 (中央通訊社)


一方で、暗い中に一筋の光とも言うべきニュースも入ってきています。

土石流に襲われた高雄県甲仙郷小林村の家族らは、10日午後、携帯電話で小林トンネルに多くの住民が避難していることを知った。高雄県災害応変センターは連絡を受けたものの、既に暗くなっていたことから明朝を待ってヘリを飛ばし、確認と救援にあたる。

10日17時ころ、旗山社会福利館で知らせを待っていた小林村の家族は、台中の張志強から携帯電話で知らせを受けた。彼によると、小林トンネル内にいる友人から連絡があり、トンネルの前の空き地にはヘリが降りられそうだという。
知らせを待ち気をもんでいた家族らはこれを聞き、予想外のことで大喜びをしたほか、急いで災害応変センターに連絡してヘリによる調査と救助を求めた。小林村の家族によると、このトンネルは小林村から那瑪夏郷に抜けるトンネルで、去年ようやく完成して供用されたものだという。

小林トンネルに生存者 家族らは予想外のことに歓喜 (中央通訊社)


けれども、確かに一筋の光明ではあるけれども、これを見る限りでは生き埋めになったとされる「500~600人」という人たちの数には及びそうにありません。なんかそんな風に考えちゃう自分が嫌だけど。
どうか一刻も早く救助の手が回ることを願うと共に、これ以上、第二第三の小林村が出てきませんように。
ついこの間、リアルで「何でもは知らない。知ってることだけ」というような台詞を口にしたのですが、途端にこっ恥ずかしくて死にたくなりました。どうやらおいらには羽川翼的委員長のようなキャラは向いていないようです(ついでに言えばブラックな方も無理です。でも委員長としてじゃない羽川翼のキャラは好きです)。というか、そんなことなんて改めて言うほどのことじゃないくらい揺るぎない周知の事実ですけど。

委員長と言えば歌い手の方の委員長さんがニコニコにアップした「Dear」のタグが若干おかしい件について。タグと言えば前科一犯のおいらですが、まあそんなことは置いておいて(えー)。

yaguyagu077.jpg

でも、見つけてしまったからと言って、タグ編集して消そうとしないのがおいら。これはひどい。まさに外道。優しくていい人からもことごとく逆サイドなのでした。
なので、「優しくていい人」というありふれた形容では勿体ないくらい気が回って、それゆえに迂闊で、それゆえに残酷なむらら木くんにはちょっとした羨望の眼差しでっす。



と、やっと原作の「化物語」を読めたところで、そんな感じに至極ご満悦なおいらです。はい。それぞれが必ずしも完全に救われないところとか、当意即妙な掛け合いが素敵すぎます。2,3回くらい泣きかけて、100回くらい笑いかけた。っていうか、嘘、ごめん。たぶん5回くらい泣いた。
当面の問題として、気がついたらこの記事が単なる読書感想文になっていたので約2時間分をロールバック(←いまここ)。っていうか、そんな時間があったら録ってそのまんまのアニメの4話以降をさっさと観れ。っていうか、ここ読んでる人たちもみんな読め(んな風に言われても読まねー)、そして観れ(んな風に言われても観ねー)、でもって蕩れ(んな風に言われても流行らねー)。
あ。でも一つだけ気に食わなかったことがあるので最後にそれだけ。講談社さん、なんでVOFANさんのイラストはカラーじゃないんですかっ。あの透明感溢れる色彩がいいのにね。ブルーと言うよりもスカイブルー、グリーンと言うよりもエメラルドグリーン。

さてさてここまで壮絶なまでに長い前フリ。タイ語でエメラルドという意味のアジア名を冠した台風8号「モーラコット」(繁体字表記:莫拉克)の話題に飛びます。その無神経な話題転換の仕方もどうだろう。
この台風、幸いなことに日本への影響はほとんど無かったのですが(南西諸島にはあったけど)、7日から9日にかけて台湾を東から西に横断して大量の雨を降らせ、特に南部では「過去50年で最悪」と呼ばれるほどの被害を出しました。ちなみに被災状況は以下引用記事からさらに増えているけどそれは後述。

