このブログでは基本的にオフラインでの話はしないことにしていますが、今回のお話はモバマス(デレステ)の中のお話でもありながら、現実世界でのお話でもあるのです。と書くと、「ああ、やきうのお姉ちゃんの話か。PaP乙」みたいに勘違いされそうですが……ごめんなさい、その話です。
ガチャを回して希望の結果が得られるかどうかは、ひとえに確率論の世界ではあるのですが、「描けば出る」のように、引く側が他の要素を混ぜ込むこともまたよくある話です。中でも、図柄の背景に合わせたりだとか、名前にちなんだ場所で引いたりだとかが著名ですが、さて姫川さんの場合はどうなんでしょ。
北海道の姫川駅が廃止されてしまった今、仮に姫川さんで同じことをするのであれば(何が「仮に」だ)、大糸線の姫川駅になるのでしょうか。いやいや、ちょっと待ってください。お金を投じるにあたってはよくよく考える必要があります。おいらは堪え性の無い人間なので、天井まで回しても余るような石は貯まっていません。交通費をプラスしてまで回すというからには、利便性と確実性という担保が必要です。って、お前、上で確率論の世界って言ってたやんけ。
もう一つ気になっているのは、こういうこじつけ遊びの場合、鉄道の関係(駅とか列車名とか)が多いのだけれど、果たして本当にそれが正解なのでしょうか。日本国内には数多の地名があり、鉄道の通っていない場所にも「姫川」という地名があってもおかしくないはずです。そう、それは、鉄道会社以外を親会社とするプロ野球球団が増えてきたように(ろくろ手)。うん。正直に言うと、糸魚川って地味に遠いんだもん。現住所から1時間くらいで行けるところにあったらいいなあ。
ということで、Wikipediaの「姫川(曖昧さ回避)」とgoo郵便番号検索(全国の大字・町丁目をいっぺんに調べるなら、本家の日本郵政よりも楽なので)、それから角川日本地名大辞典の総索引にあたる別巻2で調べてみましょう。河川名および大字単位の地名にある「姫川」は、以下の6つに分類されるっぽい(語尾が不確かな点は別途)。なお、「黒姫川」や「乙姫川」みたいな河川名は除いています。「黒+姫川」じゃなくって「黒姫+川」だしね。黒い姫川さんは見てみたい気もするけれど。
- 北海道茅部郡森町姫川 (※ 函館本線の旧姫川駅もここ)
- 北海道爾志郡乙部町姫川 (※ 町内を流れる同名の河川も有)
- 長野県北安曇郡白馬村から新潟県糸魚川市にかけて流れる姫川 (※ 大糸線の姫川駅もこの下流域にある)
- 岐阜県多治見市から同県可児市にかけて流れる姫川
- 福井県越前市姫川
- 和歌山県東牟婁郡串本町姫川 (※ 町内を流れる同名の河川も有)
えっ。東京駅起点だと、半径200km以内に一つも無いし、結局は糸魚川が最速で到達できそう(東京駅から約2時間30分で姫川駅)なんですが。ちなみに、三大都市圏で見ると、名古屋から多治見の姫川までが1時間強なので、こちらは比較的行きやすいかしらん。
とはいえ、今さら机上調査でチキるというのもいかがなものかと思うし、姫川さんも「捕まえたいなら、全力で追いかけなきゃ! この身もろとも、飛び込む覚悟で!」と申していますので、来たるべき日に備えて、飛び込んでいって確かめたいと思いますまる。
で、結局何をするの? というのは予め明確にしておく必要がありますよね。30秒くらい考えて、決めました。
- 6地区を訪問して、「姫川」っぽい場所を探し、その場所でガシャを回す
- 基本的に公共交通機関のみを使い、レンタカーは使わない
- モバマスの「Sレア確率10%プレミアムガチャ(10連)」と、デレステの直近の「プラチナオーディションガシャ(10連)(ただし姫川さんの提供確率が高いガシャを除く)」を1回ずつ回す(出るまでにするとたいへんなことになる)
- アクセス、現地の状況、ガシャの結果を総合的に判断して、「フェス限に姫川さんが来た時に引く場所(天井含む)」を決める
というわけで、以下、さっそく第1回目は、いちばん到達難易度が低そうな、岐阜県多治見市・可児市と福井県越前市の2ヶ所でっす。
岐阜県多治見市・可児市(難易度:N)
