2011年6月アーカイブ

先週22日にドワンゴ・ミュージックエンタテインメントから発売されたCD『VOCALOID BEST from ニコニコ動画(あお)』と『VOCALOID BEST from ニコニコ動画(あか)』ですが、各レビューを見てみると、発売前から言われていた通り「選曲に統一感がない」「というか、めーちゃんはどこに行った」という感じで、おいらも「このアルバムを聴けば、ボーカロイドの歴史がわかるベストアルバムです」という謳い文句には疑問符を付けざるをえません。



日々あれだけ曲が量産されているのだから(その是非はともかく)、「(あお)・(あか)とは別に、ご自分なりの(きいろ)をお作りなさい」という事なのかなあと勝手に納得しています。まあ、このCDが無かったら聴かなかっただろうなっていう曲もあるしね。 しかもすごい再生回数で二度びっくりしたしね。

で、ラインナップを見てて何を間違ったか、「カラオケに入っている曲が多いなあ」と気付き(そりゃそうだ。ベスト盤と言ってんだから)、なぜか発売日にカラオケ行ってきました。平日の夕方にフリータイムで。てらあほす。

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ここで問題になってくるのは、まずおいらがここ2年くらいメジャーな(とされている)曲をロクに聴いていないという点。『ワールズエンド・ダンスホール』なんて、「ワール」じゃなくて「ワール」だったなんて知らなくて、選曲の時に困ったくらいだから。そして聴いた事がある曲だからと言ってカラオケで歌えるかどうかは別問題だという点もある。
あお・あか合わせて38曲中、下の太字の33曲がJOYSOUNDで配信されていますが、初めて歌ったのはアンダーラインをつけた22曲。2/3じゃねえか! 誰だよ企画考えたの。←

 Track 
 あお 
 あか 
1
ARiA
とくP
初音ミクの消失
cosMo@暴走P
2
ネトゲ廃人シュプレヒコール
さつき が てんこもり
ルカルカ★ナイトフィーバー
samfree
3
みくみくにしてあげる♪【してやんよ】  
ika
ワールドイズマイン
supercell
4
マトリョシカ
ハチ
ロミオとシンデレラ
doriko
5
千年の独奏歌
yanagi
ココロ
トラボルタ
6
パラジクロロベンゼン
オワタP
ワールズエンド・ダンスホール  
wowaka
7
*ハロー、プラネット。
sasakure.UK
モザイクロール
DECO*27
8
Dear
19's Sound Factory
こっち向いて Baby
ryo(supercell)
9
悪ノ召使
mothy_悪ノP
ハッピーシンセサイザ
EasyPop
10
magnet
minato(流星P)
Pakaged
livetune
11
1925
T-POCKET
Alice
古川本舗
12
ダブルラリアット
アゴアニキ
ダンシング☆サムライ
mathru(かにみそP)
13
星屑ユートピア
otetsu
カンタレラ
WhiteFlame
14
PIANO*GIRL
OSTER project
右肩の蝶
のりぴー
15
Just Be Friends
Dixie Flatline
え?あぁ、そう。
蝶々
16
Yellow
kz(livetune)
鎖の少女
のぼる↑
17
Calc.
ジミーサムP
Fire◎Flower
halyoshy
18
メランコリック
Junky
タイムマシン
1640mP(164×40mP)
19
ブラック★ロックシューター
supercell
メルト
supercell

で、歌ってきました。順番は「あお」→「あか」で。だって、『初音ミクの消失』をいのいちばんに歌う気は起きないもの。

yaguyagu131.jpg(あお) yaguyagu132.jpg(あか)

【あお】(平均:81.866点)
歌った15曲のうち7曲は過去にチャレンジした経験があるので気が楽とは言え、『パラジクロロベンゼン』のように最後まで結局舌が回らなかった曲もあるので油断は禁物。とくPも『SPiCa』だったら......と言いたいけれど、選曲はドワンゴなのでそこはやむなし。大方の予想通り、どう歌っても高得点が出てしまう『1925』が15曲中トップ。それでも今回は90点を超えませんでした。あ、公平を期すため(なんのだ)、全曲1回ずつしか歌ってません。得点の順に並べたのは下の画像のとおり。どれがどの曲かは頑張って調べてください。
上位3曲はやはり何度もかけたことのある曲だったけど、『みくみくにしてあげる』が初挑戦で4番目に来たのが意外と言えば意外。でも当然と言えば当然か。むしろ、JOYSOUNDの人気ランキングで一時期上位に君臨し続けた『magnet』を今回初めて歌ったんですが、なぜか初挑戦組の中でも上に位置していてびっくりです。カラオケで歌った事はなかったけど大好きな『メランコリック』が10番目というのは個人的にショック。あと、kzさんごめんなさい。

yaguyagu133.jpg

【あか】(平均:79.747点)
入曲18曲のうち、未経験が14曲という時点で「あお」の後塵を拝するのは目に見えていたのですが、平均で80点を切ると切ないものがあります。特に『ココロ』から『タイムマシン』まで、途中の『Alice』を挟んで5+7曲連続で「初めての音」というのは挫けそうになりました。途中でやめるのは失礼にあたると思って全部最後まで歌ったけどさ。そもそも歌おうとする時点で失礼だったのかもしれません。あうー。
驚いたのは、これまで歌おうとすら思わなかった『初音ミクの消失』が予想外に高得点だった事。比較的歌い慣れていた&歌い易い(と思っている)『Alice』に続いて2番目という結果は、むしろ「戸惑」って感じで。逆に『ワールドイズマイン』はなんでこの位置に、という。これがもうちょい高ければ平均でも80点超えたんじゃないかという大ブレーキ。初めて歌った曲の中では、『鎖の少女』が割合良かったのが嬉しかったんですが、逆にあお・あか含めていちばんのお気に入りと言える『タイムマシン』がイマイチだったのが心残りですね。うーん、練習しないと。そして『ワールズエンド・ダンスホール』『ハッピーシンセサイザ』『え?あぁ、そう。』の3曲は特にごめんなさいごめんなさい。

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というわけで、オチもへったくれもないエントリですが、この散々な結果から言えるのは、「もう少しがんばりましょう」という事でしょうか。とりあえずCD買わないと。←

放浪カモメはどこへ翔ぶ。

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12日の自由時報に載った記事をはてなブックマークでブックマークしたところ、連動してポストされたTwitterのリンクが100回以上もクリックされてしまったので参考までに訳。いやいや。別に100回クリックされたら何でもかんでも日本語にするわけじゃないですよ。そんな自分を縛るようなルール、おっかなくって作るわけないじゃないですか。