台風「モーラコット」は8日、台湾史上最も驚異的な豪雨を台南南部にもたらし、2人が死亡9人が行方不明、負傷者は100人以上にのぼった。また1,500人以上が取り残されたほか、11万戸以上がなおも停電するなど、過去50年で最も悲惨な被災状況となった。

豪雨が再び南部を襲う 過去50年で最悪 (自由時報)


この「過去50年で」というのは「過去100年で最悪の不景気」などで使われる比喩的なものじゃありません。かと言って基本高水がどうこうとかいう確率論とか計算とかそういうものでもありません。実際に、今から50年前の1959年8月7日、俗に「八七水災」というものがあったんです。
今回のモーラコットは台湾を直撃したけれど、50年前の台風、より正確には台風6号(国際名:ELLEN)は、こんな感じに(リンク先は、北本朝展/国立情報学研究所「デジタル台風」)台湾を直撃していないどころか日本にもさしたる被害(って書くと語弊がありそうだけど、後述の台湾と比べての話で)は出ていません。なので別に同年の伊勢湾台風のように名前がついているわけでもないし、きっとネットで探してもあんまりひっかからない台風だと思う。
ところが、この台風6号がいわゆる藤原の効果(リンク先はWikipedia)によって南シナ海にあった熱帯低気圧を台湾の方に呼び込み、そのため湿った空気の南西の風が入り込んだことによって、7日から9日にかけて中南部に800mmから1,200mmという大雨を断続的に降らせたのです。特に7日は日降雨量が500mmから1,000mmと平野部の年間降雨量に匹敵する雨が降り、土砂崩れやそれによる河川の氾濫・決壊もあって、結果として中部を中心に13県市に甚大な被害を与えました。死者667人、行方不明者も1,000人近く、負傷者数千人、被災者は合計30万人という、戦後の台湾としては921大地震に次ぐ被災規模になったのでした。ごめん、この段落ってほとんどまるっと中文版Wikipediaの丸写し。

八七水災の当時、豪雨は三日三晩に渡って降り続いた。学者のその後の研究により、当時計測した3日間の総雨量は800mmから1,200mmと、降雨量を見れば歴代記録に残るほどのものではない。しかし、当時は測候所も今のように普及しておらず、山岳部ではさらに多くの雨が降った可能性もあるが、今となっては知る由もない。
ここ数年、台湾を襲った台風を見ても、1日の雨量が1,000mmを超えるのは少なくなく、2001年の納莉台風(16号)、1995年の賀伯台風(9号)、1987年の琳恩台風(20号)などの台風は深刻な被害を与えた。今回の莫拉克(モーラコット)は、屏東県三地門郷の上徳文では1,004mmと歴代6位の雨に襲われた。

八七水災から50年が経過し、台湾は再び台風の襲来に遭い、さらに豪雨は再び台湾南部を続けて襲っている。歴史上の出来事と今日は偶然にも一致するけれども、建築物は当時よりも強固になり、加えて度重なる台風による防災経験も蓄積されている。気象予測という科学技術の進歩もあり、人々の生命と財産の損失は、幸いにも50年前よりも大幅に低下している。

歴史の偶然/50年前の八七、50年後の八八 (聯合報)


確かに50年前とは災害に対する力という点で大きく異なっているけれども、大きな被害が出ていることもまた事実なわけで。まずは雨量の点から

八七水災から50年後にあたる7日、屏東県三地門郷の上徳文測候所は、日降雨量で1,003.5mmと単一測候所における日最大降雨量で歴代7位を記録した、しかし、この記録も1日しかもたず、8日も豪雨をもたらした莫拉克は降雨記録を大幅に塗り替えてしまった。

気象局の観測によると、同じ三地門郷の尾寮山は8日の20時に一気に日最大降雨量で歴代トップを観測した。8日の全日累積雨量統計を見てみると、尾寮山の1,403mmだけではなく、単一測候所日最大降雨記録のトップ10のうち9件が8日の雨によるもので、一日にして記録はがらっと変わってしまったのだった。

八八水災 台湾の日降雨量記録を大幅に塗り替える (中央通訊社)