2019年3月某日、早朝の多治見駅から太多線に乗ってスタートです。何気に太多線って初めて乗りました。この後の動きも見据えて、美濃太田まで乗り潰してから再度乗車し、途中の姫駅で下車します(地図の①)。駅前の広告付き案内地図には、水路との違いを強調するように「姫川」の文字がありました。先ほどの駅名標の写真にも土手が写り込んでいますね。
駅前のやや交通量の多い道を南に抜け、線路を越えて西側に渡ると、思っていたよりも幅の狭い小川がありました。これが姫川ですね、はじめまして。多少、親近感がわくかと思っていたのですが、1mmも感傷的になりませんでした。そのまま上流である南の方に少し歩いてみたものの、山に挟まれた田園地帯を緩やかに流れている姫川以外に、これといった目印がありません。やがて姫川は少し大きめの道路にぶつかり、南西の方向に上っていきましたが、このまま水源である多治見市西山町の方まで行っても、目新しい「姫川スポット」は無さそうです(地図の②)。
姫川の対岸をゆるゆると北へ下ると、安楽寺の横に休憩用のベンチがありました(地図の③)。なるほど、ウォーキングコースになっているのか。それにしても、「姫川」「ウォーキング」の間にあるハートマークはいったいなんぞ。「胸が、少しドキドキするくらいのはやさで歩きましょう」ってあるけど、姫川さんとハートマークなウォーキングをしたら、確かに心拍数も3倍くらいになりそうです。
ここで姫駅まで一度戻ってから、再び大通りを通って可児方面に北上します。相変わらず姫川さんっぽい場所がない。これは縁が無かったということかしらん。諦めて再び川沿いの道に戻ろうとしたところ、町工場の陰にカラオケ喫茶「めぐり逢い」なるお店を発見(地図の④)。
あ、良縁を引き寄せるのはここしかないんじゃないだろうか。姫川さん要素の欠片もないけれど、回してみます。
意外や意外、姫川さんこそ出なかったものの、モバマスではSRが3枚も、デレステも新規を入れてSR4枚という好結果。あれ、この企画、けっこう行けるんじゃないかしらん。
さらに北上して下切駅近くになると川幅もそこそこ広くなってきます。青木橋のたもとにウォーキングコースの案内があったので覗き込むと、えっ、濁点があったんですか(地図の⑤)。
その後、可児市内に入った姫川は、なおも田園地帯をゆっくりと流れていきます。久々利川に合流する手前の脇田橋(地図の⑥)から見た上流側はこんな感じ。
合流地点(地図の⑦)から見た風景がこちら。左の太多線の鉄橋が架かっているのが久々利川で、右が姫川です。お疲れさまでした。
さて、ここで謎に思えてくるのが、河川の名前や地名でも出てくる「姫」の由来です。角川日本地名大辞典によれば、慶長年間には姫村があったということなので、かなり由緒ある名前の様子。さては『麒麟がくる』あたりの頃の姫様かな、と思ってぐぐったら、もっと大昔だったっぽい。2018年6月19日の中日新聞に、下車した姫駅の由来という形で、
「姫」の地名は神話に由来する。大国主命が美濃を平定した後、孫娘の「比売命(ひめのみこと)」にこの地域を治めさせたという伝説だ。比売命は、近くの三宮神社(可児市下切)にまつられている。1928年の駅開業時、周辺は「姫治村」だったが、兵庫県の姫路駅との混同を避けて「姫」駅と名付けられたとも言われる。
<姫駅> 国鉄「ディスカバージャパン」ポスターに堂々登場 (中日新聞)
と紹介されています。また、多治見市立南姫小学校のWebサイトにも、2014年当時の地域学習の様子を伝えるページに、三宮神社の説明として、
「姫」の名前のルーツになった神社です。ここに祀られている比売命(ひめのみこと)が、「姫」のルーツと言われています。
6年生 地域学習「姫の歴史」 (多治見市立南姫小学校)
とあるので、どうやらこれが伝承みたい。ちなみに、南姫小学校は、地図の③の西北西にある「文」の場所にある学校で、三宮神社は地図の⑤の北北西にある「記念碑」の地図記号の場所にあります。
福井県越前市(難易度:R)
多治見市・可児市の姫川をめぐった後、米原回りで福井に入って一泊。福井鉄道で越前武生駅までゆるゆる移動し、2日目は越前市の姫川探しです。
