そして馬英九の時代は動き出す。のか?
ちょっとご無沙汰していたら、台湾では馬英九総統の中国国民党主席への就任が行われていました。選挙からずいぶん間が開いたね。おいらもうっかりしていたんですが、っていうかすっかり足が遠のいていたのがダメなんだけど、東亜+にスレ立ってなかったのね。うーん。
中国国民党は17日、「一致団結、台湾再生(同心協力、再造台灣)」をスローガンに第18回全国代表大会を開催した。馬英九総統は呉伯雄の手から党主席を引き継ぎ、馬英九の完全執政時代の到来を象徴させた。
馬英九はさらに江丙坤、林豊正、詹春柏、蒋孝厳、曽永権、黄敏恵の6人の党副主席をそのまま留任する任命を行った。正副の行政院長、呉敦義と朱立倫は党の職との兼任はされなかった。引継ぎの式典の前、大会では呉伯雄の在任中の記録映像が流れ、呉伯雄は目を赤らめながら、「馬英九主席の後をついて行き、生涯、党への奉仕にあたりたい」と述べた。
大会ではまた、「年末の選挙で勝利するための政治任務に関する件」として、年末の県市長選挙に国民党の候補者として出馬する18人に対し、馬英九から旗が授けられた。さらに、連戦、呉伯雄そして蕭萬長副総統、呉敦義行政院長、王金平立法院長とともに、団結ムードを作り上げていた。
馬英九は、「年末の3つの選挙は激戦であり、まだ公認を受けていない者は人物像をアピールしなければならない」と強調した。また、一部の者が党規に背いて出馬することについて「党規により断固とした処分をしなければならない。さもなくば党規は無意味なものとなり、党はバラバラの砂にようになってしまい、どうして団結できようか!」と述べた。
今回の大会では馬英九の就任がメインだったのですが、年末の三合一に向けた団結のアピール、そして呉敦義と朱立倫が副主席から外れたなどの動きがありました。今後国民党がどう変わるか、というか変わらないのかということについては次回で。今回は、呼んでもいないのにステージに上がってきた中国側とのやり取りだけで、どうやらおしまいになっちゃいそうです。
馬英九の党主席就任によって、これまで主席を務めていた呉伯雄は栄誉主席(いつも訳に困る。原文にならって栄誉主席にするか、日本で一般的な名誉主席にするか)に就任しました。既に栄誉主席の座にいる連戦・元主席と同じポストに就いたわけです。このことについて17日の聯合報は国民党内の人物の話として以下のよう伝えています。
党政府筋の者によると、馬英九総統はシンガポールで行われる今年のAPEC首脳会議でも、連戦を代表に委任して出席させるつもりであり、呉伯雄は国共両党の土台作りを推進することに責任を持たせ、二人の栄誉主席が両岸関係、外交関係の推進を補佐し、連・呉両名も密接に分担することになる。
指摘によれば、馬英九総統が党主席を兼任した後は、党政の枠組みは「党が政治を補佐する(以党輔政)」ものになるという。党の組織が政府を助ける重点は、両岸関係にあてられる。呉伯雄が栄誉主席に就任することにより、馬英九総統の代理という身分によって国共のプラットホームの推進を続ける。既に馬・呉の二人は何回も意見交換を行っている。国民党の者によると、年末に予定されている第4回の江丙坤・陳雲林会談ではECFAは議題に入っておらず、最速でも来年の第5回協議でようやく署名にこぎつけることができるという。国共論壇は、この第4回・第5回の海基会・海協会会談の間、すなわち来年3月か4月に開催される見通しで、タイムスケジュールはよりいっそう特別な意味を持ち、「これは馬・呉の二人の暗黙の了解だ」という。
ちょっと推測に頼っている部分も見受けられるのですが、「総統が党主席を兼任し、一方で前・元主席が栄誉主席として両岸交渉にあたる」というのは、その手法はともかく、人物や肩書きという点では「ああなるほど、そういう手もあるか」とも思えなくもないなあ。
これに対して大陸側は連戦・呉伯雄に対しても祝電を送ったとか。旺報の記事を転載する形で伝えた18日の中国時報から。
馬英九は17日の国民党第18回全党代表大会で党主席に就任した。北京はすぐに「中国共産党中央委員」名義で祝電を発した。その後、北京の祝電とは別に、連戦と呉伯雄の両栄誉主席にも祝電が送られた。しかし、中共はこの2通の祝電では胡錦濤総書記の名義で出している。
