運命は絶望、それとも希望。

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タイトルからして、20日深夜に放送が終了した(TVK基準)アニメ『とある科学の超電磁砲』についてアツく語るエントリだと勘違いした読者の皆さまこんばんは。と言っても、タイトルからそこまで連想した人は片手に余裕で満たないものと信じていますが。
件の最終回、文字通り「いい最終回だった」なのですが、mukkeさんが指摘するとおり、

この,みんなと強固な絆を築いている美琴の姿が,妹達編で一方通行に孤独で悲痛な戦いを挑もうとした美琴の姿と,どうしても重ならない。

アニメ『とある科学の超電磁砲』の射程――妹達編に続く未来? (Danas je lep dan.)


という点で、禁書目録や超電磁砲の原作と乖離しちゃうんですよね。原作以上の絶望を彼女に放つという荒業で軌道修正できるのかもしれないけれど、それを彼女が誰にも言わず独りで抱えてしまうと、今度は上記でも書かれている黒子の台詞が異様に浮く。さらに言えば、上条さんを選択するという行為すら浮く。さあどうすんだかまちー、J.C.STAFF。
でも、同一作品における伏線は全力をもって自力で回収しろ、というのがおいらの考えなので、平行世界という解決策はやめてほしいなあ。キャラ量産してる場合じゃねえよ、たのむぜかまちー。
えーと、こんなところでよかったでしょうか。

なお、前述のブログでは、

その台詞の変遷については,取り敢えずdenta_221さんややうちさんの考察を見ればいいと思う。やうちさんはそろそろブログ名を「アニメだよ!」とかに変えた方がいいのではなかろうか。

アニメ『とある科学の超電磁砲』の射程――妹達編に続く未来? (Danas je lep dan.)


という改名勧告まで受けてしまっています。確かに、今年度下半期エントリ別アクセスランキングはこのままだと『超電磁砲』と『けいおん!』のワンツーフィニッシュになりそうだしね。おかしいなあ。どうして、ここまでひどいブログになっちゃったのかな。
とか言ってほしかったか?はーまづらぁー。

っていうことで、「アニメだよ!」仕様に。おいらの横幅1024pxのノートだと意味ないほどに見えていませんが、背景画像は4月6日からTOKYO-MXなどで放送が始まる『迷い猫オーバーラン!』から。期間限定なので、スクリーンショット撮るなり笑うなりすればいいと思うよ。

さて、本題本題。
忘れた頃に前回の「希望も絶望も逃げ道だと言うのなら。」の続き。正直なところ、若干、何を書くつもりだったのか忘れています。
そうだそうだ、在外被爆者の訴訟と援護制度の話でしたね。被爆者援護に関する訴訟というのは、保障の対象となる認定に関する訴訟と、在外被爆者への支給に関する訴訟がありますが、あくまで後者についてだけ書きます。前回のエントリで触れたのが外国人被爆者のニュースだったので、外国人の被爆者の話だと勘違いされるかもしれないんですが、お話の対象はあくまで在外被爆者です。「外国に在する」被爆者なので、それこそ日本人も含んでの問題なんです。
こうやって書くと、「おいおい、なんで日本政府が外国人の被爆者まで保障するんだよ」と言われそうですが、そもそも制度がそういう特殊な位置付けになっているんです。例えば、軍人が死傷した場合の国家補償を定めた「戦傷病者戦没者遺族等援護法」には国籍条項が明文化されてますけど、被爆者への保障について定めた各法律(原爆二法:昭和32年の「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律」と後述の原爆特別措置法の2つ)には明文化がなされていなかったんです。そもそも論として、「国籍条項を設けるべきだった云々」という話もあるのですが、それはまた別の議論なので今回は触れずに進めます。
それじゃあ、一般国民が受けたいわゆる戦争被害については「多かれ少なかれ、国民等しく堪え忍ばなければならないやむを得ない犠牲」とされていることとの整合性ですが、そちらは財産権の補償を求めているのに対して、被爆者については国による支援、つまり社会保障として位置付けで行われています。同じ「ほしょう」でも大きく違うわけです。これについては、昭和43年に「原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律」が制定される際の国会でも園田厚生大臣が

○ 園田直:昭和二十年八月、広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆者につきましては、昭和三十二年に制定された原子爆弾被爆者の医療等に関する法律により、医療の給付、健康診断等を行ない、その健康の保持及び向上をはかってまいったのでありますが、原子爆弾の傷害作用の影響を受けた者の中には、身体的、精神的、経済的あるいは社会的に生活能力が劣っている者や、現に疾病に罹患しているため、他の一般国民には見られない特別の支出を余儀なくされている者等、特別の状態に置かれている者が数多く見られるところであります。したがって、これら特別の状態に置かれている被爆者に対する施策としては、医療の給付等の健康面に着目した対策のみでは十分ではなく、これらの被爆者に対してその特別の需要を満たし、生活の安定をはかることが必要であると存じます。

