水平線トワイライト。

このブログでは基本的にオフラインでの話はしないことにしていますが、今回のお話はモバマスデレステ)の中のお話でもありながら、現実世界でのお話でもあるのです。と書くと、「ああ、やきうのお姉ちゃんの話か。PaP乙」みたいに勘違いされそうですが、違うっての。おいらはCoPだっての。いやいや、そうじゃなくて。今回は、Cuの子にスポットライトを当てたいと思います。

おいらが好きなCuの子を一人挙げるとすれば、乙倉ちゃん今井ちゃん、そして今回の工藤ちゃんでしょうか。っていうか、一人じゃないのかよ。節操ないうえに自分でも共通項がよくわかりません。さりげなく上でリンクしていますが、「しのぶリタニカ百科事典」なる ニッチな 丁寧なサイトまである工藤ちゃんですが、端的に紹介するならこちらのサイトから引くのがよさそうです。

子供の頃にテレビやラジオで流れていたアイドルの歌声の可愛さ、華やかさに憧れを抱いてアイドルを目指す。両親や友人から反対され、両親との喧嘩後に家出同然での状態で青森県から上京し、現在の事務所に所属しアイドルデビューを果たす。

工藤忍 (工藤忍Wiki ~しのぶリタニカ百科事典~)

単身で都会に出てきて、持ち前の真面目さと努力で夢を叶えるだなんて、まさにシンデレラストーリーじゃないですか。恐らく一定の年齢層以上の心は鷲掴み間違いなしです。工藤ちゃんは真面目っ子かわいい。

それでいて意外に抜けているところもまたいいよね。工藤ちゃんはポンコツかわいい。

そんな工藤ちゃんが、モバマスで初めてSRとして登場したのは2013年4月のSR[ハッピーマジシャン]。翌年8月にはSR[私だけのステージ]で二度目のSR化。この「私だけのステージ」は、2017年9月にデレステにも登場します。両親が住む故郷に少しだけ錦を飾りつつ、「昔からお気に入りの場所」を紹介してくれる姿は、本当にいい子だなあと思います。ここから着想を得て描かれた『その胸いっぱいの愛で』は、読めば涙で十三湖が溢れること間違いなしです。

ね、いいところでしょ。これがアタシの育った景色だよ。本当に大好きで、本当に大切な場所だから、いつか[P名]さんにも見てほしいと思ってたんだ。なんてことない海だけどねっ!

[私だけのステージ]工藤忍 (モバマス) (工藤忍Wiki ~しのぶリタニカ百科事典~)


どうかな、[P名]さん。アタシの故郷。華やかなものはないけど…人はあったかいし、景色も綺麗でしょ? ずっと、見てもらいたかったんだ!

[私だけのステージ]工藤忍 (デレステ) (工藤忍Wiki ~しのぶリタニカ百科事典~)

あ。やばい。すごく見たい。見せて見せて。

だいたい、おいらはこういう「秘密の景色」みたいなのにすごく弱くて、津軽海峡の対岸のバンドが「生まれた街のあの白さを、あなたにも見せたい」と歌ったのを聴いてコロッといってしまい、後年、資格試験の受験にかこつけて冬の函館まで行ったことがあります。残念ながら、「いつか二人で行きたいね」の部分はガン無視して一人旅だったんだんですけどね。

さて、問題はこの背景がどの辺か、というところです。もともと、「工藤姓だから津軽だろうなあ」とは思っていたのですが、「ハッピーマジシャン」で実家からリンゴが送られてきたのを見て、「やっぱり津軽か」とぼんやり思っていたところです。

ただし、この「工藤=津軽」という発想はどうやら誤りらしく、こちらの本によれば、「工藤=津軽」というイメージはあるものの、現実にはいわゆる南部地方にも多くいらっしゃるそうです。

