2011年4月アーカイブ
というわけで、4月から始まったアニメのお話です。←
今回引っ張ってくるのは、4月期のアニメ作品について取り上げた26日の自由時報の記事。これをはてなブックマークに追加したところ、連動して投稿されるTwitterのポストがずいぶん公式RT、非公式RTされたようで、最終的にはURLが50回以上もクリックされました。おいらは偏ったテーマしかブックマークしませんから、いつもせいぜい5~9クリック程度なので、さすがにこれには驚きました。まあ内容が内容だったという事もあるんでしょうね。せっかく多くの人が踏んだ地雷ですから(だって、台湾の新聞記事だと思わなった人が多数でしょう?)、訳しておきましょう。ネタバレが嫌な人はここでお別れです。以下、26日の自由時報国際面から。書いたのはおなじみ林翠儀記者っ。
いやー。記事の内容を確認するために、おいらも各作品の公式サイトやWikipediaと照らし合わせながら訳しているんですが、さすがに秩父橋の話が出てきた時は焦りました。うおおお、いったいどこまで調べてるんだこの人は。しかも、どこがハートフルやねん。ハートフルボッコアニメじゃないですか、あれ。東北の大地震は日本の観光業に大きなダメージを与えた。しかし、4月に放送が始まった2つのアニメ、『花咲くいろは』と『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(略称は『あの花』)が、それぞれ石川県金沢市と埼玉県秩父地方を舞台にしており、低迷ムード一色の中にあって、当地の観光の救世主になるのではと目されている。
『花咲くいろは』は、東京に住むとある女子高生、松前緒花を中心に描かれている。母親と交際相手の男が借金取りから逃げるため「夜逃げ」した事に伴い、緒花は金沢で温泉旅館「喜翠荘」を営む祖母のもとに預けられてしまう。それまで、平凡な人生と生活から抜け出す事をずっと夢見てきた緒花だったが、思いもかけず田舎の温泉旅館で働く暮らしとなり、祖母も「鬼ばば」のように彼女を厳しくしつけた。緒花にとってたいへん苦しい出来事だが、作中はこれを軽妙かつ非常に人間味溢れる描写で綴っている。緒花と同じく旅館で働く同年代の女子、鶴来民子と押水菜子たちは三者三様の性格で、あたかもこの作品に綺麗な花が咲いたかのようだ。この3人の声を演じる声優は、今人気の伊藤かな恵、小見川千明、豊崎愛生だ。
『花咲くいろは』のアニメーション制作を手掛けているのは、石川県の隣、富山県に本社があるP.A.WORKSだ。同社は、これまでも富山県を舞台にしたアニメ作品『true tears』やアニメ『Angel Beats!』を手掛け、反響も極めて良好だった。今回は、同社の創立10周年を記念し、『花咲くいろは』の舞台を石川県金沢市に選び、作品の中でも金沢の観光名所の地名が数多く登場している。例えば登場人物の名前は輪島、押水、鶴来、和倉、四十万、富樫など全て石川県の地名から採られており、当地の観光が振興するよう願いが込められている。
同じように、舞台となった土地の観光振興の効果が『あの花』にも備わっている。この作品は、東京近郊の埼玉県秩父地方が舞台となっている。主人公の仁太は、軽い「引きこもり」で学校に行くことを拒んでいる高校生だ。彼には幼い頃に一緒に遊んだ5人の幼馴染みがいたが、その中の1人の少女、芽衣子は幼少時に突然亡くなってしまう。仁太と他の4人は芽衣子の死について心の整理ができず、長い間、距離を置くようになってしまった。ところがある日、とうに世を去ったはずの芽衣子が、高校生に成長した姿で仁太の前に現れ、願いを叶えてほしいと頼み込む。この事をきっかけに、離れ離れになった仲間たちが再び一緒に集まるという、旧友を懐かしむハートフルストーリーだ。
秩父地方は埼玉県の北西部に位置し、秩父市はそのほとんどが「秩父多摩甲斐国立公園」の区域に含まれるなど、風光明媚な土地として知られ、最も有名なものは秩父鉄道の蒸気機関車だろう。『あの花』のポスターの背景に描かれている秩父橋は、埼玉県で最初の斜張橋だ。この作品では、当地のアニメファンによって「あの花委員会」が生まれ宣伝に尽力しているほか、市役所と商工団体もその経済効果に大きな期待を寄せている。観光業を救え 日本のアニメに登場 (自由時報/強調は引用者)
ちなみに、おいらはこの2作品とも観ていません。いや、嘘じゃないですよ。少し頑張ればこの程度のネタは拾えますし。え? この2作品の切るのは勿体無い? 本当にびっくりするほど論外?