記事の内容は、南シナ海の東沙諸島、南沙諸島に戦車等を配備すべく国防部が動いており、海巡署が了承すればすぐにでも送れる、と国防部高官が言っているというもの。ご存じのように当該海域は長年にわたる多国間の係争地な上に、ここ数週間を見てもベトナムと中国との間で緊張が高まっています。このへんについては、「KINBRICKS NOW」の「領土問題で中越対立、ベトナムは米国を後ろ盾に強硬姿勢」などを参照のこと。などと、いつも通り他サイトをあてにしてみたり。

南シナ海の周辺国が続々と軍事装備を更新し、ベトナムが南シナ海海域で軍事演習を行おうとしているなど、我が国は南沙諸島太平島における防衛能力を高める必要がある。ある高官によれば、国防部は「海鴎級(ドヴォラ級)」高速ミサイル艇や、M41A3型戦車などの武器装備を海巡署の太平島駐留部隊が使用するために提供することを決定し、もし海巡署が同意すれば、すぐにも訓練し配備できるという。
一方、国防部軍事発言人の羅紹和は11日夜、高速ミサイル艇などの装備は、海巡署が行っている装備交換計画のオプションとして提供するものであり、現在のところ配置の計画はないと述べている。

海巡署は、国防部は確かにそのような提起をしているが、評価を実施したところ、関係する港の深さが充分ではないこと、島ではメンテナンス能力がないこと、高速ミサイル艇が古いことなどから、いずれも相応しいものではないと考えていると語った。
軍サイドの者は、海鴎級高速ミサイル艇とM41A3戦車は国軍の現役装備であり、当該型式の高速ミサイル艇は雄風1型艦対艦ミサイルを新たに配置し、その射程距離は40kmに達すると指摘する。南シナ海周辺諸国が現在有する水上艦艇に対してもかなり大きな威嚇力があり、決して引退間近の装備ではないという。

この者はさらに、軍側では東沙諸島と南沙諸島の太平島に、一個分隊の海鴎級高速ミサイル艇を進駐させる計画があると明かし、「必要であれば、人と船を一緒に海巡署に引き渡すことも可能だ」と述べた。
仮に海巡署がこれらの装備を受け取った場合、その時には高額な補給および補修の費用の問題をどのように解決するのだろうか? 国防部の職員は、南シナ海の主権を重視し、強化することは、国の既定の政策であり、後方支援や経費を確保する問題については、政府がしかるべき方法により解決することになるだろうと語っている。

さらに指摘によれば、東沙諸島および南沙諸島の情勢、ならびに防衛職員の戦力向上に鑑み、政府は合格した海巡署隊員を陸戦隊を通じて代わりに訓練し東沙諸島および南沙諸島の駐屯守備のため送ることを決定し、これまでに、数回にわたって海巡署新兵を次々と陸戦隊の代訓としており、その中のある回の海巡署士官は訓練を終えているという。また、既に東沙諸島と南沙諸島太平島にも配属しているという。
林郁方・立法委員は6月1日に行った特別質問の中で、中共は既に、5年以内に南シナ海に36隻の艦艇を増派し、南シナ海の係争海域の巡邏に責任を持つことを宣言していることを指摘している。また、フィリピン海軍も今年4月15日、アメリカから最近になって購入したハミルトン級警備艇を念頭に、フィリピンが南沙諸島に所有する島々を防衛することを宣言している。林郁方は、中共およびフィリピンは南シナ海の主権を強化するために公表し、続々と海上武力を更新していると考えている。また、我が国の太平島の武器を見てみると、圧倒的多数が既にたいへん古いものになっており、火力不足も深刻であるとして、速やかな強化を求めた。国防部は6月8日の回答の中で、東沙諸島および南沙諸島の海巡部隊の実際の要求に基づき、「海軍の海鴎級高速ミサイル艇および40ミリ単管高射砲、陸軍のM41A3戦車、迫撃砲など現役の武器装備」を提供し、駐屯守備部隊における武器交代計画のオプションとすると述べている。

東沙・南沙諸島、軍が戦車や高速ミサイル艇の配備を提案 (自由時報/強調は引用者)

私は軍事クラスタでないので装備の優劣はよくわからないのですが、これについての自由時報の記事を続けて訳。

東沙諸島および南沙諸島の防衛の求めに対応するため、国防部は海鴎級高速ミサイル艇、海軍の40ミリ単管高射砲、陸軍のM41A3戦車と迫撃砲など中高齢の現役装備を提供することを決定し、海巡署の武器入れ替え計画のオプションとなる。
海鴎級高速ミサイル艇は、中科院(訳註:国防部軍備局中山科学研究院の略称)が初期の頃にイスラエルの設計を真似たもので、中船公司(訳註:現在の台湾国際造船)が1979年から製造し、合わせて50隻あまりが造られ、服役年数は平均して既に30年に達している。排水量は47トン、三軸推進で最高速度は36ノット、仮に32ノットの巡航速度であれば700海里の連続航行が可能だ。
しかし、艦艇の構造は古く、一部の高速艇では金属疲労などの問題により、任務遂行時に何度も座礁や故障を繰り返している。このため国防部は「光華六号」計画(訳註:海鴎級の後継高速ミサイル艇計画の名称)を進め、新造された新型高速ミサイル艇を何回かに分けて現在の海鴎級高速ミサイル艇と交代する予定だ。
主な配備武器の点では、海鴎級にはT75という20ミリ機関砲が備え付けられ、また2基の雄風一型艦対艦ミサイル、2つの機関銃、チャフミサイル発射機があり、南シナ海周辺国の現有艦艇と比べればまだ優位性はある。
雄風一型ミサイルは中科院がイスラエルのガブリエル艦対艦ミサイルを改良したもので、1979年から配備されている。もともとは海鴎級高速ミサイル艇に配備されていたが、「武進一型」のコードネームを使い駆逐艦にも使われている。しかし、老陽軍艦が退いた後、現在ではわずかに海鴎級のみが使っているばかりである。
雄風一型ミサイルは光学誘導、レーダー誘導、セミアクティブ誘導などの方式を使い、最大射程は40km、最大速度はマッハ0.65。水面の艦艇にとってはなおも大きな威嚇性を発揮する。

