14年ぶりの円高で、余波を食らう台湾。
いや、そんなことはどうでもいいですね。先週の動きで円の独歩高がクローズアップされましたが、台湾から見ても今回の円高は気が気ではないようです。
もともと過去5年くらい(2003年~2008年夏)を見ても、1TWD=3.2円~3.8円くらいで推移していたのですが、昨年の後半にストンと円高が進み、2008年8月にはおよそ1TWD=3.5円だったものが、12月には一時1TWD=2.6円台まで進行していました。年明け以降相場は元に戻り始め、春から夏前にかけては1TWD=3.0円台を小突くほどには戻っていたものの、夏以降だんだんと円高傾向が進み、先週後半にはほぼ9ヶ月ぶりに1TWD=2.6円台に再突入しています。
ともかくこの急激な円高に対する台湾での記事について。日曜日の自由時報からはしょり気味に。
この半年で、日本円の台湾ドルに対する相場は11.64%も上昇した。台湾の日本系製品には値上げの圧迫が現れたほか、日本への旅行費、自動車、家電、化粧品などの価格が今にも動き出そうとしている。旅行業者によると、今後三ヶ月間の日本旅行の費用は現在よりも10%上昇させるつもりであり、昨年の同時期に比べて25%ほど高くなるという。
日本の商品を代理購入する業者ももはややりきれなくなっている。代理購入のネットでは既に値段に反映されており、代理購入でのレートは10月から現在までに少なくとも5回値上げが行われた。
円高は台湾にとって「よくもあり」、「悪くもあり」だ。日本の商品が値上げに直面しているのは、台湾の消費者にとって惜しいことだ。しかし日系企業はコストを考える中で、台湾に対するアウトソーシングを増やしており、日本企業がさらなる「コスト削減」の圧力を受けることにより、今後数年間はアウトソーシングの進行がますます早くなるとみられている。円高は、輸出志向の日本経済に対し間違いなく衝撃を与えており、今後、企業の利潤減少、労働者の賃金カット、家庭の支出先延ばしなどを招き、さらに債務の負担を増加させるなどのマイナスの結果をもたらすだろう。
円が急騰 円相場蠢動す (自由時報)
日本円のレートが大きく高騰し、12月から来年2月にかけての日本へのツアー価格は、現在よりも1割ほど高くなりそうだ。昨年の春節の時期に比べると日本へのツアー価格は25%ほど高くなっており、春節や冬休みの日本への旅行シーズンに大きな打撃を与えるだろう。旅行業者では、旅行客が30%以上減少するのではないかと懸念している。
世邦旅遊の陳静華は、最近の円高の進行こそ業者で差額を吸収できるものであったが、先週金曜の兆候は尋常ではなく、今週から販売価格へ直ちに反映せざるを得ないと語る。原則として、12月下旬から来年1,2月までの日本へのツアーの価格は、現在よりも1割あまり高くなり、東京5日間の行程で25,000元だったものに2,000元が加わるという。年末年始時期の値上げは旅行客を驚かせる心配があるけれども、値上げしないわけにはいかないという。
陳静華は、「先日の台北旅行展でも日本のコースの販売はよかった。安いツアーを狙う旅行客らはもう買ってしまっている。もともと業者は利益分として1割ほど見込んでいるので、現在の状況はそれらが全部食われてしまっているので、ツアーが増えればその分損も増えている」と話す。
今年閉店する日本向け専門の旅行会社、天喜旅行社は、かつて「日本円のレートが財務に影響を与えた原因の一つ」と語っていた。この円高の波が旅行会社の閉鎖や倒産を生むかどうかについて、呉志崧は「それほどのことはないだろう」と考えている。なぜなら、ほぼ全ての旅行会社はその他のコースを兼ねており、天喜旅行社のようにあまりに単一の市場で営業していないからだ。しかし、会社の営業収入は確実に減少することになるだろう。円が急騰し、対ドルレートは14年ぶりの水準まで高くなった。輸入コストの圧力は大いに増したけれども、市場の購買意欲が依然として低迷している状況下では、日本からの化粧品、家電、自動車などはみな身動きができない状態であり、軽々しく値上げすることができずにいる。業者は、もし本当に為替変動分を反映させるのならば、季節の変わり目、新製品が市場に出てきた際に調製すると話している。