っっっぱねぇっす。おいらも台南の豪雨の様子の動画を見ました。声が雨音に掻き消されるという、まさに轟音と言うのが相応しい豪雨。笑うしかないなと考えてたら、最後の方はもう笑えないと思い始めた。雨が怖くなる、そんな感じ。
そして気になる各種の被害。下に行くほど新しくなってます。たしか。

莫拉克台風が台湾を襲った被害について、中央災害応変センターが9日13時までにまとめたところによると、死者2人行方不明者2人が加わり、合計で死者3人行方不明者31人、負傷者は19人、避難している人は6,301人となっている。
また農業損失は10億8,431万2,000元、うち農林水産物の損失は9億9,396万1,000元となった。このうち施設の損害は9,035万1,000元となっている。

昼ごろに倒れた台東県知本温泉の金帥飯店では、中にいた住民22人と旅行客推計300人は既に東美飯店などに避難しており、今のところ物資の求めなどはないという。

莫拉克による被害 3人死亡31人行方不明 (中央通訊社)

嘉義県は超豪雨に蹂躙され、9日17時までに山美、呉鳳など4つの橋が断裂または洪水により流失した。阿里山区では10余人が行方不明になり、梅山郷太和国小の近くでは9人が屋根に取り残され、急を要している。
莫拉克台風は大量の南西の風を呼び込み、嘉義県の山間部に大量の雨を降らせた。17時までに阿里山では累積雨量が既に2,654mmに達し、奮起湖では2,587mmを超えた。山間部は至るところで寸断され、多くの人が救援を待っている。

嘉義県災害応変センターによると、八掌渓、阿里山渓、曽文渓の各上流部で水位が急に高くなり、17時までに台3線の呉鳳橋、阿里山郷の山美大橋、梅山郷の社興橋と全仔社橋の4橋が断裂するなどにより、交通が寸断されているという。

嘉義県で10余人が行方不明 4橋が寸断 (中央通訊社)

莫拉克台風による豪雨で、高雄県桃源郷の荖濃渓の水位が急上昇し、曽文ダムの引水工事の作業員14名が寝ていたところ洪水に襲われ、行方不明となった。南横公路が寸断されたほか通信も途切れており、救助は困難を極めている。
水利署南区水資源局によると、作業員の宿舎は勤和村の南横公路の脇にあったが、9日未明に洪水が宿舎を襲い、うち16人は飛び起きた後に逃げ出すことができたが残りの14人は流されてしまったという。現在のところ桃源郷は外部との交通、通信が遮断されており、状況の把握も難しくなっている。

曽文ダム引水作業の作業員14人が行方不明に (中央通訊社)

台南県曽文渓下流の大内、善化といった郷鎮では、莫拉克台風の襲来時に深刻な浸水被害に見舞われたが、曽文ダムの放流が被害を齎したのではないかと問う声もある。これに対し水利署は9日夜、声明を発表し、もし放流していなければダムは決壊して被害はさらに予想もつかないほどになっていただろうと述べた。

水利署の呉約西副署長は声明の中で、総貯水量6億立方メートルの曽文ダムは、台風襲来前にはわずか1億4,000万立米しか貯水しいていなかったが、8日に集水域に947mmという雨が降ったことにより、その半分以上の水が4時間後からダムに流れ込んだことによってダムの水位は急上昇したと説明した。
呉副署長は、「曽文ダムは台湾最大のダムで、1973年に完成した後の開門排水回数はその他のダムと比べても少ないが、莫拉克台風のもたらす雨量は前代未聞のものであり、もし仮にダムが排水しなければ決壊の恐れがある。もし決壊してしまえば、被害は想像もつかないものがあり、嘉南平原の25郷鎮は見渡す限り洋々たる景色に変わってしまうだろう」と指摘した。

水利署:曽文ダムが放水しなければ、決壊により想像を絶することとなる (中央通訊社)