越前武生駅を出て南東の方角へ。県道19号を歩いていると、「姫川町」バス停を発見(地図の①)。今の姫川一丁目と姫川二丁目は、このバス停の南側のあたりになりますが、旧「姫川町」の範囲はこれよりも広く、バス停の北側にある堀川町、南側の姫川一丁目・二丁目、南西の豊町と若竹町のそれぞれ一部または全部を含んでいました。とはいえ、今の姫川一丁目・二丁目ができたのが1978年と、比較的年月もたっているので、今回は今の姫川一丁目・二丁目を見ていきます。バス停の奥に、橋が見えたので、まずはそちらへ。名前から考えれば、これが姫川なのでしょう。
と、思ったら違うし。えっ。日野川? どういうこと? でも他に、川って流れてないよ(地図の②。帆山橋の北側にある人道橋)。
これについて、角川日本地名大辞典で姫川(町)の項目を見ると、さらっと「日野川の雅名による町名」書いてありました。なるほど、日野川=姫川ってことですね、チアフルボンバーズですね。
再び左岸に戻って町内を回ってみます。姫川二丁目の北半分は昔ながらの込み入った住宅街で、南半分と姫川一丁目は区画整理がなされて整っており、趣きがずいぶん違います。路地を歩いていると、「姫川ふれあい公園」を発見(地図の③)。そうですね、ふれあいたいですね。
さらに南に進むと、交差点の片隅にお堂がありました(地図の④)。「姫川地蔵堂」といい、地元の自治会が作った説明書きによれば、やはり日野川に関係するもののようです。日野川に堤防が築かれる前は幾度となく大洪水が発生しており、ある時、水が引いた後に上流から流されてきたお堂が見つかり、このお地蔵さまが入っていたとのこと。村人たちはこれも何かのご縁と、綺麗に清めて持ち帰り、この場所に堂宇を据えたというお話でした。これは、ガチャを回すには打ってつけではないかな、と一瞬考えたのですが、さすがにそれは罰が当たりそうなのでやめておきます。
さらに南に向かって姫川一丁目へ。綺麗な格子状の区画になっていて、住宅と農地が半々くらいの感じ。消防団か何かのポンプ倉庫の前には「姫川一丁目自警隊」の文字が掲げられていました(地図の⑤)。なにそれ強そう。また、越前市の循環バスのバス停もありましたが、こちらはなぜは「姫川町一丁目」という記載に(地図の⑥)。北陸本線側の通りに回って北へ戻ります。農家住宅だけではなく、アパートのような建物もちらほらあるので、例えばこんなのも(地図の⑦)。恐らくですが、住所に「姫川」を入れたいのなら、この越前市姫川がいちばん手に入れやすいと思いました。
いよいよネタがなくなってきたので、これはお地蔵様に手を合わせながら回すしかないかなと思っていたところ(手を合わせたら回せない)、公民館らしきものを発見(地図の⑧)。掛かっていた「姫川町生活改善センター」の看板を見て、さすがに次の画像を思い出さずにはいられません。ここか、ここが監督の寮ですか。
これは、改善結果を確かめる意味でも、回すしかありません。結果は、というと、ちょっと微妙です。モバマスはSR無し、デレステは新規1枚を含むSR2枚。むぅ、姫川さんはまだこの中で生活改善の真っただ中なのかしらん。
小括
今回の2か所での結果はこんな感じ。他の場所は、次回以降に。ちゃんと書き終えることができるのかなあ。
市町村 | 引いた場所 | モバマスSR (うち姫川さん) | デレステSSR(同) | デレステSR(同) |
岐阜県多治見市姫町四丁目 | めぐり逢い | 3 (0) | 0 (0) | 4 (0) |
福井県越前市姫川二丁目 | 姫川町生活改善センター | 0 (0) | 0 (0) | 2 (0) |
・追記その1(08/10 00:15):CIAの中の人の指摘を受けて修正。
・追記その2(08/11 01:45):導入部分を簡素に修正。
>CIAさん
確かにそのとおりですね。
いろいろ考えたのですが、そこを丁寧に書こうとするとどうしても長くなってしまうし、
おいらの文才では面白くできなかったので、ばっさりすることにしました。
これまでご迷惑おかけしました。
2個めのツイートは、1個めのツイートを踏まえた上で
2年後に当て推量で高森駅まで行ってることを書かないと面白くないと思うんですよ。
なんならこうやって解説させられてる時点でぶちこわしなので、
罰としてフェス限ユッキが出た際には糸魚川まで行くといいと思います。特急券禁止で。