たかが映画じゃないか?

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さすがにおいらはヒッチコック監督ではないので疑問形で。
28日、台湾では第46回金馬奨の授賞式が行われ、最優秀作品賞には戴立忍(レオン・ダイ)監督の『不能沒有你』が選ばれました。邦題は決まっていないようですが、『あなたなしには生きられない』みたいな感じになるのかな。同作品は、戴立忍監督が最優秀監督賞を受賞したほか、最優秀原作脚本賞、年度台湾傑出映画作品の4冠に輝いています。また、最優秀主演男優賞は史上始めて2人が同時受賞というのも目を引いたのが今回の金馬奨でした。
ひとまずまとめ記事をCNAから。

第46回金馬奨の受賞者が今夜発表された。今回、初めて二人の映画王が誕生し、香港の俳優・張家輝(ニック・チョン)と、大陸の俳優・黄渤(ホァン・ボウ)が同時受賞した。大陸の女優・李冰冰(リー・ビンビン)が映画女王に輝いた。戴立忍監督の『不能沒有你』は4部門で受賞し、最多受賞となった。
最優秀主演男優賞には『証人』の張家輝と『鬥牛』の黄渤がダブル受賞し、金馬奨の新しい記録を作った。最優秀主演女優賞には『風聲』のヒロインの一人、李冰冰が選ばれ、授賞式の際には感激のあまり涙をこぼした。

8部門でノミネートされた『不能沒有你』は、作品賞、監督賞、原作脚本賞の最優秀賞と、年度台湾傑出映画の4部門で選出され、今年の金馬奨で最も多くの栄冠に輝いた。
一方、『如夢』は最多の9部門でノミネートされたため失望もまた大きく、同じく6部門でノミネートされていた『陽陽』も無冠に終わった。

第46回金馬奨は24部門で授賞式が行われた。113もの映画作品がエントリーされ、3段階で審査が行われ、最終的に15人の審査員が今日の授賞式の前に議論し、今回の受賞作品らが選ばれた。
金馬奨の主席である侯孝賢(ホウ・シャオシェン)は、「今年の金馬奨は、エントリー資格を緩和し、広義の華語作品のほか、華人監督によるもの、華人が主要スタッフの1/2以上のものも金馬奨の華語作品の定義に合致するものとした」と述べた。また最優秀作品賞にノミネートされた5作品を例に「『純台湾産作品』である『不能沒有你』を除けば、他はすべて国を跨いだ合作作品であり、華語映画が多元的な時代に入ったことを表している」と語った。

『不能沒有你』が4部門を奪い、金馬奨の最多受賞作品に (中央通訊社)


一方で、今回の金馬奨は台湾映画の受賞が目立った年でもありました。以下めんどいので聯合報から抜粋。

今回の金馬奨では、製作予算がわずか600万元という台湾映画『不能沒有你』が、少ない元手で大きな功績を打ち立てた。8部門でノミネートされ4部門を受賞し、さらに「最優秀作品賞」を台湾に留めた。また、今年受賞対象となった24部門のうち、台湾映画が11部門で最優秀賞を手にし、受賞数は珍しく香港と大陸を上回った。

台湾映画『不能沒有你』 (聯合報)


ところがというかなんというか、やはり気がすまないのか自由時報、30日のコラム「自由談」はこんな感じ。

金馬奨で中国や香港の映画作品が得る賞がだんだんと多くなり、台湾映画はやがて二流の地位に退くことになるだろう。中国の台湾に対する侵攻は、既に商品や資金といった有形的なものではなく、文化思想上の統一戦線に力を入れている。その中でも、中国映画の果たす役割はますます重要になり、これからの金馬賞がすっかり陥落してしまうかどうかは、まったく楽観することができない。
台湾と中国における映画の先天的な条件には雲泥の差がある。最初から平等な基礎の上での競争ではないのだ。中国市場は大きく、撮った映画の費用を回収することも容易い。一つくらい客入りのある映画を当てれば、秘密の宝を見つけ出したようなもので、一夜にして財をなすことができる。
中国の映画会社、「華誼兄弟」がその最も良い例だ。華誼兄弟は創立からわずか四年で、いくつかのヒット作を生み、最近では深圳の新興企業向け市場「創業板」に上場した。創業者とその配下は映画スターに出資し、みなすぐに1億元以上の、中には数十億元以上の代金を得た者もいた。一方、台湾では一生を映画に深く投じる成功した映画人もいるが、やはり大変であり、両者はまったく比べようがない。
中国映画は勢い激しく、もし純粋な娯楽映画であれば、台湾が損をしたのは金銭的なものにすぎない。しかし、中国映画はそのほぼ全てが特定の任務を負っている。娯楽のための娯楽ではなく、政治のための娯楽なのだ。先日の『英雄(邦題:HERO)』にしても、統一の理念の宣伝のためならば、秦の始皇帝という独裁者を美化することも厭わない。最近のいくつかの国共内戦映画、日中戦争映画も、すべて中共の正統な地位を証明するためのものだ。
これら統一戦線の意味を色濃く帯びた歴史映画に対しては、台湾にファイアウォールは無いらしく、全て疑いなく受け入れてしまい、台湾の人々に対し洗脳の作用を発生させるかもしれない。中国に対して「国仇家恨」の感情を持つ蒋孝厳でさえも、中国の「建国大事業」に賞賛するくらいだから、言うまでもなく一般市民はどうしてその影響を受けないと言えようか。
金馬奨の舞台は中国映画の天下となってしまった。馬政権に対して言うことは、本当に価値のない大袈裟な騒ぎだ。彼らが金馬さえもいらなくなってしまっても、金馬奨を気にかけるだろうか?

誰が金馬奨を気にかけるのか? (自由時報)


そりゃあ中国と台湾との映画の環境の違いはわかるし、映画がプロパガンダに用いられた例は枚挙に暇がありません。ただ、ここまで露骨に警戒し非難するの見ると、「たかが映画じゃないか」と思ってしまうのは、やっぱりおいらが甘いのかなあ。

★ 補記予定。

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このページは、◆YAUCHInowAが2009年11月30日 23:21に書いたブログ記事です。

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