莫拉克台風による被害はなおも増えている。中央災害応変センターは9日19時の時点で、死者7名行方不明者46名負傷者は32名に上ったと発表した。

馬総統は水利署に今回の浸水は天災なのかそれとも治水に不備があったのかと訊ねた。水利署の職員は、「今回の台風の雨量の状況は、仮に8年800億元の治水計画が完成していたとしても、200年に一度の洪水確率の雨量ゆえ、多くの地区がやはり浸水していただろう」と答えた。

7人死亡46人行方不明 馬総統、気象局水利署に検討を命ず (中央通訊社)


台風そのものは既に中国本土に上陸してしまっているものの、雨台風の怖いのは雨がやんだあとも水が引かなかったり再度水位が上がったりすること。なお辛い日々が続くと思いますが現地の人たちがなるたけ早く元の生活に戻れることとを願いつつ、亡くなった方々へのお悔やみと、行方不明になっている人たちが見つかるよう、わずかばかりの気持ちを込めて。

★ 追記(08/10 01:00)
後日談というか、今回のオチ(これがやってみたかっただけ)。
今回、アニメ「化物語」をきっかけに原作を買ったんですが、中の人の隣の人は既に読んだことがあったそうです。いったいいつの間に。
 隣:「泣ける箇所なんてそんなにあったっけ?」
 や:「ありありでしょー」
 隣:「それでいくと5人の話でベスト3は?」
 や:「んー。(1分)...『するがモンキー』『つばさキャット』『まよいマイマイ』の順かな」
 隣:「え゛。神原駿河なの?そんな趣味というか嗜好というかが好みだとは思っていなかったな...」
 や:「今すぐ死ね。氏ねじゃなくて、死ね」
 (だいたいあってる)
いつの間にやら8月に入ってしまいました。なんか先月は14回もブログを書いていたとかで、去年の10月以来の二桁更新です。回数的に、7月は「飲むかブログを書くか」だったっぽいです。ひどい生活です。
8月と言えば夏コミですが(ちがう)、前に「千のレスよりこの一票。」でもちょこっと書いたように、おいらは夏コミとは(冬もだけど)無縁です。いや、マジで。今回も関係ないと高をくくっていたらノッツさんが、

冗談で描いてた宅録4コマ「たくろく!」が
本になって夏コミで頒布されます

NIKKI (ノツレポ)


と。mjsk!でも失禁は勘弁してください。
pixivにアップされてる10話+描き下ろし30話とか、どんだけ本気出してんですか。生まれて初めて本気でコミケに行ってみたいと思いました。でも、そういう甘い考えの人は無事に生還できない場所なんだろうね(完全に伝聞と想像)。おお、こわいこわい。
CM動画までできてしまったようなのであえて宣伝貼りしてみるヒイ。500部という超積極的部数に、ますます期待高まるおいらでした。なんの期待だ、なんの。



さてさて、前回の更新の前後くらいからちまちま動画を作っているのですが、一向に完成する気配が感じられません。先週末はほぼかかりっきりで作業していたところ、腰が痛くなったのには泣きそうになりました。むしろおいらよりも先に悲鳴をあげたのがPCの方だったんですけどね。いい加減新しいの買いたいなあ。って、なんか去年からずっと言っている希ガス。
先月31日に総務省が発表した6月の全国消費者物価指数(CPI)によれば、テレビやパソコンなどの教養娯楽用耐久財の下落はかなり激しいようで、PCはデスクトップで前年同月比-43.8%、ノートで同-48.4%だって。すげええええ。買い時ですか?買い時ですか?
よし、来月の動向を見て考えよう。って、また買い時を逃すんだけどね。

このCPI、生鮮食品を除いた総合指数は5月に過去最大の前年同月比-1.1%を記録し、6月にそれを更新する同-1.7%という動きを見せました。これとちょっと似たような展開を迎えているのが台湾です。まずは5日に行政院主計処が発表した数字を伝える聯合報の記事から。

主計処は5日、7月の消費者物価指数(CPI)を発表した。CPIは前年同月比で-2.33%も下降し、過去39年で最大の下げ幅となった。これにより物価は6ヶ月連続のマイナスとなる。主計処の職員は「物価は前年比で大きく下がっているが、これは去年の数字が高すぎるからだ。しかし、国内のデフレ圧力が既に高まっている憂慮が現れている」と読んでいる。

