大前ェ...。

| | コメント(1) | トラックバック(0) | | このエントリーをはてなブックマークに追加 |
さて、第22回参議院議員通常選挙が告示されました。ということで例によって代わり映えのしない看板案でも。って、作った直後に鯖移転かよ!(live28→kamome)

yaguyagu100.png

参議院選挙ってもっぱら7月に行われますけど、あれって4月に引っ越した人にとって紛らわしくて仕方ないと思うんですよね。投票するにはその市町村に3ヶ月以上住んでいないといけない、というのは結構知られているんじゃないかと思うんですが、その基準日って実は投票日じゃなくて公示日。
公職選挙法上、選挙人名簿というものに登録されていないと投票ができません(法第42条)。これは各市町村の選管が管理しているんですが(法第19条第2項)、登録されるにはその市町村に住所を有し住民票が作成されてから3ヶ月以上住民基本台帳に登録されてないといけません(法第21条第1項)。書類上も実態上も住んでなきゃダメっていうことですね。
で、この名簿をいつ作るかというと、毎年3の倍数月と「選挙を行う場合」になっていて(第19条第2項)、「選挙を行う場合」というのは、当然投票日ではなく選挙を行うことが決まった公示・告示のタイミングになるわけで、公示・告示のその日を基準にしてその日に作るというのはしんどいということで、もっぱら「公示・告示の前日」を基準日として作られています。
ということはどういうことかと言うと、新年度から新生活を始めた人、つまり3月の終わりとか4月の頭に引っ越した人で、7月11日の選挙の時点で既に3ヶ月以上住んでいる人であっても、今回の選挙の基準日が公示の前日である6月23日になるので、「3月23日以前に住民票を移して、6月23日時点で引き続き住んでいる人」でないと新住所で投票できないっていうことになります。一方、旧住所の方での名簿は、転出の日から4ヶ月以内は登録されているので(第28条第2号)、3月24日以降に住民票を移した人、っていうか4月から生活環境が変わっただいたいの人は、前の住所地での投票になっちゃうんじゃないでしょうか。
なお、「前の住所の場所なんて遠すぎですよゴルァ」っていう人もいると思いますけど、いちおう法律上は前の住所地での投票の他に、投票用紙と投票用の封筒を請求して、最寄の市町村で投票できるという仕組みもあります(法施行令第50条)。詳しくは、前の住所地の選挙管理委員会に電話してみたり、Webサイトを見てみたりすればいいと思うよ。

さて、そんなどうでもいい話を並べていた後、賞味期限が切れそうな「けいおん!」の話でも書こうかと思っていたのですが、「そのうち大前さんが国共論壇に呼ばれそうな気がしてきた。」などでも取り上げた大前さんが、また台湾で取り上げられていたのでそちらの話でも。
大前さんはことのほか馬英九と仲が良いようで、22日に台湾を訪問した際も馬英九総統がかなりの厚遇で面会しています。なぜか同行している佐竹敬久・秋田県知事も若干霞み気味という展開。とりあえずは総統府のリリースから訳。

