2011年9月アーカイブ

まずは、割と今さらではありますが、この拙いブログのカウンタが5万回も動いたそうなので、お礼申し上げます。例のくだらないイベントはやるかどうかも含めて調整中ですので、あまり期待しないでください。

さてさて、さっそくだけど前々回の「八月の宿題は八月のうちに。」で書いたさらなる宿題の件です。なんとか9月中ではあるけれど、既に時期を完全に逸した感は否めません。今月の上旬に台湾を賑わせたウィキリークスの話ですね。
ウィキリークスと言えば、去年の暮れに「「馬英九と胡錦濤が毎週Skypeで雑談しているという機密、WikiLeaksで流出」が大爆釣。」なんてのがありましたけど、今回は本家のウィキリークスからの実際の流出です。まずは2日の共同通信から。

【ロンドン共同】英紙ガーディアン(電子版)は2日、内部告発サイト「ウィキリークス」が、保有する約25万件の米外交公電の全てを未編集のままネット上で公開したと報じた。情報提供者の実名などが明らかになり、危害が及ぶ可能性がある。

ガーディアンやドイツのシュピーゲル誌などウィキリークスと協力関係にあったメディアは同日、ウィキリークスの未編集公電の公開を非難する共同声明を発表、「不必要な全てのデータ公開(の判断)を擁護することはできない。われわれは一致して(公開決定を)非難する」とした。

ウィキ未編集公電を全て公開 英紙報道 (共同通信)

と、まるで子供の癇癪のように投げ出された外交公電は、アメリカの250近くの在外公館と国務省とのやりとりのもの。現地職員が作成したメモや、現地での報道を訳して報告しただけのものまで、文字通り玉石混交といった感じです。
台湾を賑わせたというウィキリークスの内容は、このうちAITこと米国在台湾協会の台北事務所が発したものについて。台湾の内政から外交、それこそ台湾海峡問題から馬英九のグリーンカードの問題、九二共識まで多岐にわたっています。なのですが、意外に波紋を呼んだのは、台湾の政界の人間関係でした。まずは与党・国民党に関する話題を適当に抜粋して訳。7日の自由時報から。

馬英九総統と与党系政治観との間の恩と仇が「ウィキリークス」上で踊っている! ウィキリークスが公表した'07年から'09年にかけての米国外交機密公電によれば、当時桃園県長だった朱立倫が与党系政治家たちの内幕を暴露している。朱は、米国在台湾協会(AIT)で台北事務所長を務めていたスティーヴン・M・ヤング(訳註:2006年から2009年にかけて台北事務所長。現在は米国駐香港・マカオ総領事)に対し、馬英九が宋楚瑜のことをたいへん嫌っており、また連戦の話を聞けなかったと明かし、さらに、連戦、王金平、宋楚瑜、呉伯雄といった国民党系の長老たちの引退を望んでいたという。(略)

ウィキリークス:朱立倫、2009年4月に話す 馬英九は連・呉・王・宋の引退を希望 (自由時報/強調は引用者)

あらら。自由時報の記事によれば、「朱立倫は当時、国民党内でポスト馬英九と目されており、米国側も朱の台湾政局の観察眼に着目していた」という。
これに対し当の朱立倫は、というと、

(略)朱立倫は、かつてAITが関心を寄せている話題について簡単に意見を述べたことはあったかもしれないが、AITはそれをもって朱の見解とすることはできないと述べ、またスティーヴン・M・ヤングとも親しい付き合いはなかったという。また、4年も前に話したことなので完全に覚えていないが、ウィキリークスの多くの内容は、明らかにスティーヴン・M・ヤングかAITの何者かの個人的な解釈だろう、と話している。(略)

朱立倫:スティーヴン・M・ヤングの個人的な解釈 (自由時報/強調は引用者)

一方、民進党も無傷というわけにはいきませんでした。8日と9日の自由時報からまたまた抜粋で訳。

ウィキリークスが暴露した米国の外交電文によれば、蘇貞昌・元行政院長は2008年、当時の米国在台湾協会台北事務所長であったスティーヴン・M・ヤングと会談した際に、民進党主席の蔡英文には政治の経験が乏しく、民進党の草の根運動的なものについても理解が足りていないと話していたという。蘇貞昌は7日、蔡英文に執政経験がなく、草の根運動も理解が不充分だと語ったことを認めたが、当時は多くの者が懸念したけれども「今はもう問題にならない」と述べた。

蔡英文:私は優れた力強いリーダー (自由時報/強調は引用者)

AITの電文によると、'06年11月16日、スティーヴン・M・ヤングが呂秀蓮が総統になる可能性について尋ねたところ、それまでずっと慎重だった蘇貞昌から驚くべき言葉が飛び出したという。蘇貞昌は、呂の思考と行動は完全に「予測不可能」であり、もし呂が総統になれば両岸関係などの分野で大きな傷を負うだろうと話したという。
(中略)その後、游錫堃が呂に関する率直な見解をヤングに示した。呂はごく少数の党員から指示されているが、もし彼女が総統になれば重大な変化を巻き起こし、彼女の号令をただ聞くだけの腹心を高級幹部に据えるようなことも含まれるだろう、と話した。

