いや、さすがに「仕分け人」が「紅衛兵」と呼ばれるのはどうだろう。

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久々に国内政治の話から。例の「事業仕分け」についてです。その手法や運び方に関する是非は、今さらおいらが何を書くまでもなくがいしゅつ(なぜか変換できない)なので別に詳しく触れるつもりはありません。面白いことだとは思うんですけどね。
これまでほぼ財務省内だけで行われてきた予算要求の作業が表に出てきたということだけでも大きなことだと思いますし。ただ各省庁側も財務省側も双方手探り状態で、予算要求の体をなしていない凄惨なセレモニーになっちゃったのは残念なところ。おかしいなあ。事業仕分けってこれまでも一部の省庁でやってきたはずなのにね。
そして、じゃあこれが財務省原案の作成のために再び省内に舞台が戻ってどうなるのか、復活折衝が数日で済むんだろうかとけっこうwktkしています。例年のスケジュールであれば財務省原案作成まで1ヶ月を切っている中で、今週もまた会議は踊るし、政権は今さら各省庁に概算要求の見直しを求めたりとおおわらわ。最初は「これって財務省の中の人が楽できるだけなんじゃないの」なんて思ったけど、そうもいかないような感じ。
ただ、3兆円3兆円と、さも概算要求からの削りこみが難しいように伝えられていますけれど、過去数年を見てみても、H16~H18年度予算の編成時には3.3兆円から5.6兆円を財務省原案時までに圧縮してます。仕分け人よりも主計局の方が優秀なんじゃないか、なんて言うつもりはないんですが、省内でなんとかしてくれるでしょう。むしろその前段階で、またしても数字合わせと「俺らGJ」という自己満足の成果品にならなきゃいいなあと生暖かく応援してみたり。

いつもどおり走り始める前から脱線しました。さーせん。
というわけでこの「事業仕分け」の作業なんですが、先週13日に仙谷由人行政刷新担当相がこんな発言をしてしまい物議に。って、物議にあんまりなってないじゃないですか。なにそれこわい。
 【政治】「政治の文化大革命が始まった」 民主・仙谷行刷相、事業仕分けの意義強調 都内シンポで
 http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1258044782/

えーと、政治以外に文化大革命ってありましたっけ。なんか「頭痛が痛い」くらいに間抜けなフレーズなんですが、本人としては「政治文化の大革命」とでも言いたかったっていうことかなあ。いや別にフォローするつもりはないです。むしろ、公然とこんなことを言ってまかり通ってしまう状況というのは、「なにそれこわい」以上の怖さがあるからです。国費支出の粛正ができなかったら粛清するつもりなのでしょうか。
まあそんなことはさておき(いいのかよ)、ざっと見たところこの発言は故意か不作為か(ほぼ一緒やん)大陸のメディアには伝えられていないようです。あ、百度とかは知らないっす。まあ、億単位の予算を要求して獲得するっていうのにはそれぐらいの殺伐さがあってもいいかもね、ぶっちゃけ省庁によってはちゃっかりほぼ無傷な部局とかもあったりするし完全に吊るし上げとまではいかないしね、などとすっかり忘れていた頃に22日の聯合報から。

「あなたのところでは、結局何人の天下り官僚がいるのですか?」
テレビの画面の前では、数人の一年生国会議員の若者たちが、答弁に来た機関のトップたちを厳しく非難し、その1オクターブ高い声は、人の心を不安に陥れている。

これは日本の鳩山新政権下でのとある一場面だ。
最近になって新設された「行政刷新会議」は、前政権の残した各種の特殊法人組織の清算や国費の浪費がないかどうか調べて明らかにすることに対し責任を持っている。これらの組織の担当者は彼らに呼ばれて質問を受け、その場で経費削減や経費の凍結が決定され、あるいはきっぱりと組織が廃止されることもある。

この動きのもともとの目的はよいもので、国民の支持も大きかった。しかし実施されると、人々は中共の「文化大革命」時期に知識人たちが臭老九(*1)とされた往時を連想するようになり、批判闘争にかけられたこれらの者たちを思わず心配してしまうようになった。

仕分け人の役割を担う「紅衛兵」は全て政権党の民主党の議員で、1年生や2年生の新人たちだ(*2)。その無遠慮な話しぶりのせいで反感を買っている。ある週刊誌では、もともとクリーンなイメージのあった蓮舫(台湾系)議員も、今回の清算会議を経てそのイメージに大きなダメージを負ったという。

日本人初の宇宙飛行士である毛利衛は宇宙開発事業の第一線から退いた後、日本科学未来館の館長に就任していた。その経験は尊敬され重視されていたが、間に特殊法人組織が挟まり国費の大きな浪費をしているとして批判された。
毛利衛の弁解も甲斐なく、苦笑いで「よもや、皆さんは未来館が科学知識の増進に役立っていることを否定するつもりはありませんよね?」と語った。