最近の断続的な円高で、美を愛する女性たちは「化粧品がまた値上げされるのか?」と心配せずにはいられない。現在、多くのデパートでは周年記念セールの期間にあり、このため化粧品業者は価格の値上げに対して全面的に成り行きを見続けたいと考えている。また、未だ価格調整の計画はないが、事実上、化粧品業者は今年の始めにすでに値上げを行っており、しかもその時の上げ幅が10~20%にも及んでいたことから、年内に再度の値上げを行うことは恐らく通らないのだろう。
今年頭に台湾元安になったため、化粧品は欧米系も日本系も問わず、2月から3月にかけて相次いで値上げを行った。価格を上げたブランドは、資生堂、シュウウエムラ、アナスイ、ビオテルム、ソニア・リキエル、アルビオン、ポール&ジョー、エテュセなどがある。欧米系のブランドでも、エリザベスアーデン、バーツビーズも流れに掉さし値上げを行い、金融危機によりさらに上積みされたことで、消費者らは大いに不満を叫んだ。また、これにより、今年の母の日には化粧品の購買意欲が大きくしぼむ結果となった。
家電においては、台湾松下が現在のところ値上げの予定はないとしているが、新製品が市場に出た後に、適度に反応させるだろうとしている。3C通路でも、家電製造業者と価格安定を維持する契約があることから、契約期間の1年の間は、原料側が一方的に値上げしても、販売価格には反映できないと答えている。
自動車分野では、日本系が値上げを計画しているものの、現在のところほとんど何もしていないような段階であり、来年の車市場の景気動向を見るとして、軽々しく値上げとは言えずにいる状況だ。最大の市場占有率を誇る和泰汽車は、先日新年式の「レクサス」全車種を約1~2%価格アップしている。さらに来年生産されるトヨタ国産車の価格を約2~5%上げたいとしている。裕隆日産も新年式の「インフィニティ」を平均で約5%上げる計画をしている。しかし、自動車メーカー側は、年末に期限を迎える三万元の貨物税減税が延長されなければ、来年の第1四半期の国内自動車市場は間違いなく悲惨なものとなり、市場の購買意欲が低迷している中、誰があえて値上げをするのかと打ち明けている。日本留学情報雑誌の林鳳姿顧問は、円高によって日本に留学したいと考えている台湾の学生たちが途中で投げ出してしまうのではないかと危惧している。林顧問は、「日本留学の多くは半年以上前から申請しており、現在既に就学ビザの申請をしている学生の中には、取りやめてしまおうと考える者もいるのではないか」と心配している。
日本円の暴風 ツアー代は値上げ、商品の価格は様子見 (自由時報)
日本人の一般的な「円高の捉えかた」というのは、「輸出産業は、相手国から見て割高となるので減少する」「輸入産業は、日本から見て割安となるのでコストが下がる」「海外旅行先の通貨が日本から見て割安となるので海外旅行が伸びる」っていう感じかなあ。この発想をひっくり返せば、台湾から見たときには「日本円が割高になるので日本からの輸入を控える」っていう話になりそうなのだけど、単純にそうなるわけじゃないっていうのが個人的にはびっくりしました。
日本製品が高くなるけど仕入れを控えることはしづらい、かと言って消費が冷え込んでいる中で円高分を価格に上乗せすることもできない、となれば我慢しなきゃいけなくなるのは台湾側の企業、という「ちょwwwおまwwww」な展開になるんですね。うーん。あまりに不勉強なので、円高は日本の輸出産業が打撃を受けるという印象しか無かったけど、そういうこともあるのかあ。
また海外旅行という点で見ると、日本から台湾に行きやすくなるっていうことは、逆に日本への旅行は割高になるっていうこと。そういう観点での報道があるっていうのは、自由時報らしいといえば自由時報らしいのだけど、台湾独特だなあと思うのでした。年末年始
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