蘇・游が呂を評す:党内の支持は決して高くない (自由時報/強調は引用者)

とまあ、出てくる出てくる。なんというかまあ、「皆さん、よく喋りますね」としか言いようがありません。若干安心して記事を探せるのは、米国の在外公館が発した公文だからでしょうかね。さすがに、日本に関する内容はそんなに多くありません。'09年の齋藤正樹・交流協会代表による「台湾地位未定論騒動」の後、馬英九がヤング所長にアメリカの見解を問い質した、という記事が10日の自由時報に載ったくらいでしょうか。

と思っていたら、ありましたよ。9日の聯合報から抜粋で。

ウィキリークスがもたらした一連の政治的な嵐は、日本の交流協会をも巻き込んだ。2007年末、当時の池田維・交流協会代表は米国在台湾協会(AIT)台北事務所長のスティーヴン・M・ヤングに対し、日本政府は表面上中立を保たねばならないが、内々には民進党の勝利を望んでいると話していた。ヤングは、池田が国民党に対し軽蔑と憤慨の念を抱いていおり、たいへん驚いたと述べている。
(略)二人の話題は、まもなくやってくる総統選挙に及んだ。池田は歴史、個人に関する要因により、日本政府は国民党に対してあまり好感を抱いておらず、民進党が勝つことを望んでいると話した。池田はまた、馬英九に比べ、京都大学を卒業した謝長廷の方がより好感を持てることや、蒋介石の時代以来、国民党は日本に対して大いに敵意を見せているなどと述べている。
ヤングは報告の結びで、池田は優れた連絡員であり、経験豊富な中国通であると述べている。一方で、池田が国民党して示す軽蔑のレベルは、ヤングにとって大きな驚きだったと語り、池田は表面的には冷静な分析に基づいたようであったが、長らくの恨みや憤りの気持ちを感じたという。

ウィキリークス:日本の駐台代表、日本は非公式に民進党の勝利を期待 (聯合報/強調は引用者)

ぎゃあ。ウィキリークスの信用性、そして何よりヤング所長というバイアスが掛かっているとはいえ、これはなかなか踏み込んだ発言でしょう。というわけで、ウィキリークスで公開されたその公電とやらを見てみましょう。問題となったのは2007年10月26日付けの「TAIPEI2406」というもの。ヘッダ部分は一部省略して全文訳。

件名:スティーヴン・M・ヤングAIT所長による日本の池田代表との昼食

1.要旨
カウンターパートである日本の池田維・代表と行った10月25日の昼食の席で、彼は10月19日の陳水扁・総統との夕食について、および中国国民党の総統選挙候補者である馬英九の日本訪問予定について話した。池田は、日本は次の台湾の総統選挙において表面上中立を保つが、人物的および歴史的な理由から、感情としては民主進歩党の謝長廷に傾いているとも明らかにした。

2.池田は、先週金曜に陳水扁・総統と邸宅で夕食を共にした。彼は、事実を公の場で強く示さないという東京の選択があるにも関わらず、アメリカと日本が民進党の国連加盟に関する国民投票に対し反対する事について、詳細な補足意見を強調した。台湾は、我々の間の僅かに異なる戦術的アプローチにおけるいかなるギャップも読みとろうとするべきではない、と。これを受けて陳は、この問題に関しどうにかして日本に手心を加えてもらおうと求めないことを約束した。
池田はまた、陳に対して2000年に公表した「四つのノー」に関する説明を求めた。陳は、それが米国政府との相談、民進党および専門家との熟議、そして大陸に対する遠回しな連絡を経た後にできたものだと話した。陳は、就任式の草稿を自身で書いたことを認めた(註:しかしこの原稿はワシントンから求められたようであるということを回顧するヒントであったことを記しておく)。
個別の会話としては、池田が邱義仁・行政院副院長に対し、民進党の謝長廷が総統に選ばれたら陳の「四つのノー」を踏襲するかどうか尋ねた件がある。邱は、謝がそれをしないであろうと示唆した。一方で、現状を一方的に改変しないという同様の誓約をいくつか行うであろうと暗に示したという。

3.池田は、馬英九陣営が近々行われる東京および大阪への訪問においての限界点を日本側と交渉し始めたことを伝えた。国民党は、(ワシントンとは異なり)現地に党の事務所が無く、また駐日経済文化代表処に補佐を依頼したくないため、日本側に対して公式なプログラムを望んでいる。これについて日本側は、それを馬サイドの者に責任を持たせたいと考えている。これまでは、妥協点として、日本の国会の事務局に要請することにより、彼らが規則正しくこれをさばくというものだった(註:それが日本の議会の者だけに対するものか、あるいはより広い者にかは不透明であるが)。
池田は、馬が前回の日本訪問の際に、あまり強い印象を残していないことを認めた。また、国民党の対中姿勢および防衛に関する諸問題への見解について、来日中に鋭く質問されることだろうと述べた。