文部科学省が毎年莫大な予算を投じていたスーパーコンピュータの開発は、日本の得意分野であり、世界の頂点の地位を維持することは容易いものではなかったが、これも「凍結」という判決が下されてしまった。
これには計画には参加している東京大学や筑波大学の教授たちが連名で抗議し、「開発の凍結は、世界における日本の科学技術分野の競争力を失わせるものだ」と指摘した。

日本の宇宙開発計画の中には水星の探査も含まれていた。議員たち(*3)が「水星の探査が日本にどんな利益をもたらすか?」と質問すると、担当者(*3)は息を荒げて「日本に対する利益は無いが、人類共通の利益になる」と答えた。しかし、結果は経費の凍結だった。

このほか、日本の宇宙事業の発展に非常に重要なGXロケットの開発計画も、年度予算では58億円を要求していたが無駄遣いという批判を浴びた。この予算も削除されることが決まり、技術者たちは呆気に取られ物も言えなかった。

日本の「紅衛兵」が予算を押さえる 官僚たちを清算 (聯合報)

★ 訳註。
(*1) 直訳すると「9番目の鼻つまみ者」の意味。文化大革命時の知識人に対する蔑称。地主、富農、反革命分子、悪人、右派分子、裏切り者、スパイ、資本主義転向者のさらに下に位置付けられたため。
(*2) 原文まま。ただし実際にはこうした若手議員は入っていない。
(*3) 原文まま。ただし18日の読売「「仕分け」前半終了、無駄遣い大胆カット」によれば、「財務省の主計官が(略)述べると、仕分け人で科学者の松井孝典・東大名誉教授は(略)と反論した」とある。


宇宙開発やスパコンの話を持ってくるあたり、聯合報の中の人の感度は大したものだなあと。というより、「えっ、それを削るんですか」という感性のポイントは日本も台湾も一緒なのかな。ここで科学未来館の上に位置する特殊法人についてもっと切り込んでいたら脱帽だったんですが、それは些か高望みですか。

この記事、先の仙谷発言を知ってか知らずでか、いわゆる「仕分け人」を「紅衛兵」に見立て各省庁や関係機関の担当者を「反革命分子」に位置付けていますが、これは面白い視点。というのも、仙谷発言は言ってみれば「うわ、こいつ正気か」「やっぱこいつ馬鹿」あたりで終わる話。いや、オチてないですけど。ところが仕分け作業の主役たる仕分け人が「紅衛兵」と例えられてしまうのは、それすなわち仕分け作業そのものが「お前らのやってること(文化大革命)は間違っていますから」と言われているのと一緒。マイナスのイメージしかありません。
若干救うべき点があるとすれば、どうもこの記者さんは仕分け作業をやっている仕分け人たち(大半が民間の委員)を「民主党の若手議員たち」と思っているようです。確かにそうだとすれば、小沢チルドレンたちから紅衛兵を連想するのも仕方ないのかなあ。
ただそれならそれでなおさら救えないのは、まがりなりにも選抜されて国家予算の仕分けを行っている人たちが学生たちの集まりにすぎない(と言うには影響力がありすぎたけど)紅衛兵の行状に見えてしまったということ。もっと言ってしまえば、鳩山政権のご執心で立ち上げた刷新会議の作業が、せめて文革小組くらいならまだしも紅衛兵の糾弾のように見えてしまったということ。聯合報というのを差っぴいても、アチャー(AA省略)としか言いようがありません。

さてこの「政治の文化大革命」、単発のイベントじゃ意味無いわけで、仕分け作業の結果も過程も(それこそ数年かけて)磨いていかないといけないわけだけど、果たして成功裡に終わるんでしょうか。仙谷発言が最大の失敗フラグな気がして仕方ないんですけどね。

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雨彦 :

まりちゃん^ω^/

「仕分け」は結局は裏で財務省の官僚が糸を引いているみたいだね。

あれだけ官僚を排して政治主導で行くと言っていたくせに、結局は官僚の力を借りなきゃ何も出来ないんだね民主党って(笑)

こんなのが文化大革命だなんて笑っちゃうよね、ホントにこの仙谷とか言うセンセの無知ぶりには呆れるよ…(-_-;

これから景気がもっと悪くなるだろうけど、お互いに頑張って年を越えて行こうね、お休み…(^_^)

◆YAUCHInowA Author Profile Page:

> 雨彦さん。
「政治主導」とは言ってもあくまで「主導」なので、100%自分たちの手だけではどうにもならないのは仕方ないですね。逆もまたそうで、政治的な指針がなけりゃ官僚たちも動きようがないのですしね。
「文化大革命」は自虐ネタとしても、年末にかけてどのくらい揺れ戻しがあるのかなあっていうのが気になるところです。

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