というわけで、先月31日に台湾の中天電視の『全民最大黨』で放送された、天皇陛下をパロディにしたコントに関するアレです。えー、今さらっすかー。今さらっす。まずは6日の産経新聞と共同通信の記事。
【台北=山本勲】台湾の大手テレビ局「中天電視」は5日、同局が3月31日放映した天皇、皇后両陛下による東日本大震災の被災者慰問を題材にした番組のコントが「日本の友人の感情を傷つけたことを深く反省し、おわびする」との声明を発表した。また番組プロデューサーも「不敬の気持ちなど一切なく、日本の方々に不快感を与えたことを深くおわび申し上げます」との日本語声明を発表した。
このコントは2人の男性お笑いタレントが被災者を慰問される両陛下に扮して、放射能被害を否定したり、ろうそくをともして省エネを呼びかけたりしたパロディー。
放映後、日台のネットユーザーから激しい反発、批判が中天電視に殺到した。6日付台湾最大紙「自由時報」が中面トップでこの番組が日台双方の感情を傷つけたことを批判的に報道するなど、台湾でも大きな問題になっている。両陛下の慰問をコントに 批判殺到で台湾テレビ局が謝罪 (産経新聞/強調は引用者)
と、報じられています。慰問の翌日にはもうネタにされている、というのも何だかすごいなと思うのですが(おい)、この批判は致し方ありますまい。ちょっと気になったのが共同通信にある「日本のテレビ番組制作会社関係者が東京の台北駐日経済文化代表処(駐日代表部に相当)の前で抗議行動を行った」のくだり。え、駐日経済文化代表処前で抗議したんですか? と、いうことで改めて6日の自由時報の記事から冒頭部分を抜粋して訳。【台北共同】台湾の民放大手、中天テレビは6日までに、天皇、皇后両陛下による東日本大震災の被災者訪問を題材にした番組のコントが、日本のネット掲示板「2ちゃんねる」などで批判されたことを受け謝罪声明を発表した。
6日付の台湾紙、自由時報などによると、コントはお笑い芸人が被災者を見舞う両陛下に扮し「放射性物質は出ていない。うそだ。サプライズ」と語ったり、ろうそくで省エネを訴えたりする内容。3月31日に放送された映像が動画サイト「ユーチューブ」に投稿され、2ちゃんねるで「日本全体をばかにしている」といった批判が出たほか、日本のテレビ番組制作会社関係者が東京の台北駐日経済文化代表処(駐日代表部に相当)の前で抗議行動を行った。
これを受け中天テレビは5日、「不敬の気持ちなど一切ありません。日本の方々に不快感を与えたことを深くおわびします」との声明を発表した。両陛下慰問をコントにし謝罪 台湾TV局、批判受け (共同通信/強調は引用者)
ん? 駐日代表処に抗議した人物の肩書きについて、共同で「日本のテレビ番組制作会社関係者」だったのが、自由時報では「日本の右翼団体」になってる。これはいったいどういうことかと思い、自由時報をさらに読んでみると、はい、次のパラグラフはこんな感じ。日本の大地震の被災状況は深刻だ。日本の明仁天皇夫妻は先月30日、東京の避難所を訪問し、膝を屈めて被災者たちを見舞った。中天の『全民最大黨』はその翌日、ただちにこれに水を差した。中腰の姿勢のギャグや、溶けた蝋燭を垂らす場面は、日本人の反発を招き、日本の右翼団体が我が方の駐日代表処に駆けつけ、抗議を行うに至った。台湾のネットユーザたちも、この番組は非常に恥ずかしいものだとして大きく非難し、番組側は5日午後、慌てて中国語および日本語で謝罪の声明を発表した。