4.池田は、次の台湾の総統選挙で我々が中立なままでいるかどうか、アメリカの立場を注目していた。これは東京の正式なスタンスも同様であるのだが、彼は続けて、歴史的に彼の政府は国民党に対して好意的ではないと話した。さらに、京都大学で学んでいたことのある謝長廷の方が、馬英九よりも日本に好感をもたれていることを彼は認めた。
しかしより根深い部分では、1845年(訳註:原文まま)から1945年まで過酷な占領を行った台湾と同じように、第二次世界大戦中に中国大陸で侵略行為を行った日本に対して、国民党が大いなる敵意を見せた蒋介石の時代に遡る。例えば、国民党時代の台湾の教科書では、植民地時代が「悲惨な50年間」と描かれるのが常であった。また、池田の主張によればおよそ2万から3万人の台湾の一般市民が何度かの大きな命令によって死刑執行されたそうだが、これが60万人の台湾人が日本人によって殺されたことに誇張されている。
一方これとは対照的に、民進党の成長とともに教科書の内容も過去10年でずいぶんと改められ、植民地時代も好意的に描かれている。候補者に関して実際には公にコメントしないと再び断言しているけれども、要するに池田は、彼の国は民進党の勝利を望んでいることを明確にさせている。

コメント
5.池田は良い相手方であり、経験豊かな中国通だ。しかし、日本の国民党に対する軽蔑的な厳しい姿勢に私は衝撃を受けた。それはあたかも、表面上は冷静沈着な分析をする彼のすぐ内側に、積年のわだかまりの感情が横たわっているかのようだった。

YOUNG

TAIPEI2406 スティーヴン・M・ヤングAIT所長による日本の池田代表との昼食 (Wikileaks/強調は引用者)

うーん。これは難しいところですね。日中戦争まで遡ってうんたらかんたら、というのも断交前の状況を考えれば「あれれ?」という気になるし、民進党の勝利を望んでいるかどうかというのも、これだけだと何とも何とも。
これに対する池田元代表の見解ですが、9日夕方の中央通訊社によればこう。抜粋して訳です。

ウィキリークスが引き起こしている政治的騒動に、日本の交流協会台北事務所の元代表、池田維も巻き込まれてしまった。池田は9日、中央通訊社の記者に対し、中国国民党に対して心中で軽蔑しているという意見は「たいへん誇張されたものだ」と語った。

(略)この件について池田は中央通訊社の記者に対し、個別のことに評論するつもりはないが、報道の内容を見て「大いに仰天した」と話し、ウィキリークスが暴露した内容は非常に大げさでねじ曲げられた誤った見方だと思ったという。特に指摘したのは、彼が国民党に対して軽蔑、憤怒の感情を抱いていたという点だった。
池田は、彼とヤングの関係は良好だったと述べ、しばしば会って意見交換をしていたと言うが、今回書かれている内容を見ると非常に主観的であり、池田自身が持っている見解とは異なっていると話した。池田によれば、彼は国民党に対していかなる憎しみも持っておらず、それは普段から付き合いのある者ならわかるはずだと述べている。

また、池田が台湾と中国大陸に対する見解について触れた際、彼が昨年9月に書いた『日本・台湾・中国 築けるか新たな構図』という本についても話した。この本は、まもなく中国語版が刊行されるという。
池田によれば、2008年7月に交流協会台北事務所を離任し日本に戻った後、何度も講演の依頼を受けたが、そこで多くの日本人が台湾を分かっておらず、また馬英九総統の政府が「親中反日」かどうかをとても気にかけていたという。そこで、池田はより多くの人に台湾のことを知ってもらうために、台湾に駐在した間に見たことを整理して本にまとめたという。

ウィキリークスに掃き出された 池田維:たいへん大げさ (中央通訊社/強調は引用者)

と。まあ、外交の世界は腹の探り合いみたいなところがありますから、本当のところはどうなんだろうね。それより、池田元代表、ちゃっかり自書の宣伝を絡めているじゃないですか!

えーと、この本ですが、産経新聞出版からで1,785円です。読書の秋にぜひ一冊。
などと、無理矢理入れてみたんですが、そもそもアフィリエイトも何もしていないこのブログでそんなものを混ぜ込んでも何の意味もないのでした。えっ。それでもいいから、そろそろまぜろよ、ですか、はい。

さて、さっそくですが21日の巴哈姆特に、ちょっと放っておけない というか、放っておいたらこのサイトの存在意義が疑われてしまいそうな 記事がありました。タイトルが「初音ミクみく」っぽいので既にわかっちゃったかもしれませんが、まずはイントロ部分を抜粋して訳。

飛天膠嚢数位科技有限公司(E-CAPSULE)は、1年あまりの計画を経て、正式にバーチャルボーカルソフトのVOCALOIDを台湾でも発売することを発表した。

VOCALOIDは、日本のヤマハが開発、完成させた、人間の音声を元に歌声を作るソフトで、使用者はメロディーと歌詞を入力することで、音声ライブラリに収められた音声を組み合わせ、ソフトに「歌わせる」ことができるというものだ。現在、多くの企業がバーチャルボーカルの音声ライブラリを開発しているが、総括すると、それらは日本語版と英語版の2種類に大別することができる。文字通り、日本語版は日本語の歌詞のみ入力することができ(訳註:原文まま)、Windowsの日本語のシステムの中で操作が可能となっている。英語版も歌詞は英語で入れる必要があるが、Windowsの中国語システムでも使用できる。
飛天膠嚢は、既に以下の企業のVOCALOID製品の独占代理権を正式に取得し、台湾に導入したという。