40ミリ単管高射砲は服役してからの時間が長い。我が国は1953年という早い時期に既にアメリカ軍のこうした防空装備を受け取り始め、関連する高射砲には単管、双管があった。これらは地上部隊の防空武器の一種であるが、平射武器としても用いる事が可能であった。最大射程距離は口径により異なるが、7,000mから12,000mまで到達させることが可能であった。
海巡署では現在、東沙諸島と南沙諸島に多くの単管高射砲を配備しているが、その多くはリタイア寸前の段階にある。しかし軍サイドは単管高射砲はすべて現役の装備であると強調している。

M41A3戦車も同様に高齢の装備だ。1959年から装甲兵部隊に配備され、陸軍部隊では今でもこの型の老齢戦車が使用されている。海軍の陸戦隊の一部でも使われている。国軍ではピーク時に計700両あまりがあった。しかし既に半世紀以上が経過し、陸軍では大部分のM41A3戦車のグレードアップが図られ、M41D型戦車と呼ばれている。M41A3戦車の構造はシンプルなもので、動きは素早く、重量は23.5トン、主に配備されている武器は76ミリ砲、12.7ミリ重機関銃と7.62ミリ重機関銃だ。

海鴎級高速ミサイル艇、M41A3戦車 引退寸前の装備 (自由時報)

南シナ海周辺国家の動きが活発になり、各国は軍備の新旧交代を進めている。南シナ海はもはや圧力鍋に近い状態となり、いつでも紛争を引き起こしかねない状況だ。これらの国々と比較し、台湾は南沙諸島太平島にいったいどのようなレベルの戦力を置く必要があるのだろうか。馬政府にとってきわめて複雑な政治的課題になりそうだ。

我が国は南沙諸島の太平島に長期にわたって軍が駐留し、かつては軍の陸戦部隊が駐屯していた時期もあった。防空や平射武器のほか、控えめではあるが短距離地対空ミサイルのMIM-72チャパラルもあった。当時は南シナ海で主権を宣言する国家の中でも武器の戦力が最も優れていたと言えよう。
しかし今日に至り、太平島は海巡署の駐留守備に変わり、防衛戦力も未だに同時更新がなされていない。かえってマレーシア、ベトナム、フィリピンそして中国といった周辺諸国が大金を投じて軍備の更新を絶えず行っている。台湾の防衛戦力は、今なお遅れを取っている状況とは言えないけれども、ずっとそのままでいることは、南シナ海情勢に対応するよい方法とは言えない。しかしながら、どのように防衛戦力を調整し、どのようなレベルに達し、国家の南シナ海政策、また国土防衛戦略の配置に関わるかは、慎重な思考が必要であることは疑いが無い。

軍が今回の計画で提供する「海鴎級」高速ミサイル艇、M41A3戦車などの装備は、服役してからの時間を見れば、中高齢の軍備であることは間違いなく、かつ軍でも更新軍備リストの中に入っているものだ。軍が何度も海巡署と行ってきたやり取りの中でも、装備があまりに古すぎることが不快感を招いたこともあった。
しかし、国家政策の全体的な考えから言えば、南シナ海問題は終局的には政治と外交により解決する必要があり、武力での処理は決して唯一の方法ではない。仮に台湾が目下最精鋭の装備を有し、あるいは本島防衛の主力装備のレベルと同等のものを直接南沙諸島の太平島に置くことも、できないことはない。しかし、それは台湾が他の国々に対する挑発行為の体現となるのではないだろうか? さらに、よりリスクの高い軍拡競争を引き起こしかねず、これらは国家安全のハイレベルな見地で考えるべき部分である。
「海鴎級」高速ミサイル艇がもし東沙諸島や南沙諸島太平島に進駐した場合、その高齢な装備を見れば、メンテナンスが必要であり後継が無いこと、故障率が高いリスクがことは間違いない。しかし、最も重要なことは、それらがある程度の政治的かつ軍事的な宣言の意味を持っているということだ。海鴎級は雄風一型ミサイルを持っており、その射程は40kmに及ぶ。そのため、その射程は周辺国の水上艦艇に対して十分な威嚇能力を生み出す。台湾がもし急に雄風二型艦対艦ミサイルを配備すれば、性能はより磨かれることになり、どうして他の国々の緊張を高めずにいられようか!
太平島に「相対的に比べて優れている防衛能力」を持たせることは、国家安全当局のいくつかの思考要因の一つだ。高速ミサイル艇は古いものではあるけれども、おそらくは現在の状況に対応するためのオプションの一つとして合致するのだろう。

リタイア待ちの装備での駐屯、示す意味は深い (自由時報)

なるほど、わからん(おい)。

★ 追記。(06/16 00:10)
コメントやTwitterで様々なご指摘をいただきました。不勉強な点が多くすいませんでした。ありがとうございます。
半月ほったらかしていたのに、いきなりの連続更新ってどういうことだろう。自分の事ながらムラがありすぎの感は否めません。
イントロも早々に8日の朝日新聞から。

台湾軍の退役将軍が「国軍(台湾軍)、共軍(中国軍)はともに中国軍だ」と発言した、と台湾紙「聯合報」が8日付で伝えた。台湾国防部は否定しているものの、訪中した台湾軍OBらが中国軍と交流する中で出てきた話とあって、軍の姿勢が問われている。

報道によると台湾軍の元総政治作戦部主任、許歴農上将(大将)ら約20人が5月末から訪中。四川省で中国軍OBとゴルフをした後、北京で会合に参加した。その中で中国側出席者が、台湾側から出た話として紹介したのが「ともに中国軍」発言だ。
言ったとされるのは空軍OBの夏瀛洲上将で、国防部によると本人は否定している。だが馬英九(マー・インチウ)総統は8日、国民党の会議で「もし事実なら」と断りつつ「一種の裏切りで、非常に不適切」と強い調子で語った。
台湾軍は長年、中国軍に敵として向き合い、国民党政権を支えたが、一方でOBを中心に中台統一を支持する勢力もあり、中国側の工作に利用されやすい。

台湾軍OB「我々はともに中国軍」 現地紙が報道 (朝日新聞)

ただし、9日の自由時報によると最初に伝えたのは6日の中国新聞社の模様。まずはそちらから訳。

中国人民解放軍軍事科学院の羅援・少将は、当地で行われた座談会の席上で、3つの講話を伝達し、出席者の強い共鳴を呼んだ。
北京黄埔軍校同窓会と中国戦略文化促進会が共同で行い、辛亥革命100周年を記念することをテーマにした、「中山・黄埔・両岸の心」座談会が6日午後、全国政協常務委員会会議ホールで行われた。羅援・少将は、中国戦略文化促進会の常務副会長の身分で参加し、座談会の席上で発言を行った。
羅援によれば、5日夜に行われた親睦会の中で、ある台湾の退役高級将校が「これからは、国軍と共軍などともう分けてはならない。我々は共に中国の軍隊だ」と語ったと述べ、これを聞いて両岸の軍人は切っても切れない関係なのだと深く感じ入ったと話した。(略)