7月の消費者物価は昨年同月比で-2.33%となったが、一般市民は物価の下落をはっきりとは感じていない。主計処は「前月比を見ると、7月の消費者物価は6月に比べて+0.19%と逆にわずかに上昇している」と指摘する。主計処職員は、「前月比は季節的な要因を受けて上下しやすいので、主計処が景気判断をする際には前年同月比の数字を使っている」と述べている。
主計処第3局科長の呉昭明は、「昨年7月は世界的に原油価格が上昇し、商品や原材料価格も一気に暴騰した。原油が1バレル147ドルまで上昇したこともあり、当時は世界的にインフレ懸念のピークにあった。そのため、比較対象となる時期の数字が高いため、今年の物価の『前年同月比』の下げ幅が非常に大きくなったのだ。ただし、今年に入ってからの経済の深刻な不景気に伴い、商店は次々と値下げを行って買う気を刺激しようとしていることも、物価指数を下げた要因になっている」と話す。

このほか、物価の長期的な流れを示す核心物価(野菜・果物・水産品・エネルギーなど価格の波を受けやすい分野の価格を除いたもの)も2ヶ月連続でマイナスになり、7月のマイナスは過去6年で最大のものになっている。職員は、「これは国内のデフレ圧力が高まっている懸念を示すもので、景気回復の道のりが緩慢としている現況を反映している」と分析している。

7月の物価は前年比-2.33%、過去39年で最も大きな下落 (聯合報)


ということで、日本もそうなのですが単純に去年と比べて下がっていると言っても、あの原油価格高騰と比べてとなると一概には言えないっぽいですね。ちなみに、生鮮食品等を除いた核心指数は、-0.93%だそうです。
とはいえ、日本も台湾も景気回復が遅れているのは確かなわけで、デフレスパイラルにはまる懸念は残っています。台湾の行政府である行政院が31日にまとめた来年度の中央政府予算案は、

行政院が編成した来年度の中央政府総予算案は、景気の悪化の影響を受け、現在見積もられている歳入と歳出の予算額でともに前年と比べてマイナスになっている。歳入予算は1兆5,513億元で今年より1,219億元の減、歳出は1兆7,404億元で963億元の減少となっている。

昨年、馬政権は今年度の予算を編成する際に、経済成長率を5.08%で行った。結果として「設定ミス」がかなり大きく、政府の経済情勢を予測する能力に対し外界から疑われてしまった。職員によれば、「世界経済の後退情勢は既に緩やかになっており、多くの国際的機関が来年の世界経済はプラス成長に転じると予測している」という。

もともと行政院は来年度の歳出予算で「ゼロ成長」を維持したいと考えていたが、税収入が1,494億元のマイナスに達することから歳入をマイナス7.3%にせざるを得ず、歳出ゼロ成長の防衛ラインは死守できず、最終的にマイナス3.8%成長となった。

来年度の政府総予算案、歳入・歳出ともにマイナスに (自由時報)


と、かなりいっぱいいっぱい感を漂わせて予算案の編成を行っています。余談ですが、予算の総額がマイナスになったっていうことは内訳の大半もマイナスになるのは当然のこと。ところが6日の自由時報は国防予算の減額に噛み付きます。

馬政権は誕生後、野党から傾中路線を非難されているが、中央政府の総予算案のうち国防予算の支出額は2年続けてマイナスとなり、毎年の削減額は100億元を超える。
劉兆玄行政院長は昨日、財政・主計など関係部会のトップとともに総統府に来年度総予算案の編成結果を報告しに赴いた。国防予算の減額について職員は伝聞として「馬総統は、全体国防予算がGDPの3%に達するのを確認すると、『過去数年の国防予算は割高だった。ここ2年の微減は両岸情勢の安定を象徴している。軍備競争を再び行う必要はない』と語った」という。

馬政府が去年編成した今年度の国防支出額は3,152億元で、立法院の審査により3,083億元となり、2008年度から104億元の減額となっていた。2010年度編成予算案では2,889億元と、今年度から190億元あまりも削減されている。

国防予算の支出額、2年続けてマイナス (自由時報)