VOCALOID バーチャルボーカルソフトが正式に台湾市場へ (巴哈姆特)

きたあああああ。ということで、実際に飛天膠嚢が独占代理権を取得したVOCALOIDですが、実に多種多様です。既に日欧で発売されている製品の一覧のうち、飛天膠嚢が権利を得たものを太字にしてみました。ソースは上の巴哈姆特でっす。

 ・ZERO-G(英)(VOCALOID):LEON / LOLA / MIRIAM
 ・ZERO-G(英)(VOCALOID2):PRIMASONIKATONIO
 ・PowerFX(瑞)(VOCALOID2):SWEET ANNBIG AL
 ・クリプトン(日)(VOCALOID):MEIKO / KAITO
 ・クリプトン(日)(VOCALOID2):初音ミク / 鏡音リン・レン / 巡音ルカ
 ・インターネット(日)(VOCALOID2):がくっぽいどMegpoidLily / ガチャッポイド
 ・AHS(日)(VOCALOID2):氷山キヨテル / 歌愛ユキ / miki猫村いろは
 ・ビープラッツ(日)(VOCALOID2):VY1VY2
 ・キューンレコード(日)(VOCALOID2):歌手音ピコ

と、あまり詳しくない人が「VOCALOID」と聞いて思い浮かべるであろうクリプトンの製品は入っていません。これがビジネスの産物なのか、クリプトンに何か考えがあってのかはわかりませんし、おいらには推測する術もありません。

ここでもう一つ「きたああああ」なのは、今回台湾での発売が決まったVOCALOIDのうち、英語版の5人(もう単位は人でいいです、はい)についてです。巴哈姆特によれば、

さらに特筆すべきは、英語版のVOCALOIDは入力部分に中国語を入れられるということだ。もし、使用者が中国語の歌詞を直接入力して歌わせようと思うのならば、特別な付属中国語ライブラリを使うことができるほか、ライブラリの目録を照らし合わせることもできる。
また、飛天膠嚢は今回、特別に5種類の英語版VOCALOIDに対し、台湾のイラストレーターに新たなキャラクタデザインの作画を依頼した。元の人間のようなキャラクタイメージとは異なったものにすることによって、吸引力を増加させたい考えだ。

VOCALOID バーチャルボーカルソフトが正式に台湾市場へ (巴哈姆特/強調は引用者)

日本ではZERO-GとPowerFXの5人は元のパッケージをそのまま使って販売されているのでイメージがつかみにくいかもしれません。つまりどういうことかというと、こういうことです。

yaguyagu145.jpg

!?

ちょっと、もう一回確認してみましょう。それぞれのパッケージに描かれている人物を拡大してみます。

yaguyagu146.jpg

!?

いや、確かに言われてみると、Sonikaはかなり原形を意識していますし、Tonioもヒゲとか髭とかひげとか似たような感じですし、BIG ALもぱっと見た限りでは......なんで眼鏡やねん。何で武器を持ってんねん。がくっぽいどか腹切れ貴様ァ。

ちなみにこの5人のうち、Sweet AnnとBIG ALに関しては既にネタバレしていたりします。一部の方はご存じでしょうが、今年の4月にPowerFX社のVOCALOIDソフトのページにこの2人のイラストが登場、日本の各サイトでも「そもそも、PowerFX社のサイトがリニューアルしているようなので、それに乗じてイラストも新しくなった(?)ものと思われ。ますます日本のアニメふう...でつな^^」(初音ミクみく)や、「VOCALOIDもユーザーは日本人が多いらしいので、これも日本向けのリニューアルという事なのかもしれません。しかし、思い切ったことをするなぁ」(初音ミク視聴のススメ)などの感想、憶測が飛び交っていました。現在、当時のページは既に404になっているので、これがPowerFX側での「単なるフライング」なのか、全面的なリニューアルの準備だったのかはわかりません。

このイラストですが、巴哈姆特の記事にもあるとおり、台湾の4人のイラストレーターが担当しています。巴哈姆特の説明文を順に訳すと(pixivと個人サイトは追記)、

 ・Prima&BIG AL:イラストレーターのLoizaがデザイン、最近の作品には、『百鬼夜行逢魔絵』『御霊絵』など。(pixivblog
 ・Sonika:イラストレーターのShiniaがデザイン、台湾版Microsoft Silverlightのキャラクタ『藍澤光』が代表作。(pixivweb
 ・Tonio:イラストレーターのAkruがデザイン、作品は、『柯普雷的翅膀』『北城百画帖』『荒山伏珠記』など。(pixivblog
 ・Sweet Ann:イラストレーターのVofanがデザイン、日本の雑誌でもしばしばイラストのデザインを行っており、日本の文学雑誌『ファウスト』では「台湾からの光の魔術師」と呼ばれた。(pixivblog

