2010年5月アーカイブ
というかですね、あのエントリの内容って「台湾で発売される『けいおん!』第3巻は特典ブックカバーが限定ながらデフォで付くらしいですよ」という台湾の記事を日本語に訳しただけで、台湾の人は既に先々週の段階で知っていてもおかしくない話なんですよ。別においらが新しい情報を付加したわけでも何でもないのに、何を期待してアクセスしてしまったのかと申し訳なさでいっぱいです。口だけ人間なので、反省はしませんけどね。はっはー。
というわけで、前回の「台湾・中視が伝えた「39's Giving Day」のニュースにちょっと困惑した件。」のラストでも書いたとおり、20日の中視・「中視新聞6一下」に対する台湾のネットの反応を見てみたいと思います。前回は、「とりあえず中視の掲示板でも訳してみようかなあ。」なんて書いていましたが、コメントでもらった「巴哈姆特とK島は少し炎上っぽい」というのを読んで予定変更でっす。だって、テレビ局にわざわざ押しかける人たちより、K島なんかの方が面白いに決まっているじゃない。
ということで、K島のVOCALOID系列板から該当スレを抜粋しながら訳。なお、この掲示板は1に対するレスの他に、各レスに一行コメントができるようになっているので、それについては└で各レスの最後に書いています。あと、デフォルト名無しさんについては勝手につけたのと、固定ハンドルについてはハンドルネーム部分のみ載せています。やっぱり大陸浪人のススメの迷路人さんみたく上手には訳せませんね。というか意味を拾い切れているのかさっぱり自信がないので180度逆の訳をしていたらごめんなさい。とっほっほ。
1 名前:名無しに形はないけれど@台湾
何というか......、まだ中視新聞を見た人がいるかどうかわからんのだが、
かなり珍しく初音ミクのライブのことを報道していたんだけど(タイムラグがひどいけどな)、
その最後の台詞に注目してほしい。
「ステージ下にはなんと、こんなにも多くの人がバーチャル・ライブを見たいと思ってチケットを買ったのです。
現実と虚構の境がわからなくなっているのでしょう」
などなど......。俺のイメージでは、ニュースって極力主観を排除して伝えるべきものじゃね?
え......、そんなイロハを求めることもままならないのか......。
というか、そもそも誰が「境がわからなくなっている」って言うんだ?
└折(ry:記者っていうのは、面白いと思ってニュースを〆たがるからな。ニュースを見る時は、最後のフレーズは聞いちゃいけないだろ、常識的に考えてwww
└名無しに形はないけれど@台湾:視聴者が他人を馬鹿にする奴ばかりだからだろ。
└名無しに形はないけれど@台湾:そもそも最後の言葉だけはなく、全体的にひどい。
└名無しに形はないけれど@台湾:台湾の記者のレベルって大陸以下なんじゃないか.....
└無名J:この記者は世界を知らなさすぎる。
└名無しに形はないけれど@台湾:最後の言葉を聞いた瞬間、orzってなったわ。
└名無しに形はないけれど@台湾:台湾の記者はいいと思うけどな。中には少しくらい誤解もあるだろうよwww
└名無しに形はないけれど@台湾:中視のこの時間の報道はどれも微妙すぎるからな。
└(掩面:誰か動画plz(小声
└名無しに形はないけれど@台湾:正直言って、どんなV家(訳註:「ボーカロイド一家」のこと)についてニュースなんて、どれもあんまり見たいと思わないけど。
└名無しに形はないけれど@台湾:マジでむかつく......が、動画を見てみたい(小声)←M属性確定
└名無しに形はないけれど@台湾:俺はむしろ万博のニュースで日本館のミクを見た......(DIVA)
└名無しに形はないけれど@台湾:ちょっと「from Y to Y」のために3分ほど黙祷してくるわ......