馬英九総統は22日午前、総統府で日本の戦略大家である大前研一博士および佐竹敬久秋田県知事と面会し、中華民国政府と国民を代表して心からの歓迎の意を表した。
馬英九総統は、「大前研一博士は、経済の動向を予測する大家であり、『戦略マスター』の称号を持ち、アジアにとどまらずアメリカ大陸やヨーロッパでも名声を得ている。大前博士は台湾の発展に大きな関心を抱いているばかりでなく、台湾の産業界や政府とも密接な関係を保持し、中でも、各界に多くの重要な啓発を提供するため両岸関係のテーマに関する知識を積み重ねている」と話した。
馬総統は、「過去2年間に世界が直面した金融ショック、経済の衰退は台湾も例外ではなかった。この半年で台湾経済は急速に回復し始め、輸出入とも大幅に伸びた。今年に入ってから5月までの間、台湾の輸出は53%の増加、輸入は71%増加し、ともに過去最高を記録した。失業率は下降を続け、各関係機関も台湾の今後の景気に対し楽観的な予測をしている。政府も今年の経済成長率を6.14%に達するものと予測している。このほか、政府は正式に大陸と「両岸経済協議(ECFA)」の締結に向けた交渉を行おうとしているが、既に政府が決定した政策ではあるけれども、社会的には多くの異なる意見が存在している」と語った。
馬総統は続けて、「昨年、大陸は世界最大の輸出経済体になり、世界第2位の輸入市場となった。今年は世界第2位の経済体になることが予測されており、過去数年を見ても、台湾から大陸、香港への輸出は、輸出全体の40%を超えている。今後、両岸がECFAを締結すれば、よりいっそうの要因が加わり、台湾の大陸への輸出は増加を続けるだろう。そのため、国内の一部の人々は、台湾が過度に大陸に依存することにより、経済面、政治面でマイナスの影響が生じるのではないかと憂慮している。また、別の一部の人々は、世界的に見て大陸への依存はおしなべて増えていることから、こうした現象を過度に心配する必要はないと考えている。上流産業の鍵となる技術を押さえておけば、双方の貿易量の増加は懸念する必要がない」と話した。さらに馬総統は、「こうした論述を支持する人は、台湾と日本との数十年間の関係を例として示している。日本と台湾の双方はずっと巨額の貿易量を維持し続け、昨年は507億元、一昨年は640億元だった。日本は台湾に対し巨額の輸出超過状態だが、日本は台湾に対する過度の依存という問題を憂慮したことはない」と述べた。
大前研一博士と佐竹敬久秋田県知事らは午前中、施顔祥経済部長とともに総統府を訪れて総統に謁見し、国家安全会議の胡為真秘書長や、財団法人海峡交流基金会の江丙坤董事長も同席した。

馬英九総統、日本の戦略マスター大前研一博士と面会 (中華民国総統府)


ということで、一見して何の波乱も無さそうなのですが、これとは別に、22日に総統府で行った講演が波紋を呼びました。っていうか総統府で講演なんてやれるんだね。台湾各紙の中でもとりわけECFAに御執心な聯合報は1面を含めて大きく取り上げるなどの持ち上げぶり。まずはそんな聯合報から。

日本の戦略大家である大前研一が22日、総統府で講演を行い、両岸経済協議(ECFA)を「苦心して調剤されたビタミン」と形容し、これが台湾経済を助けることになるという考えを示した。ECFA、法人税の17%への引き下げ、大三通という優位な状況下で「日本の会社も(引き寄せられて)台湾にやって来ることになるだろう」と話した。

大前研一は「世界経済の発展の傾向と両岸協力関係の展望」と題し、総統府の月例会合で演説を行った。大前は、台湾の今後の経済見通しを極めて前向きに捉えており、「台湾経済のデータは非常によいものなのに、なぜ記者はいつも不満を言うのだろうか?」と納得がいっていないようだった。
大前研一は、馬政権が両岸関係を大幅に改善させたほか、台湾には人材、科学技術、言語などの優位があり、速やかに金融危機の悪影響から脱出できた最大の要因は両岸貿易の成功であると考えている。また、韓国人が「Chaiwan(China+Taiwan)」という単語を作り出したのは、彼らの懸念を反映しているものだという。

両岸がECFAを締結しようとしていることについて大前は、ゴルフでハンデが無い状態である「スクラッチ」という言葉で形容した。彼は、台湾と韓国の産業は高いレベルで競合していると述べる一方、「ECFAを締結すれば、韓国人は羨望だけでなく、憂慮の感を抱くだろう」と語った。
大前はさらに、日本や韓国が大陸と自由貿易協定を結ぶ交渉の高難度のせいで、外部はもともとECFA協議がこんなにも順調に行くとは予期していなかったと述べ、「我々は台湾を祝福することはないが、台湾は我々(日韓)を祝福してほしい!」と話した。
大前は、「第三者の視点から見ると、両岸がECFAにサインすることは間違いなくプラスに展開し、台湾が他国と自由貿易協定(FTA)を締結する助けになるだろう。その他に金融、知的財産権などでも工程表となり、定率の法人税と併せて、これから先、台湾が大中華圏の中心となるチャンスを得るだろう」と語った。

しかし大前はこの他に、「鴻海の子会社である富士康の事件によって、台湾企業が依存しているOEM、ODMの成功が終幕を迎えたことが露見し、今後は新たなモデルを見つけなければならない」と言及した。
台湾の将来像について大前は、「台湾はECFA締結に向け全力でラストスパートをするべきであり、その後でFTAに進化させるべきだ。公平な競争環境を作ると共に、既存の高い科学技術と管理能力を用い、産業の垂直方向と水平方向の整理統合を行い、併せて販売能力を強化することで、海外の投資利益を増やし、外国企業が台湾に経営の中核を設けることを実現させるべきだ」と示した。