でっす。
Sweet AnnがVOFANというのはわかったのですが、確かにSonikaは藍澤光のShiniaですね、はい(言われて気がついた)。なんとも「その手の人たち」向けな選択ではあるのですが、パッケージイラスト、というかキャラクタのデザインが重要なのは今さら言うまでもありません。特に台湾ではVOCALOIDが「キャラクタのデザインとセット」で既に浸透しています。日本で言ういわゆる「海外組」を売り出すにあたって、ここに着目したのは必然かもしれないですね。

飛天膠嚢では、英語版VOCALOIDのサイト(ZERO-G組PowerFX組)を作り、この中ではYouTubeにアップロードされたデモ曲とPVを観たり聴いたりすることができます。また、こちらのサイト経由でオンラインでも買えるほか、台湾のアニメイトでも既に全種類のVOCALOIDが購入可能とのこと。
今まで以上に台湾でのVOCALOID文化が発展していきそうで楽しみですね。一方で、これは日本から台湾へのソフトの輸出が始まったと同時に(ヨーロッパのもあるんだけど)、台湾から日本への作品の「輸出」が始まることも意味しているわけで。日本のVOCALOID界隈にもどんな変化が出てくるのか、これもまた楽しみです。

それにしても、VOFANが描いたSweet Annのイラストが 何だかLilyっぽい 相変わらず素敵すぎるのですが、これ、どう考えてもSweet Annの声に合ってない希ガス......。


もう9月だけどね。でも、旧暦ならまだまだ8月なので、それで押し切ってしまいましょうか。

その宿題というのは、先月19日に書いたエントリ、「手は届いていたか、祈りは届いていたか。」の最後の一文、「なお、今回の訪日で呂秀蓮はとある方と会っているのですが、それについては次回ということで。今回も簡易更新でごめんなさい」に対するもの。
「次回」と言っておきながら既に4回も間に更新してますね。ええ。

というわけで、この一言さえなければ永遠に取り上げなかったであろう8月8日の自由時報から訳。書いたのはおなじみ張茂森氏。

公表されたばかりの日本の最新版「防衛白書」では、台湾と中国の軍事的バランスについて「全体として中国側に有利な方向に変化しており」と明確に示している(訳註:ただし、防衛白書の該当部分は註釈として台湾の「国防報告書」にこのような評価がなされていると書いており、台湾の見解を引っ張ったとも読める)。また、中国のミサイルの驚異に対しても台湾には「有効な対処手段が乏しい」と強調している。7日の産経新聞にも「アメリカ、台湾への新型F16C/D戦闘機売却を断念」という目を引く報道がなされている。この3,4年、台湾の安全保障は崖っぷちから転落してしまったと言える。

台湾の呂秀蓮・前副総統が先週日本を訪れた際、日本の元駐台代表である池田維と4時間にわたって会談した。話題は原子力発電所や経済に関するもののほか、日本も米国のように国会で日本版「台湾関係法」を制定し、台湾の安全保障の空白を埋めてほしいと呂秀蓮が望んだ事にまで及んだ。呂秀蓮は席上、台湾の安全は日本の安全であると述べた。
日本版台湾関係法は、李登輝政権時に提案され、陳水扁政権時まで2代の駐日代表によりますます過熱したが、日本の国会から重視されることはなかった。池田維は呂秀蓮に対し、かつて多くの時間をかけて説明を行っているが、重ねて台湾関係法の件を取り上げ、新たな概念を提起した。台湾が安全保障上日本に期待することは、実際のところ台湾関係法ではなく、全面的かつ強力に日本の集団的自衛権行使を支持することだと強く指摘した。

池田維は2005年から2008年8月まで、3年8ヶ月にわたって台湾に駐在し、台湾の安全保障の問題にも理解が深い。アメリカは台湾関係法の制定によって台米断交後の台湾の安全保障というニーズを補ったが、この法律で重要なのは、アメリカが台湾に対し必要な防衛武器を提供し続け、併せて、台湾の今の状況が武力によって損なわれないよう防衛する義務を持つという点だ、と池田維は考えている。これによって、万が一にも中国が台湾に対して軍事行動を発動した際には、アメリカは無関心な姿勢を取れない。しかし、日本はアメリカのように台湾に武器を提供することは不可能である。また、もし日本版台湾関係法を制定すれば、日本はきっと中国と衝突するだろう。
池田維は、日本の交流協会と台湾の亜東関係協会という枠組みの下、今は95%の台日間の問題はおおむね解決できていると強調する。しかし、中国が急速に軍備を拡大させ、海軍の艦艇が積極的に太平洋に進出し、さらに南シナ海でも良くない動きをしようとしているなど、アジア太平洋地域全体の安全に影響を与えており、日本国内でも集団的自衛権の行使を支持する声は次第に高まっている。そうであるならば、台湾が日本に台湾関係法の制定を期待するよりも、むしろ、日本の集団的自衛権行使の実現を台湾から支持されることを日本が期待し、日本とアメリカが共同して動き、中国の軍事拡張をけん制する方が上策と言える。