└名無しに形はないけれど@台湾:誰かがニコニコ動画にうpしてやがるorz......sm10803435(訳註:前回のエントリのもの)
└名無しに形はないけれど@台湾:報道の内容の前にだ.....、これって権利侵害してないか? 誰か証拠を集めてSEGAに投書すべきじゃね?(訳註:IDがk7nUdE5Q)
└名無しに形はないけれど@台湾:ネットの拡散力を信じてる。メディアに負けちゃダメだ。
└リン酸:>>k7nUdE5Q やれるだろうか? 結局、この報道は台湾におけるvocaloidのイメージを傷つけている。
└リン酸:もし日本語が堪能な奴がいれば、動画に加えていきさつを詳細に説明したものをメールにして送れば、SEGAも何かしらの行動をするかもしれないな。
└リン酸:やっぱり台湾ってとてもいい市場だと思うわけよ =3=2 名前:名無しに形はないけれど@台湾
3 名前:名無しに形はないけれど@台湾
中視新聞6一下ェ......。
└リン酸:つーか、台湾メディアも大好きな宮崎駿の映画だってバーチャルの非実在人物の映画だっていうのに、どうしてそれには触れないのかね。あれも金を払って見に行く人の頭の中は問題ありって言うのか?
└リン酸:最後に一点。少なくともあいつらは初音ミクとオタクたちを一緒にしなかった。オタクっていう言葉は台湾じゃもう取り返しのつかない言葉だからな。そこだけはメディアにも感謝だ。
└名無しに形はないけれど@台湾:明らかに狙ってるよな.....。その前の「二次元のヒロインと結婚したいと思うオタク」なんてのを混ぜてくるあたり。
└リン酸:絶望した!www 最後に残った俺のわずかな希望をも潰したお前に絶望した!www7 名前:名無しに形はないけれど@台湾
台湾ではまだ宮崎駿事件は起きていないようだ。ここを見ているお前ら、よくよく見ているといくらか影響されているのがわかるな。法律が改正されて日本の初音ミク産業が入ってくるのがはっきりと禁止されちまって、生死に関わらないと動かないのか?
└名無しに形はないけれど@台湾:宮崎勤だろ!?
└名無しに形はないけれど@台湾:宮崎勤事件のことじゃね?そういう俺もここでその例が挙がってくる意味がよくわかっていないのだが......。
└名無しに形はないけれど@台湾:宮崎駿事件wwwwwwwww
└名無しに形はないけれど@台湾:今回の件と宮崎勤の事件に何の関係があるんだ? 今回みたいな報道がどんな問題を引き起こすっていうんだ?
└上の続き:まあ、仮にキャスターがああ言わなかったとしても、多くの視聴者が見終わった後に彼女と同じ考えを持つとは思っているけどね。
└名無しに形はないけれど@台湾(7のコメントと同ID):宮崎勤のタイプミスはすまんかった。何が言いたかったかっていうと、まさか台湾のACG業界全体を終わらせてしまうような報道がメディアから出てこないと重く受け止めようとも思わないのか、っていうこと。
└名無しに形はないけれど@台湾(7のコメントと同ID):宮崎勤事件は、日本のACG業界に対し大きな社会的マイナスを与えた。メディアを止めようだなんて誰も思っていないのか。あいつらはひどくなる一方だぞ。これは根本的に大事な問題だ。
└折(ry:......まずどんな風にメディアを阻止するのかという考えを言ってくれないか?そうすりゃみんなお前に感謝すると思うよ。
└名無しに形はないけれど@台湾(7のコメントと同ID):巴哈姆特には中視を批判するコメントを書き込む人がいるよ。これは最も簡単でかつ最もみんなの労力を必要としないでできるものだと思っている。
└名無しに形はないけれど@台湾(7のコメントと同ID):V家の楽曲は、さまざまな分野の専門家たちが苦労して作り上げたものだろ。中視のあのニュースは、もっと言えば間接的にそういう創作者たちを侮辱したんだ。
└折(ry:その文章は俺も読んだ。でも、あそこに書いたところでどんな影響力があるのかと思っちゃうんだけど。
└リン酸:折(ryの意見に同意。あんな所に書いても百害あって一利なしだろ。
└折(ry:俺が思うに、メディアがあまりに主観的すぎるっていうのは、何もこの一日二日のことだけはない(ACGに限らない)。こんな方法じゃ少しもいい方向には向かないよ。8 名前:名無しに形はないけれど@台湾