羅援少将、両岸の軍人に三つの講話を披露 3つの「とても」、3つの「難しい」 (中国新聞社/強調は引用者)

ということで、羅援の話した3つの話はカット。いや、そっちの話の方が日本にとっては無視できない内容なんですけど、今回はちょっと置いておきます。この発言は、朝日の記事にもあるように台湾でも与野党問わず反発が起きています。馬英九総統などのコメントについては8日の聯合晩報から抜粋して訳。

(略)馬英九・総統は8日午前、台南の成功大学病院で、大陸に行った元将校の談話が論争になっていることについて、メディアからの質問に答え、話の細部についてなお確かめるべき点はあるが、仮に事実であるとすればそのような見解は極めて不適切であり、非難されねばならない、と述べた。
また、呉敦義・行政院長もこの件について、この退役将校の意見はとうてい受け入れる事はできず、国の基本政策とも一致しないと語っている。(略)

「両岸皆中国軍」 馬英九総統:もし事実であれば非難されるべき (聯合晩報)

さて、中国新聞社の報道では「ある台湾の退役高級将校」としか出ていないのですが、名前が出ている報道を辿ると、だいたい行き当たるのが8日の聯合報のこれ。

(略)北京黄埔軍校同窓会の主催者が明かしたところによると、この発言をしたのは国防大学の元校長で、退役空軍上将の夏瀛洲だという。(略)

退役上将が大陸へ:国軍も共軍も中国軍 (聯合報)

へえ。参加した21人の中には、鄧麗君の兄もいたんですね。って、そこじゃないそこじゃない。8日の中央通訊社から抜粋して訳。

(略)しかし、北京にいる夏瀛洲は、台湾のテレビ局の電話取材に対し、今回の報道について「デタラメだ」とありのままに語った。彼は中央通訊社の記者に対しても、中国大陸の研究討論会には出席したが発言の機会はなく、「国軍も共軍もみな中国の軍隊だ」といった話はしていないと答えた。
また夏瀛洲は、台湾の新聞の報道で知った後、すぐに羅援に連絡をして、なぜこのような報道があったのかを確かめた。羅援は彼に対し、記者の質問を受けた事はなく、そもそも台湾の将校の話を引用したようなこともなく、当日も会場に記者はいなかったと答えたという。羅援はさらに、この報道をした新聞記者を特に明らかにしたという。
夏瀛洲は、今回の誤報は正確な検証を行わなかったもので、報道の内容は事実ではなく、極めて遺憾であると話している。(略)

不適当な発言? 夏瀛洲は明確に否定 (中央通訊社)

あら、マジっすか。ということでもう一回聯合報に戻って9日の報道から。

(略)本紙記者はこの手がかりを糸口に、一歩進んで、今回の企画を行った者たちの話から、今回の話は座談会の前にあった会見での談笑の中で、退役空軍上将の夏瀛洲が話したものであることを掴んだ。本紙記者は7日夜、夏瀛洲とコンタクトを取る手段が無かったことから、羅援に直接電話して、今回の話が夏瀛洲によるものかどうか確認した。
羅援はその中で、「まだその報道の内容を見ていないから...」と話したので、本紙記者はさらに「しかし、皆さんは夏瀛洲の話だということを知っていますよ」と尋ねたところ、羅援は笑い声でのみそれに答え、本紙記者の話を否定しなかった。(略)

大陸メディアが先行報道 聯合報が再調査 (聯合報)

え。あ、それでいいんですか?

ここまで来てしまうと、何が本当なのかますますわからなくなってしまいます。うーん。少なくとも言えることは、「この発言は問題だよね」というのもそうですが、「ていうか、何で退役軍人が敵陣でゴルフしてんの?」というのが、台湾の中でも出てきていること。これは例の年金の問題も含めて今後の展開を注目しないといけなさそうです。今回は簡易更新なのでこの辺で。
0.アバンタイトル

東日本大震災の復旧・復興支援のため、民主党政権の主要政策の一つであった高速道路無料化社会実験が幕を下ろそうとしています。同時に、麻生政権下で導入された生活対策の利便増進割引の一部、いわゆる「休日上限1,000円」も廃止されます。ただ、無料化社会実験はあくまで一時凍結。幕間だということなのでしょう。

1.時間帯割引と償還との関係

ここで高速道路の料金割引制度はいろいろややこしいのでちょっと整理してみましょう。ETCのマイレージ割引や大口事業者に対する割引などは除き、ここでは単純に「時間帯によって行われる割引」だけ取り上げます。
元々高速道路会社では民営化の前後に通勤割引および深夜割引を導入していました。これは政府からのお金が一切ない、「償還(厳密には償還とは言わないけど)に支障のない範囲での、会社の自主努力による利用者還元」です。

一方、昨今の不景気に対し福田・麻生両政権で導入されたのが2段階の利便増進事業です。この割引と償還との関係は、その後の無料化社会実験と異なり、「利便増進事業の規模に相当する高速道路の債務(計3兆円)を国が引き受け、その分の割引や整備等は国の方針に従って行う」というものです。つまり、本来なら高速道路会社が料金収入で返す借金を肩代わりする分、それと同規模の減収が生じるであろう割引等を行う(そして、それによって経済を刺激する)のです。なるほど、自分たちの前の政権で民営化させた旧公団の債務返済に極力支障を及ぼさない、という点が考慮された節があります。もっとも、これをあまりやってしまうと、国が税金により借金を返済することになってしまうので、本来の有料道路制度とずれが生じてしまうんですが。余談ですが、民主党政権が導入しようとした上限2,000円の新料金制度は、この計3段階の割引制度を組みかえるというものでした。
個人的には、政府が前の政権の施策をひっくり返すのは許せるとして、なんで(仮にも)民間会社が自前でやっている利用者還元の原資まで好きにできるのかっていうのが釈然としないんですけどね。いかんせん株主が国という悲しいさだめなんでしょう。