日本の憲法によれば、日本は集団的自衛権を持たないことはないが、行使を保留しているだけである。池田維は、仮に中国が軍事拡大を続ければ、「日本は集団的自衛権の行使を認めることを考えざるをえない」と指摘する。集団的自衛権の行使は、憲法の問題などではなく、政策の問題であり、内閣の承認さえあればよい。台湾の安全に関して言えば、日本が集団的自衛権の行使を果たせれば、日本版台湾関係法の制定よりも更に重要であり、アジア全体の安全にとっても貢献するものである。

東京前線:日本の集団的自衛権行使は、台湾の防衛に関わる (自由時報・強調は引用者)

とまあ、呂秀蓮の記事というよりは池田元代表の記事なのですけれど。それにしても、既に外務省を退官されているとはいえ、ここまでの主張する関係者はあまり見ないような気がします。この件は日本でも台湾でもほぼこれっきりになっているのですけれども、気になったので取り上げてみました。

そういえば池田元代表、9月に入ってから台湾で盛り上がっているウィキリークスの関係で、再び名前が挙がってきています。これについてはまた次回ということで。えっ。次回って1ヶ月後ですか? どうだろうねえ。(ぼう
さて、我が国の新しい首相が誕生しました。前回のエントリでは「たぶん「白い方が勝つわ」って言っておけば当たるでしょ。」と、タイトルを使って代表選の予想をしたものの見事に外れてしまいました。ここ数日の過程については全国津々浦々で悲喜こもごもだとは思いますが、おそらく日本中でいちばん痛恨の表情を見せたのはこの方でしょう。

民主党代表選で野田佳彦財務相が新代表に決まった29日、岐阜県土岐市の「山志製陶所」代表の加藤晃一さん(50)は急ぎ、野田氏の似顔絵作りを始めることになった。
山志製陶所は、歴代全首相の似顔絵を印刷した、全国各地の土産物店などで売られる「歴代首相漫像」という湯飲みを作っている。首相交代時には毎回、新首相の似顔絵を事前に準備しておく。
今回の代表選には5人が立候補。悩んだ加藤さんは、海江田万里氏と前原誠司氏の似顔絵を完成させた。ところが、ともに幻の首相似顔絵になってしまった。

「まさか野田さんとは...」 湯飲み用の似顔絵急いで用意 (朝日新聞)

yaguyagu144.jpg

いい表情ですよね。

さて、気を取り直して台湾での野田評でも見てみましょうか。まずは過去の略歴を含めた人物評について。中国紙では「父親が元陸自空挺団」というのがやけに出ていましたが、実はこのへんは台湾でもあまり変わらず。例えば、首相に指名された30日のCNAから抜粋して訳。

(略)野田は軍人家庭の出で、父親は自衛隊の元空挺部隊員だ。野田は早稲田大学政治経済学部を卒業後、1985年に「松下政経塾」の1期生として卒業している。松下政経塾は松下電器を創業した松下幸之助が創ったもので、政治分野の人材を育成することを目的とする民間機関であり、日本の各界に多くの卒業生がいる。
野田が「松下政経塾」で学び政界で表してきた政治的な意図は、卒業から26年経って同塾出身者として最初の首相という形で結実した。今回の党首選で1回目の投票で脱落した前原元外相も、彼の後輩にあたる。
野田は29歳の時に、当時最年少記録で千葉県議会議員に当選、2期連続で務めた後、日本新党から1993年の衆院選に出馬して当選、中央政界へ転身した。民主党に所属した2000年の選挙で2回目の当選を果たし、今日まで5期務めている。党内では国会対策委員長の要職を担った。
野田が志を立て、県議選に立候補した1980年代中盤以降、20年以上にわたって千葉県内で街頭演説を続けており、弁が立ち温厚で礼儀正しい人柄が好評を得ている。50歳で初入閣し、最終的には一気に頂点に駆け上った。これは彼の党内での人脈を表している。

野田佳彦が日本の首相に当選 (中央通訊社)

このほか、他紙からも抜粋すると、

(略)野田によると、彼は貧しい家庭の出身だという。父母はともに農家の生まれで、父親は自衛官であった。こうまでになったのは、彼自身の選挙区は都市部にあるけれども、彼の外見が「シティボーイ」のようではなかったからだと話す。
また、小さな頃から恥ずかしがり屋の文学少年で、司馬遼太郎などの歴史小説を好み、政治に必要なものは夢と志と人情だと考えているという。今の時代はこうしたものが欠けているため、国民が政治に対して不安を覚えていると話す。(略)

首相になる予定の野田氏、自分は見栄えの悪いドジョウのようだ (中国時報)

などなど。

本当はここで、「野田政権の寿命」だとか「歴史認識の話」だとか「日米関係は」だとか、諸々の点について台湾各紙がどのように報じているか取り上げると面白そうなのですが、 面倒くさいのと 冗長になってしまうだけなので、日台関係の見通しについて触れた部分について、ピックアップすることにします。
その前に、まずは政府政党の関係者から。代表に決まった後の29日と、組閣後の2日の中央通訊社からそれぞれ抜粋して訳。