どうやら既にうpされてしまっているらしい。
└名無しに形はないけれど@台湾:おいおい、「家の恥は外に出さない(家醜不可外揚)」っていう諺があるだろう?(|||゚Д゚)
└名無しに形はないけれど@台湾:正味な話、転載されたところで意味はあまり大きくないだろ......日本はこんなの気に留めようとも思わないんじゃないか。
└名無しに形はないけれど@台湾:俺が本当に気にしているのは、日本語版のニコニコ動画で中国語の罵倒レスが飛び交うんじゃないかということだ。
└名無しに形はないけれど@台湾:日台友好にヒビが入っちまうかどうか......。
└名無しに形はないけれど@台湾:一部の人は確かに興奮しすぎだな.......。他人の場所で自分の国を罵る......なんてみっともないんだ。VOCALOID系列 (Komica)
ごめんなさい。おいらの力量
そもそもの話なんですけど、あのZepp東京のライブって、たぶん99%が日本人のはずなんですね。ということは、「うわ、日本人テラキモスwww」とかいう反応になってもおかしくないんですけど、「中視って馬鹿なの? 死ぬの?」くらいのリアクションがある。そりゃVOCALOID板だからそうなんだろうけど、そこが意外。
ほら、日本のメディアだって「海外のちょっと変わったイベント」ってちょろっと紹介することがあるじゃないですか。そういう時に2chの実況板だと「うはwww何wこいつらwww」とかいう反応はあっても「T○Sまたやりやがった」っていう反応は少ないと思う。嬉しいっていうのとはちょっと違う、うーん難しいな、びっくりっていうのが正直なところですね。自分たちの問題としてメディアのスタンスを考える情熱と、さりとてあまりに暴走するでない冷静さがあるというのが面白かった。特に訳したレスのいちばん最後のを見て思い出したんですが、ニコニコ動画にアップされた今回の動画、日本語版には中国語でこんなかっこいいコメントが何回か書かれています。「お前ら、批判や罵倒は台湾版の方でやれ」
台湾のおまいらには本当にいろんな人がいるもんですね。次回は、今回のニュースを伝えた「中視新聞6一下」が24日の放送で「ボカロジェネシス」のことを伝えたっていうお話と、このニュース番組のキャスター(ということは例の発言をした人)がブログで謝罪したところ大炎上しているっていうお話でも。
元はと言うと、前々回の「リア充? なにそれ? おいしいの?」で、台湾での「ミクの日感謝祭 39's Giving Day」の報じられ方に触れたのが発端です。それを見た知り合いからTwitterで「ちなみにこっちのテレビ局のミク報道は」と台湾のニュース番組の動画を教わったのですが、これがなかなかひどい。
ひどい、と言えば台湾での初音ミクのお話としてつい先日も
っていうのがあったけど、これとはちょっと違うベクトルの「これはひどい」。
その動画のリンクを貼る前に、ニュースキャスターが読み上げた原稿をほぼそのまま訳。問題のニュースは、先週20日の18時(日本時間の19時)から中視で放送された「中視新聞6一下」というニュース番組での約100秒間。以下、ざくっと訳、と言いたいところなんですが、おいらの聞き取り能力のひどさは天下一品なので、中視の掲示板などに掲載されている文字起こしの文章から訳。なので、キャスターの声が聞こえても文字起こしされていない部分があります。ごめんなさい。
おお、きた。前々回、おいらが書いた「バーチャルの世界で作られたものだってリアルのものでしょ」みたいな話が1分40秒で斬り捨てられたよ。やばいやばい、おいら現実と虚構の区別がついていない痛い子だよ。科学技術というものは人間性からくるものです。しかし、人間は科学技術の分野に対しひどく心を奪われてはいけないようです。
日本では、かつて「ゲームのヒロイン」を妻にしたオタク男性が現れたこともあります。最近でも、かなり特殊なコンサートが催されました。主役は人間ではなく、バーチャル・アイドルです。
(★未テキスト化)
ですが奇妙なことに......チケットを買って見に行く人間が本当にいるというのです。
では、今日の「来来網網」をどうぞ。(感謝祭の映像)