なぜこのような「異なった待遇」があるのか?ある者によれば、連戦と呉伯雄はかつて胡錦濤と面会したことがあり、そのため胡錦濤が自ら「古くからの友人」に向けて祝ったのであって、まだ会ったことのない馬英九主席に対しては中共中央委員会の名義で出したのだという。実際、7月に馬英九が国民党主席に選ばれた際には、中共中央委員会総書記胡錦濤として祝電が送られている。(中略)胡錦濤は祝電の中で、連戦が国民党栄誉主席に留任したことについて真摯に祝意を述べ、連戦が2005年に国民党代表団を率いて大陸を訪問したいわゆる「破冰之旅」の苦労について強調している。署名は「中国共産党中央委員会 総書記 胡錦濤」であった。
これに対し連戦は「両岸は、九二共識の土台の上で制度的な協商を回復させて以来、海峡の平和的安定を促進し続け、両岸の人々の福祉を増進してきた。今後もさらなる努力を重ねるべきであり、五項目の平和ビジョンを強化しなければならない」と返信している。
さらに、胡錦濤と呉伯雄の往復電文では両人とも「両岸の平和発展への共同ビジョン」について触れている。これは2005年4月から5月にかけて初めて連戦・胡錦濤が合意したものだ。違いがあり?胡錦濤、連戦と呉伯雄にのみ祝電を送る (中国時報)
と、もともと両岸関係は馬英九政権や行政院が、というよりも彼らが前面に出てきていたようなところはあったけど、馬英九の党主席就任で手綱が移ることはなさそう。言いようによっては、重鎮を使った重量級の外交ってことになるけれども、結局は九二共識を国民党流に解釈した従来の流れのまま進むのと変わらない。
総統と党主席の兼任により、見た目では完全執政状態になった馬英九。早くも馬英九・胡錦濤会談なんて話も出ているけれど、当面の間、これまで同様に両岸関係で直接名前が出てくることはほとんどないでしょう。そのための両輪の栄誉主席であるし、その方が両党両政府首脳にとって都合がいいはずなんだもの。
それにしてもこの北京の中国共産党中央委員会が送ってきた祝電、お祝いどころかどう見てもケンカを売りに来ているようにしか見えないんですけど。
17日、中国共産党が送ってきた祝電の内容は以下のとおり。
「台北の中国国民党中央委員会および馬英九主席:
ここ数年、我らが両党の共同の努力により、両岸関係の平和的発展に関する重要なコンセンサスを双方でまとめることが積極的に推進され、両岸関係の歴史に新たなページが加わった。我らが両党が、『両岸の平和発展への共同ビジョン』を共に形にすることを継続することを心から願っており、九二共識を堅持し、台湾独立に反対するという既存の政治的基盤の上で、互いに信頼を深め、交流を促進し、相互信頼を拡大し、両岸同胞の福祉を増進し続け、ともに中華民族のよりよい未来をつくろうではないか」これに対し中国国民党中央委員会も直ちに返信を行った。
「北京の中国共産党中央委員会および胡錦濤主席:
お祝いの手紙をいただき、謹んでお礼申し上げます。我らが両党は、実務のフレームに基づき、また将来の共同体関係を創始し、両岸関係の平和的発展のコンセンサスを推進を確立してきました。両岸人民の幸福をはかるため、また炎帝と黄帝の子孫が平和を作るため、相互信頼を増強と互いの利益を築く努力を続けることを期待する」馬英九が主席を引き継ぐ 胡錦濤は祝電を送る (中国時報)
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: そして馬英九の時代は動き出す。のか?
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.yauchi.net/mt/mt-tb.cgi/205


あのスレ他でも雑談してそうなの以外はみんな一方的だと思うよ
栄誉職と名誉職、向こうの言葉では日本と使い分け方が違うの?
> 名無しさん。
肩書きですが、むむむ。言われてみれば確かに向こうの言葉でそういう使い分けみたいなのがあるのか、ちょっと不勉強でした。一つ言えるのは、今回おいらが迷った職は、意味としてはいわゆる「栄誉職」です。
で、中国語だと「栄誉主席」っていう呼び名なんですが、これに相当する日本語は一般的には「名誉主席」ですよね。例えば英語のpresidentにあたる馬英九の「総統」も日本語では「大統領」と訳さずに「総統」のまま呼ぶように、けっこう現地の言葉をそのまま使う例は多いんですが、この「栄誉主席」っていうのは日本であまり馴染みがない(と思っている)ので、ちょっと困ってしまったのでした。混乱させてごめんなさい。