さて、鳩山政権下で始まったいわゆる無料化社会実験は、文字通り「無料にした場合の効果を検証する」というもの。そのせいなのか何なのか、実は「債務はどうすんの」という対応を一切やっていません。ですので、高速道路会社(そろそろ面倒なので、この先は単にNEXCOと言います)は、返すべき借金を管理する独立行政法人(これも面倒なので、この先は高速道路機構と言います)との間で将来の返済計画等を定めた協定を結んでいるのですが、利便増進事業の際にはきちんと行われていた協定変更が、無料化社会実験の時には行われていません。この事は、例えばNEXCO東日本のwebサイトからも確認できます(ちなみに、H20年10月7日とH21年3月10日の変更が利便増進事業に対応するもの)。
するとどうなるのかと言うと、確かに無料化社会実験による減収分は政府からNEXCOに補填されているのですが、「本来なら通行料金で返す借金を政府が引き受ける」という仕組みではなく「借金はそのままに、減収分を現金でNEXCOに渡す」になっているのです。これが実は大きな違いで、NEXCOからすれば「減収分相当額を受け取ってはいるものの、料金収入もその分だけ減っている」ことになります。
勘のいい人はおわかりかもしれません。元々「通行料金収入から借金返済と管理費を払い、儲けを出さない」という仕組みで民営化したのに、それと異なるシステムをぶち込んでしまったから、「予定していた料金収入が減った上に、なんだかよくわかなんない収入がある」という不思議な状態になるのです。NEXCOと高速道路機構との協定(参考:東日本の協定。pdfファイル)の第9条には、「毎年度の料金収入の金額が、次の各号のいずれかの場合に該当するときは、それぞれ各号に定める額を貸付料とする」とあり、その中には計画収入を1%以上下回った場合には、貸付料を減額することが示されています。つまりこれ、無料化社会実験をやればやるほど、借金の返済プランが勝手に下方修正され、後々ピンチになるというシステム。現政権からすれば「ほら、社会実験だし」「どうせ無料化するんだから」という程度の認識なのかもしれませんが、かなり危ないことをやっているなあという気がしてなりません。と、ここでは軽く書いておきます。多くの国民にとっては「高速道路の料金がどうなるか」がポイントでしょうから、「将来の債務返済がどうなるか」なんて構想の死角でもなんでもないからね。

そんな制度の転換点が3月の東日本大震災でした。3月23日、国土交通省は「2月に発表していた新料金制度(平日上限2,000円+休日上限1,000円)導入の延期」と「年度内に終了が予定されていた現在の割引制度の継続」を発表します。さらに、5月に成立した平成23年度補正予算を受けて、復興への財源捻出のため「無料化社会実験の一時凍結」と「休日1,000円の廃止」「新制度導入の凍結」に至ったのでした。これまでとこれからを併せて書くと、こんな感じ。え。都市高速や都市部の高速ですか。めんどいからこれ以上作業させないで。

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2.震災を踏まえた高速道路料金

今回の国土交通省のプレスリリースで公表されたのは、この「料金制度・割引制度の見直し」に加え「東北地方の高速道路の無料開放」について。この問題点に触れる前に、ざっと内容を書きだしてみるとこんな感じ。

1.東北地方の高速道路の無料開放について
・東日本大震災による被災者支援及び復旧・復興支援のため、東北地方(水戸エリアの常磐道を含む)を発着する被災者及び原発事故による避難者、トラック、バス(中型車以上)について無料開放します。
  無料開放開始日: 平成23年6月20日(月)午前0:00 ~
・現在実施中の災害派遣等従事車両(ボランティア車両を含む)については、引き続き、無料開放を継続します。

2.1次補正を踏まえた高速道路の料金について
・上限料金制(休日1,000円)を廃止し、無料化社会実験についても一時凍結します。
  上限料金制廃止日・無料化実験一時凍結日:平成23年6月20日(月)午前0:00 ~

東日本大震災を踏まえた高速道路の料金について (国土交通省/pdfファイル)

まずは、前の流れもあるので、プレスリリースの順番を入れ替えて1次補正を踏まえた新料金から。

3.1次補正を踏まえた高速道路料金

既に1でも書いてしまっていますが、今回の1次補正で財源にあてがわれたのは、利便増進事業の一部(H23年度につき2,500億円)にすぎません。大半の時間帯割引は継続されています。激変緩和という観点もあるんでしょうが、あくまで震災に対処するための、ということでこの規模になったという事なのでしょう。
ちなみに、具体にはどうするのかと言うと、既に高速道路機構に対し行っていた借金の相殺を一部反故にし、2,500億円分を国庫に上げさせるというパワフルな手段です。それだけの金額をひょいひょい動かして大丈夫なのかと思うのですが、その分の資金調達等については政府保証がなされるとのこと。うーん、ならいいのか、っていうとうーん。

4.震災対応を踏まえた東北地方の高速道路無料化

今回いちばん「おいおい」と思うのがこれ。国土交通省は「東日本大震災による被災者支援及び復旧・復興支援のため、(...特定の車両を...)無料開放します」と言っている。ここで「あれ?」と思うのは、なんでこれが「1次補正を踏まえた高速道路料金について」とは別に書いているのか、という点。そりゃそうです。だってこの無料化、政府のお金は入らないんですもの。

そもそも、高速道路というのは一般の道路と異なり、NEXCOが通行車両から料金を徴収することになります(道路整備特別措置法第24条第1項)。しかし、同項但し書きにより、「緊急自動車」と「その他政令で定める車両」については例外が認められています。
この政令、つまり道路整備特別措置法施行令の第11条によれば、「その他政令で定める車両」というのは「当該道路の通行又は利用が災害救助、水防活動その他特別の理由に基づくものであるため料金を徴収することが著しく不適当であると認められる車両で、国土交通大臣が定めるもの」とされており、「国土交通大臣が定めるもの」というのがこれ。

一 警察庁又は都道府県警察において、警衛、警護若しくは警ら又は緊急輸送その他の緊急の用務のため使用する車両で道路交通法第39条第1項に規定する緊急自動車以外のもの
二 検察庁において犯罪捜査のため使用する車両で緊急自動車以外のもの
三 災害救助、水防活動又は消防活動のため使用する車両で緊急自動車以外のもの
四 当該道路の沿道又はその近傍において国又は地方公共団体の職員が防疫活動その他の緊急を要する公務を行うため使用する車両
五 当該道路以外の道路の損壊又は他の道路若しくはその付近における火災その他異常な事態の発生により当該他の道路の通行が危険となり、当該道路の通行を余儀なくされる場合において当該道路を管理する道路整備特別措置法第2条第6項に規定する会社等又は法第18条第4項に規定する有料道路管理者が料金を徴収することが著しく不適当であると認めて指定した時間内における通行車両
六 当該道路の管理事務に使用する車両
七 当該道路の沿道又はその近傍に住居、事務所、事業所等を有する者が使用する車両で当該道路を管理する会社等又は有料道路管理者が料金を徴収することが著しく不適当であると認めて指定するもの