ステージ下のサイリウムだけを見ても、多くの人が来ていることがわかります。彼らはひたすら「彼女」のために集まったのです......。
見間違いではありません。この膝まである長髪と超ミニスカートの歌手は......デジタル画像で作られたバーチャル・アイドル、音声もコンピュータで合成されたものなのです。想像しがたいことに、このそもそも存在すらしていない虚構の人物が、なんとコンサートを開いてしまい、多くの「現実の」人間を引き寄せ会場を満杯にしてしまっているのです。どうですか、このステージでの動きは。すごいでしょう。コンサート全体を見ると、かなり現実に近いものを覚え、あたかも本当の人間が歌っているかのようです。しかし、私がもっとも驚くのは、ステージ下でリズムに乗って揺れるファンたちです。なんと彼らはお金を払ってこのバーチャルのコンサートに来たいと思ったのです。現実と虚構の区別がついていないのか、わからないのでしょう。
バーチャル・コンサート なんと人間が「偶像」のチケットを買い争う(中国電視・中視新聞6一下)
まあもっとも、こういう書かれ方って今でもそこまで珍しくないよね。先日の朝日の記事にしたって、目を見張るほど好意的に書いていると思うもの。面白おかしく取り上げるんだったら、もうちょっと尺を取れと。おいら観に行ってないんだから(そうじゃない)。
あまりに脱線したので戻しますね。そんなニュースなんですが、一事が万事の皆さんのことなので、「ああやっぱりこういう文化は海外じゃ受け入れられないのか」とか、果ては「やっぱり台湾も反日か」みたいな意味不明なことは言わないでくだしあ。むしろ、2ヶ月以上経っているとはいえ取り上げられたことが驚きだもの。そして幸いなことに、というか挑戦的なことに、この動画はニコニコ動画にもアップされています。うp主は台湾在住のユーザですが、動画の説明文を見てのとおりこの報じ方にかなりご立腹です。
いやあ、
むしろ意外だったのは、思いのほか再生数やコメントがあったこと。そりゃ確かに棘がある、というか参加者をかなり馬鹿にした物言いではあるけれども、そこまでひどい伝え方かなあ、という。言わせておけばいいじゃん、みたいな。あれ? ダメですか? というか、おいらもしかしてニュアンスを完全に掴み損ねている? んー。それともあれかな、VOCALOIDは素敵なソフトでありツールであるとは思っているけれども、キャラクタ性とかにはあんまりこだわりを持っていないからかなあ。
そんなおいらですが、もうちょっと台湾の反応、台湾と日本との温度差みたいなものを見てみたいので、次回は向こうの掲示板での反応など。Twitterで聞いた話では「炎上」しかけているそうなんですが、URLどこだか聞いてないしorz 。とりあえず中視の掲示板でも訳してみようかなあ。「キャスター主観的すぐるだろ!!1」みたいな勢いらしいです。ひとまず今夜はこの辺で。
★ ネットの反響に驚いたのか、中視は24日の同番組でCDアルバム「Vocalogenesis」がオリコンチャートを席巻しているという内容を好意的に報じたそうです。これについては、えーと、次の次くらいで。
「あーはいはい、ネタに困って三番煎じですか」となりそうなんですがさにあらず。今回台湾で発売される第3巻は日本のそれとはちょっと違うみたいです。とりあえずは14日の巴哈姆特から抄訳。
尖端出版社が代行販売している中国語版『けいおん!(現地題:K-ON! 輕音部)』は、6月4日に最新第3巻が発売される。出版社によると、通常版の他に、2種類の表紙が異なる限定版を出す予定であるという。
(中略)本作品は、日本で有名な京都アニメーションの制作によりアニメ作品となり、多くの人の注目を集めたほか、作品関係のCDアルバムやCDシングルが何度も日本のオリコンチャートで好成績と歴史的な記録をマークしている。
『けいおん!』中国語版コミック第3巻、3種類の表紙で発売 (巴哈姆特)
各書店が着せ替えカバー特典を個別につけるという日本の策略的販売スタイルとは違って、総元締めが公式に+2種類の表紙を提供するとは。さすが尖端出版! 芳文社にできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるゥ!