石を投げれば、工藤に当たる。――これは、津軽に工藤さんが如何に多いか、というユーモア的表現であるらしい。

楠美鉄二『工藤物語』,東奥日報社,1981,pp154-155

さて、デレステで横長の画像が登場すると、たちまちこの場所に関する考察がなされ始めました。いちばん詳しいのは、おそらく神子田正治P(@hashiba_bigfour)のこの辺かと。この考察も含め、かなり細かい点に着目したり丁寧に分析していたり、恐れ入ります。モーメントは長いのでたたんじゃいました。「その他のモーメントを表示」を参照くだしあ。



これについては、おいらもデレステ登場後にちょっと考えていて、



と迷走していたり。それでも、神子田正治Pには申し訳ないけれど、おいらは小泊下前説を採ります。

「私だけのステージ」の背景で嫌らしいのは、地形を見ると「夕日の方向に向かっていく海岸線」があって、人工物でいくと「低めの防波堤」と「道路照明」、何より「やけに存在感のある灯台」があるという点。これはあくまでおいらの経験則なのですが(何のだ)、こういう背景を描く人って、「その場所ずばり」を描く場合は別として、自然の地形は比較的間引く傾向に、人工物は付け加えることが多いように思うのです。そして、モバマスにしてもデレステにしても、台詞で海や夕焼けの話はしていても、「目立ちすぎる灯台」には触れていません。ということは、強引に前向きに解釈すると、やはりあの絵の中で地形と太陽の位置関係に誇張はないけれど、灯台はちょっと怪しいぞ、と。ということで、背景の地形と海沿いの道の形状から、やっぱり下前漁港のあたりかなあ。と。

そうと決まれば、あとは実際に現地を見てみるのみです。というわけでまずは下見。行ったのは2018年3月です。なんで3月なのかって言ったら、下前の漁港のあたりから見て、権現崎に夕日がちょうど落ちるのがこの時期だからです。きょうび、各地の日の出日の入りの時刻や方角を調べるサイトなんていうのもあるから、大変助かります。うんうん。読んでいる人の半分くらいがドン引きする音が聴こえた気がする。それでもなんでも、こういう無駄なところこそこだわりたいよね。ね。

本当は工藤ちゃんの上京の逆ルートに合わせて公共交通機関で行きたかったのですが、ついでに行きたい場所もあるので、切符の確保とレンタカーを予約。日本海沿いだけあって、3月も終わりになるとほとんど雪もないのですが、海風が強い。ましてや17時台だし超寒い。気象庁のデータで確認したところ、この時間帯、小泊より少し南の市浦では気温1度台でした(翌日は6度くらいまで上がったみたい)。さすがに位置関係を合わせたとしても、工藤ちゃんのあの格好は無いですね。なので下見なのです。しょぼいカメラと残念テクに、間に合わせ仕事感満載の張り合わせを重ねた画像はこちら。むむむ。けっこう近くないですか(強引)。ほら、貼り付けてる部分あたりの左右をぶった切って詰めたら、いい感じになりませんか(超強引)。

時は下って9月の敬老の日の3連休です。下見の時点で割とイメージに近い画像が押さえられていたし、天気も上々だったので、完全に調子こいていたおいらは、レンタカーで龍泊ラインを南下しながら、とあることに気がつきました。「あ。先週実装されたARスタジオ機能を使えば、まんま『私だけのステージ』が作れるじゃん」と。しかしながらここで問題がいくつか。まず、おいらのスマホはオートモードに非対応。仮にマーカーを用意するにしても、こんな奥津軽でどうすりゃいいの。思えば、デレステのSRが公開されたのは9月の2週なので、その時点で調べていたら1年早く来ることだってできたはず。今回のARスタジオ機能も、うってつけの時期にお披露目されたんだから、ちょっと頭を働かせればいくらでも使えたのにね。はあっ。気を取り直して、9月の(ほぼ)同じ場所を撮ってきました。陽が落ちる頃でも気温は20度ちょい。これなら工藤ちゃんの格好でも寒くはないでしょう。型落ちのカメラとイマイチなテクに、やっつけ具合が随所に見える画像はこちら。なるほど、まるで成長していない。ちなみに、デレステの画像で右側に登場する街灯ですが、この画像の右手前にちゃんと立っています。なので、イメージとしては、街灯から水平線までほぼ180度の範囲をぎゅぎゅっと詰めると、デレステの画像に近くなるような感じです(ますます強引)。