(略)外交部の章計平・報道官は記者の質問に対し、野田佳彦は民主党の日台議員友好連盟のメンバーであり、これまでも中華民国国慶パーティーに出席するなど台湾との関係は良好だと述べた。
(略)立法院の台日交流親睦会長で国民党の立法委員、李鴻鈞は、野田佳彦が就任することにより、台日関係に大きな変化は無いだろうと話すとともに、現在の台日関係は有史以来もっとも良好な時期だと述べた。
また、台日関係の交流の大原則の点では、野田佳彦の執政のスタイルは菅直人や鳩山由紀夫の時期と変えるべきではないと語った。さらに、今の日本は誰が首相になってさほど違いはなく、重要なのは日本の東北地震の後、台湾が日本に対して友好的な姿勢を見せ、日本全国がそれに感銘を受けたことだと話す。
李鴻鈞は、野田佳彦が首相に就任しても、台日関係に特別な変化は生じないと信じている。野田佳彦は民主党の日台議員友好連盟のメンバーであり、台湾に対する印象も悪くなく、就任後も台湾に対し悪い影響を及ぼさないだろうと考えている。

野田が首相に就任しても、台日関係に影響はなし (中央通信社/強調は引用者)

(略)野田新内閣の誕生後、台日関係に変化はあるのだろうか? 台北駐日経済文化代表処の陳調和・副代表は取材に対し、今回の野田新内閣には日華懇の議員が4人入閣しており、日台安保経済研究会のメンバーも数人いると述べ、台湾との良好な関係は保たれるという見解を示した。
台湾系の参院議員、蓮舫も再び入閣を果たし、行政刷新と公務員制度改革の担当大臣に就任した。陳調和はこれについて「蓮舫は入閣前に台湾を訪れたことがあり、台湾とも一定の関係を維持してきた。しかし、彼女が台湾系であろうとなかろうと、閣僚の一員となれば懸念することもあるだろう。我々も大いにこれを理解し、台湾系だからといって我々に特に親密だというようなことを求めてはならない」と述べた。
また、陳調和は、民主党にとって最初の政権期であり、初入閣の大臣が多いのも必然的だと話し、特に日本は震災後、国内向けの事務に力を注がざるをえず、またこれまでのように対外関係に精通した人材を外務大臣に起用するようなこともないため、玄葉光一郎新外務大臣が初めて外交に関わることについても、彼はずっと内閣の一員にいたので台湾ともあまり接触はないと述べた。
(略)陳調和は最後に、民主党と台湾との関係はこれまでも良好であり、内閣が変わっても基本的な台日関係に大きな変化はないと強調した。

 (中央通信社/強調は引用者)


さてそれでは各紙でも。まずは自由時報から。「中国が野田を警戒しているのは、彼が友台議員だから」と書いた30日の記事は全文訳で、それと、おなじみ民主党の中津川衆院議員のコメントの載った31日の記事から抜粋で。

民主党の新しい党代表となり、日本の新しい首相になる予定の野田佳彦は、財政面から「タカ派」と呼ばれる人物だが、政治外交路線の面でも中国から「強硬派」と目されている。中国側は30日、野田の党代表選での勝利を知ると、官製メディアを通じて祝いの言葉を述べた後、「中国の核心的利益を尊重せよ」と警告を放った。実際に、中国が恐れているのは、野田の強硬なスタンスだけはない。より重要なのは、野田が台湾に友好的だという背景だ。

野田は民主党の「日台議員友好連盟」の会員でり、民主党の衆参両院議員で構成される「日台安保経済研究会」のメンバーでもある。日台安保会は、陳水扁・前総統の時代に成立したものだが、日台の政府筋はこれまで何度もこの会を通じて懇談会を開催し、「非公式」の接触を続け、安保問題を議論してきた。台北駐日経済文化代表処によれば、野田はかつて我が国主催の国慶パーティーや駐日代表着任パーティーにも出席しており、台湾との良好な関係を維持しているという。
2008年3月の総統選挙の際、野田は民主党の選挙視察団を率いて台湾を訪問し、本紙の呉阿明・董事長と面会、意見交換を行っている。その際に同行した国会議員の中には、「台湾娘」こと蓮舫・参院議員もいた。民主党の選挙視察団が訪台した目的は、日本が台湾のデモクラシーの発展への支持表明だけではなかった。選ばれる台湾のニューリーダーに「反日」傾向があるかどうかに強い関心を寄せ、馬英九の対日姿勢を懸念していたのである。

中国が野田に対して警戒感を高めている要因は、野田の中国に対する立場が民主党の前の首相である鳩山由紀夫や菅直人よりも強硬であるという点だ。例えば、中国の軍備拡張や釣魚台問題(訳註:原文まま)では、野田は先日の代表選での演説の中でも、「中国は民族主義を煽るためにちょっとした小細工をするかもしれない。日本はしっかりと警戒し、緊急な事件の発生を防がねばならない」と述べ、靖国神社参拝問題でもかつて「靖国神社に合祀されているA級戦犯は、戦争犯罪人ではない」と話したが、首相が参拝するかどうかは、個人の判断に委ねられるべきだとしている。
民主党代表選の前、中国のメディア「新京報」は5人の候補者の評価として、最も親中な人物として海江田万里を挙げ、前原誠司と野田佳彦については「親米反中」の強硬派であるとして、2人に対して警戒感を示していた。
新華社は野田が代表選に勝利した後の29日、野田に対して中国の「核心的利益」を尊重し、「中国侵略の歴史に正しく対応」するよう呼びかける論評記事を出した。また、日中間で最近生じているいざこざは、日本側が吹聴している「中国脅威論」のせいであると言明し、大きな警告を出した。
野田の就任後、日中関係には政治的または軍事的な争いの生じる可能性があると考える者もいるが、一方で中国メディアは専門家の意見として、日中関係は野田首相の誕生によっても大きな変動はないと伝えている。財務大臣の経験のある野田は、日本経済に対する中国の影響力を軽視しないだろうという考えだ。