単に前年度と比べて増えた減っただけで論じるのは簡単に考えすぎだけど、限りある予算の中でこれはちょっとどうかなあと思ったり。ましてやお隣中国は、21年連続で軍事費を2桁成長させているのですから。

もひとつおまけで予算案関係について書かれた中国時報の社論でも。
いや、嘘、ごめん。本当はもともとこれを書きたかったんだけど、気がついたら前フリが全く前フリじゃなくなってます。不思議!
この社論、あまりに 眠いので 長いので途中をいろいろ省略でっす。今回の政府予算案が、言ってみれば「緊縮型・財政再建型」になっていることに対し、どちらかと言えば反対の立場になっています。その「失敗例」としてやっぱり登場する橋龍。まあ、そういう記事っていうことです。

来年の中央政府総予算の編成にあたっては、政府は予算の均衡・赤字の減少に重点を置くべきか、それとも財政拡大政策を続けることにより経済を支えることを主とするか、各界で論争が続いている。ここでは景気の現状と見込み、過去の歴史の失敗に基づいても差し支えないので、ひとつの見方を提示してみたい。

(かなり中略)日本が経験したバブル景気の歴史は、生々しい教訓だ。90年代の日本はバブル景気を経た後、全日本の財産の半分を失った。経済は、政府が毎年10数兆円、20数兆円投じた予算の赤字にすべて依存し、財政政策の推進によって起き上がることとなった。したがって、日本はGDPが大幅に減少するような苦境には陥るほどのことはなかった。
しかし、1997年に景気がいくらか息を吹き返した際、橋本龍太郎内閣が財政構造改革を行い、結果として経済はすぐに再減速した。2001年の小泉政権はまたも同じ轍を踏んだ。小泉は強固な財政を吹聴し、新規国債の発行を年30兆円以内に抑えるとしたが、かえって経済の穴を埋めることができず、景気は再び急速に悪化してしまい、金融市場はまたしても下落した。

財政構造改革の成果はあったのだろうか?その答えは「逆効果」だ。橋本は財政赤字を15兆円減らすことを目標に掲げたが、しかし経済が大打撃を受けたことにより税収が大幅に減少し、最終的には逆に予算の赤字を16兆円も増加させてしまった。小泉の財政改革も最後には予算の赤字を35兆円まで膨張させてしまっている。
これよりはるか前の1930年代の大恐慌の際、アメリカは政府財政による刺激というニューディール政策で経済を復活させた。しかし、1937年から再び「財政均衡」に取り組んだことにより、時期尚早さと支出の削減により、経済は再び大きな傷を負ってしまった。工業生産は33%減となり、市場も50%の暴落を記録、財政赤字はかえって増加してしまった。

(かなり中略)では、子孫に借金を残すというのはいかがなものだろうか?実務的に言えば、現在の政府が行っている均衡財政や子孫に借金を残さないための財政支出削減は、結果として逆効果になるかもしれない。日本の例は身近な失敗例だ。
経済が回復して安定すれば税収は自然と増加し、財政状況にも改善の余地が生まれる。それから政府も経済に対する支援を徐々に減らすべきだ。その時こそが、財政構造改革にふさわしい時期と言えるだろう。

まずは一時の赤字を - 総予算と景気について (中国時報)


さてこの社論、「失敗例」の日本の人から言わせれば、経済再生を優先するというのは必ずしも間違っているとは言い切れない主張ではあります。というか、だいたいあってる。
ところが面白いのは、この社論に対してはかなり厳しいツッコミがコメント欄で入っているというところ。「国民党政権がこれ以上無駄遣いするっていうのか」というスタンスに対する反対から「反対の立場からの意見がないし、具体的にどの分野の支出が減っているのかを検証していない」という社論のあり方に対する指摘まで。これはこれで面白いなあって思うと同時に、難しい問題だよなあとも考えちゃう。よくよく考えたら経済の話っておいらはすごく不得手で、なんていうか、そろそろお茶を濁して終わりたいのですがいかがでしょうか。
始まり方もひどかったけど、終わり方もひどい記事でした。さーせん。

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