料金を徴収しない車両を定める告示(抄)(平成17年9月30日 国土交通省告示第1065号)

従来ですと、いわゆる災害復旧の支援に関する車両は第3号で読み、災害の発生により一般道が使えず代替道路として無料開放する場合は第5号で読んでいました。今回は、地方自治体が認めた災害ボランティアの車両を第3号に追記し、「東北地方を発着する被災者・避難車」と「同じく物資輸送の中型以上の車両」を新たに加えるというものですね。(ただし、前者については当面1年間、必要書類の携行とNEXCO一体徴収の料金所の一般レーンを通行することが条件。後者は当面8月末まで、同じくNEXCO一体徴収の料金所の一般レーンを通過する必要があり、システム改修後は東北地方走行分のみ無料に)

おいらも決してその措置、その範囲について異論を挟むつもりはあまりありません。が、問題は誰が負担するのか、です。
実は、今回の措置の前からも、緊急車両や政令指定車両からは料金を取らず、誰も補填をしていません。つまるところ、NEXCOの自己負担です。まあ、今回のような例ってそうそうありませんしね。「政令指定車両で無料開放」と聞いた時「ああ、その手があったか」と思った理由は2つあります。1つは国土交通大臣が定める事ができるので、法律の改正やNEXCOからの料金割引の発議など必要ありません。一方的に、かつ比較的スピーディに決められるというのが告示の妙味でしょう。もう1つは、補填の根拠にならないことです。この2つは、同じ「一般車両の無料開放」であっても無料化社会実験と大きく異なる点と言えます。
まず手続き論のお話ですが、無料化社会実験も建前上は、「該当する区間を通行する車両の通行料金を100%割引する」という割引措置を「NEXCOから発議する」形で行われ、その告示もなされています。その後、「本来なら通行料金を徴収する車両から料金を取らなかった分、国が相当分を補填する」という仕組みで、上に書いたようなお金のやり取りがなされています(もっとも手続きの考え方自体は利便増進事業も同じですけど)。ところが今回のような形をすると、そもそも国が「料金を徴収しない車両」と決めてしまっているので、NEXCOが「うちに入るはずだった金です」と言う根拠が崩れます。だって、その車は緊急車両なんかと同じなんですもん。
まあ社会的な役割を考えれば、災害時にその程度の負担は仕方ないよね。という意見は確かにある。で、今回のこれが「仕方ないよね」で乗り切れる規模なのかしらん。

まず被災証明書・罹災証明書ですが、建物の損傷状況に対し発行される罹災証明書と異なり、家財等に損傷があっただけでも(だけ、という言い方もたいへん失礼ですが)被災証明書は取得できます。すると結構な人数が潜在的に取得可能になります。また、ここから先は推測ですが、保険の手続き等で被災証明書・罹災証明書の原本を使用したり、一家で何台も車を持っている地方部の状況を考えれば、かなり弾力的な運用が考えられます。考えてもみてよ、コピーを渡したり、単に被災地の住所の免許証を提示するだけだったりだとしても、料金所で「本当に被災したんですか?」なんて聞けないでしょ? 運用側が極めて性善説に立たねばならない状況を考えれば、実際にはかなりの車両が利用するような気がしてならず、今の時点では推定も不能だろうなあと思います。
一方、中型以上の車両ですが、これも無料化によって誘発された交通量はそっちに置いていくとして、仮に震災前と同じ規模の交通量があったとして、どの程度の規模になるのか考えてみます。平成21年度のNEXCO東日本の料金収入は5,735億円。このうち2割弱が東北地方の収入だそうですが、当面の間は東北「発着」なのと水戸周辺も含まれる し計算が面倒な ので2割とします。続いて、車種別の料金比率については、平成22年度の車種別交通台数比に、車種別の料金比(普通車を100とした時、軽自動車等は80、中型車は120など)を傾斜配分すると、 大口の割引なんてのもあった気がしますが、 中型車以上の通行料金は全体の約23%と推定できます。従って、東北地方の中型車以上を2ヶ月間無料にした場合、5,735億円×0.2×0.23×2/12=約44億円が徴収されないことになります。なんという乱暴な計算。
44億円に推定不能な被災車両の分を足しても、上の方で触れた「料金収入が計画収入の99%を割った場合には償還に入れる額を減らす」というラインに一発アウトとはならなさそうですが、44億円って普通に考えたらかなりの金額ですよ。「インフラ企業が災害時に社会貢献するのは仕方ないよね」というレベルなのかしらん。営業利益をふっ飛ばしかねない規模の「自己負担」を仮にも民間企業に、ましてや早期復旧であれだけの貢献をなした者に素知らぬ顔で求めるってのはどうなのかなあ。え、無料化社会実験で影響をモロに受けた鉄道・バス・フェリー会社に比べれば大したことはないって? うんまあ、それは一理あるよね。

なお、ちょっと気になるのが昨今の政界の動き。

(略)国交省は今回の無料化に続き、同じ対象地域で早ければ今夏から1年程度、一般利用についても全車種での無料化を実施することを検討しており、11年度第2次補正予算での財源確保を目指す。(略)

東日本大震災:東北の高速、被災者無料20日から 「休日1000円」は19日終了 (毎日新聞)

とあるように、今回の中型車以上の無料開放が「当面8月末まで」となっているのは、「2次補正までのつなぎ」を想定しているからでしょう。再度告示を改正するのかどうか知りませんが、2次補正成立以降は国費が投入されるようです。いや、言い換えると、2次補正が仮に8月末までに成立しなかった場合には、延々とNEXCOの収入不足が続きます。さて、このメドはいつ立つんでしょうかね。

金額の大きさという点からNEXCOばかりを引っ張ってきていますが、この無料措置、実は同エリアに存する地方道路公社などの有料道路にも適用されます(青森県内の2有料道路は最終的に除外)。NEXCOなら、北海道や関東といった他の業務エリアがあるけれど、東北地方の県の道路公社なんて他に収入源がロクにありませんから戦々恐々。しかも2次補正分は予算充当の明言もされていないから(地方道路公社って無料化社会実験でも漏れたしね)なおのことです。以下茨城新聞から。