ところで、この場所へ行く方法ですが、公共交通機関を使う場合は五所川原駅から小泊に向かう弘南バスしかありません。工藤ちゃんの上京は、きっとこの逆ルートだったんじゃないかな。小泊に行く系統はいくつかありますが、全て下前の集落を経由するのであまり心配しなくていいと思います。バスは津軽中里駅前も経由するものもあるので、ついでに津軽鉄道に乗るのもいいんじゃないでしょうか。なお、下前ではなくその次の立松というバス停で降りると、降りたら5秒であの写真の場所です。むしろ心配なのは、撮ったあとどうするか、という点ですね。9月に撮った時は、日の入りが17時45分頃なのでだいたい17時半前後から適当にシャッターを切っていました。その撮り始めの頃(たしか17時29分)に、五所川原行きの最終バスが立松のバス停を通過していったんですね。もしかすると、工藤ちゃんが上京する時も、サヨナラバスから見えたのはこの夕陽と故郷の家々だったのかもしれません。なので、おそらく今週くらい(日の入りは17時半頃になるけれど、もっと海側に日が沈む)じゃないと、撮ってからバスに飛び乗るというのは難しいと思います。つまり、車窓から遠ざかっていく故郷に思いをはせながらライオン海道をバスで行く、という追体験を希望するなら、前もって時間管理しないといけないし、現地で余裕をもって臨みたいという人は、やはりレンタカーがいいんじゃないかな。

というわけで、1枚の画像に魅せられて、100点の答えは導き出せなかったけれど、そこそこ及第点近くまでは追いかけられたんじゃないでしょうか。割と円満に幕を下ろすつもりでここまで書いてきたのですが、ここからひっくり返すというのもまたおいらの芸風です。さっきも上で取り上げた「ハッピーマジシャン」で、こんなセリフがありました。

リンゴ、美味しい?ふふ…アタシの地元のだから、当然でしょ

[ハッピーマジシャン]工藤忍 (デレステ) (工藤忍Wiki ~しのぶリタニカ百科事典~)

だいたいですね、リンゴの名産地って弘前市あたりの中南津軽とか、長野県とか、海から離れた平らな土地って印象があるじゃないですか。何度か小泊を含む北五津軽のあたりを見てきたけれど、リンゴ畑を見た記憶がありません。確認のため、農林水産省が毎年行っている作物統計調査から、耕地面積の内訳を見てみましょう。小泊村は平成16年に内陸の中里町と飛び地合併しているので、e-statにある平成15年までの数字を見ます。樹園地、つまりリンゴを含む果樹を栽培している畑は、平成5年以降ずっと「-」です。ということは、小泊でリンゴは採れません。あっれー。

ほ、ほら。SRが実装されたのは中里町と合併した後だから、「地元」=「今の中泊町」って解釈すれば成り立つじゃないですか。というか、広い意味で言えば工藤ちゃんは青森県全体を背負っているわけだから、青森のリンゴは、みんな工藤ちゃんの地元のリンゴなんですよ(さらに強引)。下手に事前に「地元のリンゴ」が出てきてしまっているがゆえに、「及第点近く」などと、おいらは小泊下前説をそこまで自信もって押せないのです。「シナリオ担当の人、そこまで考えてないと思うよ」なのかなあ。決め手を欠いた上に不整合まで出てくるなど、どうにも頼りない終わり方ですが、1年前のおいらがいいことを言っていたので、それで強引にまとめることにしましょ。

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