ECFAへのサインは、台湾を大陸により依存させることになるだろうか? 大前は、「これは経済発展の途中段階だ。日本もかつてはアメリカに依存したが、ヨーロッパや東南アジアの市場にも進出した。これからの台湾は大陸の内需市場に深く入り込むことや、世界の舞台に進出しなければならない。今の段階は単なる『前衛を受け持つ』ことにすぎない」と考えを述べた。

大前研一:ECFAは台湾のビタミン (聯合報)


一方、これに真っ向から敵愾心をぶつけてきたのが同じ23日の自由時報。26日、っていうか今日あったのかよ、に予定されている大規模デモの前に水を差されたこともあって、社論を使って「勘弁してくれよ」と。

今週土曜(6月26日)に行われる「反一中、要公投(「一つの中国」に反対、国民投票を行え)」大規模デモは、各地で幅広い反響を引き起こし、当日のECFA反対の声は、熱の入ったものになりそうだ。しかし、このように国民がECFAに反対するため立ち上がっていることに対し、馬英九政権は見向きもせず、関係部局によって公金が使われ、宣伝が行れる一方、もう一方では中国と交渉を加速させ、さっさとECFAを「生米はすでに炊けた状態(今となってはもう変えられない状態の意)」にしてしまおうと考えている。22日、総統府の月例会では大前研一が招かれ講演を行った。その大いに弁舌が振るわれた内容は、「ECFAは心を込めて調合されたビタミンと言えるだろう。台湾の経済を手助け、台湾を成功させ続けることだろう」というものだ。

馬英九総統は、大前研一を動向の大家と直に賞賛した。しかし、彼の多くの話を見てみると、この動向の大家はどうやら台湾を理解していないし、中国も理解していないようだ。例えば、彼はアジア全体はだんだんと中国に依存しつつあると言うが、しかし台湾は優位性を利用しており、しかも中国に過度の依存はしていない。実際、中国の経済統一戦争の策略は、経済をもって台湾を引き付け、台湾が中国に対し様々な点で依存するようになった時には、中国の掌の上から逃れられないというものだ。中国の政府筋のブレーンである胡鞍鋼はかつて、台湾は糖尿病の患者のようになるだと比喩した。中国との貿易を求めることはインシュリンであるかのように見え、もしインシュリンを打たなければ、台湾は生きていけるのか? というのだ。彼はまた、ひとたび中国が経済制裁という貿易戦争を発動させれば、7日で台湾は白旗を揚げるだろうと語っている。この一つまみの台湾の経済統一戦略だけでも、大前研一はより理解をしなければならないようだ。
さらに、大前氏は「ECFAは継続すべきであり、台湾は全力で前進し、ECFAを締結しなければならない。ECFAを自由貿易協定(FTA)に進化させ、台湾を公平な競争の場とすることができる」と話す。この動向の大家は、馬政権のスタッフの前で話すのに、ちゃんとした講義をすることはできないのだろうか? さもなければ、なぜ国民党と共産党は国と国とではない関係でECFAを結び、国と国という関係でFTAを締結しないのか、大前研一はあたかも何も分かっていないようだが? しかも中国側は、国民党と共産党がECFAを締結した後、台湾と他の国家がFTAを締結することは、なお中国の同意を要すると、とっくに警告してきている。大前研一は、このこともまるで聞いたことがないようだが? このように、良いことを報告し悪いことを隠すことは、おそらくまず自らを催眠させる馬政権のスタッフだけが聞き続けることだろう!