(略)さらに、同省は本県や青森、宮城など自治体の道路公社に対し、高速道路に接続する有料道路も無料化するよう求めている。無料化の検討対象となるのは、常磐道日立中央ICと接続する県道路公社の日立有料道路のほか、青森、宮城、福島、栃木の各県道路公社の計5路線。
これを受け、渡口潔全地連会長や大島恭司県道路公社副理事長は6日、東京都内の国交省などで、大畠国交相や小泉俊明国交政務官のほか同省幹部らに要望書を提出した。要望書は、有料道路の無料化による減収で公社の経営が甚大な影響を受けるとし、「公社路線の減収額について国が負担するなど、必要な支援策を講じること」と訴えている。
同省は、高速道路無料化の経費を本年度第2次補正予算に計上するよう求めるとしているものの、有料道路無料化の経費についての方針は明らかにしていない。
県道路公社によると、日立有料道路の料金収入は10年度が約2億6300万円。本年度は、県内5路線の料金収入の約3割に当たる約2億5900万円を見込んでいる。同公社は「有料と無料を混在させないため、高速道路と一体に有料道路も無料化できればいいと思うが、国の支援がなければ無料化判断は難しくなる」としている。

日立有料道無料化「減収分の国負担を」県道路公社 (茨城新聞)

さてどうなることやら。

5.無料化で懸念される影響

どうなるもこうなるも、限定的とはいえ無料化されれば交通量は増えます。おまけに夏以降は全車種への拡大を考えているなら、いっそう拍車がかかるのは想像に難くありません。しかも今回の場合、被災者・避難車は被災証明書・罹災証明書、および本人確認書類の提示が必要となるため、各料金所の一般レーンでの長時間ストップは必至。中型車以上もシステムが追いつくまでは一般レーンを通る必要がありますから、ETCの普及とともに解消されたはずの料金所渋滞は不可避でしょう。当然、ETCレーンも「ETC/一般」の混在運用にするでしょうから、等しく待たされます。
ましてやこういう手続きにトラブルは付き物。必要書類を携行していない該当車両や、誤って入口出口でETCレーンを通ってしまった者への対応など、各料金所で夏の陣が繰り広げられる事は間違いなさそうです。逆に、そういうトラブルを「捌く」ために、大いに「現場での運用」がなされるんじゃないかというのがおいらの想像です。それはそれで歪みと非難を集めるんですけどね。それでも国交省の人たちは心配などしていないでしょう。そういう運用レベルの想定にはノータッチでしょうし、何しろ苦情の矛先はNEXCOです。そんな制度で大丈夫か。大丈夫だ、問題ない。と。

無料化による余波は現金を扱う料金所だけとは限りません。高速道路の本線の交通量も増えるのだから、単純に事故も増えるでしょう。交通量が増える、事故も増える、となりゃ一度止まれば大渋滞、というアレ。震災以降、積み荷の落下物が増えているというポスターも見かけましたし、この辺は大いに気になるところ。大型車両の増加によって轍掘れなど路面の痛みが加速するのも心配ですね。
ああそうでした。路面の痛みで思い出したのですが、東北地方の高速道路もまた復旧復興の対象なのです。震災発生から約2週間で一般車両も通行可能になった高速道路ですが、あくまでそれは応急復旧。今なお広い範囲で段差等が残り、速度規制が行われています。先の1次補正でも高速道路の復旧費用約492億円が計上され、順次復旧工事に入ることでしょう。え、どうやって。
今回の震災の場合、「路面に段差ができている」というのは方々で知られていますが、「じゃあ舗装をし直せばいい」かというとそうでもない。場合によってはその下にある何層もの盛土構造に手をつけねばなりません。大げさに言ってしまえば、それが数百キロで、です。いや、それは大げさですね。それでいて今回の場合は「復旧・復興支援のため」の名目の下、交通を滞らせるようなことはあってはならないという縛りを付加し、さらに無料開放による交通量増が加わり、しかも補正予算なので契繰を使ったって2年間で工事を行わねばならず、おまけに損傷したのは高速道路だけじゃないので、人から機材から材料までパイの取り合いに進入し制さねばなりません。なんだその無理ゲーは。

6.打ち止めにはならない?

今回の新たな措置について、毎日新聞はこう評していました。

(略)被災者支援・被災地復興で一定の効果は期待できそうだ。しかし、民主党政権が掲げてきた「高速道路無料化」の金看板は、財源不足で迷走を繰り返した揚げ句、元の公約とはかけ離れた姿に変質した形だ。
(略)ただ、震災復興の新たな看板の陰に隠れるようにして全国を対象とした「休日上限1000円」と無料化実験は事実上断念に追い込まれた。
民主党の高速道路料金に関する政策は、つまずきの歴史だった。09年3月、当時の自公政権が「休日上限1000円」をスタートさせたが、民主党が同年の衆院選で全国の「高速道路の原則無料化」を政権公約(マニフェスト)に掲げて大勝。鳩山由紀夫首相(当時)は、無料化に必要な予算を1.3兆円と見積もり、10年度予算案でまず6000億円を要求した。しかし、財源難のため結局1000億円しか確保できず、10年6月から始まった無料化実験の対象路線は、高速道全体の2割弱に当たる1626キロにとどまった。
鳩山政権はその一方で、自公政権の置き土産である、「休日上限1000円」の見直しに着手。10年4月、前原誠司国交相(同)は、「普通車上限2000円」など曜日を限定しない新割引制度の同年6月導入を発表した。しかしそれも、民主党の小沢一郎幹事長(同)の反対にあい、発表から2週間で頓挫。政府・与党は10年12月、「休日上限1000円、平日上限2000円」との妥協案をまとめ、11年4月から実施することでようやく合意にこぎつけた。
その新たな上限料金制度も、震災により見送りが決まり、政府・民主党は、被災者支援と震災復興に焦点を当てた無料化にかじを切った。
これまで実施した制度が経済活性化や一般道の渋滞解消などにどう貢献したのかなどの十分な検証がされないまま、無料化の趣旨は震災復興にすり替わったことになる。

高速道被災者無料:復興への効果期待 民主「金看板」変質 (毎日新聞)