というアホは置いておくとして、さっそく表紙を比べてみたいと思います。まずは通常版の表紙から。
これは日本の第3巻とロゴ部分なんかを除いて同じですね。
驚くべきは、上にも書いたとおり先端出版では限定版として表紙の異なる2バージョンを用意していること。以下、先ほどの巴哈姆特から抄訳。
尖端出版で特別に計画しているタイプAとタイプBの限定表紙版(定価180元)は、どれも通常版表紙のものに付け加える形で読者に贈られる。読者は、2種類の限定版表紙の裏表紙をくっつけると、1枚の完全な図柄を見ることができる。
このほか、初刷の通常版(定価140元)には「初刷限定ポストカード」1枚が、読者のコレクションとしてプレゼントされる。通常版と限定版タイプAについては台湾各地の書店で販売されるが、限定版タイプBについては、博客來で買うことができるようになるので、興味のある読者のみなさんにはご参考に。『けいおん!』中国語版コミック第3巻、3種類の表紙で発売 (巴哈姆特)
記事にある博客來ではまだラインアップに入っていませんでした。これからかな。2種類のうち1種類は台湾のどこでも購入可能のようです。さすが尖端出pp(ry
というわけで、さっそく限定版というタイプAとタイプBはこんな感じ。巴哈姆特のは画像が小さかったので中央日報の記事から。左がタイプA、右がタイプBです。って、中央日報が取り上げてたのかよ!
ちなみに巴哈姆特が言う「裏表紙をくっつけると」というのはこういうこと。なんだかよくわかんないけど。
おいらはよく知らないのですが、このブックカバーって商品としては台湾・尖端出版オリジナルだったりするんでしょうか。博客來だったら気合を入れれば日本からでも手に入ると思うので、ファンの人たちは買ってみたらいいと思うよ。
★ 補記。(05/24 22:30)
限定版ブックカバーの表紙絵は、どうやら原作連載中の「まんがタイムきらら」の表紙絵を使っているようです。同誌の2009年のバックナンバーを見ると、タイプAの表紙は2009年8月号の、タイプBの表紙は2009年9月号の、そして両方の裏表紙の絵は2009年12月号のものを使っているみたい。あ、「くっつけると」ってそういうことか。
と、無意味にいじけたところで先週14日に朝日新聞に掲載された特集・メディア激変から初音ミクのお話でも。またそういうのですか? ええ、そういうのです。
この特集記事、「初音ミクと-1 お母さんがつくる歌」「初音ミクと-2 数百万回聴かれた曲」「初音ミクと-3 作りたいものを皆が作る」という3部構成で、1でははややPが、2では3月のZEPP東京でのコンサートが、そして3では5月のボーマス12やJOYSOUNDでのカラオケ配信、DIVAが取り上げられています。
おー、と思ったのは
実はこの特集記事と似たようなものが台湾の経済誌「萬寶週刊」862号(05/10)にも載っていたのでそちらを訳。久々なのでいつも以上の低クオリティ。
まあ、葱の話は置いておくとして。コンサートの熱狂を「異様な光景」として見るわけじゃなく、ピアプロなんかも絡めて「参考とすべきビジネスモデル」という感じで台湾の経済誌が伝えているのは、不思議な感じですらありますね。ネットユーザに素直にお金を払わせるようなことを誰ができるだろうか? オタクたちを家から出すようなことを誰ができるだろうか? 昨年本誌に書いた予測は速やかに現実のものとなった。
2010年3月9日、東京で行われたある個人のコンサートでは、ファンたちの熱狂がピークに達した。チケットは「秒殺」の速さで瞬く間に買い尽くされ、現地での眼福に預かれなかった3万名ものファンたちは、有料のネット配信でコンサートを鑑賞した。