ここで、我々は大前研一に対し、台湾に来た以上は現場で理解を深く掘り下げることも構わないと提案したい。なぜ国民党と共産党はECFAのメリットについて美辞麗句を並べ、そして大前自身もECFAを台湾経済のビタミンだと評しても、多くの台湾の国民がなおも心中に懸念を抱き、台湾経済が鎖に繋がれ一つの中国という市場に引きずりこまれ、仕事の機会や実質的な所得の低下、果ては台湾の主権も守れないのではないか、と心配するのか。週末の大規模デモのテーマである「反一中、要公投」は、これらの懸念の全体を物語っているものと言える。「反一中」のうち反対していることというのは、「一つの中国市場」であり「一つの中国の原則」である。台湾経済が一つの中国市場に引き込まれれば、産業や雇用はますます抉り取られ、国の経済と国民の生活に問題が生じる。台湾の主権も一つの中国に引き込まれれば、国民は将来を自ら決めるという権利を失い、殺されるのを待つだけの子羊に没落するだろう。したがって、国民は国民投票を行う権利の行使を求め、よって主権在民の本旨を明確にするのである。大前は主権独立国家から来ているのだから、台湾の国民はおとなしく中国の二等国民になるよう建議するようなことはさせないべきではないか?
「台湾の将来は、2,300万人の台湾の国民が決定すべきものであって、中国共産党の干渉は認めない」。これは馬英九の総統選挙での約束だ。しかし今、馬英九はその国民に対する約束を食み、国民党と共産党による秘密貿易、監督回避の図式によって、経済から主権に至るまで一つ一つ台湾を鎖につないで中国に引き渡そうとしている。この過程の中で台湾が得るものは、中国が言うところの利益還元ではない。大前氏が言うようなビタミンでもない。胡鞍鋼の言う糖尿病だ。少しばかり健康に対する知識のある者なら皆わかるだろうが、糖尿病を患ってしまった台湾は、中国というインシュリンに頼ることでしか命を繋ぐことができなくなり、もし中国の感情を害し薬を絶たれれば命を落とすことになる。台湾の病状が悪化し救いようのない状態になれば、中国はやすやすと台湾の主権を併呑することができる。台湾の国民は、馬英九の終局的な統一という政策からとうにこの動向を見出している。大前研一は国民党と共産党が締結しようとしているECFAに対し、結局のところ浅薄な知識しか持ち合わせていないではないか!

大前研一さん、ちゃんとした台湾の講義をお願いしますよ! (自由時報)


どっちにしてもど素人なおいらがあまり書くと、途端にボロが出るのでやめておきますが、仮にECFAが締結されて実行に移されれば、日本の経済にも大きな影響を与えることは間違いないでしょ。そういう意味では、これだけ波紋を呼んでいる大前さんの話が日本ではからっきし出てこないというのは、ちょっと残念だなあと思わざるを得ないですね。いや、大前さんも残念な方なんですが、そうじゃなくてECFAの話題に対して、ね。

次回はなぜか賞味期限が延びた防空識別圏の話でも...できるかな?

★追記(06/30 12:00)
「『転入後、基準日までに継続して3ヶ月住んでいないと選挙人名簿に登録されない』だと、4月に引っ越した人は基準日時点で前の住所地に住んでいないのだから登録されていないのでは?」という指摘を受けたので、追記。法律上、転居してもすぐには旧住所地の名簿からは抹消されず、4ヶ月後に削除されます。逆に言うと、「2月22日以前に転居届を出し、転入届を3月24日以降に出した人」は、どこの選挙人名簿にも載っていないので、どこにも投票できません。法の欠缺じゃなくてその人が悪いだけ。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 大前ェ...。

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.yauchi.net/mt/mt-tb.cgi/247

コメント(1)

雨彦 :

まりちゃん^ω^ノシ

暑くなってきたね、コメントのお返事有難う(^_^)元気かな?

昨日期日前投票に言ってきた、自民党に投票してきたよ。ミンス独裁は何としても阻止しなければいけないからね!

大前さんって近頃は目立たなかったけど、台湾で活動していたんだね。台湾としては支那は大きな市場だろうけれど、政治的には台湾を飲み込もうとしている存在な訳だもの…。

台湾としては多方面に進出した方が、チャィナリスクを回避できるね。

どうも我が国の報道機関は内向きで困るよ、結局は自分の事しか関心がないのだろうね(-_-;

ブログ何時も楽しみにしてるよ!夏だから熱中症に気をつけてね(^_^)

コメントする

このブログ記事について

このページは、◆YAUCHInowAが2010年6月26日 23:25に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「そりゃ、「反中」と「親台」はバーターじゃないはずだどさ。」です。

次のブログ記事は「なんで台湾がそこまで防空識別圏の変更を嫌がるか。」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

動画とか。

 

・備忘録。
http://www.angusj.com/resourcehacker/rh_japanese.zip
O→F→object TitleEdit: TEdit→MaxLength


Powered by Movable Type 4.25