ご冗談を。後に大臣にもなった馬淵澄夫・副大臣は導入当初、会見でこう言っている。

(略)一般道から高速道路への転換、通行台数等をしっかりと確認をする。渋滞の変化、走行速度、渋滞回数、渋滞の長さと、また物流車両の利用状況ということで、利用回数、あるいは到着時間の正確さと、また観光客数に関しましては、主要観光地の観光客数、旅行の回数等、また他の公共交通機関の輸送量に関しましては、鉄道、フェリー等の輸送量、その他に関しましては、交通事故や夜間の騒音等、こういったものの実績データを観測いたしまして、効果、影響の分析を行います。
経済効果としては、私ども最も大きいものだと考えております時間便益等の分析、さらには物流コストへの影響分析、また、観光地への波及効果の分析、そして環境問題、これも注目されておりますので、CO2排出量の増減分析や他の交通機関への影響の分析等を行うということでございます。
(略)また、1か月、3か月、6か月といった長期データでは、さらにお盆をはさみますのでこういった繁忙期、混雑期の状況も含めて、物流車の利用回数、観光地における観光客数、これらもまとめて公表させていただきたいと。他の公共交通機関への影響等もこの段階でこうした中長期データに基づいて御提示をしてまいりたいと思います。
3月末の年度末には、この期間内のデータの全ての取りまとめを行いまして、経済効果分析といたしまして、時間便益は実測が出てまいりますし、物流の検証結果、さらには主要観光地等の観光客数等も含めて、これも一定程度効果を分析結果として御提示できると思います。CO2の排出量も速度の変化等々で読み取れますので、CO2の排出量、他の公共交通機関への影響といったもので整理をして、年度末に検証を行いたいと思います。

繰り下げ馬淵副大臣会見要旨 (国土交通省)

政権奪取の柱の一つと言ってもいい政策なのに、有耶無耶のまま「Fin」なんて出していいわけないでしょ? 単年度でも検証できるって副大臣が言ったんだから、幕間のつもりでフェードアウトさせるにしても、そこは「1年間じゃよくわかりませんでした><」でもいいからしっかりやってもらいませんと。
おい、またそのネタか。
いやあ、だってさ。今期、ほとんどテレビ番組を観ていないんだもの。
というわけで、忘れた頃に『魔法少女まどか☆マギカ』のお話。何、忘れていないって。そりゃあ上出来だ、タツヤくん。

Blu-ray Diskが立て続けにオリコンの初週販売記録を更新している同作ですが、台湾をはじめ海外での注目もかなりのもの。この辺の話は3月の「僕と契約しに、台北までおいでよ!」でも書いたとおりですが、その台湾でもDVDなどの販売が決定しました。輸入の代理店は数多くの日本の作品を台湾に持ち込んでいるMuseこと木棉花國際股份有限公司。オフィシャルサイトでのアナウンスはこんな感じであっさりなので、例によって巴哈姆特から訳。

以前、日本の関西地区で放送された完結編が22.6%の視聴記録(訳註:占拠率のこと)を達成した、2011年冬期の強力なテレビアニメ、『魔法少女まどか☆マギカ』だが、同作のDVDと関連商品が木棉花によって代行販売される事が決定した。また、中国語での名称も『魔法少女小圓』(訳註:『小圓』で『まどか(ちゃん)』)に確定した。

木棉花による人気アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の代行販売と、中国語名が決定 (巴哈姆特)

ちなみに、例のタイトルロゴというか文字と言うかですが、

yaguyagu125.jpg

という日本版のそれに対して、

yaguyagu128.jpg

あ、その文字は継承するのね。やっぱりね。

さて、ここで気になるのは台湾のファンの反応。K島ほかがあまりにカオスだったので、これでも比較的おとなしめな巴哈姆特から抜粋して訳。

1 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  !!!

2 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  俺の財布が血を噴いたぜ......。

6 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  うめてんてーが忘れられてるお......orz
  (訳註:画像の煽り文句が、『最強の製作布陣:新房昭之+虚淵玄+梶浦由記』となっているので)

8 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  これでテレビ放送したら、熱心な奴らが抗議するだろうな。

9 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  なんでBD版じゃないの!?

11 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  最近の台湾の輸入代理店は、代理のスピードがどんどん速くなっているな。

12 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  赤い子とうめ先生が(ry w

16 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  杏子おおおおお!!! 何で毎回公式サイトの画像には杏子がいないのおおおお!

19 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  杏子はマミられたんだよ。うめ先生も同じくマミられのさ......。

20 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  杏子はいないんだよ。日本だって最初に発表された時はいなかったじゃないか。

21 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  BDが販売されないと知って涙目。

58 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  / 人 ◕ ‿‿ ◕ 人 \:BDは契約しなかったのかい?

61 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  / 人 ◕ ‿‿ ◕ 人 \:QBは契約しなかったのかい?

63 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  22.6%だと? 日本中のオタクはそんなに多くないだろ!
  (訳註:まあ、視聴率と勘違いしちゃうよね。あの書き方は)

65 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  オタクはそんなに多くないだろ。でも、魔法少女のタイトルに騙されて観てしまった子供は多そうだwww

68 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  R-18で年齢制限した方がいいかもしれない......歳の小さな子供たちにはきっと理解できないだろう......それに猟奇的だし。

70 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  小さな子供の両親は、自分の子供がジャケット詐欺に遭わないように気をつけろ!!! NCCが監督するかも...?
  (訳註:NCCは、国家通訊伝播委員会のこと。通信・放送などを監督する省庁)

73 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  一見、『プリキュア』のように子供向けだけど、内容はマジでダークだからな。

75 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  幼幼台で放送しないの?
  (訳註:東森幼幼台のこと。子供向けのアニメや番組が多いケーブルテレビ局)

83 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  幼幼台で放送したら、第3話が放送されなくなっちゃうだろ。

93 名前:魔法少女だった名無しさん@台湾
  今日本で放送されているアニメのほとんどが、台湾だと放送できなくなるだろうなあ。

コメント一覧 (巴哈姆特/強調は引用者)

これはこれでカオスだなあ。
そういや、ニコニコ動画での一挙放送は台湾でも同時に行われたんでしたね。穿った見方をすれば、ああなるほど、あれも良いタイミングだったよね、という。それにしても、タイトル詐欺から第3話のアレ、そして公式絵にまだ登場していないキャラの話まで、早くも話題に事欠かない感じで期待も大きそうです。一方、日本でも少し話題になった血生臭い表現は大丈夫なのか、声優は誰がやるのかという台湾ならではの要素も垣間見えて、なかなか興味深いですね。「これでTV放送したら泣くわ」と「むしろBDが出ないのことに泣くわ」の併存も海外ならでは。あでも、そのうち両方あるんじゃないかな。何せあの敏腕営業マン、キュゥべえさんがいらっしゃいますから。

( ◕ ‿‿ ◕ )<彼ら自身も分かってるんだ。だから選択肢なんてない。BDやテレビ放送の有る無しに関わらず、彼らはDVDを買うしかないんだよ。そうさ。過去の日本のファンたちと同じだよ。まどか、君だって一緒に視ただろう?

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