新しい野田首相は友日派 中国は先に警告を放つ (自由時報/強調は引用者)

(略)野田に一票を投じた民主党の衆院議員、中津川博郷は、政治的なバランス感覚に長けた野田首相の誕生によって、民主党内を象徴する「親小沢」、「反小沢」という枠組みは、既にだんだんと曖昧になっていると話す。また中津川は、野田首相は「台湾を非常に重視する政治家だ」と述べ、2008年には台湾を訪問し、台湾問題にも理解が深いなど「いわゆる親台派に属していると言ってよいだろう」と指摘する。

日本の新首相・新政策/党内融和 野田は小沢派を起用 (自由時報/強調は引用者)

まあ、「親台なので中国が警戒している」というのはさておき、「台日の良好な関係に大きな変化は生じないだろう」という点では各紙一致していますね。そりゃそうか。30日の中国時報から抜粋すると、

台日関係の面では、野田は民主党の日台議員友好連盟の会員であり、日本台湾安保経済研究会の会員でもある。馮寄台・駐日代表は、野田はかつて中華民国主催の国慶パーティーや駐日代表着任パーティーに参加したこともあり、台湾と良好な関係を維持し続けていると話す。また、彼は民主党でもキャリアのある国家議員であり、かつ財政の専門家でもあるので、被災後の苦境から日本をきっと救い出す事ができるだろうと信じているし、今後の台日関係も正常に進展していくだろうと語っている。

決選投票で逆転 野田佳彦が民主党の代表選で勝利、新首相就任へ (中国時報)

と伝えています。これはこれでつまらないなあ、などと不謹慎なことを考えていたら、同じ中国時報の31日「国際瞭望」欄で厳しい内容のものがありましたので、最後にこれを訳。まあ、これはこれでツッコミ所はありますけれど。

民主党の代表選の前、フジテレビが行った世論調査では第1位の前原誠司の支持率が53.6%に達し、野田佳彦は哀れにもわずか5%だったが、党内選挙では野田佳彦が勝利を収めた。これはでたらめではないのか? 党内意見と民意との間にこのような乖離があれば、その党の有権者からの支持がどうなるかは聞くまでもない。しかし、これが日本式の政党選挙なのだ。

世界ではずっと、日本の首相が更迭されるスピードがジョークとなってきた。ほぼ毎年毎年交代し、政権の不安定さが政務の執行に影響を及ぼしていることは疑いようのない事実だ。日本の有権者たちもこのことを知っているが、どうすれば政権を多少なりとも安定させられるかを知らないでいる。
実際、野田が5%の民意の支持で党代表に就任でき、首相を務められることから見ても、日本の政党の仕組みの弊害がわかる。
民主党も自民党も構造は完全に同じで、派閥による共同統治だ。自民党の各派閥は互いの共存の術をいくらか知っているにすぎず、民主党はかえって食うか食われるかという状態に陥ってしまっている。

民主党内の派閥の多さ、生き馬の目を抜くようなさまは、今回の代表選の中でもわかる。最初の投票で鹿野道彦は52票を獲得し、馬淵澄夫はわずか25票だった。彼らは決して身の程知らずだったわけではない。「政治的な裏取引」なのだ。彼らは決選投票の際に、誰かを支持する代わりに政治的な利益を得ることを期待している。
野田はどうして代表選に勝つことができたのか? 菅グループと岡田グループが彼を支持したからだ。菅と岡田は、舌鋒鋭く言うことを聞かない前原誠司を支持していなかった。前原も野田も、実際のところは自信があったとは言えない。そこで投票前に、誰か決選投票に進めたら、その者を支持すると約束していた。野田が決選投票に進んだので、前原、馬淵、鹿野は彼の支持に流れたのだ。
では、なぜ誰も海江田万里を支持しなかったのか? 彼が小沢と鳩山の支持する人物であり、その他の者が入っていっても何のメリットも回ってこないからだ。劣勢な野田を支持してリターンを得た方がましであり、野田がその後の人事を割り振る際に、論功行賞をとくと見ると信じていたわけでもない。

このように派閥の利益で選びだされた国家のリーダーは、意のままに腕を振るえるだろうか? 地位は安泰だろうか? 有権者たちが嫌気をさした自民党の部分を民主党がそれを上回る形で弄するとは思いもよらなかった。

国際瞭望―日本の政党の意志と民意はなぜこんなにも落差が大きいのか (中国時報/強調は引用者)

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