3月31日の番組では、阿Kenが「明■天皇(訳註:■は「くさかんむり」に「仁」)」、納豆が「美智仔皇后」という役柄で被災者を訪問した。阿Kenは、中腰の姿勢から跳ね起きて力強い腕を見せつけ、日本の原子力発電所が引き起こした放射能漏れ危機に対しても、阿Kenは再三にわたって、放射能漏れの危機はない、地震のせいで東京は電力供給制限をしているのだと話した。阿Kenはさらに蝋燭に火を灯し、納豆が手でロウを受け取り、省エネできると冗談を言った。
しかしこれらの「ユーモア」は笑いどころか逆の結果を招いた。2ちゃんねるの掲示板では日本のネットユーザたちが、「これは日本全体が間抜けだと嘲笑うものだ!」として、「謝罪しなければ戦争だ。血は血で償う、だ」と怒りの声を上げた。あるネットユーザは、「我々に義捐金を送ってくれた台湾人には本当に感謝しているけれども、だからと言って何でも好き放題にして良いというものではない!」と書いている。全民最大黨による天皇皇后両陛下のコント、日本のネットユーザから反発 (自由時報/強調は引用者)
あぁ、そういうことですか。その「チャンネル桜」による抗議行動なんかの動画がこれ。駐日代表処に朝早く、右派団体「日本文化チャンネル桜」の代表者、水島総から2回の電話があり、『全民最大黨』が日本の天皇と皇后を醜く描いた事に対し、「日台関係を壊すものだ」と抗議があった。水島総は午後に6名を引き連れて東京都港区白金台の駐日代表処前に立ち、横断幕を広げて抗議を行った。東京警視庁は20人の警官を派遣して治安の維持にあたった。抗議はおよそ10分間で終わり、幸いにも衝突は発生しなかった。
駐日代表処の発言人、許国禎によると、中天電視は『全民最大黨』がまたミスをしたことを知り、日本の天皇夫妻をお笑いの対象とした動画の欄を早朝オフィシャルWebサイトから削除し、併せて謝罪の文書を送ったという。駐日代表処は既に中天からの謝罪文を「日本文化チャンネル桜」に渡したという。
なんて言ったらいいのかなあ。この「うわぁ」感は。とりわけラストの「それは台湾の方たちに勿論感謝するんですけれども、と同時にね、私たち日本人の祖先に対してね、やはり感謝する必要があると思うんですね。日本人の祖先の人たちが、台湾との関係をね、ちゃんと築いていたから、台湾をちゃんと統治していたからこそね、そういうことが起きているわけですから。そのやはり歴史に対してもですね、深く感謝して、そして、今の台湾の方々に『本当にありがとうございます』という言葉を返したいと思います(11:12~End)」というところ。えっ、それで〆るんですか、っていう。
そこまでも「えぇ......」と引き気味になるスタジオコメントは多々あるんですが、最後であえて「ちゃんと統治していたから」だなんてダメ押ししないでよ。「それが『チャンネル桜』だよ」と割り切ってしまえばそれまでなんだけど、どうしても引っかかるんです。あ、台湾を統治していた時代の先人を尊敬する気持ちはあるよ、うん。
日本が台湾を統治していたのは事実だし、日本と台湾とを国力や経済の規模なんか比べたら、正味な話、台湾を下に見る気持ちがない訳じゃない。でも、両者の間で育まれてきた関係すらも日本が与えてきた結果なのだと捉えてしまう、その上から目線の満足感にはついていけません。今の双方でイーブンに手を繋いでいたいじゃない。というか、現在の台湾人の気持ちを受け止めるバイアスとして使われてしまうのは、先人たちをかえって辱めるような気がするんですけど。何より、「これだけの善意も、過去の日本がちゃんと統治していたから」という気持ちを抱いた人間が「本当にありがとうございます」と言ったところで、善意に対する侮辱度合いとしては、かの番組の芸人と五十歩百歩な感じがするんだけどね。