しかし、この大スター、―――「初音ミク」は、「人間ではない」。全世界初のホログラフィ投影技術を投影して行われたコンサートのバーチャル・アイドル、初音ミクがステージに登場すると、どの角度から見ても完全な初音ミクの姿を見ることができた。
バーチャルの初音ミクはステージ上で青い髪を舞い躍らせ、多くのファンたちに魅力を放った。他のバーチャル妹弟子たちと一緒に競演し、さらには、人間によるバンドやダンサーとも共演した。あたかもバーチャルと現実の境目がだんだんと消えていくようで、バーチャル・アイドルの幻想的なパワーに、ファンたちも息を飲んだ。「初音ミク」はそもそも、クリプトン・フューチャー・メディア(Crypton)がヤマハの技術と協力して作ったバーチャル女性シンガーソフトで、ネギを手にした青髪の少女が商品普及のイメージキャラクターにあてられた。使用者は自ら作詞作曲をし、関係するパラメータを入力さえすれば、「彼女」がこれらの基音をシミュレートしあたかも人間の歌声のように合成する。
2007年8月31日は、バーチャル・アイドル初音ミクの「誕生日」であり正式な「デビュー」の最初の日だった。ソフトは販売6日目に在庫不足に陥り、16歳158cm42kg、青い長髪の彼女は、一躍有名人となった。Googleが発表した日本の人物名検索数ランキングでは、「人間以外」で3位に入り、その後も活動の場は日増しに広がっていった。2009年には日本政府の海外向け広報誌『Highlighting JAPAN』でも「バーチャル・アイドル」と題して彼女の紹介が大々的になされ、あたかも国の誉れのようだ。
彼女はもはや、単なる価格15,750円の応用ソフトにはとどまらなくなっている。これは、未来のゲームスタイルに無限の想像空間をもたらし、自分独りという以前の形態からネットという現在の形に至り、さらにバーチャルのキャラクターはスクリーンに飛び出し、「生き生きとした」アイドルとなった。あなたが思いつく限りの周辺商品を無数に宣伝し、各種の映像ファンの集まりが催された。ゲーム業者は研究開発やソフトウェアの販売の他、今後はゲーム芸能の切り盛りという新しいビジネスチャンスを得るだろう。蔡依林(ジョリン・ツァイ)や周杰倫(ジェイ・チョウ)からも得る価値がいくらかあるだろうが、これらの「真実」の「人間でない」アイドルにはより無限の可能性が秘められている。
クリプトンでは、初音ミクのために別のネットスペースを特別に開設している。使用者が彼女を使って作った音楽作品を収集し、単にソフトウェアの購入者に発表の場を与えるだけではなく、今回のバーチャル・コンサートに大きな共感をもたらした。自分が狂おしいほど熱を上げるアイドルが、自分の作った楽曲を歌うのだ。これは既に裏方が苦心して構想を練ってできあがる伝統的なアイドルのコンサートとは異なっている。全ての初音ミクファンたちが一緒になった成果の発表会なのだ。これは、あたかもFacebookのように、クリプトンは広大なオンラインユーザを利用して情報を提供し、さらにこの情報を繰り返し広大なユーザから吸い上げた。自らが作ったコンテンツに完全に頼ることなくユーザを誘い込むことにより、このように費用を節約することができたばかりでなく、その内容の鮮度という点でもユーザと巧みに同調することができたのだ。
商業的な角度から見ると、最初のソフト販売の段階から偶像を作り上げるまでの成功、その後の各領域に対する人物の権限委譲、漫画や音楽、ゲーム、本、衣類......など、さらにはコンサートの収益、オンライン視聴の収益、さらに進んで最初のソフト販売の利益モデル、こうした全てがつながるという巧みな結びつきが、ユーザの結合度をより強固にしている。これこそ、多くの企業が寝ても覚めても追い求めているものではないだろうか。初音ミク/オタクビジネスの次のステップ (聯合報/一次ソースは萬寶週刊)