昭和43年4月2日 第58回国会衆議院本会議(強調は引用者)


と、説明しているとおり、他の国民とは異なった「特別の状態」を保障するという点において特殊な制度なんです。

さて、となると、被爆者として認められれば原爆三法(前述の原爆二法と、それらを統合する形で作られた平成6年の「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」)に基づいた保障を受けることはできそうなものなのですが、明文化されていなくても運用という障壁がありました。以下、平成19年の最高裁判決、いわゆる涌井判決(と勝手に呼んでる)を大量に引用しますのでご注意。

日本国内の被爆者に対しては同法(引用者註:昭和32年の原爆医療法)に基づく援護措置が講じられる一方で、在外被爆者に対してはほとんど援護措置が講じられなかったが、これは、上告人(引用者註:厚生労働省、当時は厚生省)の担当者が、原爆医療法は、日本国内の地域社会の構成員の福祉の向上を図ることを目的とする社会保障法であるから、被爆者が日本国内に居住関係を有することが適用の前提条件となっており、例えば、一時的に日本を訪れたにすぎない在外被爆者については適用されないとの解釈に基づき、同法を運用していたことによるものであった。

平成19年11月1日最高裁第一小法廷判決(強調は引用者)


これに一石を投じたのは、ある韓国在住の被爆者でした。昭和45年、この被爆者は原爆症治療のために日本に不法入国したところ逮捕されてしまったのですが、病院から被爆者健康手帳の交付を申請したところ居住関係がないため却下されてしまい、この処分取消しを求める訴訟を提起します。これに対し当時の福岡地裁は昭和49年3月30日、

原爆医療法は一般の社会保障法とは類を異にする特異の立法であり、被爆者個々人の救済を第一義とする同法の立法目的と、居住関係の存在を同法の適用要件としたものと解し得る規定がないことから、被爆者でさえあれば、たとえその者が外国人であっても、その者が日本国内に現在することによって同法の適用を受け得るものと解するのが相当であり、不法入国した者についても、その者が被爆者である限り、同法が適用されることとなる

平成19年11月1日最高裁第一小法廷判決(強調は引用者)


として、処分取消しの判決を下します(後に昭和53年に最高裁で確定)。ここで重要なのは、「外国人であっても日本国内に現在するのであれば」法の適用となるという点でした。この4ヶ月後、厚生省は治療目的で適法に入国し、1ヶ月以上滞在しているものには被爆者健康手帳を交付しても差し支えないという解釈に転じます。
一方、それと前後して厚生省は一つの通達を発しています。昭和49年7月22日付衛発第402号厚生省公衆衛生局長通達「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律等の施行について」という厚生省の局長通達、いわゆる「402号通達」です。この通達では、原爆二法の運用について指示がなされているのですが、その中で、

原爆特別措置法はなお日本国内に居住関係を有する「被爆者」に対してのみ適用されるものであるから、「被爆者」が我が国の領域を越えて居住地を移した場合には、当該「被爆者」には同法は適用されず、同法に基づく健康管理手当等の受給権は失権の取扱いとなるものと定めるに至った(以下、この取扱いを「失権取扱い」という。)。これにより、在外被爆者は、来日して被爆者健康手帳の交付を受け、健康管理手当等の支給認定を受けたとしても、出国すると同時に、「被爆者」たる地位を失うこととなり、健康管理手当等の受給権は失権したものと取り扱われて、その支給が打ち切られることになった。

平成19年11月1日最高裁第一小法廷判決(強調は引用者)


という扱いがなされてしまいます。つまり、保障される「被爆者」は本人が日本国内にいる限りであって、出国した瞬間にその地位を失うというものです。その後、先の訴訟の高裁・最高裁判決を経て、厚生省は「外国人であっても日本国内に現在するのであれば」、その理由(目的と手段)を問わず被爆者健康手帳を交付するようになったのですが、402号通達および被爆者援護法施行後の同種の事務次官通知は生きていたため、被爆者に対する保障は、本人が日本国内にいる限りに留められてきました。

これに対し平成10年、別の韓国人被爆者が、出国して支給が打ち切られたことに対し「被爆者」としての地位確認と打ち切り後の手当ての支給を求めて訴訟を起こし、地裁高裁で勝訴します。国などは上告せず、平成15年に新たな局長通知を出し、402号通達以来の「失権取扱い」を廃止ししました。これにより、支給認定を受けた「被爆者」が出国した場合および支給認定の申請をした「被爆者」が出国後に認定された場合でも、手当てが支給できるようになりました。言い換えると、30年近くにわたって、国外の被爆者は支給を受けられなかったわけです。

これに対する救済の手段と、涌井判決の気になる点については次回に繰り越し。いやあ、引用多いと楽だけど読みづらいなあ。

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