本当ならこの記事も、訳したうえで萌え+に立てようかと思っていたのですが、すっかり忘れていました。ぉぅぃぇ。
あの界隈は、腐ってもニュースの速報を扱う板なので、今さら1週間前の記事を立てるのもどうなんだろうなあと思うのですね。そこらへんは板の雰囲気にも左右される部分がありますが、何しろ萌え+って未だに匙加減がよくわかりません(おい)。
とはいえ、眠らせてしまうのも余りにもったいないので、備忘録(4月末にもう一回記事になりそうだし)も兼ねて3月29日の巴哈姆特から訳して貼り。
という事で、こちらの「台北市漫畫從業人員職業工會日本賑災愛心義賣活動」がそのサイト。おいらがφ★のパスを忘れそうになっているのとは違い、台湾の漫画家たちは12年前の地震での出来事を覚えていてくれました。国内最大の漫画家団体「台北市漫画従業員職業組合」は、およそ1ヶ月間にわたる日本の災害救援チャリティ活動を正式に開始した。
組合によると、日本の宮城県で先日発生したマグニチュード9.0の大地震と、それによってもたらされた深刻な被害に際し、かつて台湾で発生した九二一大地震の時に日本の漫画家団体が義捐金を募って台湾を助けてくれたことから、台湾としても漫画家団体の力を借りて、日本に援助の手を差し伸べたいと考え、今回のチャリティ活動を始めたという。
現在のところ、組合では「人物画の注文」「漫画家の自筆原稿の限定チャリティバザー」「電子原稿の販売」の3つの方法により活動を行っている。参加している漫画家は、頼有賢、李勉之、湯翔麟、曾建華、練任、張博琪、陳過、鍾孟舜、紫雷、朱鴻琦、奇兒、張放之、林玉琴、王子麺、50cc、米洛可、施淦全、陳志隆、2d馬賽克、綺霏、Mamie Ho、仇鵬欽、哈雷叔叔、林芷蔚、乙龍大明、趙景弘、蝗蟲哥哥、黄俊維、呂水世、發哥、張海澄、黄佳莉、成風、蒙其、藝千、krenz、阮光民、木笛、陳彦帆......など、多数だ。組合では、日本の災害救援チャリティ活動を今日(訳註:記事の出た3月29日ではなく3月24日)から4月30日まで行うという。興味のある人はオフィシャルサイトで詳細な活動を見てみるといいだろう。
台北市漫画従業員職業組合、日本の災害救援チャリティ活動を開始 (巴哈姆特/強調は引用者)
上の記事では謎だった「人物画の注文」についてもサイトで詳細な説明がされています。なんでも漫画化したい人物の写真(jpg形式、500キロバイト以上の鮮明なカラー画像)をメールで送ると、チャリティ活動に参加している漫画家が描いてくれるみたい。なにそれすごい。お値段は1人あたり2,000NTD(日本円で6,000円弱)、描いてもらう漫画家を指定する場合は1人あたり3,000NTD(同9,000円弱)とのこと。これは面白そうな試み。
なお、うっかり見落としていたのですが、サイトによれば、
との事。いやあ、危ない危ない。ってか、参加するかどうかわかりませんけどね。←活動が終了した後、組合のウェブサイトおよびブログで、チャリティに参加して下さった方の名前と義捐金の額、関わったイラストの漫画家の名前と作品を全て公開する予定です。したがって、もしあなたの本名や作品を公開したくない場合は、事前の申し込み用紙の中で、チェック欄に印を入れて下さい。こちらで匿名に差し替えます。
送金方法 (台北市漫画従業員職業組合 日本災害チャリティ活動サイト)