この2つの記事で共通して見られるのが、バーチャルの世界や趣味の世界がいわゆる商業の世界に食い込んできていている、というもの。ただ萬寶週刊が「こうした「本当」の「人間でない」アイドルにはより無限の可能性がある」とツールの違いとして留めているのに対して、朝日は記事の最後をこう締めくくっている。
むー。本当にそうなのかなあ。「ネット発のメディア空間がリアルの場面に流れ出してきた」とか、あるいは「リアルがネットを取り込みに行った」とかそういう次元のものなのかなあ。バーチャルの技術なんてこれまでいくらでも「リアル」に出てきているでしょ。じゃあVOCALOIDが超未来的なものかと言えば、そもそも人間の声をサンプリングしたり、作り手だってこう言っちゃなんだけど普通すぎるほど普通の人間だったりするわけで。「それぐらい、利用者が中心の世界なんです」。初音ミクの発売元、クリプトン・フューチャー・メディアで開発に当たった佐々木渉さん(30)は話す。
その利用者たちがこのソフトをきっかけに作り上げたメディア空間は、様々な形で、リアルの場面に流れ出したのだ。
例えば朝日の記事にははややPの育児のことも書かれているし、ボーマスやカラオケの記事でコメントしている人は20代のいわゆる社会人。主婦が育児の合間を縫って参加する公民館のサークル活動や、社会人が就業後に社外の仲間と遊んだりすることとどう違うんだろう。24時間人間が生活している中でのいろんなコミュニティの一つとして捉えれば、はたしてそれは「リアルではない」場所って言えるのかな。
むしろ、分けて定義しようとする方々が危惧すべきは、最近のそういう「メディア空間」で活躍する人たちは「リアル」も同様に大事にしているということじゃないかな。いや、そりゃ日の光を浴びずにDTM三昧やらネット三昧っていう生活の人だっているとは思うけどさ。Twitterやブログを読んでいて思うのは、ステレオタイプな人ってかなり少ないですよ。社交性がどうこうというより多様性ですね。楽器を弾けない吹けないが素敵なメロディーを作ったり、爽やかな歌詞を書いている人がTwitterで変態ポストしかしていなかったり。学生もいれば社会人もいる。で、存外普通。ゆえにこっちも勘違いしちゃいそうなんだけど。
それとも何かな。CDなりTVなりラジオなり既存の媒体を起点にしないと「リアル場面」のものとして認めてくれないのかなあ。発信者と受信者を線引きして、「受信者は永遠に発信者になれない」なんていう活字電波の虚妄がとうの昔に崩れちゃっているのは、紙媒体のあなたたちがよくご存知のはずなのでは。
そういえば、「サイハテ」の作者でおいらが敬愛する小林オニキスさんは、先日Twitterで思わずこんなことを呟いていました。
この方は「働きたくないでござる」とか言って働いちゃう人なのでそっちは心配していないんですが、「オレにとってのリア充というのは自分の為に曲作ったり制作に没頭する事」と言い切るところがさすがですね。朝日の言う「リアル」と、いわゆる「リア充」の「リアル」とは違っているのだけれど、前者が「リアル」から外した部分をも「リアル」とみなす「リア充」が増えてきているのは間違いないでしょう。オレは呑まないし、打たないし、買わない、という3拍子揃ったとてもつまんない人間なので、オレにとってのリア充というのは自分の為に曲作ったり制作に没頭する事であって、それで言うと今は忙しくて全然リア充じゃないのでつまるところ働きたくないでござる。
小林オニキス (Twitter)
さーて、そうした時に、この2ヶ月ブログを1文字も書けなかったくらいおいらはやっぱり忙しかったわけですが(言い訳)、おいらにとってのリアルっていうのはどこまでで、リア充っていうのはどういう状態を指すんだろうね。むー。

